六十七話 サイレンノナルヒ 夜実島

 

 

良介は引き続き、図書館にて世界各地で起こった失踪事件と夜実島の事について調べ続けていた。

 

アイリーン・モア灯台事件 (1900年)

スコットランド西方には、ヘブリディーズ諸島と呼ばれる大小500以上の島から成る地域がある。

アイリーン・モアは、ヘブリディーズ諸島最北に位置するルイス島の、西方およそ6.5kmの海上に存在する島であり、二世紀前に、スコットランドはキラルーの司教が隠遁するために建てた僧院が廃墟となって残っているほかは、長らく信仰の対象となるばかりで決して誰も移り住もうなどとは思わない、海鳥だけが支配する、隔絶した土地として知られていた。

しかし幾世紀の時を経た189912月、この不毛の地に漸く人の手が入った。

僧院の上に灯台が建造されたのである。

アメリカ大陸とスカンジナヴィア半島を結ぶ航路を進む船乗りにとって、ヘブリティーズ諸島を確認することは重要な意味を持つ。この付近の海は難所として知られているのだ。アイリーン・モアの灯台は、彼らを導く貴重な光となってくれる筈である。

灯台には元船乗りから成る三人の男達が灯台守として常駐していた。

当時はラジオもテレビも携帯も無い時代である。それは地味で孤独な日々であった。彼らが外部の世界と接点を持つのは、二週間に一度、灯台管理を担当する『ヘスペラス号』がアイリーン・モアにやって来て、水と食料、燃料に新聞、そして何よりも有難いと思われる、代わりの交代要員を乗せてくるときのみである。

灯台守達が『ヘスペラス号』の船員たちと束の間の会話を楽しみ、休暇に入る者が交代要員と入れ替わりで島を後にすると、アイリーン・モアには再び元の静寂が訪れるのである。

19001215日、貨物船『アーチャー号』がヘブリディーズ諸島の沖を航行していた。船の向きを変えようとして、船長は現在位置を確かめるべく、アイリーン・モアの光を探した。

ところが奇妙な事に、光はどこにも見当たらなかった。船長は船の位置を計測してみたが、何度計測しても、船が灯台の光の届く位置にあるのは明らかであった。

アイリーン・モアの灯台からは救難信号が発光できるようになっており、灯台にトラブルが生じても、よほどの事がない限り救難信号が目に付いた筈であるのだが、それすらも見当たらないのである。

『アーチャー号』の船長は目的地に着くと、港の役所に事の次第を知らせた。しかし、その報告は恐らく役人の不手際であろう、どこにも連絡されずじまいであった。

 

それから十日余り経った1226日、ジム・ハーヴェイ船長率いる『ヘスペラス号』が、いつものように食料等を乗せてアイリーン・モアに到着した。

既に灯台の光が消え、アイリーン・モアにただならぬ事態が発生していることは把握済みである。

ハーヴェイは汽笛を鳴らし、次いで大砲の音で灯台に呼びかけてみたが、何の応答もない。

灯台守の三人――当時灯台の当番をしていたジェームズ・デュカット、ドナルド・マッカーサー、トマス・マーシャルの身に何かあったに違いない。

船員達が調査のためボートに乗って灯台に向かった。

灯台の中はきちんと整っており、灯台のランプにも何の異常も見られなかった。

そこにデュカット、マーシャル、マッカーサーの三人が居れば、何の変哲もない、いつもの灯台の光景である。

しかし、そこからは、三人の姿だけが、欠けたパズルのピースのように忽然と消えうせていた。

『ヘスペラス号』の乗組員はその後も三人を探し続けたが、三人の生きた姿は勿論、死体すらも見つけることは叶わなかった。

一行はその後の調査を専門の調査員に委ねることを決断、『ヘスペラス号』は、無人となったアイリーン・モアを後にした。

その後の調査の結果、島の西側に暴風雨の跡があること、常備してあった道具箱が見当たらないこと、そしてデュカットとマーシャルのオイルスキンが失われているという事実が明らかになった。

一見すると、デュカットとマーシャルが暴風雨下で、道具箱を使った作業中、誤って海に投げ出されたのは明らかなように思えた。

しかし、マッカーサーまでいなくなったのは何故か? 

彼のオイルスキンは灯台に残ったままなのである。

 

(船から人が消えるという話は『マリー・セレスト号』の事件を筆頭によく聞く話だが、灯台のある島から人が消えうせるというこの事件もあの夜実島の事件に似ているな・・・・)

「ん?消えた灯台守の一人は日誌をつけていたのか・・・・」

良介が読んでいた本には当時、消えた灯台守が残したとされる日誌の内容も載っていた。

 

1212

北西から強い風雨があり、波しぶきが塔の頂上まで達した。全て順調。デュカットは怒りっぽい。

同日

嵐が吹き続け、多数の船の灯火が見えた。デュカットは静かだ。

1213

相変わらず西からのひどい風。デュカットはずっと静かだ。マッカーサーはお祈りをしている。

1215

嵐は終わった。神はどこにでもおられるのだ。

 

(この日誌・・明らかに不自然だな・・・・何故このマーシャルと言う灯台守は同僚の様子だけを記録したんだ?通常、灯台守が記録するような内容ではないな・・普通ならば、灯台の状態とか気象・海象状況とかをつけるモノなんじゃないか?)

