これは、二十九話〜三十一話に展示されているコドモノヒのIF設定の話です。

もしもあの薬の入ったお茶を良介ではなく、ギンガが飲んだらと言う設定です。

IFですので、コドモノヒと若干設定が異なる点があります。

 

 

では、どうぞ・・・・。

 

 

IF コドモノヒ 奥さまは幼女

 

 

朝の宮本家にトントントンという包丁を扱う音が台所から聴こえる。

台所に立っているのは宮本家のメイドであるアリサ・ローウェルと宮本家の若奥様ギンガなのだが、アリサは今、隣に立つギンガをハラハラしながら見ている。

ギンガはクイントがこの世を去ってから暫くしてナカジマ家の台所を預かる身となったので、別段料理が不味いという訳ではない。

アリサが何故、ギンガをハラハラしながら見ているのかと言うと、今のギンガの容姿に問題があった。

「んしょ・・・・んしょ・・・・」

ギンガは今、踏み台の上に乗り、手に合わないサイズの包丁で料理をしており、時折指を切りそうになっていたからだ。

今までの作業の中で指を切らなかった事は奇跡に近い。

「ぎ、ギンガ、あとは私がやるから、ギンガは良介を起こしに行って」

「えっ、でも・・・・」

アリサの緊張度が限界に達したのか、アリサはギンガに料理を作らせることを止めた。

そして、まだ眠っている良介を起こしてくるように頼む。

「手に合わない包丁じゃ危なっかしいし、時間がかかり過ぎなのよ。ここは私に任せて、良介の方をお願い。ねっ?」

「わ、分かりました・・・・」

アリサに良介の事を任されたギンガは渋々といった様子で踏み台から降り、良介が眠る寝室へと向かった。

 

アリサが朝食の準備をしている頃、寝室に居る良介は未だに夢現の中にいたのだが、

そこへ、

「りょ〜うぅ〜すぅ〜けぇ〜さぁ〜ん〜!!」

 

ぴょん

 

ドスッ

 

「ゴフッ!!」

突如、体を襲った重みとその衝撃による痛みによって良介は目を覚ました。

「ゴホっ、ゴホっ、な、なんだ?」

息を整えながら一体何があったのかと、良介が起き上がると、

「えへへへ、おはようございます。良介さん♪〜」

良介の体の上には満面の笑みを浮かべたギンガが跨っていた。

ギンガは寝ている良介の体におもいっきりダイブして良介を起こしたのだ。

アリサに朝食を作る作業を中断され、良介を起こす様に言われた時は、渋々と言った様子のギンガであったが、こうして、今しか出来ない起こし方にご満悦の様だ。

一方、ギンガのダイブで起こされた良介は一瞬、ギンガを見て表情に落胆の色を出すが、すぐに呆れ顔になり、

「ギンガ、お前なぁ、そうやって毎回俺にダイブして起こすのは『止めろ』って言っただろうが!!」

「えぇ〜だって、この起こし方は今の状態じゃないと出来ませんよぉ〜」

ギンガは「せっかく特別な方法で起こしてあげたのにぃ〜」と言いたげな表情である。

良介の眼前にいるのは間違いなく宮本家の若奥様、宮本 ギンガである。

しかし、今のギンガの大きさは良介が初めてギンガと出会った時と同じ大きさ・・・・。

八〜九歳児の大きさだった・・・・。

何故、ギンガがこのような大きさになってしまったのかと言うと、話は少し過去に遡る。

 

 

