今回はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が開発及び発売したプレイステーション2用のホラーゲーム『SIREN2』を元ネタしました。

 

作者が、SIRENシリーズが好きなので・・・・。

 

では、本編をどうぞ・・・・。

 

 

六十六話 サイレンノナルヒ 集団失踪

 

 

199X年 日本近海 離島 夜実島

この日の昼過ぎ、日本近海にある離島、『夜実島』を大型の嵐が襲った。

しかし、島の地理上、この島には季節によって嵐が良く来る位置にあり、今はその嵐が到来するシーズンの真っただ中・・・・。

よって島の住人にとっては嵐など別に珍しい物ではなく、浸水や土砂崩れさえ、気をつけて警戒していれば自然に収まるだろうと島の住人の誰もがそう疑わなかった。

しかし、嵐は夕方になってからも勢力を増し、海は荒れ、風も強くなるばかりであった。

そして、日が落ちた頃にそれは起きた・・・・。

突然、島中の電気が全て落ち、島中に有るありとあらゆる電気機器、電話が使えなくなったのだ。

明かりという明かりがすべて消えた事から、島中は夜の暗闇に包まれ、島民たちは一時パニックに陥りかけた。

幸い島の役場には自家発電機があったので、役場は何とか電力が保たれ、当直していた役場の人間が無線機を使って、島民に外出を控える様に放送を流し、そして近くの島へと救援を求めた。

夜実島から救援を受けた別の島では、「嵐が収まらなければ船を出せない」という返答があった。

やむを得ず、夜実島の役場の人間は定時報告で島と嵐の現状を報告する事となった。

しかし、夜七時の定時報告を最後に夜実島からの連絡が一切途絶えた。

その時の最後の通信内容が、

「嵐は次第に収まりつつある・・・・だが、先程から妙な音が・・・・サイレンの様な音が断続的に・・・・・」

であり、この通信を最後に夜実島から一切の通信が無く、また此方から通信を送っても夜実島からの応答が一切無かった。

深夜になり、まだ雨と風はあるものの船を出せないほどではないので、捜索・救助隊が夜実島に上陸した。

 

夜実島 住宅地

 

「おーい!!誰か!?誰かおらんか!?」

捜索隊は夜実島の住宅地を中心に島民を捜索した。

もちろん通信のやり取りをしていた役場にも行ったが、何故か役場には誰もおらず、電気も全て消えており、役場の裏庭に設置されていた自家発電機は何者かの手によって人為的に破壊されており、島全体は夜の闇で完全に覆われていた。

「どうだ!?そっちは!?誰かいたか!?」

「いえ、島民どころか犬一匹いません!!」

捜索隊の隊長が近くを捜索し、合流した隊員に尋ねるが、隊員の方も島民の誰一人見つかっていない様だ。

「どうなっているんだ!?この嵐の中、この島の人達は一体どこに行ったんだ?」

捜索隊の隊長が辺りを見回しながら不安げに言う。

港には、ロープできつく固定されていた漁船群があり、皆で船に乗って島を脱出した様子も見えない。

小さな漁船では島民全員を乗せるには無理があるし、それ以前に嵐の中を小型の漁船で逃げるにはあまりにも無謀である。

たまたま近くを通った貨客船に乗って避難したとしても何かしら、置手紙や連絡を入れる筈だ。

しかし、夜実島からも、この近くを通る貨客船や大型船からは、島の人を収容したと言う連絡も無い。

つまり、この島の人間はまだ島の中に居る筈である。

 

懸命な捜索活動が続けられる中、

「た、隊長、これを見て下さい!!」

捜索隊の隊員の一人が何かを発見した様子で、懐中電灯で近くにあった一本の電信柱を照らす。

「さっきから気になっていたんですが、電信柱の電灯や民家の玄関先にある外灯全てが割られているんです!!」

「そ、そういえば・・・・」

隊長が近くの民家を照らすと、確かに隊員の言う様に玄関や門にある外灯と言う外灯が明らかに人為的に割られている。

「ん?」

ふと、外灯から視線をそらした隊員が人影を見つけた。

「隊長!!あそこに人影が!!」

隊員と隊長が懐中電灯を人影の方向に向けると、その人影の人物は此方に助けを求める事無く、それどころか一目散に逃げていく。

「そこの君、待ちなさい!!」

「追うぞ!!」

「はい!!」

人影と言う事で捜索隊の隊長とその隊員はその人影を追いかけた。

「こちら第一班、島民らしき人影を発見!!これより保護する!!」

人影を見つけたと言う事で仲間の捜索隊員に連絡を入れる捜索隊員。

「ん?」

人影は突然断崖近くに建てられた鳥居の前で立ち止まる。

「な、なんだ?あれは・・・・?神社?・・・・あいつ・・・・何かを指して・・・・」

人影は鳥居の近くに建てられた社を指さしている。

そして捜索隊員達が近づくと再びその場から走り去っていった。

「あっ!?君、待ちなさい!!」

隊長と隊員は神社の近くに行くと、その場には人影の人物見当たらなかった。

未だ近くにいるかもしれないと思い、付近を捜索しようとした時、社の中から赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。