この灯台守消失事件について、ある外国の作家はこの様に推理した。

灯台守のマーシャルは孤島の灯台守生活の中で、精神錯乱状態に陥ってしまった。

彼のつけた日誌の「嵐」とは実際の気象現象ではなく、彼の心象風景(精神状態)だったのかもしれない。

そんな精神異常を起こしたマーシャルに対し、デュカットは苛立ち、怒りっぽくなっていた。

やがて二人の間に乱闘が生じる・・・・。

そしてマーシャルはデュカットを殺してしまい、「デュカットは静かになった」・・・・。

マッカーサーは死んだデュカットのために「お祈りをし」、マーシャルも我に返り、「嵐は終わった」・・・・。

死んだデュカットの遺体は、岩ばかりの陸地への埋葬は不可能であるため、水葬されることとなった。陸でも海でも「神はどこにでもおられるのだ」・・・・。

ところがデュカットを水葬する際、大きな波が二人を襲った・・・・。

そして三人の灯台守達は島から消えた・・・・。

しかし、何の物的証拠にも基づいていない。

マーシャルが精神を病んだとするのは認められるにしても、殺人を犯した、葬式を行った云々は想像の域を出ていない。

それに精神を病んだ状態で日誌などを記す事が出来るだろうか?

まぁ、その時に病んだ精神状態の程度にもよるが、やや考えにくい所がある。

それに日誌の記述だけでここまで推測するのは無理があろう。それに15日にマーシャルが我に返ったというならば、その日の日誌に実際の出来事を記載しそうなものだ。

その様な点から見れば、このマーシャルのつけた日誌も信憑性が疑わしい。

日誌の話はガセとしても、三人が一度に消えた理由は謎のままである。

オイルスキンが見つからないデュカットとマーシャルはともかく、オイルスキンが残ったままのマッカーサーまでもが事故に巻き込まれるというのは不自然だ。

マッカーサーはよほど不注意な人物であったか、あるいは非常に慌てており、オイルスキンを着用しないまま暴風雨に飛び出していったのだろうか?

この点について、別の人物は次のように推理している。

まず、灯台に何らかのトラブルが発生する。

デュカットとマーシャルが暴風雨の中、オイルスキンを着て道具箱を取りに向かう。その時、大波が押し寄せ、二人のいずれかが海に流される。

残る一人が灯台に残っていたマッカーサーに緊急事態を告げると、マッカーサーはオイルスキンを着る暇も惜しんで外に駆け出す。

マッカーサーともう一人が海に落ちた同僚を救おうとしていると、再び大波が押し寄せ、かくて三人は荒波のうねる海に消えた。

しかし、この推理もあくまで推論である。

灯台や灯台守の身に緊急事態が発生したという証拠は無く、状況を上手に説明する数多の説明の一つに過ぎない。しかし、これ以上に説得力のある説を組み立てるのも難しいだろう。

だが、確実に言えることは、次の事実だけだ・・・・。あるおだやかな日、何かがこのアイリーン・モアに発生して、謎を解く鍵の一片も残さずに、このアイリーン・モアから三人の男達をさらって消したことだけだ。

 

中国軍兵士集団失踪事件 (1939年)

西暦19391210

日中戦争の最中、中国軍は日本軍に攻勢をかけるべく、南京付近に集結していた。

相手は南京を既に制圧済みで圧倒的優位にあった日本軍である。

そこで、攻勢を有利にすべく援軍が要請され、約三千人の兵士が現地に到着、夜のうちに二マイルにわたって前線に展開した。

司令官は援軍の配備状況を確認し、一マイル後方の司令部に戻った。

ところが数時間後、司令部のもとに、部隊が無線に応答しないとの一報が入る。そこで、司令官が確認の為前線に赴いたが、そこは既にもぬけの殻と化していた。

大砲は所定の位置に配備されたままで、野営の火は燃えたままであったにも関わらず、肝心の兵士達が一夜のうちに一人残らず姿を消していたのである。

突発的な戦闘が起きた形跡はなかった。もし、日本軍の襲撃を受けたならば一マイル後方の司令部も銃声や砲撃音が聴こえ気付いた筈であるし、日本軍側にもそれらしい戦闘や捕虜の記録は残っていない。

前哨点に駐屯していた兵士達を取り調べても、何の物音も聞いていないと言うばかりであった。

消えた兵士達の行方は、現在も明らかではない。

 

ヴァリグ・ブラジル航空機遭難事故 (1979年)