ある日、良介の下に、はやてから一本の電話が来た。

「なぁ、良介、今度の休みの日に家でお茶会を開こうと思うとるんやけど、良介達も来てぇな」

「お茶会?」

「せや、海鳴におった頃はよくすずかちゃんの家でよくやったやろう?」

「まぁ〜いいけど、なんでまた突然?」

「皆この所、仕事続きで大変かと思ってな、たまには皆でのんびりと骨休みでもと思うて声をかけているんよ。だから良介もギンガ達を連れて来てぇなぁ」

「分かった。それじゃあ、その日は開けとくようにする。アリサやギンガにも俺から伝えておくよ」

「ほんなら、まっとるで」

はやてからのお茶会の誘いに良介は家族皆で参加することにし、アリサとギンガにもその事を伝えた。

「随分唐突ね、突然お茶会を開くなんて・・・・」

アリサは、はやてからのお茶会の招待に何か有るのではないかと思い、良介にその真意を尋ねる。

「はやてが言うには、たまには皆でのんびりと骨休みしようじゃないかと言う事らしい」

「まぁ、はやてらしいと言えば、はやてらしいけど・・・・」

「せっかくのお招きですし、桜花の散歩がてらお邪魔しましょう」

アリサは最後まで何か有るのではないかと思っていたが、良介とギンガが参加する気だったので、止めることも無く、それ以上何も言わなかった。

しかし、アリサの思惑は当たっていた。

良介にお茶会の誘いの電話を切った後、はやては笑いを我慢することが出来ず、受話器を置いた途端、不気味に笑いだした。

「くっくっくっくっ・・・・ははははははは・・・・まずは第一段階成功や・・・・・。後はお茶会の当日、この薬を入れたお茶を良介に飲ませれば、あのおっぱいを・・・・・くっくっくっくっ・・・・ははははははは・・・・」

笑い出したはやての手の中には怪しい色をした薬が入った小瓶が握られていた・・・・。

 

 

そしてお茶会当日。

ミッドの八神家の庭には沢山のテーブルとイスが並べられており、テーブルの上には様々な種類のお茶やコーヒー、カップにソーサー、マドラー、ミルクに砂糖、ガムシロップ、ケーキやシュークリーム、クッキーといったスイーツ系のお菓子やピザにパスタ、サンドイッチ等の軽食が所狭しと並べられていた。

お茶会に参加したのは旧六課の主要メンバー達で、皆それぞれ好みに合ったお茶やコーヒーを飲み、お菓子や軽食をつまみながら、世間話に花を咲かせていた。

そんな中、はやては周囲を警戒しながら一つのカップに注がれたお茶に例の怪しい薬を混ぜた。

この薬は先の事件で逮捕したある犯罪者が作ったとされる薬をシャマルに頼んで複製してもらったものだった。

作った犯罪者本人は猛毒だと思い製作したのだが、その薬を浴びてしまった良介は死なずに、なんと、女の姿になってしまった。

女姿になった良介は、ヴィータが恨み殺そうとするぐらいの立派な胸の女になり、おっぱいソムリエのはやてとしては是が非でもその感触を味わいたかったのだが、海鳴からの付き合いではやての事をよく知る良介は、はやてを物凄く警戒し、その上、フェイトまでもが自分の邪魔までしてきて、結局はやては女姿の良介のおっぱいを味わうことなく、良介は元の男姿に戻ってしまった。

それを残念がったはやてはもう一度良介を女にし、今度こそあの極上のおっぱいをこの手にし、味わおうと計画をたてたのだ。

それが今回お茶会を開いた本当の理由だった。

良介だけをお茶に誘っても怪しまれると思ったはやては、大勢の人たちを呼べば良介の警戒心を少しでも和らげられると思ったのだ。

事実、はやての計画は上手くいき、薬は複製できたし、良介は何の疑いもなくお茶会に参加した。

後はこの怪しい薬入りのお茶を良介に飲ませて、女にするだけだった・・・・。

 

そして、はやての計画は実行に移された・・・・。

「なぁ、良介」

はやては軽食のサンドイッチを食べていた良介に声をかけた。

「ん?なんだ?」

「良介、これミッドでも珍しいお茶なんよ。少しだけ手に入ったんで、せっかくやから、飲んでみて」

はやてから手渡された一つのティーカップ。

良介は始め、はやてから差し出されたそのお茶を怪しく思い、出されたお茶を凝視する。

ティーカップの中には普通の紅茶と何ら変わらない、紅茶色の液体が入っており、暖かそうな湯気を出している。

良介はカップを受け取り、まずはカップの中のお茶の匂いを嗅いでみる。

しかし、出されたお茶は別に変な匂いはせず、色と同様に普通の紅茶の匂いと何ら変わらない。

良介が味を確認しようとカップに口をつけようとしたその時、良介の耳に聴き慣れたぐずり声が聞こえた。

そう、良介とギンガの娘、桜花が突然ぐずりだしてしまったのだ。

愛娘が突然ぐずりだしてしまい、

その結果、

良介の新スキル「親バカ」が発動。

「桜花、どうしたんだい?そんなに泣いていると、折角の天使のお顔が台無しだよぉ〜」

お茶を飲もうとした良介はお茶には口を着けず、手に持っていたカップをソーサーの上に置き、そのカップの乗ったソーサーを近くのテーブルに置くと、良介は一目散に桜花の乗るベビーカーへと行き、桜花を抱き上げる。