隊員達が社の中に行くと、社の中には女の子の赤ちゃんが一人、小さな布団の中で泣いていた。

「お、女の子の赤ん坊だ・・・・こ、これは一体・・・・?」

隊長が赤ん坊を抱き上げ、首を傾げる。

「た、隊長、・・・・ここにメモの様な走り書きが・・・・・」

女の子が横たわっていた布団の近くには、大学ノートの切れっ端が落ちており、其処には慌てて書いたような文字が書かれていた、

「『サイレンの鳴る夜は外へ出てはいけない・・・・光を絶やしてはならない・・・・』・・・・サイレン?」

隊員はメモを見て首を傾げた。

この時、メモを見た隊員はこのサイレンが災害警報を知らせるサイレンかと思った。

赤ちゃんを無事保護したその時、他の地区で捜索をしている別の班から連絡があった。

「こちら第二班!!民家にて、男性一名を発見!!保護しました!!」

どうやら他の場所でも島民が居たようだ。

 

場面と少し時間を遡り、

島民を探している別働隊の第二班の隊員達は一軒の民家で薄明かりが灯っているのを見つけ、そこの家に入った。

そこで、隊員達の見たものは、部屋中に沢山の火が灯った蝋燭と懐中電灯があり、まるで夜の闇から必死に逃れようとしている様だった。

そして部屋の壁には沢山のお札が貼ってあり、その部屋の隅では一人の男が震えながら膝を抱えていた。

男の近くには血のついた二本のボールペンが落ちており、男の両耳からは血が流れていた。

それから察するに男は床に落ちているボールペンを使って自分の耳の鼓膜を破ったようだった。

「大丈夫か?助けにきたぞ!!」

隊員が男に近づき話しかけると、男は当初虚ろな目で救助に来た隊員達を見ていたが、突如、大声を上げ始めた。

「さ、サイレンが鳴ったら・・・・明りを絶やすな・・・・外に出るな!!サイレンが鳴ったら・・・・明りを絶やしてはならない!!・・・・・サイレンが鳴ったら・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」

男は既に聞こえなくなっている筈の耳を抑え苦しみ出した。

隊員達は大声をあげ、苦しみ出す男に当初戸惑ったが、このまま此処に放置しておくわけにもいかず、二人がかりでその男を保護し、自分達が乗って来た船まで運んだ。

捜索の結果、最終的にこの島で救助されたのは社で発見された女の子の赤ちゃんとこの男だけで、残りの島民は見付からず、島民全員が行方不明扱いとなった・・・・。

 

 

 

 

それから十五年後・・・・とある児童養護施設にて、

 

「あっ、みやもとさんだ!!」

「ホントだ!!りょうすけさん!!」

児童施設の庭で遊んでいた子供が自分達の家(施設)に近づいてくる一人の男を見つけて声をあげ、その男に近づいていく。

「よっ!元気にしていたか?お前ら!!」

施設に訪れた男は良介だった。

良介が肩から下げている鞄と両手に持っている紙袋にはお菓子や玩具、参考書に文房具が沢山入っていた。

何故、彼が児童施設に来たのかと言うと、この施設は昔、良介が世話になっていた施設で、アリサのおかげで金銭的余裕が出てきた頃、そのアリサ本人から、

「良介、そういえばアンタ、施設出身だったわよね?」

「ん?ああ、そうだが?」

「それなら、恩返しでもしたらどう?」

「恩返し?」

「ええ、貯蓄にも十分余裕が出てきたし、昔お世話になった施設に寄付とかしたらどうかしら?」

宮本家の貯蓄からの寄付と聞き、良介は

(そんな余裕があるならもう少し俺の小遣い増やしてくれよ)

と、思ったがアリサからの説教を回避するため、口には出さなかった。

しかし、アリサの言うことも一理あるので、良介は昔世話になった施設に寄付をするのと同時に施設にいる後輩達に勉強で役立つ参考書、文房具、そしてお菓子や玩具等を沢山買って施設を訪れた。