ヴァリグ・ブラジル航空967便は、日本とブラジルを結ぶ航空貨物路線として当時週一回運航されていた。

同便は火曜日の午後六時に新東京国際空港(現成田国際空港)を離陸し、十二時間後に給油のためアメリカ合衆国のロサンゼルス国際空港に着陸したのち、ペルーのリマ経由でサンパウロのヴィラコッポス国際空港に向かうフライトプランであった。

事故の当日の130日、ボーイング707-320F貨物機(機体記号:PP-VLU, 1966年製造)は積荷の搭載に手間取り、定刻よりも二時間強遅れの午後823分に新東京国際空港を離陸した。

その三十分後の午後853分に銚子沖740キロメートルの太平洋の位置通報地点で、同機から東京航空交通管制部への「次の位置通報地点通過は午後923分」との通信を最後に、消息を絶った。

当初、通信がないのは周波数を変えたためか通信機が故障したためと見られていたが、同機の搭載燃料がなくなる時刻になっても、太平洋沿岸のいずれの空港にも着陸せず、また手がかりもないため、運輸省は遭難と判断し、海上保安庁と海上自衛隊の航空機による捜索活動が行われた。

しかし、墜落後も電波を発し続けるフライトレコーダーやボイスレコーダー、海面に漂う燃料はおろか、一切の機体残骸を発見することができず行方不明のままとなり、事故後三十年以上経過した現在に至るまで残骸などは全く発見されていない。

この事故により、乗員六名が犠牲になったほか、日系ブラジル人画家、マナブ間部の作品五十三点も失われた。

 

アーティスト失踪事件(1970年代)

大西洋にあるバミューダトライアングル・・・・多くの船舶や航空機が消失した海域と同じグループ名のアーティストがかつて日本に存在しており、そのアーティスト達も謎の失踪をしていた。

アーティストのグループ名は『バミューダ3(スリー)』・・・・。

彼らは1970年代を中心に活躍したアフロヘアの三つ子アイドルグループだった。

長男レッド(アイドル名)と次男グリーン(アイドル名)がボーカルを務め、三男イエロー(アイドル名)はタンバリンを担当。

当時のアイドルにしては珍しいソウルフルな歌唱力とルックスで異彩を放っていたが、三枚目のシングルである「恋の三角海域SOS」が爆発的なミリオンセラーとなり、一躍人気アイドルの仲間入りをした。

しかし「恋の三角海域SOS」が好セールスを記録する中、はじめに長男レッド(アイドル名)が行方不明になり、続いて次男グリーン(アイドル名)が歌番組収録中に忽然と姿を消すという怪事件がバミューダ3を襲った。

「恋の三角海域SOS」の歌詞になぞらえた見立て殺人ではないかと報道され、世間を騒然とさせたニュースとなったが、三男イエロー(アイドル名)は楽屋で意識を失い倒れているところを発見され事無きを得た。

しかしタンバリンのみでは活動は無理という事務所判断により人気絶頂のまま解散した。

 

良介はついでにと思い、CDのレンタルコーナーにて、このバミューダ3の「恋の三角海域SOS」のCDを聴いてみた。

(うーん・・・・時代の違いなのか?この歌のどこか良いのかさっぱり分からん・・・・それに二番の歌詞・・・・何となくホモを連想させるような歌詞だな・・・・)

良介は曲を聴きながらそんな感想を抱いた。

 

そして、調べて行く内に夜実島近海でも奇妙な海難事故が起きていた。

 

それは以下のような事故だった・・・・。

 

夜実島近海にて漁業の収穫量が不作な年に七人の漁師が乗った漁船が突然連絡を絶った・・・・。

翌日、仲間の船が捜索に当たった所、夜実島近くの海上を漂流している漁船を発見した。

無線で呼びかけても応答が無く、不審に思った仲間の船が近づいてみると、船に乗っていた漁師たちは海面で船から垂れている網に引っ掛かる様にして全員死んでいた。

警察と海上保安庁が曳航された船の中を捜索してみると、船内には争った形跡があり、遺体にも体中を手で強く掴まれたような生活痕があり、警察は船内において仲間割れが起きたか、酒に酔って海に転落したのではないかという結論を出した。

 

もう一件はやはり十五年前、島民が集団失踪する前日、夜実島周辺海域を航行中の大型貨客船、『ブライトウィン号』が遭難するという海難事故が起きており、現在に至るもその船体は未だに見付かっておらず、乗員・乗客も全員が行方不明のままである。

『ブライトウィン号』事件の後、この船を所有していた船会社は倒産し、詳しい事情を知る者を探すには時間が足らないないと良介は判断し、この件については、詳しい情報を得る事を断念した。

ただし、『ブライトウィン号』の遭難記事等主だった情報は図書館にも存在し、良介は早速それらの記事に目を通した。

 

『ブライトウィン号』遭難当時の新聞では、以下のような事が書かれていた。

 

午後四時四十分ごろ、輝勝フェリー所有の貨客船『ブライトウィン号』からの救助要請通信を海上本部が受信した。

「荒天で波に飲まれた。座礁する。女の・・・・」という言葉を最後に『ブライトウィン号』との交信は途絶えた。

通信を受けた海上保安部は、昨日(事件発生の翌日)から巡視船にて徹夜の捜索を続けているが、未だ消息は不明。

海上保安部と海上保安署は現地対策本部を設置。船体、乗員・乗客ともに遭難当時の状況を調査中。

『ブライトウィン号』遭難について、当時、巷では『トロフィーの呪い』ではないかと言う噂がまことしやかに流れた。

(トロフィーの呪い?なんだそりゃ?)

