これは漫画家 荒川 弘 先生 作 「鋼の錬金術師」の炭鉱の街を元ネタにしました。

ネタが思いつかずスミマセン。

 

それでは本編をどうぞ・・・・。

 

 

四十九話 ウイジンノヒ  執務官 ティアナと舞い込んできた嘆願書

 

 

「それでは、ティアナの執務官試験合格を祝って・・・・・」

「「「「「「「「カンパーイ!!!!」」」」」」」

この日の夜、宮本家で一つの祝賀会が行われた。

機動六課卒業後、一年半の時を置いて、ティアナは執務官試験にチャレンジし、試験に見事合格して、はれて念願の執務官となったのだ。

階級も執務官ということで、一等陸士から一気に准尉に昇進した。

「おめでとうティアナ」

「おめでとう」

なのはとフェイトから祝いの言葉と共にお祝いの花束がティアナに渡される。

「ありがとうございます。なのはさん、フェイトさん」

「ティぁぁぁアぁぁぁ!!おめでとうぉぉぉぉ!!」

訓練校時代からの腐れ縁であるスバルはティアナに抱きついてその喜びを文字通り体で表現した。

「だぁぁぁ抱きつくな!バカスバル!!」

ティアナは嬉し涙を流し、自らの体にしがみつくスバルを必死に引き剥がそうとするが、スバルの力は強く、なかなか引き剥がせない。←流石戦闘機人・・・・。

しかし、ティアナの顔は喜びに満ちていた。

 

 

「それじゃあティアナ、早速袖を通してみて」

なのはが出来立ての執務官の制服を箱から取り出す。

「は、はい////

ティアナはなのはに制服の上着を羽織らせてもらうと頬を赤く染めた。

「それとコレね」

フェイトが執務官である証の執務官バッジを小箱から取り出す。

「あ、あの・・・・」

「ん」

「そのバッジは・・・・・その・・・・・先輩がつけて貰えませんか?」

ティアナは良介にバッジを着けてくれと頼んだ。

「俺に?こういうのは先輩執務官のフェイトのほうがいいんじゃねぇ?」

「い、いえ先輩には・・その・・・・六課時代に色々お世話になりましたし・・・・」

「リョウスケ、ティアナがあそこまで言うんだから。ねっ?」

そう言ってフェイトが良介にバッジを渡す。

「まぁ、ティアナがそれでいいって言うなら・・・・」

良介はフェイトからバッジを受け取り、

「おめでとう・・・・ティアナ・・・・」

ティアナの着ている執務官の制服の襟にバッジを着けた。

バッジを着けて貰っている時、ティアナは終始顔を染め俯いていた。

その姿を皆、初々しく見ていた。

 

 

その後、祝賀会は恙無く進み、やがてお開きの時間となった。

「それじゃあまたね〜」

「おやすみ〜」

「また明日ね〜」

参加者たちが各々の家または寮へと帰っていく中、

「あっ、待って、ティアナ」

「はい?」

玄関先でギンガがティアナを呼び止めた。

「なんでしょう?ギンガさん」

「はい、これ」

ギンガはティアナに包装紙でラッピングされた小さな箱状のモノを渡した。

「これは?」

「良介さんからのプレゼント」

ギンガはティアナに耳打ちをしてこのラッピングされたプレゼントが誰からの贈り物なのかを言う。

「先輩から!?」

ティアナは驚いた。

祝賀会の時、参加者たちは皆ティアナのためにお祝いの品をプレゼントしていたのだが、良介だけは、「用意していない」と言って参加者から顰蹙をかっていた。

ティアナ自身もこの時はちょっと良介からのプレゼントに期待していたので、少々ガッカリしていた。

しかし、良介はこうしてちゃんとティアナのためにプレゼントを用意していのだった。

今思えば、良介がプレゼントを用意していないと言った時、アリサやギンガ、ミヤが良介にお小言を言っていなかったのを思い出し、それに少しだけ違和感を思った。

そして何故お小言が無かったのかと言うと、宮本家の皆は良介がちゃんとプレゼントを用意していたのを最初から知っていたから良介に対し、お小言が無かったのだと、直感したティアナだった。

「あ、開けても?」

「ええ」

ティアナはその場で丁寧に包装紙を取り、中の箱の蓋を開けると、そこには銀色の懐中時計が入っていた。

「懐中時計?」

「良介さんが言うにはなんとなく知的でエリートっぽく見えるからですって」

ギンガは苦笑しながら、なぜ良介が懐中時計をプレゼントしたのかその理由を話した。

「でも、先輩はなぜあの時に渡さなかったのでしょう?」

ティアナの質問は最もだった。

あの時、素直に渡していれば、なのは達から顰蹙の言葉を買うことはなかったのに・・・・。

「多分、恥ずかしかったんでしょう。良介さんああ見えて結構、照れ屋なところがあるから。・・それに渡す時も『俺ではなく、ギンガが用意したプレゼントということにしてくれ』って言っていたし・・・・」