何回か訪れる内に良介は施設長にギンガ(女房)と桜花(娘)を紹介するため、家族で一緒に行った時、施設長は目を丸くし、物凄く驚いていた。

「いやぁ〜あの良介君が結婚して、子供が居るとわねぇ〜。しかもこんな美人さんと結婚しているとは・・・・此処に来た頃はあんなに泣き虫だったのに・・・・」

施設長は昔の事を思い出した様子で、口にする。

「えっ!?そうなんですか?」

良介(旦那)の小さい頃のことをあまり知らないギンガ(女房)は興味津々の様子。

「ええ、最も小学校高学年になった時には施設一のヤンチャ坊主になったけどね」

「へぇ〜」

「し、施設長!!それは昔の・・・・若気の至りだ。女房の前で話さなくていいから!!」

施設長とギンガの会話は昔の良介の事で華を咲かせていたが、話題になった良介としては昔の恥ずかしい過去を女房に暴露されそうになったので、急いで話題を変えようと躍起になった。

ミッドにある自宅へと帰る際に良介はギンガにアリサやミヤには黙っていてくれと頼んだ。

そして今日は、また自分の恥かしい過去・・黒歴史をこれ以上、ギンガ達に暴露されては堪らないため、一人で来た。

特にはやて達にバレるのが一番困る・・・・。もし、はやて達が自分の黒歴史である過去を知れば必ず、からかってくるからだ。

ギンガもその事を察し、アリサにもミヤにもその事を話していない。

 

「みやもとさん、今日はギンガお姉ちゃん来てないの?」

ギンガは元々面倒見のいい性格のため、施設の子供達はすっかりギンガに慣ついており、子供達は今回ギンガが来なかった事に少々がっかりしている様子。

「ああ、ギンガはちょっと用があってな・・・・」

「ちぇ〜つまんないの〜」

「そう言うなって、今回もお前らに沢山お土産を持ってきてやったからよ」

子供達に土産の入った紙袋を見せる良介。

お土産があると言う事で、子供達はそれで納得した様で、「早く、早く」と良介を急かした。

 

子供達と共に玄関から施設に入ると、玄関先で施設長が良介を迎えてくれた。

「よっ、施設長。また来たぜ」

「毎度、毎度すまないねぇ〜」

「なに、いいってことよ」

そう言って良介は子供達にお土産が入った紙袋とカバンの中に入っていた参考書や文房具を渡し、子供達と分かれて施設長と共に応接室へと行く。

「今回もコレで何かの役に立ててくれ」

懐から現金の入った茶封筒を施設長に渡す。

「ありがとう、宮本君」

施設長は一礼し、現金の入った封筒を受け取る。

そこへ、

「あの・・・・お茶を・・・・どうぞ・・・・」

良介と施設長が話し合っている中、一人の女の子がお盆にお茶を載せて応接室に来て、テーブルにお茶の入った湯呑を置く。

「あ、どうも」

「それじゃあ・・・・失礼・・します・・・・」

女の子は用を済ませさっさと応接室から退室して行った。

随分物静かな子だとその時、良介はそう思った。

 

「そう言えば良介君は今、どんな事をやっているの?」

良介との会話が進むにつれ、施設長が良介の仕事を聞いてきた。

まぁ、毎度毎度多額の寄付と施設に居る子供達に沢山のお土産を買ってくるのだから、施設長が気になるのも当然だった。

今更ではあるが、聞かれたので良介は答えた。

「探偵業をしています」

「探偵?」

「ええ、まぁ探偵というか・・万屋みたいなもんですけど・・・・」

「探偵・・・・ねぇ・・・・」

良介の職業が探偵と言う事に施設長は考え込む仕草をとる。

そして、

「ねぇ、良介君」

「何でしょう?」

「貴方に依頼したい件が有るんだけど・・・・」

施設長は良介に依頼を持ちこんだ。

「依頼・・・・ですか・・・・? 何でしょう?」

「ええ、さっきお茶を持ってきた子・・・・神代 美耶子(かじろ みやこ)って言うんだけど、実は彼女、夜実島の出身なの・・・・」

「夜実島?」

聞いた事のない島の名前を言われ、首を傾げる良介。

「知らないかしら? 十五年前に島に住んでいる人達が謎の失踪を遂げた島で、今も見付かっていないらしいの・・当時はかなりマスコミとかで取り上げられた島なんだけど?」

「昔はあまりテレビとか見なかったから・・・・それでその子がどうかしましたか?」

「彼女、夜になるとよく魘される事があるの・・・・それでその謎を解くカギが夜実島にある・・って、美耶子ちゃん本人は言うんだけど、彼女一人を島に向かわせる訳にはいかないの・・・・それで良介君にあの子を島に連れて行ってほしいの」

「俺が?」

「ええ、それに島は今、国の管理下に置かれていて一般の人は立ち入り禁止になっていて・・・・良介君なら、その・・探偵をやっているから・・・・警察の人とも仲がいいと思って・・・・」