良介は首を傾げながらも、そのトロフィーの呪いに関する記事が書かれた週刊誌の記事に目を通した。

 

当時、『ブライトウィン号』には、亀石野中学校のテニス部が本州で行われた試合の帰りのため、乗船していた。

参加した大会で、その亀石野中学校は準優勝をし、準優勝トロフィーを授与された。

そのトロフィーこそ、呪われたトロフィーだった。

由縁は、ブライトウィン号遭難の数年前に行われたテニス大会で、準優勝した学校のテニス部員が授与された喜びのあまり上空にトロフィーを投げ、落下してきたトロフィーによって頭部を打撲し、死亡した事がきっかけとされている。

(そのトロフィーが『ブライトウィン号』に積まれていた訳か・・・・)

しかし、『ブライトウィン号』の遭難が一個のトロフィーの呪いによって引き起こされたなんてとても信じられない。

だが・・・・

(漁船の件はなんとも言えないが、集団失踪の前日に大型船が消える・・・・しかもその船は夜実島の近くを航行していた・・・・此方の方は島の集団失踪に何か関係があるのかもしれない・・・・)

消息を絶った『ブライトウィン号』の写真を良介は考える仕草で見ながらそう思った。

 

その後も調査を進める良介は夜実島を舞台にした民謡が書かれている一冊の本を見つけた。

「夜実島人魚伝説・・・・人魚に関連する話って大体がバッドエンドなんだよな・・・・ディ○ニ―の人魚姫は違ったけど・・・・」

自分が印象に持っている人魚に関する話のイメージを口にした後に、良介は表紙を開き本の中を読んでいった。

 

 

本の中に描かれている舞台は江戸時代・・・・まだ夜実島が重病患者の隔離島だった頃まで遡る・・・・

病気のため、島に隔離された一人の青年が、ある日海岸を歩いていると、網に引っかかった一匹の人魚を見つけた。

青年は網を退け、人魚を助けた。

助けてもらった人魚は青年に、

「助けていただいてありがとうございます。これはせめてものお礼です」

と、人魚はお礼に自らの血肉の一部を青年に差し出し、さらにこう言った。

「私の血と肉を食べれば不老長寿になれます」と・・・・。

青年は病魔に侵されていたので、これ幸いだと思い人魚の血肉を喜んで口にし、人魚は海へと帰って行った。

その後も青年と人魚は人知れず浜辺で会うほど仲の良い関係となった。

やがて、年月が進むにつれ、島にいた患者はバタバタと病気のため死んでいき、病人が減っては他の地から連れてこられた病人が入り、また病気で死ぬ・・・・そしてまた新しい病人が入ってくる・・・・その繰り返しが何度も行われていたが、人魚の血肉を食べた青年は病気で死ぬこともまた年を取ることもなく、過ごしていた。

ある日、この島で病人の脱走を監視・取り締まりをしている役人が青年になぜ病気に侵されていた筈なのに死なずに生きているのか尋ねた。

この時、青年は人魚を守るため、出鱈目な事を言ってその場をしのいだが、やはり年を取らず、病気で死ぬ気配も見せない青年に役人達はますます監視の目をきつくしていった。

正直に言うとこの役人達もこの島に来た時点で、お上に見捨てられているようなモノだったのだ。

この島にいる人間は自分達役人を除けば、皆病人・・・・その病人だらけの島に送り込まれた時点で自分達もこの島から出られず、いつかは自分達もここにいる病人から病を貰い、病魔に侵され死ぬのだと分かっていた・・・・。

だからこそ、病気にかからない薬の様なものがあれば是非ともそれを手に入れたかったのだ。

そして今度は青年に対し、秘密を教えてくれるなら大金を払うと言って青年の前に小判を差し出すと、金の欲に負けた青年は人魚との関係を役人達に喋ってしまった。

役人達は青年の話を聞き、青年と人魚が親しい仲なのを知ると青年に人魚を捕まえる為に、それを手伝うように命令した。

青年は、最初渋ったが、またも役人は人魚を捕まえるのを手伝えば先程青年に払った小判よりも多くの小判をやると言ってきて、青年はその話に乗った。

青年と親しくなっていた人魚は普段と変わらなく青年との待ち合わせ場所の浜辺に来ていた。

やがて青年が来て、普段と変わらない時間を過ごした。

そして海に帰ろうとした時、突如、自分の身体に網が巻かれた、驚いて人魚が振り返ると、そこには大勢の人間達がいた。

そこで人魚は自分が青年に嵌められたのだと悟った。

島の中にある村へと連れてこられた人魚は役人達にその身を引き裂かれた・・・・。更には人魚の肉の話を聞きつけた大勢の病人までもが人魚の肉を求めて、その場へとやって来た。