さすが、あの良介の奥さん。

良介の隠された性格も今のギンガの前ではまったく意味を成していなかった。

最も良介もギンガの隠された秘密(二十二話を参照)を知っているし、よほどのことでなければ良介はギンガに秘密を抱いたりはしない。

「それでギンガさんに頼んだわけですか? しかもこのタイミングで・・・・随分恰好つけますね、先輩」

ティアナは呆れ半分嬉しさ半分といった感じである。

「フフ、そうね・・・・」

ギンガも苦笑しながらティアナの言葉に賛同する。

(でも、そんな先輩だからこそ、なのはさん達は惚れていたんだろうな・・・・ギンガさんも・・・・そして私も・・・・・)

ティアナは改めて今でも良介に憧れ、惚れているのだと実感した。

良介からプレゼントを貰ったティアナはご機嫌な様子で自分の寮に帰っていった。

そして寮に帰ったティアナは終始、良介からのプレゼントである銀の懐中時計を手に取り、眺めていた。

 

 

祝賀会から数日後、ティアナは新たな上司でもあり、先輩執務官のフェイトに呼び出された。

真新しい執務官の制服に身を包んだティアナのベルト部分には良介から送られた懐中時計の銀色の鎖が見えている。

フェイトの執務室の扉をノックし、中からの応答を確認し、

「失礼します。ティアナ・ランスター執務官。参りました」

入室したティアナはフェイトに敬礼をし、申告をする。

「まっていたよ。ティアナ」

ティアナがフェイトの執務室に入ると、そこにはフェイトの他に監査官であるオーリスの姿もあった。

「あの?なぜここにオーリス監査官が?」

「それはこれから話すことに関係あるの」

フェイトの話ではある日、オーリスの元に一通の嘆願書が舞い込んできたのだ。嘆願書の内容はある町の統括をしている管理局の局員が悪政を敷いているとの内容だった。

そしてその真意を今回執務官に就任したばかりのティアナに確かめてきてもらいたいとオーリスがフェイトに依頼してきたのだ。

理由は顔がバレていないからという単純な理由であったが、フェイトとしても新米のティアナにとっては『簡単な内容だしちょうどいいかな』と思いこの依頼を受けた。

「ティアナはまだ新人だから補佐官はいないけど、そのへんは任せて、強力な助っ人を用意しておくから」

「わかりました。ティアナ・ランスター執務官。その任務を引き受けさせていただきます」

フェイトとオーリスに敬礼をし、ティアナはこの任務を受けることにした。

 

 

「それでなんで、俺がティアナの補佐役なんだ?」

ミッドにあるリニアのセントラル駅で良介は不満そうにティアナを見送りに来たフェイトに尋ねる。

「それぐらい良いでしょう?リョウスケ、ティアナにプレゼント用意してなかったんだがら」

「ちっ」

プレゼントの話を出され、舌打ちしながらも渋々リニアに乗る良介。

良介がティアナにプレゼントを用意していたのを知っているのは宮本家の人以外で知っているのはプレゼントを貰ったティアナ本人のみである。

「それじゃあティアナ、頑張ってね」

「はい」

ティアナは若干緊張した面持ちでフェイトと別れ、リニアに乗った。

やがて、発車時間となり、リニアは動き出した。

走るリニアの車窓の外を良介は座席に座り、肘をつきながら呆然と見ている。

「あ、あの・・・・」

良介の向かい側の座席に座っているティアナは声をかけてきた。

「ん?」

ティアナに声をかけられ、視線を窓の外からティアナへと向ける良介。

「ギンガさんから聞いたんですけど、コレ・・・・」

ティアナはポケットから銀色の懐中時計を取り出す。

「ああ、ギンガが贈ったやつか?」

無関心に懐中時計を見る良介。

「・・・・コレ、先輩が買ったと聞きましたけど?」

「何かの間違いだろう?おそらくギンガが俺の体面を思ってくれたんだろう?ギンガは内助の功が出来る女だからな・・・・」

「相変わらず、変なところで恰好つけますね。先輩は」

ティアナの言葉に対し、気まずそうに視線を再び車窓の外に戻す良介。

「・・・・・」

「わかりました。先輩がそう言うならそういうことにしておきましょう」

「そういうことにしておけ・・・・//////

「はい・・・・」

ティアナはテレ隠しをしている良介を見ながら苦笑した。

 