「施設長、ドラマの見過ぎだ・・・・普通の探偵はドラマに出てくる探偵ほど事件と遭遇しないし、警察に友達なんかいないって」

「そう・・・・」

良介の言葉を聞き、がっかりした施設長。

「・・・・」

その様子から良介は世話になったと言う事もあり、この依頼をどうにかしたいと思った。

「まぁ・・・・普通の探偵ならばの話しだがな・・・・」

「えっ?」

「俺はちょっと普通の探偵じゃないからな、いいぜ、施設長のその依頼受けようじゃないか。昔世話になった恩もあるわけだし、後輩のために頑張るのも先輩の役目だ」

「ありがとう良介君」

施設長からの依頼を受けた良介は、依頼料もタダで引き受けると言い出した。

昔、世話になった恩もあるが、

集団失踪が起きた島・・・・。

それが良介の興味を引いたのだ。

その後、応接室に先程、お茶を運んできた女の子、神代 美耶子が呼ばれ、夜な夜な見る悪夢の事を聞くと、夢の中でサイレンの様な音がする荒れ地で誰かが自分に警告を送り、「島に戻ってはいけない」と言う。

その島こそ、彼女が発見・保護された夜実島なのだと彼女は確信していた。

彼女は悪夢から解放されたい事と、自分に警告を送ってくる声の主を確かめたく、危険を承知で島へ行きたいと言うが、十五年前、全島民が謎の失踪をしてから、島は国の管理下に置かれ、立ち入りが制限されており、一般人の美耶子では島に行く事さえできないと言う。

「わかった、島へ行く手配は俺が何とかしよう。それとその夜実島についても行く前に色々と調べたいから少し時間をくれ」

「分かりました・・・・あの・・・・宮本さん」

「ん?」

「ありがとうございます・・・・・その・・・・依頼を受けてくださって・・・・・」

「いいってことよ。それじゃあ準備が出来たら連絡を入れるから」

「はい・・・・」

良介は施設を出た後、携帯端末でミッドの宮本家に連絡を入れ、こっち(地球)で依頼を受けた事を伝え、暫く地球に滞在する旨を伝えた。

ギンガに暫く地球に滞在する事を伝えた後、良介は近くのホテルを拠点として夜実島の事を調べるのと同時に海鳴で知り合った警官のリスティに島への立ち入り許可を求めた。

良介からの頼みと言う事でリスティは何とかしてくれるみたいなのだが、許可証が発行されるまで少し時間がかかると言ってきたので、島へ入るための許可証の件はリスティに任せ、その許可証が出るまで、良介は島について調べる事に専念した。

まず、良介は図書館へと足を運び、今回の目的地である夜実島で起こり、依頼人である美耶子が関係している島民失踪事件について調べることにした。

十五年前の出来事とは言え、施設長の言う通り、大勢の島民が一晩で忽然と姿を消したということで、当時はかなり騒がれたようで、島に関係する本や新聞、雑誌などはすぐに見付かった。

島のライフラインの突然の停止原因は海底ケーブルの切断によるものだと後日の調査でそれは判明しており、問題は島民の行方であった。

新聞や雑誌に書いてある事は突然の海底ケーブルによる断線と捜索の末、発見された生存者が当時、赤ちゃんだった美耶子と男性が一名の計二名ということだけであった。

美耶子の他に発見された男性は名前を土田 圭(つちだ けい)と言い、職業はジャーナリストと言う事は分かったのだが、島に何を調査・取材に来たかは分からなかった。

発見時、彼はボールペンで自らの鼓膜を破り、「サイレンが鳴ったら外へ出てはならない、明りを絶やしてはならない」と、救助に来た人達に意味不明な事を叫んでいた。

そしてこの土田は救助されてから間もなく自殺している事も判明し、現時点では島民失踪事件の生存者は美耶子ただ一人と言う事になる。

調べを進めて行く内に、世界中でも似たような集団失踪事件が何件かある事が分かった。

 

 

ロアノーク島植民地集団失踪事件 (1587年〜1590年)

1584年、時のイギリス女王エリザベス一世の寵臣、ウォルター・ローリーが率いるアメリカ大陸探検隊が、ロアノーク島に辿り着いた。

およそ六週間の滞在を経て、この地が植民に適しているという感触を得たローリーは、帰国後、早速植民地建設計画を練り上げ、イギリス議会の下院へ計画書を提出する。

女王はローリーに対し、サーの称号と、発見した地域を自身にちなんでヴァージニアと呼ぶ許可を与えてこれに報いた。

しかし、ローリーの報告とは裏腹に、ロアノーク島近辺は決して植民に適しているとは言えなかった。

近海は岩礁だらけで、浅瀬が多く、常に座礁の危険があったのだ。取り敢えず一隊はロアノーク島北部に砦を建設し、グレンヴィルは進捗状況を報告するため帰国。

一方、107名の男と共に砦に残り守備を担っていた守備隊達は、現地のインディアン(先住民)と衝突して激戦を 繰り返していた。

彼らは戦いには長けていたものの、植民に関しては素人同然であったため、食料の 欠乏を如何ともしがたく、すっかり植民の意欲を失っていた。

そんな中、サー・フランシス・ドレーク提督率いる探検隊が近くを通りかかり、ドレーク提督たちに救出されると、これ幸いとばかりに島に居た人たちは提督たちと一緒にイギリスへ帰国してしまい、最初の植民はみじめな結果に終わった。