病人達は我先にと人魚に群がり、人魚の血肉を貪りだした。

人魚はその身を引きちぎられながら、その場にいた人間達に、

「私は決して死なない!!・・・・貴様たち人間にされたこの恨み、必ずはらしてやる!!・・・・この島・・・・島の人間全てを祟ってやる!!」

と、言い放った。

 

ラストのページには包丁や刀でその身を引き裂かれ、血まみれになった人魚の挿し絵が掲載されていた。

人魚は当然苦痛で顔を歪めている。

そしてその人魚の周りには病と死から解放されて喜びの笑みを浮かべながら人魚の肉を口にしている人間達の姿が描かれていた。

その絵からは人魚が妖怪というよりも、人魚の肉に群がっている人間の方が化物ではないかという印象を抱かせた。

これはとても、幼児には見せられないし、聞かせられない内容だった。

 

「ふぅ・・・・」

ため息をつき、良介は本を閉じた。

(しかし、重い病気の状態で人魚の肉なんて食べたら、永遠にその重い病の痛みと戦っていかなければならないんじゃないだろうか?・・・・まぁ、架空の話とは言え、自業自得だな・・・・)

話がやはりバッドエンドであり、ラストに生々しい絵を見せられれば多少は気が滅入る。

「人魚の呪いね・・・・。まぁ、トロフィーの呪いよりは信頼性はあるが、さすがにこの話を全て信用出来る訳じゃないが、こうして伝承として残っているからにはこれに似たような出来事がかつて島であったのかもしれないな・・・・海の神に奉げる生贄の儀式のようなモノが・・・・」

良介は人魚伝説の書かれた本をジッと見ていた。

 

それからしばらくして、良介はリスティから島へ入るための許可証が発行出来たと言う連絡を受けた。

「はい、これが許可証ね」

「おお、サンキュ」

「苦労したんだからね、許可をとるの」

「わりぃな、今度翠屋で何か奢るぜ」

「そうしてちょうだい。 あ、ただし許可が出たとしても、島での滞在期間は三日間までだからね。忘れないでよ」

「分かった」

許可証をもらい、良介は美耶子に連絡を入れ、夜実島へ行く予定をたて、いよいよ良介と美耶子は夜実島へ行くこととなった。

 

 

赤黒い空の中、荒れた土地、そしてどこからともなくサイレンのような音が鳴り響いている。

 

ダメだ!!来るな!!

 

来てはいけない!!

 

「また・・・・あの声・・・・」

美耶子の脳内に夢の中で語りかける聞きなれた声がした。

 

奴らが・・・・君を見つけた・・・・!!

 

来てはダメだ!!

 

早く逃げるんだ!!

 

早く!!

 

その言葉の通り、サイレンの様な音に合わせるかのように、まるで特撮戦隊モノに登場する怪人の様な姿をした人型の何かが現れ、自分に迫って来た。

美耶子はその容姿に恐怖を抱き、必死にその怪人達から逃げようとするが、怪人達の足は物凄く速い。

そしてその怪人の手が自分の手を掴んだ。

振り返ると、其処には人の顔とは思えない異型な容姿をした怪人の姿があった・・・・。

その顔を見て美耶子は・・・・

 

「きゃぁぁぁぁぁー!!」

悲鳴をあげ、起きあがると、そこは赤黒い空ではなく普段見慣れた青い空と広い海原が広がる光景だった。

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

息を整えながら辺りを見回していると、

「また魘されていたのか?」

良介が声をかけた。

「宮本さん・・・・つ、着いたんですか?・・・・島に・・・・」

「ああ、もうすぐだ。・・・・十五年前、君が保護された島・・・・夜実島に到着する・・・・」

良介と美耶子は今、夜実島に向かっている船の中にいた。

島民の集団失踪から十五年、国は再びこの島を観光リゾート地として再開発しようと開発事業の人間を島へと送り込んでいた。

そしてその島にいる人のため、こうして週二回生活物資を積んだ船を運航させていた。その船に今回良介と美耶子は便乗しているのだ。

「みなさんこんにちはアトランティスゾーンのレポーター、美浜 奈保子こと、ミーナでぇ〜す。今、私は一夜にして島民全員が謎の失踪をとげたあの夜実島へ向かっています。あの謎の事件から十五年、島は今、どうなっているのでしょうか?そして消えた人達は何処へ行ってしまったのか?今回、私はその謎を解明したいと思っております」

