この話は、名無しASさんの『スバルエンド〜甘い一時』 『スバル追加エンド〜ゆめがさめたら〜』 を読んでからの方がよりわかる内容かもしれません。

 

 

では、本編をどうぞ・・・・。

 

 

五十七話 ミチトノソウグウヲシタヒ もう一つの世界 もう一つの歴史 (微裏な表現あり)

 

 

「「「「・・・・・・・」」」」

異世界の良介の話をここまで聞いて、この世界の宮本家+スバルは終始無言。

自分達が知り、歩んできた世界の歴史とは異なる世界の歴史を知り、何と言ったら良いのか分からなかったからである。

そんな様子の宮本家の姿を見て、異世界の良介は問う。

「ん?お前たちの世界じゃ違うのか?」

「あ、ああ・・・・まず、俺が最初に会ったのはギンガだったからな・・・・恐らくその時点で世界が別れたのだろう。 まさか、スバルを選んでいた俺がなのは達に追いかけ回されるとは・・・・」

「えっ?お前は追いかけられていないのか?」

この世界の良介の口ぶりから、なのは達に追いかけまわされていない様子に、異世界の良介は意外性を感じていた。

「ああ。俺の場合はいつも絵を描いている公園でギンガと会って・・・・そのままギンガといい雰囲気になっていたところに、はやてとシグナム達が空から降ってきてそのままボコられた・・・・。なのはやフェイト、ティアナからは何もされていないな・・・・」

自分のされた仕打ちとの違いに異世界の良介はガックリと項垂れる。

もし、あの時ギンガの方を選んでいたら僅かながらも自分が受ける被害は少なかったのだから・・・・。

そしてギンガの方はと言うと、あの時、公園で良介とした口付けの事を思い出したようで少し頬が赤い。

「ど、ドンマイだよ。パパりん。あの時パパりんがママりんを選んでくれたおかげでアタシはこうして生まれてこれたんだから」

ステラは自分の父親の肩を叩きながら、項垂れている父親を慰める。

「・・・・ステラ・・・・そうか・・・・そうだよな・・・・・」

娘に慰められて少しだけ調子を取り戻した異世界の良介。

「それで、その後はどうなったの?」

「あ、ああ・・その後は・・・・」

アリサが続きを聞きたがり、異世界の良介は続きを語りだす。

 

 

ようやく両手のギブスがとれたスバルであったが、体の方はまだ完治しておらず、良介共々入院生活はまだ続いた・・・・。

良介の病室にはなのは達が仕事の合間を繕ってお見舞いに来てくれる。

その様子をスバルは良介の病室でジッと見ていた。

目の前で恋人宣言をされたせいか、なのはとティアナはお見舞いの中、ちょこちょこと、良介に自らをアプローチしており、スバルとしてはハラハラしながらその様子を見る日が続いた。

 

ある日、ギンガがお見舞いのため、果物の詰め合わせを持ってスバルの病室にお見舞いに訪れ、スバルのためにその果物を剥いてくれた。

「・・・・」

しかし、スバルは果物を目の前にしてもなかなか手をつけず、何か思い悩んでいた。

「どうしたの?スバル?」

そんなスバルにギンガは声をかけた。

普段ならば、食べ物に興味を示す筈のスバルが果物になかなか手に着けないのがギンガとしては意外だったのだ。

もしかして、どこか体調が悪いのかと思い、ギンガはスバルに声をかけた。

「スバル?」

「・・・・・」

「スバル?」

「・・・・・」

「スバル!?」

自分の呼び声に反応しないスバルにギンガは少し大きめな声を出し呼びかけると、

「あっ・・な、何かな?ギン姉?」

慌ててスバルはギンガの声に反応した。

「どうしたの?スバル?何か思い悩んでいた様だけど?どこか体調が悪いの?」

妹の態度に少し違和感を覚えたギンガはスバルが何か悩みを抱えているのではないかと思い、スバルの相談にのった。

「あっ・・・・うん・・・・体の具合は大丈夫だよ・・・その・・・・実は・・・・」

そしてスバルはギンガに話した。いや、姉であるギンガだからこそ話したのだ。

自分が良介のことを好きな事を・・・・。

良介が復活した日に、彼が自分を立ち直らせてくれた事・・・・。

そんな彼が愛おしく、彼にキスをして告白した事・・・・。

でも、なのはやティアナ達が良介に好意を持っていることも知っている。

スバルは他の誰かに良介を譲る気持ちは更々無い。しかし、その半面、憧れているなのはや親友のティアナから良介を奪う事になるかもしれないと言う負い目を感じている。

そして良介が自分を選んでくれた後、なのは達とこのまま上手くやっていけるだろうか?