桜花をあやしている良介の顔は完全に緩みきっており、其処には普段の凛々しい剣士としての欠片は微塵もない。

そんな良介の姿をはやてを除く皆は苦笑しながら見ている。

「先輩の親バカっぷりもここまでくれば重症ね・・・・」

ティアナが苦笑しつつ少し呆れるかのように呟く。

「でも、あんな宮本さんもいいと思うよ。それだけ桜花ちゃんを大切に思い、可愛がっているんだから」

ティアナの隣にいたスバルは良介に抱きあげられている桜花(姪)を羨ましそうに見ながら言う。

はやてはと言うと、後もう一歩だったのにと表情には出さないが、悔しがっていた。

やがて、良介に抱きあげられた桜花は機嫌をなおし、キャッキャッと可愛らしい笑みを浮かべた。

良介が機嫌をなおした桜花をベビーカーへと戻すと、

「パパ!!ヴィヴィオも抱っこ!!」

と、今度はヴィヴィオが良介に抱っこを要求してきた。

「しょうがねぇなぁ〜・・ホラ」

良介は今度、ヴィヴィオを抱き上げた。

「わぁ〜高い!高い!」

良介に抱きあげられたヴィヴィオはご満悦の様子。

「宮本さん、次はあたし!!」

と、抱き上げられ、楽しそうにしていた桜花とヴィヴィオを見ていたスバルは、今度は「自分も」と、良介に抱っこを強請るが、

「いや、流石に無理だって」

ヴィヴィオと違い、スバルの頼みを速攻で断る良介。

「えぇ〜!!どうしてですか?」

断られた事でスバルは不満そうな表情を浮かべる。

「だって、お前、重いもん」

良介がスバルを抱き上げない理由を話すと、

「宮本さん酷い!!女の子に体重の事はタブーですよ!!」

と、ムキーッと言った感じで声を上げるスバル。

「いや、事実だし」

熱くなっているスバルに反し、良介は至って冷静な様子。

「そんなこと言わないでやってくださいよぉ〜!!」

そう言ってスバルは諦めがつかなかったのか、良介の背中に向かってダイブする。

「だぁー!!コラ!!無理やり抱きつくな!!」

背中に抱きつかれたスバルをなんとか引き?そうとする良介。

しかし、スバルの方も少し力を強めて抱き付いているのか、なかなか良介の背中から離れない。

「まったく、スバルはいつまでたっても甘えん坊ね・・・・」

ギンガは二人のやりとりを見て苦笑しながらテーブルの上にある自分のお茶に手を伸ばし、カップに口をつけ、中に注がれているお茶を飲んだ。

ただ、その時ギンガは良介とスバルの方に視線を向けていたため、テーブルの上をよく確認して居なかった・・・・。

 

楽しい時間はあっと言う間に終わり、日も傾き始め、そろそろ解散の時間となった。

帰り際まではやては良介の様子をチラチラと覗っていたが、結局良介が女性化することはなかった。

不審に思いはやては良介に話しかけた。

「なぁ良介」

「ん?」

「あのお茶の味、どないやった?」

とりあえずはやてはお茶の味を聞くと言う自然な感じで良介があのお茶を飲んだか聞くことにした。

「あのお茶?」

「ホラ、珍しいお茶が手に入ったって言ったやろう?」

「あぁ〜あのお茶か・・・・そう言えばあのお茶、どこいったんだろう?」

「えっ?」

良介の言葉にはやては固まった。

「いや、あのお茶、飲もうとしたら桜花がぐずっちゃっただろう?だから適当にそこら辺のテーブルに置いたんだけど、その後、ヴィヴィオやスバルが絡んで来て、どのテーブルに置いたかまったく覚えていないんだよなぁ・・・・」