良介と美耶子の近くでテレビカメラを廻しているカメラマンとレポーターがいた。

「すみません、あの人たちはなんですか?」

良介は近くに来た船員にカメラマンとレポーターについて聞いてみた。

「ああ、なんでも地方で放送しているオカルト番組のスタッフだそうです。夜実島の失踪から十五年を記念して放送するんだとか・・・・」

「へぇ〜」

良介が船員にレポーター達の事を聞いていると、向こうも良介達の存在に気がついたようで、良介達に近寄って来た。

「あの〜貴方達は?」

服装と美耶子を連れていることから船員ではないと踏んで聞いてきたのだろう。

「俺は探偵だ。ある人の依頼で夜実島の調査を依頼されてね・・・・こっちは助手の美耶子だ」

テレビカメラの前で美耶子が島の生存者だとわかると、しつこそなので良介はあえて美耶子を自らの助手と言った。

美耶子もその辺の空気を読んだのか、否定はしなかった。

「探偵?島の調査?」

「ああ」

「貴方に依頼した人はやはり島の関係者ですか?」

「依頼に関してはノーコメント。守秘義務ってやつだ」

そう言って良介は美耶子と共に外のデッキに出て行った。

 

船が島にある港に近づいた時、船をフッと日影が覆った。

眼前にある島の岸壁には塔のような建物があった。

「灯台?・・・・いや逆光ではっきりとは分からないが、違うな・・・・何か別の目的で建てられた建造物のようだ・・・・何かの記念碑か?それとも慰霊碑か?・・・・美耶子?」

「な、何この塔・・・・見ているだけで身の毛がよだつ・・・・」

美耶子が両手で自分の身体を抑え、悪寒から必死に逃れそうとしている感じだった。

やがて船が港に着いて良介達、島への入島許可証をもらった人間達が島へと降りる。

といっても島に降りるのは良介と美耶子の二人と例のテレビ番組の関係者のみだった。

船員は島に居る人の為の物資を軽トラで宿泊先へ運んだ後、出航準備にかかる。

「潮風って嫌いよ!!肌がベトベトしてさ!!江戸、早くホテル探して!!シャワー浴びたいから!!」

タラップの近くでは例のレポーターの女、美浜 奈保子がカメラマンの男を顎で使っている姿があった。

どうやらカメラが廻っているときはネコを被っていたようで、普段は人を顎で使う高飛車な性格の様だ。

「あぁ〜一つ言うと、この島にホテルなんてモンは無いぞ。この島はあの事件以降十五年間時が止まったままだからな」

良介がレポータ―の女に声をかける。

「えぇ〜〜〜っ。じゃあ、どこに泊まるっていうのよ?」

「島に来ている開発事業の人達が宿泊所として使っている建物があるはずだ。そこに泊まるか、その辺の空き家に適当に泊まるかのどっちかだな。それと定期船だが、週に二回、次に来るのは三日後だ。それまでは島から出ることは出来ない。帰るなら今の内だぞ」