なのは達が憧れ、密かに想いを寄せていた彼を奪い取り、なのは達に自分は泥棒猫のように思われるのではないか?

そんな不安がスバルに付きまとった。

ギンガはスバルの悩みを聞いて、「大きくなった」とスバルの成長を嬉しく思った。と同時にギンガは自分の初恋が終わったのだとも思った。

しかし、ギンガにとっては、妹の成長の方が嬉しかった。

この前までは「ギン姉、ギン姉」と、子犬のように自分の後ろを付いてきたあのスバルが今、こうして一人の男に恋焦がれている。

恋している男が良介ということがギンガには複雑な思いがあるが、クイント(母)が死んでギンガはスバルの姉であり母でもある存在だった。

そんな存在だからこそスバルの恋はギンガにとって嬉しい事には変わらない。

小さかった少女が今、一人の女になろうとしている。その事実が成長の証で嬉しいのだ。

ギンガはスバルの話を聞き、先日ナンバーズの更生担当官になったことを話した。

一度は敵対した者同士であったが、今はこうして分かりあえているのだ。

まして、なのはやティアナは訓練校時代、六課時代を共に過ごした戦友なのだ。

一人の男を盗られたからといってその絆に亀裂が入るほど、スバルとなのは達の仲はヤワなものだったのかと、問うとスバルの中にあった不安の雲は晴れたようだった。

家に帰るギンガにスバルは最後に一言「ギン姉、アタシ頑張るよ!!」と言っていた。

 