二度目の植民は158758日に行われ、今度は前回の航海に 測量士兼画家として参加していたジョン・ホワイトが率いる一団150人が、再度ロアノークへ向けて出発する。

ロアノーク島に到着した一団は植民を進め、ホワイトの娘が女児を出産し、植民地にちなんでヴァージニアと名づけられるといった慶事もあった。

しかし、インディアンとの衝突が数を増すなど、状況は深刻になる一方であったことから、ホワイトは救援隊派遣を求めるべく帰国する。

ところが当時のイギリスは、スペインの無敵艦隊との決戦に向け 一国を挙げて準備が進行中で遥か西の植民地などに余計な船と人員を割いている余裕などあるはずもなく、ロアノーク島への救援は先延ばしとなる。

ようやくホワイトが救援隊と共にロアノーク島に到着したのは1590817日であった。

しかし島は不気味なくらい静かでイギリスの音楽を演奏し、何度も呼びかけるも、全く返事が無い。

18日にホワイト達は島に上陸し、捜索を始めたが、小屋や防護柵は雑草に覆われているばかりで、娘も、孫娘も、 他の仲間も、誰一人姿を見出せない。

やがて一つの標識が見つかり、きれいな大文字ではっきりこう記されていた。

 

                「 C R O A T O A N 」

と、・・・・・そして消えた人々は未だに発見されていない・・・・・。

 

『マリー・セレスト号』乗組員失踪事件(1872年)

1872年11月5日、『マリー・セレスト号』という二本マストのアメリカの帆船が原料アルコール(飲酒用ではないアルコール)を積んで、アメリカのニューヨークからイタリアのジェノバに向けて出港した。

この船に乗っていたのは、ベンジャミン・ブリッグス船長と八人の乗員、そして、船長の妻、マリー(本によってはファニーと記されている)と娘のソフィアの総勢十一人であった。

そして『マリー・セレスト号』がニューヨークを出港して1ヵ月後の12月5日、その『マリー・セレスト号』が、ポルトガルとアゾレス諸島の間の大西洋を漂流しているのが、イギリス船『デイ・グラシア号』に発見された。

『マリー・スレスト号』は航行している様子はなく、海上を漂っている状態だったため、何か事故が発生したのではと思い、『グラシア号』は、『マリー・セレスト号』に近づいて船を横付けにして声をかけてみたが、返事がない。そのため、船長以下、数人の乗組員が『マリー・セレスト号』に乗り込んで中の様子を確認することにした。

しかし、船の中には誰も見当たらなかった・・・・。 

海賊に襲われたのか? 

それとも船内で伝染病が起き、皆その病気に感染して乗組員全員が死亡したのだろうか? 

それにしても、死体がないのはおかしい。

しかし、不思議なことはそれだけではなかった・・・・。 

船内の様子を調べる内に、次々と奇怪なことが分かったのだ。

 

無人で漂流していた『マリー・セレスト号』の船長室のテーブルの上にあった食事は食べかけのままで暖かく、コーヒーは、まだ湯気を立てており、調理室では、火にかけたままの鍋がグツグツと煮立っていた。

また他の船員の部屋には食べかけのチキンと、シチューが残っていた・・・・。

 

洗面所にはついさっきまでヒゲを剃っていたような形跡があり、ある船員の部屋には血のついたナイフが置いてあった。 

そして、船長の航海日誌には、「12月4日、我が妻マリー(本によってはファニー)が・・・・」と走り書きが残っていた・・・・。

船に備え付けの救命ボートも全部残っており、綱をほどいた形跡もなかった。

船の倉庫には、まだたくさんの食料や飲み水が残っており、積荷のアルコールの樽も置かれたままで、盗難にあった様子はなかった。

 

12月4日、一体この船に何が起こったのだろうか?

『マリー・セレスト号』の乗組員が、どこへ消えたのかは、未だ謎のままである。

 

ノーフォーク連隊集団失踪事件(1915年)

第一次世界大戦中の1915828日、連合国軍は、同盟国軍側であるオスマン帝国の首都イスタンブールを制圧すべく、ガリポリ半島に軍を展開しつつあり、イギリス陸軍ノーフォーク連隊三百余名もサル・ベイ丘の第60号丘陵の占拠を目指し歩みを進めていた・・・・。

以下はオーストラリア及びニュージランドの連合部隊、通称アンザック軍団が目撃した奇妙な出来事である。

 