良介が宿泊場所と定期船の事を教えると、

「バカにしないでよ!!こう見えても私はプロよ!!良いネタを前に引きさがると思っているの!?」

と、ビシっと良介に指を突きつけ、声をあげる美保子。

「間もなく出航します。ご乗船の方はおりませんか?」

船から船員が声をかけるがタラップには誰も乗ろうとしない。

「いいのか?本当に行ってしまうぞ?」

「だから良いっていっているでしょう!!」

「あぁ〜そう・・・・」

乗る人が居ないと判断した船員はタラップを船内にあげ、やがて船は岸壁から離れていった。

良介達が岸壁から船を見送っていると、

「まっ・・・・待てぇ〜〜〜!!待ってくれぇ〜〜〜!!」

一人の男が岸壁に走って来た。

しかし、時既に遅く、船は港を遠く離れており、ここから大声をあげてもおそらく船には、男の声は、届かないだろう。

「ああ〜ぁ・・・・・」

船に間に合わなかった事に落胆が隠せない様子の男。

「何?この人?」

突然岸壁に走って来た男を美保子が意味深な目で見る。

「ふむ、恰好から察するに開発事業の関係者のようだ」

良介の言うとおり、男は頭にヘルメットを被り、作業着を着ていた。

男の服装から目の前で項垂れているこの男が島の再開発に関わる開発事業の人間だとすぐに分かった。

「な、なぁ・・・・あんた・・・・」

良介が男に話しかけるが、男はなにやらブツブツつぶやいているだけで、良介の呼びかけにも応じない。

「おい!!」

「・・・・・」

「だ、大丈夫か?一体何があったんだ?」

「・・・・・」

相変わらず良介の声には全く応答しない男。

男は心配そうに自分(男)を見る美耶子を視線に捉えると、

「み・・・・ず・・・・」

「ん?」

男はおもむろに頭に被っていたヘルメットをおもむろに脱ぐと、近くに落ちていた拳ほどの大きさの石を掴み、

「あ・・・・あかい・・・・みず・・・・」

「ん?赤い水?」

「みず!!みず!!あかいみず!!うひゃひゃひゃひゃひゃ・・・・・」

いきなり訳のわからない事を言い出すと突然手に持った石で自分で自分の頭を叩き出した。

それも歓喜しているかのように・・・・まるで痛みなど感じないかのように・・・・。

しかし、実際何度も頭を石で叩いている様子から痛みなど感じていないのだろう。

「きゃー!!」

男の突然の行動に美耶子は悲鳴をあげ、

「な、何をしている!!バカな真似はよせ!!」

良介は男の行動を止めに入り、

「何ボサッとしてるの!?早く撮って!!」

「は、はい」

美保子はカメラマンの江戸にカメラを廻すように言う。

「うひゃひゃひゃひゃひゃ・・・・・みず!!みず!!あかいみず!!」

男は止めようとする良介以上の力を出し、頭を叩くのを止めない。

「このっ!!」

 

ドスッ!!

 

「うッ・・・・」

 

ドサッ

 

最終的に良介が男の首に手刀を入れ、強引に男の意識を奪ってこの事態は収拾した。

「撮れた?」

「え、ええ・・なんとか・・・・」

「一体、この島で何が起こっていると言うんだ?それに赤い水って一体?・・・・」

気絶している男を見て良介は呟き、美耶子はその場で唖然としている事しか出来なかった。

良介は男が連呼していた「赤い水」と言う言葉が引っかかった。

 

倒れている男をこのまま港に放置しておくわけにもいかず、良介は男を背負うと、島の開発作業を進めている開発業者の人間が事務所として使っているこの島の役場へと向かった。

ちなみに美保子と随伴していたカメラマンの江戸は役場へは行かず、泊まる場所を聞いた後、さっさと取材・撮影へと向かった。

 

役場にいた業者の人間は頭から血を流した同僚を背負ってきた良介に大変驚いていたが、すぐに医務室へと案内してくれた。

「一命はなんとかとりとめたようだな・・・・」

「ええ、なんとか・・・・」

「それで、この男はどういった人物なんですか?」

良介が業者の人間に男の事を尋ねると、男と同じ作業服を着た別の男が教えてくれた。

「名前は木暮 義孝・・・・一昨日から地質調査のため、島のあちこちに出ていたのだが、連絡も無く、この役場にも宿泊所として使っているこの島の小学校にも戻らず心配していたのですが、そうですか港で・・・・」

「ええ、突然石を使って自分で自分の頭を叩き出して・・・・」

「ともかく自殺を防いでくださってありがとうございます。それにわざわざここへ運んでくださって」

「いえいえ、それよりも今この島には何人の人間がいるんですか?」

「今この役場に居る四人です。 わしは開発事業部の現場監督をしとる志村だ」

「俺は開発事業部の東っス・・・・そこで寝ている木暮とは同期っス・・・・・」

開発関係者の男達が自己紹介をしていく中、黙々と治療に使った道具を片づけている男がいた。

「・・・・・」

その男は白衣を着て、眼鏡を着けた背の低い小太りの男だった。

男は自分の名や身分を名乗ることなく沈黙を貫き通している。

「えっと・・・・貴方は、厚生労働省の人か何かですか?」

「・・・・・」

良介が話しかけるも白衣を着た男はやはり、何も言わない。

「ああ、彼は本土の大学病院に勤めている南田先生です」

「・・・・」

南田という医師の代わりに志村が良介に南田医師を紹介する。

「・・無口な・・方・・なんですね」

「ええ」

「医師って事は、彼は貴方がた作業員の専属医師かなにかで?」

「いえ、先生は研究調査のため、この島に来ており、我々よりもこの島での生活は長いようです」

「長いってどれくらい?」

「さぁ・・・・でも少なくとも数年はこの島に居るようです」

「そんなに長くたった一人で・・・・?」

「ええ」

(よく、島での滞在が許可されたな・・・・しかも開発が行われるよりも前に・・・・)

と、思いつつ良介は南田医師の事をチラッと見た。

良介と志村が話している中、美耶子は眠っている木暮の汗を拭いたり、濡れタオルを作り、そのタオルを額の上に乗せていた。

作業が一段落着いた時、美耶子は視線を感じ、振り向くと、南田医師と目が合った。

南田医師は美耶子の姿を見て、小さくニタリと怪しげな笑みを浮かべ、舌なめずりをしていた。

その様子を見て美耶子はこの南田という医師に不気味さを感じた。

それは良介も同じで開発事業が始まる前にたった一人この島に住んでいたと言うこの南田と言う医師に不審を抱いた。

「ともかく、木暮は本土の病院へ移した方がよさそうだな。後で救急ヘリを呼んで本土の病院に運んでもらおう」

頭部を怪我したため、木暮はこれ以上仕事が出来る体ではないと判断され、本土へ移送されることとなった。

「はぁ〜正直、俺もそのヘリで本土に帰りたいっスよ」

怪我で本土行きが決定された木暮を羨む東。

「新婚一年目なんスよ俺。それなのにこんな辺鄙な島に単身赴任っスからねぇ」

(あぁ〜その気持ちわからないでもないな)