その日の夜。

看護師さんの夜の巡回が終わった時刻に良介の病室にスバルの姿があった。

スバルはベッドの上で眠っている良介の上にまたがり、良介を起こす。

「宮本さん・・・・宮本さん・・・・・」

「ん?・・・・んぅ・・・・・」

眠っていた良介がスバルに乗っかられ、呼ばれたことにうっすらと瞼を開いて起きた。

「えっ!? す、スバル!? ちょっ、お、お前、何やってんだ!?」

「み、宮本さん・・・・//////

「な、なんだ?」

スバルは急に顔を赤らめ、うっとりした目で良介に顔を近づけてくる。

カーテンの隙間から差し込む月の光を浴びている姿が何とも神秘的で、

そんなスバルに良介はタジタジ。

「宮本さん・・・・あの時の続き・・・・・いいですか?//////

「えっ!?あ、あの時の続き?」

あの時の続きと言われ、良介は、復活した日、なのは達がスバルの病室に訪ねてくる直前の事を思い出す。

確かにあの時のスバルの顔は、妹の様な少女の顔でなく、一人の女の顔をしていた。

そのスバルが今、また自分の目の前に居る・・・・。

「はい・・・・あの時の・・続き・・です・・・・//////

そう言うとスバルは良介の口に自分の唇を重ねる。

「「んっ・・・・んっ・・・・」」

スバルは良介の口の中に自らの舌を進入させ、良介の舌と絡ませる。

絡み合う舌で両者の口周りは二人の唾液が交り、ぴちゃ、ぴちゃ、とした水音が病室に静かに響く。

「ぷはっ・・・・ハァハァハァハァ・・・・・」

「ハァ・・ハァ・・ハァ・・ハァ・・」

濃厚な口付けを終え、両者とも呼吸を整えるが、スバルの目は熱を帯び、とろんとした目で良介を見ている。

「宮本さん・・・アタシと・・・・して・・・・くれます?//////

「ちょ、ちょっとまて、スバル・・・・・お前、自分が何を言っているのか分かっているのか!?」

「わかっていますよ、宮本さん」

そう言いながらスバルは着ている病院衣の上着をゆっくりと脱ぎ出す。

「だったら・・・・」

「宮本さん、アタシ、さっき言ったじゃありませんか。 あの時の続きって・・・・宮本さんだってあの時、なのはさんとティアがこなかったらアタシを抱いていたでしょう?」

「っ!?」

スバルの問いに良介は何も言えなかった。

確かにあの時、なのはとティアナが来なければその場の雰囲気でスバルを抱いていただろう。

「宮本さん・・・・お願い・・・・アタシを・・抱いて・・・・//////

熱を帯び、潤んだ瞳で抱いてくれと言うスバル。

良介の中ではスバルはまだまだあどけない少女だった。いや筈だった。それがこうして自らの意志で少女から一人の女になろうとしている。

先ほどから冷静を保っている良介も内心はかなり焦っていた。

心臓は波を打つように激しく鼓動し、理性という鉄の壁は崩壊寸前で、もう一言スバルからの甘い誘惑があれば性欲と言う名の欲が良介を支配してしまう。

「ねぇ・・・・お願い・・・・宮本さん・・・・んっ・・・・・」

理性と必死に戦っていた良介に止めと言わんばかりにスバルが再び良介にキスをする。

これが引き金となった。

良介の理性は崩壊し、その勢いを殺すことなくスバルを押し倒し、スバルの来ている病院衣と下着を強引に脱がし、生まれたままの姿(全裸)にすると、獣の如くスバルを抱いた・・・・。

スバルの身体に食らいつき、貪り、ただひたすらスバルを犯した・・・・。

スバルも初めて男を受け入れたが、初めての営みは思った以上に痛く、その痛みに喘いだ・・・・。

痛くて辛いはずなのに、もっと欲しい・・・・

もっと良介からの寵愛が欲しい・・・・。

そんな矛盾した思いの中、スバルは我慢することなく、甘く、そして辛そうな声を出す。

そしてその行為が良介の中の獣に更なる欲をかき立てる形となり、二人は互いに意識を失うまで、互いの身体を求めあった・・・・。

 

 

そして翌朝・・・・。

「・・・・や、やっちまった・・・・・・」

朝、カーテンの隙間から朝日の光を浴びながら良介は激しい自己嫌悪に打ちひしがれていた。

良介の隣には幸せそうな表情で眠るスバル。

床には散らばった二人分の下着と病院衣・・・・。

ベッドのシーツには彼女が純潔を失った証がある・・・・。

当然、二人の恰好は一糸まとわず、生まれた時の姿そのままだった。

この事を知ったなのは達の事を思うとあの時の悪夢が蘇る。

特に妹を傷モノにしたと知ったギンガとゲンヤの報復がなによりも怖かった。

「はぁ〜・・・・」

良介は深いため息ついた。

先の事を考えると憂鬱だった。

しかし、今はただ、もう少し、スバルの寝顔を見たかった。

良介は朝の巡回が来るギリギリまでスバルの寝顔を見つめていた。

そして時間になり、自分の病室に戻ってもらおうと、スバルを起こし、病院衣を着させる。

自分の病室に戻る前にスバルは良介にキスを強請り、キスをしてもらいスバルは自分の病室に戻った。

病室に戻ったスバルはベッドの上で布団に包まりながら、良介に抱かれたことに高揚した。

身体に刻まれた痛みはその証・・・・。

今もお腹の中にある熱い違和感は彼に抱かれた証・・・・。

スバルは身体の痛みよりも、幸福感で一杯だった・・・・。

 

スバルが良介に抱かれた日、いつものようにギンガがスバルのお見舞いに来た。

その時のスバルは昨日見たスバルよりもどこか女らしくなっており、晴れ晴れとした表情をしていた。

ギンガが「何かいい事でもあったの?」と問うと、スバルは急に顔を頷かせ、顔全体を赤らめた。

「・・・・す、スバル・・・・あなた・・・・ま、まさか・・・・」

ギンガの声は少し震えている。

たしかに昨日、帰り際、スバルは自分に「頑張るよ」と、言ったが、まさかその日の内に、夜討ちをしかけたのかと思い、スバルにその真意を問う。

「スバル・・・・あなた・・まさか・・・・良介さんと・・・・・」

「う。うん・・・・昨日の夜・・・・宮本さんと・・・・・やっちゃった//////

顔を赤くし頷きながら答えるスバル。

その言葉にギンガは言い知れぬショックのようなものを感じた。しかし、スバルの方は相変わらず嬉しそう。

「ぎ、ギン姉!!大丈夫?」

倒れこむように椅子に腰かけるギンガにスバルは声をかける。

「え、ええ・・大丈夫よ、スバル・・・・」

「そう?それならよかった」

姉の心配を知らず、スバルは相変わらず嬉しそうな表情である。

 

 