その日は快晴であったが、丘の上には複数の奇妙な雲の塊が漂っていた。

不思議なことにその雲はどれも形が似ており、風に流されることもなく一箇所に固まっていた。

丘の上へと行軍を続けるノーフォーク連隊の将兵達は次々に雲の中へと消えていき、やがて最後の一人も姿を消した。

 

およそ一時間後、雲は空に流され消えた・・・・。

当然、雲の向こうにはノーフォーク連隊が展開している筈であった。ところが雲が去り、アンザック軍団が目撃したのは、無人の丘陵地帯だったのである。

ノーフォーク連隊の誰一人として雲から出てきていない以上、彼らはそこに居なければならなかった。・・だが、彼らは居なかった・・・・。

やがて戦争が終結し、イギリス側はオスマン帝国に対しノーフォーク連隊将兵の返還を要求した。

イギリス政府は、消息を絶ったノーフォーク連隊はオスマン帝国軍の襲撃を受け、多数が捕虜にされたと考えていたからである。

だが、オスマン帝国は、そのような部隊との交戦記録は無いとしてイギリスの要求を否定。

一部始終を目撃していたアンザック軍団の将兵も、当時いかなる戦闘行為も行われなかったと署名つきで証言、オスマン帝国の見解を裏付けた。

結局ノーフォーク連隊は全員が「行方不明」として処理された。

あの時、彼らに一体何が起こったのかは今日でも不明である。

そしてノーフォーク連隊の将兵達は現在も行方不明のままである。

 

イヌイット村、村人集団失踪事件  (1930年)

193011月、カナダの猟師ジョー・ラベルは、チャーチルから500マイル北方に位置する アンジクニ湖近くのイヌイット村を訪れた。

この村には多数のイヌイットが暮らしており、ジョーは彼らとは良い付き合いであった。

ところがその日、ラベルの目に飛び込んできたのは、誰一人として存在しない無人の村であったのである。

彼が村を調べてみると、手のつけられていない食べ物、縫い物の途中で放棄された針や布などが 見つかり、飼われていた七匹の犬が餓死していた。

何か村に急な異変が起き、村人達は慌てて 村を放棄したのだろうか?

だが、湖の近くでカヤック(ボート)が打ち捨てられたままであったため、湖を越えたのではないのは 明らかである。しかも、ライフルまでも放置されているのは妙であった。

狩猟を行うイヌイットにとってライフルは生活必需品であり、それを残して旅に出ることなど有り得ない。

 

やがて警察隊が調査に訪れると、さらに奇妙な点に出くわした。

なんと、村にある墓が掘り起こされており、土の中に 埋葬されていた筈の死体が全て消えていたのである。

食器に残っていた穀粒の形状から、村から村人達はおろか、埋葬された死体までもが姿を消したのはおよそ二ヶ月前であることが判明した。

失踪の原因は今も不明で、村人は現在も行方不明である。

 

バミューダ・トライアングル フライト19遭難事件 (1945年)

太平洋戦争が終結したこの年、19451251410、フロリダ州フォート・ローダデールの海軍基地から、五機のTBMアベンジャー雷撃機が飛行訓練のために飛び立った。

隊長のチャールズ・キャロル・テイラー中尉は、2,500の飛行時間を持つベテランパイロットである。五機のアベンジャーには総勢十四名の搭乗員が乗っていたが、みな歴戦のパイロットだった。

 

帰還予定時間をやや過ぎた1545、基地のコントロールタワーにテイラー中尉から不可解な無線連絡が入った。

「タワーに告ぐ!!こちら指令機。緊急事態発生!!我々はコースをはずれたらしい。陸地が全く見えない・・・・」

現在位置を訊く管制官にテイラー中尉は答えた。

「それが分からない。どこを飛んでいるのかさっぱり分からない!!」

「とにかく西へ向かえ!!」

と、指示するタワーに、パニックに陥っているテイラー中尉の声が返ってきた。

「どっちが西か分からない!!・・・・奇妙だ。・・・・何もかもおかしい。方向がつかめないし、海の様子もいつもと違って妙に白い・・・・」

タワーに詰めるメンバーは困惑した。

この時間は太陽が西に傾き、その太陽の方向へ飛べばともかく陸地には着く筈である。しかし、西の方角が判らないとは、どう言う事なのか?