ハハハ・・・・と、笑みを浮かべる良介。

「・・・・・・」

反対にはやては、良介の言葉を聞いて完全にフリーズしている。

「あっ、あのお茶そう言えば、ミッドでも珍しかったんだよな?すまんな、折角淹れてくれたのに・・・・」

良介ははやてにミッドでも珍しいと言われるお茶を淹れてくれたにも関わらず、飲めなかった事を謝った。

しかし、良介の言葉を聞いているのか?聞いていないのか?さっきから何のリアクションも起こさないはやて。

「良介!!もう、帰るわよ!!」

門の近くでアリサが良介を呼んでいる。

「ああ・・・・それじゃあな、はやて。今日は呼んでくれてありがとな」

良介ははやてに礼を言って帰って行った。

「ど・・・・・どないしよう・・・・・」

帰って行く宮本家の皆を見送りながらはやてが言えたのはこの一言だけだった。

 

 

はやての隠された思惑など知る由も無く、無事家に戻った宮本一家。しかし、その数時間後にはやての今回のお茶会の思惑を知る事になる。

自宅に戻ったギンガは腕に抱いていた桜花をベビーベッドに戻した。

その時、良介はギンガの体に不自然さを感じた。

ギンガが来ている服が妙にダボダボでサイズが合っていなかったのだ。

しかし、お茶会に出かける前はちゃんと体に合ったサイズだった筈なのに・・・・。

「なぁ、ギンガ」

「はい?」

「いや、俺の見間違いだと思うのだが・・・・ギンガ・・なんか背が縮でいないか?」

良介は自分が抱いた疑問をギンガにぶつけてみた。

「えっ?そんなことありませんよ」

「でも、服のサイズが合っていないようだぞ・・・・」

ギンガが良介の指摘を受け、自分の来ている服を見ると確かにダボダボになっていた。

「あれ?」

ギンガ自身もいつの間にか服がダボダボになっているのに気が付いたその時、

 

ドックン

 

ギンガの心臓が波を打つように激しく鼓動した。

「うっ・・・・」

ギンガは突然胸を押さえ床に倒れた。

「ギンガ!!どうした!?」

良介はあわててギンガに駆け寄った。

(体が・・・・熱い・・・・体が・・燃えている・・みたい・・・・私、このまま死んじゃうの・・かな・・?)

「うっ・・・・・あ・・ああああ!!」

ギンガは悲鳴をあげうずくまる。

ようやく体を焼くような熱さが治まると、良介が信じられないモノを見ているかのように大きく目を見開いてギンガを見ていた。

「りょ、良介さん・・・・?」

「・・・・ギンガ・・・・お前・・・・・」

「えっ?」

ギンガが自分の体を見てみると、服はさっきよりもダボダボで自分の手は小さく、見慣れた宮本家の風景はなんだかいつもより大きく見えた。

「・・・・私・・・・・」

「どうしたの!?今、ギンガの悲鳴みたいな声が・・・・なっ!!」

ギンガの悲鳴を聞き、アリサが来ると、そこには唖然としている良介と子供の姿になったギンガがいた。

 

 

「な、なんでこんなことに・・・・」

「ギンガ、何か思い当たる事は無い?」

ダボダボの服のままのギンガは良介とアリサと向き合う形で座り、子供化した事をギンガに尋ねる。

ちなみに服はダボダボの上着を着ている状態。

「う〜ん・・・・」

ギンガは顎に手をやり、考える。

今日一日の行動で大きさを変える様なロストギア等に触った記憶は当然ない。

戦闘機人とはいえ、子供化するIS能力なんてない。というか、ギンガのIS能力は変身系のモノではない。

それにあの変身能力を有していたドゥーエでさえ、顔の容姿は変えられても体の大きさを変える事は出来なかった。

となると、変な物か薬を食べたか飲んだかのどちらかだった。

しかし、ギンガと同じモノを食べた良介には何の変化も無く、ギンガのみ・・・・戦闘機人だけに影響がある食べ物や飲み物があるなんて聞いた事も無い。

「変なものを食べたとか、変なものを飲んだとかは?」

「変なもの?・・・えっとぉ〜」

ギンガは今日これまで口にした食べものや飲み物を考えていく。

ギンガが考えている時、良介も同じく考えていた。

そして・・・・

「良介、これミッドでも珍しいお茶なんよ。少しだけ手に入ったんで、飲んでみて」)