「それでスバル。もう一度確認するけど、本当に良介さんに抱かれたの?」

改めて、スバルに昨夜の事を問いただすギンガ。

「う、うん//////

「そ、そう・・・・」

しかし、真相は変わらず、昨夜スバルは良介に抱かれたのだと、スバルは認めた。

「あっ、でも誘ったのはアタシの方だからね。だから宮本さんを責めないであげて!!」

スバルは咄嗟に良介を弁護した。

結果的にスバルが良介に抱かれたのは事実であるが、良介の理性を奪ったのはスバルの甘美な誘惑あってのことだったからである。

スバルの話を聞く限りでは一方的に良介を断罪するわけにはいかず、ギンガはスバルに自分以外にはまだこの事を言わないように釘を刺してこの件は不問にした。

しかし、心の中では良介にはしっかりと責任をとって貰うつもりでいた。

当然、父親(ゲンヤ)共々、結婚前の妹を傷物にしたのだから、一発は殴るつもりだった。

 

 

良介とスバルが退院した後、二人は互いに時間を見つけてはデートを楽しんでいたが、スバルの中には未だ不安があった。

それは、良介から未だに良介からキスをされていないこと、告白をされていないことだった。

当然、あの夜の後、良介から抱かれることも無い。

スバルが誘っても、良介は何かしら理由をつけて避けている。

退院以降、デートの後には必ず、キスをしている二人だったが、それは何時もスバルの方から行い、良介の方からスバルにキスをすることは今の所無かった。

そして良介を取り巻く女性関係の中では、体を重ねたという事で、なのは達とは一歩リードしていることに変わらないが、もし、スバルが良介に抱かれた事実がギンガ以外の人にバレれば、なのは達がこの先、強行的に良介と関係を持つ可能性はこの先十分にあった。

そうなれば魔導士としての経験、魔力保有量、良介との付き合いの差から自分は圧倒的に不利になるのは目に見えていた。

そしてその事がスバルに新たな不安を根付かせる要因の一つとなっていた。

一方、その良介の方も実は悩んでいた。

あの世でクイントに「ギンガかスバルを貰ってくれないか?」と言われ、その後、スバルを抱いた事から妙にスバルの事を意識してしまい、その場の勢いとは言え、スバルを抱いてしまったことに責任を感じていた。

スバルの様にすぐに行動に移せて感じた事を率直に言えることが出来ればどれだけ楽だろうか?

しかし、今までの人生を孤独に過ごして来た良介にとってこの感情が庇護欲の延長線上のモノなのか、それとも恋愛なのか、その感情の整理にさえ困惑していた。

良介は一度、地球に戻りなのはの母、桃子に相談を持ち掛けた。

そして、桃子との相談を経てこれが恋愛なのだと自覚すると益々スバルとの距離や関係に戸惑う良介であった。

互いに悶々とした日々を過ごしていた中、良介の下に恒例のミミズ退治の依頼が舞い込み、良介にとっては暫くミッドを離れ、改めて自分を見直すいい機会だと思い、この依頼を受けた。

一方、スバルの方は良介が暫くミッドを留守にすることを聞き、寂しそうであった。

 

 

スバルは退院後、特別救助隊のスカウトが来て、念願の特別救助隊へと入隊した。

元々、六課卒業後は陸の救助活動を行う部隊に入るつもりだったのでまさに渡りに舟だった。しかも同期には更生プログラムを終え、新たにナカジマ家の養女となった元ナンバーズのノーヴェも見習い隊員として入隊し、スバルとノーヴェはコンビを組んで日々の訓練と仕事に汗を流していた。

そんなノーヴェがある日、スバルに話しかけた。

「なぁ、スバル、お前さん最近元気ないというか訓練に身が入っていないんじゃないか?」

そう、良介がミミズ退治のため、ミッドを留守にしている間、スバルは仕事中でも訓練中でもボォーっとしていることがあり、その度に上官から注意されることが何度もあった。

せっかく念願の特別救助隊にスカウトされたのにこのままでは配置転換処分を受けてしまうかもしれないとノーヴェは心配していた。

「そ、そんなことはないよ・・・・」

スバルはそう答えるが、あからさまに元気はない。

「やっぱり宮本のことか?」

宮本の名を聞き、ビクッと体を震わせた。

「なぁ、一体何があったんだよ・・・・まぁ、アタシが言えたもんじゃないけど、アタシ達、もう同じ家族だろう? 何か辛いことがあったならアタシはスバルの助けになりてぇんだよ・・・・お前さんの姉貴のギンガには色々世話になったし、その・・・・色々迷惑もかけたし・・・・だから少しでもお前やギンガの役に立ちたいんだよ!!なぁ、スバル・・話してくれよ・・・・」