 

「なぁ・・・・」

「はい?」

リニアから降り、駅のロータリーに出た良介は町並みを見渡しながら隣に立つティアナへと声をかける。

「俺たちがクラナガン出たのは朝・・早かったよな?」

「そうですね・・・・」

ティアナは『何を当たり前のことを言っているの?』と言う感じで良介の疑問に答える。

リニアの最終駅に着いた時、既に太陽は沈もうとしていた。

「目的地ってこんなド田舎だったのか!?」

良介は到着した駅の改札口から町に向かって叫ぶ。

「・・・・・」

ティアナ自身もまさか調査をする場所がこんなド田舎だったのは予想外だった。

今回ティアナが監査をする町はミッド極東部の町『ユニウス』

クラナガンからリニアで片道なんと12時間近くもかかる遠方のド田舎であった。

駅舎から出た二人は駅前のロータリーから町並みを改めて見渡す。

「田舎と言っても避暑地や行楽地とかいう雰囲気じゃねぇな」

「そりゃあこの町じゃあ・・・・」

魔法文明のミッドチルダといえど、全てを魔法に頼っているわけではなく、生活していく上で、必要最低限の電力などは火力、風力、水力、太陽光などで賄っている。

その火力発電に必要な石炭は炭鉱から油は油田から採掘している。

そしてその数ある炭鉱の中でもこのユニウスは大規模な炭鉱の町だった。

そのため、町中に石炭の臭いが立ちこめ、採掘する為の採掘機の機械音が轟音を奏でている。

そして石炭を積んだ大型トラックやこれから石炭を積むであろう荷台を空にした大型トラックが何台も町中を走っている。

 

 

「・・・・取り敢えず、今日の宿探すか?」

「・・・・そ、そうですね」

二人はまず、嘆願書の送り主よりも先に今日の宿探しから始めた。

こうして前途多難な二人の調査任務が始まった。

ティアナは無事、初任務をこなすことが出来るのであろうか?

一抹の不安を抱きながらもティアナはまず、今日の宿を探すのであった。

 

 

おまけ

 

キャンプ

 

ある休日を利用して、ノーヴェ、ウェンディ、デェイチは山へキャンプに出掛けた。

川原でテントを張り、ノーヴェは飯盒でご飯を炊き、ウェンディはカレーを作り、デェイチは川で魚釣りをしている。

「ウェンディ、カレーの方はどうだ?」

「もうちょっとっス」

「もうかなりグーペコになってきたぜ」

「アタシもっス」

「デェイチの方はどうだ?魚釣れそうか?」

「・・・・大物の予感」

デェイチは微動だにせず、竿を持って魚が来るのを待っている。

流石、スナイパー。

「「おおー」」

デェイチの言葉を聞き、大物の川魚を期待する二人であった。

 

 