(「あのお茶の味、どないやった?」)

と、八神家で開かれたお茶会ではやてに薦められたあのお茶が怪しいと思った。

今日、ギンガが口にしたものの中で朝と昼は良介もアリサも口にしている。違うとすればはやての家で開かれたお茶会に出た料理と飲み物ぐらいだった。

「ハッ!? まさか、はやての奴!!」

良介はギンガを連れて、大急ぎで八神家へと向かった。

 

「はやて!!」

「ん?どないしたん?良介?」

突然の良介の訪問にはやてはいつもと変わらない様子で良介を招き入れる。

しかし、良介の発した次の言葉ではやての様子は変わった。

「『どないしたん?』じゃねぇ!!はやて!!お前、今日のお茶会で出したお茶か食事に何か変なモノいれなかったか!?」

良介のこの言葉を聞いてはやてはビクッと体を震わせ、咄嗟に良介から視線を逸らした。

しかも冷や汗を大量に流している。

その挙動不審な態度から見て、はやては何かを知っているのは明白だった。

「はやて、お前・・一体俺に何を隠している?」

「な、何も・・・・何も隠してへんよぉ〜」

はやては首を動かし、良介から視線を逸らす。

「ならば、はやて・・どうして俺から視線を逸らす・・・・?」

挙動不審な態度+自分から視線を逸らしたはやての行動で100%、はやては何かを知っていると確信した良介。

「そんなん、良介にそんな熱い視線を向けられたら照れるにきまっとるからやろう」

既に自らの行動で、「自分は隠し事をしています」と暴露しているにも関わらず、往生際の悪いはやて。

「・・・・はやて・・・・今の内に話した方が身のためだぞ・・・・」

良介はイイ笑顔を浮かべてはやてに迫った。

そして、はやての顔を掴み、アイアン・クローをいつでもかけられる状態に入る。

背後には漫画・アニメで使うようなゴゴゴゴ・・・・と滲み出ている覇気が感じられた。

「ひぇ〜」

 

 

「それで、詳しく話を聞こうか?」

良介の覇気に負けてはやては全てを語った。

はやての話を聞くと、はやては女になった良介のおっぱいをどうしても触りたくて、シャマルに頼んで、先日捕まえた犯罪者が作った薬と同じモノを作ってもらったらしい。

しかし、その薬を入れたお茶を良介ではなく、どうやらギンガが自分のお茶と間違って飲んでしまったらしい。

「はやて・・・・シャマル・・・・・」

「ど、どないしたん!?」

「りょ、良介さんそんな怖い顔をしないでください」

「やかましい!!お前達のせいでギンガがこうなっちまったんだぞ!!」

ようやくここで良介は子供化したギンガがはやて達の前に現れた。

「うわぁ!!ギンガ可愛い!!」

はやては子供化したギンガに黄色い声をあげる。

しかし、ギンガは少し不機嫌な様子。

「はやてさん!!シャマルさん!!酷いです!!早く元に戻してください!!」

「だいたいなんで、性別が入れ替わるんじゃなくて、子供化するんだよ!?」

「それは多分・・・・」

シャマル曰く、良介の時と違い薬を浴びるではなく、飲んだことから性別が入れ替わるのではなく、子供化したのではないかということだ。

もしくわ、ギンガが普通の人間ではなく、戦闘機人という特殊な人間なので、性別が入れ替わるのではなく、子供化したのではないかと言う。

「ギンガ、残念やけど、あの薬、解毒剤とかないんよ」

「そ、そんなぁ〜」

「まぁ、良介の時も時間が経てば元にもどった訳だし、そんなに深刻になることはないんちゃうか?」

あくまで他人事なので、その姿勢を貫くはやてに、良介とギンガは口を三日月型にして、イイ笑みを浮かべると、

「「はやて(さん)」」

「な、なんや?良介?ギンガ?」

「「少し、OHANASHIしようか?(しましょうか?)」」

と、魔王(なのは)式OHANASHIをはやてに行い、八神家にはやての悲鳴が木霊したのは言うまでもなかった。

その後、はやてが子供時代着ていた服をはやては大事に持っていたので、その服を何着か借りて良介達は帰路についた。

 