タワーには、徐々に感度が弱まりながら、フライト19編隊各機からの無線通信が次々と入ってくる。

「一体、何が起こったんだ?雲の中に入ったのか?他の四機はどこへ行った?」

「計器がみんな狂った!!」

「現在1625分。現在地は不明。迷ってしまったらしい。・・・うわっ!? 白い水に突入した!!」

そして、またテイラー中尉の声が入った。

「ここはどこだ?いや、基地の北東360キロ・・」

「見ろ!!我々がいるところは・・・・」

その一言を最後に、フライト19からの通信は途絶えた。

フライト19編隊は燃料を満載していたが、それも1,000マイル・約四時間の飛行で底を尽いてしまう。

フライト19編隊の燃料が尽きたと思われる頃、遭難を確信したタワーは、救難機を飛ばす事にした。

 

1830、要請を受けたハバナリバー海軍基地から、マーチンPBMマリナー飛行艇が十三人の乗員を乗せて飛び立ち、フライト19の無線途絶地点へと向った。

 

1950頃、救助に出たマリナー飛行艇から無線連絡が入った。

 

「フライト19はまだ発見出来ない。何かまわりの様子がおかしい。うわっ、何か白いものに包まれた!!」

救助に向かったマリナー飛行艇も、これを最後に通信が途絶し、忽然とその姿を消した・・・・。

フライト19の機体、搭乗員、マリナー飛行艇の機体、搭乗員は未だに発見されていない。

 

またフライト19の他にもバミューダ・トライアングルでは数多くの船舶や航空機が姿を消している・・・・。

 

1963922日、アメリカ空軍大型輸送機C133カーゴマスターが十人の乗員を乗せて大西洋のアゾレス諸島から飛び立った。

15時ごろ「本機はただいまマイアミビーチより南東150キロの海上上空を飛行中」と報告はあったものの、この通信を最後に、カーゴマスターは消息を絶った。

管制塔がいくら呼んでも応答がない。この後、アメリカの空軍や海軍が一週間の間、200機の飛行機や30隻の艦艇で考えられる全ての地域を探し回ったが、機体の破片も乗組員の死体も、パシュートや救命具も発見されなかった。

 

1947年、アメリカ陸軍C54輸送機がキューバ上空を過ぎた後、機長のホーガン大尉が「こちらホーガン、視界ゼロ、針路を失う。現在位置を知らせよ。」と、無電を入れてきた。

そしてその後に大声で操縦不能だとかSOS信号を叫び、そのまま無電は切れ、その後管制塔がいくら応答を求めてもガーガーと雑音が聞こえるだけで音信不通になった。C54輸送機はそのまま乗員と共に行方不明となった。

 

1947年、アメリカ空軍カーチスC46輸送機は、三十二人の乗員を乗せてバハマ上空で行方不明となった。

後日、C46輸送機の機体がジャマイカのブルー山脈で発見されたが、発見されたのは機体だけであり、乗員三十二人の死体は一体も発見されなかった。

 

そして、このバミューダ海域では、航空機の他に多くの船舶も遭難している。

1918年 313日、アメリカ海軍の輸送船『サイクロプス号』は、西インド諸島のジョージ・タウンから出港してバミューダ海域で行方不明となった。

『サイクロプス号』は、重量14000トン、乗員は海軍兵士二百二名というこの巨大な船は何処かへと消息を絶ち、一人の生存者も遺体も漂流物も発見されなかった。

 

また、『サイクロプス号』の他に、

1880年 1月イギリス海軍の船『アトランタ号』。乗員三百人と共にバミューダ島近くの海で行方不明。

1920年 4月フランスの客船『オブライエン号』。乗員百五十人と共にフロリダ沖で行方不明。

1926年 3月アメリカの貨物船『サダフコ号』。乗員二十六人が行方不明。

1950年 6月スペインの貨物船『サンドラ号』。乗員八十五人と共にハイチ近くで行方不明。

1966年 12月メキシコの輸送船『サザン・シティ号』。乗員十六人と共にカリブ海のハイチ近くで行方不明。

1970年 『ミルトン・イアリトリード号』(フランス貨物船) 行方不明。

1973年 『アニタ号』(ドイツ貨物船) 行方不明。

これらの船舶が行方不明になっている。 (実際は此処に記された船舶や航空機よりも多くの船舶や航空機が消息不明になっている)

それら行方不明となった船舶、航空機の船体に機体、乗組員は全て行方不明となっており、現在も発見されていない。

 

その他にも、神隠しと呼ばれる現象で人間が突然消える事例は世界中で幾つもあった。

(神隠し・・・・ねぇ・・・・まさか、管理局とか管理世界の人間が管理外世界の人間を攫っている訳・・じゃないよな・・・・・)

そんな事を考えつつも、良介は次に今回の依頼の舞台となる夜実島自体の事を調べた。

それによると、かつて夜実島は江戸時代には疫病や難病にかかった病人や患者を隔離するための島だったことが分かった。

そのためか、その島には独自の風習が根強く、島民同士の結束力は強いが、余所から来た者については冷たい態度を取る事が多かった。

明治時代の中頃、島から石炭や金が採掘されるようになると、鉱山労働者達が大勢その島に入植するようになり、島の様子も今までとは違いガラリと変わった。

そして昭和時代・・・・太平洋戦争真っ只中には島には幾つもの砲台が設置され、山間部には山の内部をくり抜いた軍の司令部が設置された。

やがて戦争が終わると、砲台はGHQの命令により撤去され、炭鉱の方も石炭から石油への燃料転換期を迎えると炭鉱は閉鎖となり、また金鉱の方も、あらかた掘り尽くされて、金は出無くなり、炭鉱と同様に閉鎖となり鉱山労働者達は次々と島を去っていき、島はまた従来の静けさを取り戻しつつあった。