スバルのあからさまな態度にスバルと良介との間に何かあったのは明白だった。

「・・・・う、うん・・・・実は・・・・・・」

ノーヴェにこうも言われては、スバルは話さない訳にもいかず、スバルはギンガとの間で秘密にしていた良介との関係を話した。

「ま、マジかよ!! お前、宮本とそんなことをしたのか!?」

「う、うん//////

更生施設に居る間に、ノーヴェ達は保体の授業で軽くではあるが、性教育について学んだ。

しかし、元々初心な性格のノーヴェにとって男女の交わりはあまりにも恥ずかしい領域で、新しく姉となったスバルが既に良介とその様な関係になっていた事に驚きが隠せなかった。

 

「それで、その後も宮本から告白されず、不安に思っていると・・・・」

「うん・・・・」

「・・・・アタシはその宮本って言う男のことを詳しく知っているわけじゃあないけど、父さんやギンガからそいつのことは話を聞きいただけで会ったことはないけど、そいつ今までの人生を一人孤独に生きてきたんだろう?」

「うん。それはアタシも知っている。・・・・なのはさん達がよく話していたから」

「だったら、ソイツも今悩んでいるんじゃねぇかな?孤独な人生を歩んできた中、いきなり自分のことを好きだなんて言う奴が出てくればそりゃ戸惑いだってするさ。 まして、身体を交えた関係なんてそりゃ、戸惑うのは当たり前さ・・・・」

「・・・・」

「ともかく、宮本の奴が帰ってきたら一度ゆっくり面と向かって話し合ってみろよ。なっ?」

「う、うん・・・・わかった・・・・ありがとう。ノーヴェ」

ノーヴェに励まされスバルは何とか割り切った。

そして、良介と直に話し合おうと思った・・・・。

その日までスバルは待つことにした・・・・。

彼が・・・・良介が帰ってくるその日まで・・・・・。

 

 

おまけ

 

宮本良介によるへの28号の見解

 

への28号(本名不明)多分コードネームだと思う。

カルタスの旦那に次ぐゲンヤのとっつぁんの信頼が厚い部下の一人で、主に情報収集を専門に扱っているという。

ここ最近は何故かカメラにはまっており、非番の日はよくカメラ片手に公園等で目撃されている。

 

「もはや、カメラは僕の体の一部といっても過言じゃないのさ」

への28号はカメラ片手に良介にカメラの主要性を言う。

「へぇー所謂プロ魂ってヤツか?」

「具体的に指すと僕の○○○の部分と同じさ!!」

「重要さを強調したかったんだろうけど、何故そこなんだ?」

良介は呆れながらへの28号に突っ込みを入れた。

 

 

への28号はその任務柄張り込みもやる。

「僕は主に張り込みが多いからね。だからカメラの他にも色々常備しているのさ」

「へぇーどんなものを持っているんだ?」

「これさ」

への28号はカバンの中身を取り出す。

「雨具に防寒具、食糧・・・・あれ?おい、これ空だぞ?」

良介はへの28号の出した空のペットボトルに疑問を持つ。

「それは用足し用さ」

「お前色々犠牲にしすぎ・・・・」

良介はへの28号にまたも呆れた視線を送りながら呟いた。

 

 

ある日、への28号が落ち込んでいる姿を良介が見つけた。

「よお!!どうした元気ないみたいだけど」

「実は大事なカメラを無くしてしまって・・・・」

への28号が落ち込んでいる理由は大事なカメラを無くしてしまったためであった。

「カメラぐらい、新しいのを買えばいいじゃん」

「そうは言ってもあのカメラには思い入れもあったし、何より僕の身体の一部・・・・」

無くしたカメラには相当思い入れがあった様だ・・・・。

それなのに、新しいのを買えばなんて軽々しく言ってしまった自分に呆れ、への28号にすまないという思いが込み上げる良介。

そんな良介にへの28号は落ち込みながら言った。

「君は、陰核が無くなった事を想像できるかい?今の僕はそれくらい落ち込んでいるのさ」

「できねーよ!!」

さっきまでの思いを返せと言わんばかりに良介はへの28号に突っ込んだ。

 

 

あとがき

ギンガ編の話と違い、この世界の良介はナンバーズの更生教育に参加していない設定です。

そのため、未だに元ナンバーズ組とはあまり面識が無い設定になっています。

脳筋っぽいノーヴェがスバルの悩みを聞く珍しい展開となっていますが、vividでもヴィヴィオやアインハルトに様々なアドバイスをしたり、トレーニングメニューを考えている場面が描かれているので、案外ノーヴェもチンク同様世話好きな性格なのかもしれませんね。

おまけでは、久しぶりにへの28号を登場させてみました。

では、次回にまたお会いしましょう。

 




作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。