 

「まったく、あいつらと来たら!!」

ギンガ以上に良介は不機嫌だった。

その理由として、

はやての態度も態度であったが、はやての邪な動機で一歩間違えれば自分がまた女性化、もしくは子供化していたかもしれない事実とその犠牲にギンガなってしまったことだった。

宮本家に帰ると、良介はアリサに事の次第を説明し、ギンガの入浴を手伝うように言った。

それを聞いたギンガは、

「私は一人でも入れます!!」

と、あくまで子供扱いはするなというギンガに対し、良介は、

「念のための処置だ。 風呂場で倒れられたり、何かあったら大変だからな。 それにそう言う役は、男の俺より同じ性別のアリサの方がいいだろう?」

「うぅ〜・・・・わ、分かりました・・・・」

(本当は良介さんでも良いんだけどな・・・・)

良介は急に子供化してしまったギンガの身を案じ、アリサと共に風呂に入るように言った。

ギンガ本人としては一緒にお風呂に入るのは、別に良介でも問題は無かったのだが、それを言っても良介が承諾するとは思えないため、渋々ながらもギンガはアリサと共に風呂に入った。

 

 

風呂から出たギンガはいつもより早く寝てしまった。

お子様体型故か、体が夜遅くまで起きている事が出来なかった様だ。

眠るギンガを見て、良介は不安を隠せなかった。

そして、

(皮肉なものだ・・・・よりにもよってあの頃の姿になっちまうとはな・・・・)

小さくなったギンガを見て、そう思った良介の後姿には哀愁さがあった。

 

 

時系列を戻し、ギンガを自分の体の上から退かし、ベッドから起きた良介は、ギンガと共に一階のリビングに行くと、既にアリサが朝食の支度を済ませており、テーブルの上には料理が並べられている。

皆が席に着き、朝食を食べ始めるが、良介は自分の朝食を食べる前に、桜花に哺乳瓶でミルクを飲ませている。

今のギンガでは母乳は当然出ないので、桜花にはすまないが、ギンガが元に戻るまでは哺乳瓶に入れた粉ミルクで我慢してもらう事となった。

哺乳瓶で桜花にミルクを飲ませている良介の姿をギンガは羨ましそうな目で見ていた。

ギンガ本人としては、母乳は出なくとも、桜花の食事は自分がやりたかったのだが、良介から、「今のお前の体じゃやりにくいだろう」と言われ、アリサも万が一の事を考え良介の意見に賛成し、当分桜花の食事はアリサか良介がやることになった。

 

朝食が終盤に差し掛かると、アリサが、

「良介、今日は特に依頼は入っていないわよね?」

と、アリサが良介の今日の予定を聞いてきた。

「ああ。今日は特に予定は無いぞ」

「それじゃあ今日は皆で出かけましょう」

「「えっ?」」

アリサのお出かけ発言に「何故?」といった表情をする良介とギンガ。

「ギンガがいつ元の体型に戻るか分からない以上、色々生活に必要な物もあるでしょう?」

「そうか、それもそうだな」

「えっ!?ちょっと待って下さい!!」

「ん?どうしたギンガ?」

「別にそんな良いですよ!!どうせ元に戻るのですから、買った所で無駄になりますって!!」

と、ギンガは反対の様子。

しかし、

「ギンガが元に戻ったら、今日、買ってきた品物はいずれ桜花が大きくなった時に使えば良いじゃない」

「そ、それは・・・・そうですけど・・・・」

アリサの言葉にギンガはそれ以上反論できず、こうして宮本家の今日の予定は今のギンガに必要な物を買うための買い出しに決まった。

 

 

人物設定

ちびギン姉 推定年齢八〜九歳

シャマルが作った変な薬を間違って飲んでしまい、子供化してしまったギンガ。

容姿や身長の大きさはリリカルなのはstrikers 本編の18話、23話の過去回想シーンに登場した子供時代(八歳くらいの頃)のギンガ。

 

 

あとがき

コドモノヒにおけるありえたかもしれない、話を今回書いてみました。

本編とは違い、Ifなので、姿形は幼児化してもギンガは記憶も幼児化していません。

幼児化してしまったギンガさんの変わった日常はもう少し続きます。

 




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