島に再び転機が訪れたのは昭和の後半・・高度経済期であった。

国はこの島を一大観光地にしようと島の観光地化を進め、島は開発の為、再び多くの人で賑わうようになった。

そんな中で起きたのが、海底ケーブルの突然の切断と全島民の失踪だった。

 

良介は世界中で起きている神隠し現象と夜実島についての情報を持っていた手帳に書き始めた。

この時、良介はこの後、あの様な非現実的な出来事が起こるとは夢にも思っていなかった。

 

 

登場人物紹介

 

名前等はSIRENシリーズと同じですが、設定などはSIRENシリーズとは異なります。

 

神代 美耶子 (15)

十五年前にあった夜実島集団失踪事件の生存者の一人。

救助後、天涯孤独の身となり、良介が昔世話になった施設に現在入居中。

施設では面倒見の良い子で、怪我をした子どもたちの面倒を見ることが多く、応急治療に慣れている。

年を重ねるにつれ、悪夢でうなされる事が多くなり、その原因が夜実島に何か関係しているのではと思い、島へ行く事を決意し、良介に島への同行を依頼した。

※ゲーム(PS2版)の神代 美耶子は盲目の設定でしたが、この話の美耶子は目が見えています。

 

土田 圭 (38) 夜実島集団失踪当時

美耶子と同じく夜実島集団失踪事件の生存者の一人。

持っていた身分証明書から職業はジャーナリストであった。

しかし、何の目的があって夜実島へ来たのかは不明。

発見時には精神錯乱状態で発狂しており、夜実島から救助された後に自殺した。

※このキャラは映画版SIRENで俳優 阿部 寛さんが演じており、ゲーム版には登場していません。

 

 

あとがき

一応、この世界では、良介君は探偵と言う職業についている設定なので、今まで其れっぽい所を描いていなかったので、今回はSIRENネタと被せて書いてみました。

SIREN2の舞台は夜見島と言う島でしたが、この世界では、夜実島へと偏向しました。

良介君が調べた失踪事件において、実際に起こった消失・遭難事故でマリー・セレスト号の件については幾つか尾ひれがついていると言われています。

イギリス船の船員が、マリー・セレスト号に乗った時、そこについさっきまで人が居た様な形跡は無く、また船長の妻の名前もマリーと言う名前ではなく、航海日誌にも『我妻マリーが・・・・』なんて記述は無く、実際に救命ボートも無かったとのことです。

マリー・セレスト号の事件において、有力な説が、積み荷であるアルコールの樽を原因とするものである。

船長はこれまでの船乗り生活で、アルコールの運搬に経験が無く、今回が初めてだった。

そのため、彼はアルコールによって船が爆発するのではないかと言う不安を抱えていた。

そして、航海中にアルコールの匂いと靄が激しく吹き出したため彼は船が爆発すると考え、船長は全員に救命ボートに移るよう命令した。

急ぐあまり、船長は丈夫な引き縄で船と救命ボートを適切に結びつけることができなかった。風が強くなると、船は救命ボートから離れてしまった。

一説によれば、船の後方に垂れ下がる、端のほつれたロープは、乗員が、緊急事態が過ぎ去るだろうと希望して船にしがみついていた証拠であるという。

船は総帆状態で遺棄され、暴風雨が直後に記録されている。

総帆状態の船の力によって救命ボートとの間のロープが切れたか結び目がほどけたのかもしれない。暴風雨の中の小さなボートであれば、メアリー・セレスト号なみに進まない。

いずれにせよ、救命ボートで脱出した者は海に落ちて溺れたか、または海上を何日も漂流した結果、飢え、渇き、及び直射日光のために死んだかのいずれかだとされる。

 

またバミューダ海域でのフライト19遭難事故では、「白い水が・・・・」とフライト19乗員が管制塔に言った記録は無かったそうです。

さらに当日の天候は、暴風と雲が多い最悪の天候で、乗員もテイラー中尉ともう一人以外は、皆練習生だった。

フライト19遭難事故について、有力な仮説が、現在位置を見失ったフライト19は空中を彷徨っている間に、燃料切れを起こし、海へと墜落、救助に向かった飛行艇も実は頻繁にガソリン漏れを起こす欠陥機で、消息を絶った時間、近くを航行していた船が空中爆発を目撃していた様です。

しかし、これもあくまで推測でしかないので、もしかしたら、真実は別にあるのかもしれません。

 




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