同じく新婚一年目の良介も東の意見には賛同した。

「だいたい再開発なんて言っているけど、一度廃棄された計画をもう一度やるなんて馬鹿げているっスよ。しかも島民が消えたこんな気味の悪い島なんかを・・・・」

「お役所なんてそんな所さ。一度書類に書かれた事はやり続けるようになっているのだよ。予算の消化ってやつさ・・・・」

「でも、志村さんだって本土で家族残してこの島に来ているんでしょう?ホラ、志村さんデスクに写真立てをおいているじゃないっスか。あれ、奥さんと息子さんの写真でしょう?」

「・・・・」

「志村さん?」

「ああ、そうだな・・・・・」

志村と東の会話から志村も何か訳ありの様子だった。

 

「それじゃあ俺達はこの辺で・・・・」

「木暮の件、どうもありがとうございました」

木暮の一件も無事に片付き、良介と美耶子は島の調査のため、役場を後にした。

 

良介と美耶子が役場を出た後、志村は木暮を病院に運ぶためのヘリを手配しようと電話の受話器をとるが、受話器からは何の音も聞こえない。

不審に思った志村は番号を押し、再び受話器に耳をつけるもやはり受話器からは何の応答もない。

志村は慌てて東にも役場の中にある他の電話が使えるか、確認するように指示を出した。

「もしもし!!もしもし―――――!!」

「ダメっス志村さん!!こっちの電話も全部繋がらないっス!!昨日までは問題なく使えたのに・・・・」

志村と東は役場にある全ての電話を試してみたが、全て使用不能だった。

「そんなバカな・・・・島の電話線は異常が無い筈だ・・・・それは毎朝チェックしている・・・・今朝もちゃんと使えた・・・・可能性があるとすれば・・・・」

「あるとすれば・・・・?」

「島と本土を結ぶ唯一の生命線(ライフライン)・・・・海底ケーブルが途中で切れたんだ・・・・」

「・・・・・」

志村の言う可能性に絶句する東。

人知れず、いつの間にかこの島は孤立地帯となっていた。

しかし、この出来事はこれから始まる非日常的な出来事の序章でしかないことにこの島にいる人間には知る由も無かった。

本当の恐怖はまだこれからだった・・・・。

 

 

登場人物紹介

 

美浜 奈保子 (28)

グラビアアイドル出身のTVレポーター。

一時は、数多くのドラマに出演するほどの人気があったが、現在ではすっかり下り坂に差し掛かってしまっている。

高慢な性格で、元グラビアアイドルとしての栄光が忘れられない。自分より格下と見なした相手に当り散らすことが多い。

※ゲーム版ではSIRENで登場。

 

江戸 志仁 (26)

地方のテレビ局に勤めるカメラマン。

オカルト番組の制作スタッフの一人で、美浜に同行してきた。

 

美浜に顎で使われているが、内心では「落ち目の元グラビアアイドル」と馬鹿にしている。

※ゲーム版ではSIREN2にて最初に出会う屍人として登場。

原作では名前の「し」の部分は屍だったが、名前につける漢字としてはおかしいので、志に変換しました。

 

志村 晃 (57)

開発業者の夜実島開発事業部・現場監督。猟友会のメンバーで、銃(ライフル)を所持している。本土に家族(妻と息子)が住んでいる・・・・らしい・・・・・。

※ゲーム版ではSIRENに登場。

原作では70代の老人であっが、この話では少しだけ年を下げました。

 

健一(27

開発業者の夜魅島開発事業部・職員。新婚早々に単身赴任を強いられたことで、職務には意欲的でない。

※ゲーム版では未登場キャラ。映画版では俳優 松尾 スズキさんが演じる島を徘徊する謎の男として登場。

 

木暮 義孝(28)

開発業者の夜魅島開発事業部・職員。血相を変えて島を出ようとするが、定期船に乗り遅れ、美耶子たちの前で自殺未遂をして倒れる。

※ゲーム版、映画版では共に未登場キャラ。

 

 

南田 豊(30

夜実島へ研究調査に訪れた医師。

志村によれば、本土の大学病院に籍を持っており、志村達が島にくる前から数年間、夜実島に研究の為一人で住み続けてきた。

※ゲーム版では未登場キャラ。映画版ではココリコの田中 直樹さんが演じる島の診療所に勤める医者として登場。

 

 

あとがき

アーティスト失踪事件からはSIRENシリーズでの事件の為、架空の事件となりますが、この二次の世界では実際にあった事件と思ってください。

『恋の三角海域SOS』はようつべやニコニコした動画サイト等で聞く事が出来ます。

 

 




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