「よっし、もういい感じっスね」

カレー鍋をかき混ぜて、カレーを完成させたウェンディ。

「ヘイ、お待ち〜超美味スーパーカレー完成っス・・・・って、アチッ」

カレー鍋を持っていたウェンディは鍋をテーブルまで持っていこうとしたが、途中、鍋の熱さに思わず鍋の取っ手から手を離してしまった。

そうなれば当然、カレー鍋は地面へ真っ逆さま、カレーは全て川原の地面にぶちまけられた。

「ああああああー!!」

落ちた鍋を見て、思わず声をあげるウェンディ。

しかし、ノーヴェとデェイチは気がついていない様子。

元々騒がしい性格のウェンディだったため、ウェンディが大声を出しても大して気にしていないと言うか、慣れていた二人であった。

「こっちの方はもう少し時間がかかるな・・・・カレー作る前に仕込んでおけばよかったな」

ノーヴェは飯盒を見ながら言う。

「あ、マヨネーズ持ってくれば良かったぜ。カレーにはやっぱマヨが一番合うからな」

「ま、マヨ・・・・」

ノーヴェの言葉を震えながら聞くウェンディ。

「ウェンディは何をかけて食う?」

飯盒を見ていたノーヴェがウェンディの方へ視線を向けると、そこには新聞紙で川原に落ちたカレーを隠そうとしているウェンディ姿があった。

「・・・・・」

「お、おぇぇぇぇ・・・・なんちゃって・・・・・」

「・・・・・」

場を何とか和ませようとするウェンディだったが、全くの無意味でノーヴェは無言のままウェンディ見ている。

「あ・・・・いや・・・・これは・・・・その・・・・違くって・・・・こ、これはそんなんじゃなくて・・・・・」

ウェンディは震えながら言って、急ぎ自分の荷物の下へ向かうと、鞄の中から一つのトコロテンを取り出す。

「ま、まだ、トコロテンもあるっスよ・・・・と、トコロテン」

ノーヴェにトコロテンを見せるウェンディ。その直後、ノーヴェの体から魔界の瘴気のような黒いオーラが出始めた。

「お前の・・・・」

「の、ノーヴェ・・・・」

「お前の・・・・・」

「う、うわぁぁぁぁぁぁー!!」

ノーヴェの瘴気にあたり、ウェンディは身の危険を感じ思わずその場から逃げ出した。

「お前の血は何色だぁ!!・・・・あっ!?」

ウェンディを追撃すべく勢い良く走り出そうとしたノーヴェだったが、飯盒に躓きコケた。しかもコケた場所は運悪く、ウェンディがカレーをぶちまけた地点だった。

 

グチャ

 

ノーヴェの着ていたシャツはたちまちカレーまみれになった。

「ぎゃぁぁぁぁぁー!!」

ノーヴェの悲鳴を聞き、ウェンディが振り返ると、そこには川原にぶちまけられた飯盒と米の姿・・・・。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「えっ?」

ウェンディが青い顔をして何かを見て叫んでいるので、思わず、ノーヴェも振り返ると、そこには無残な姿を晒している米の姿があった。

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

川原にノーヴェの叫び声が二度木霊した。

 

 

「ごめんデェイチ」

「カレーも米も無くなったっス」

二人は未だに魚釣りをしているディイチに土下座して謝っている。

「・・・・・」

しかし、デェイチは無言のまま釣り糸を垂らしている。

そこへ、

 

バチャっ!

 

パシッ!

 

ディイチが大きなイワナを釣り上げた。

「「で、デェイチ!!」」

食料(イワナ)を釣り上げたデェイチに感謝の言葉をかけようとした時、デェイチは、

「リリース・・・・」

なんと、せっかく釣ったイワナを川へ返してしまった。

その行動を見た二人はその場にズッコケた。

 

三人は椅子に座り、テーブルの上には一つのトコロテンがある。

「ここに一つのトコロテンがあるっス」

「一個だけなのかよ!?」

トコロテンが一個しかないという現実に思わず声をあげるノーヴェ。

「これを三人で回して食べて行きたいと思います・・・・しかし、非はアタシとノーヴェにあるので、まずはデェイチからどうぞっス」

ウェンディが先にデェイチにトコロテンを薦めると、デェイチはいつ買ってきたのか、一人でハンバーガーを食べていた。

「「・・・・・」」

デェイチの行動を見て、デェイチにトコロテンを分ける必要は無いと判断した二人は先にどっちが食べるか、ジャンケンをした。

その結果、ウェンディが先行となった。

「言っておくが、一口で全部食べるなんてオチだけは止めろよな!?」

「心外っスね、アタシも鬼じゃ無いんっスよ。それじゃあ先にいただくっス」

ノーヴェが予想しているようなオチの前にウェンディに釘を刺したが、ウェンディは心配ないと言う感じでトコロテンを啜った。

しかし、

「ズル・・・うっ、ゲホォ、ゲホォ、ゲホォ、ゲホォ」

ウェンディはトコロテンを口に入れたとたんむせて吐き出した。

「・・・・・」

「はぁ〜・・・・むせちゃったっス」

てへ、顔で可愛く言うウェンディに対しノーヴェ腹が減っており、更にウェンディのてへ顔は、ノーヴェの神経を逆撫でさせるには十分だった。

「いやぁ!!」

ノーヴェはウェンディ足を持つとそのままドラゴンスクリューをかけ、

「おりゃ!!」

立ち上がったウェンディに今度はボディープレスをかけた。

その後も、

「ええい!!」

「ごはぁ」

「おりゃ!!」

「ぬほぉぉ」

「せぇぇ!!」

「うぐはぁ」

「うぉぉぉぉ!!」

「ほげっぷ」

ノーヴェの怒気を含む声とウェンディの悲鳴、そして肉を叩くような鈍い音が川原に響いた。

 

夜になり、空腹のままテントの中の寝袋に入るノーヴェとウェンディ。

デェイチは何故か寝袋ではなく布団を敷き、その中で本を読んでいる。

ノーヴェとウェンディのお腹からは腹の虫が盛大にぐぅーの音を奏でている。

「そうだ!トランプでもやるっス!!」

「やらん!!」

「でも、このままだと残念キャンプで終わっちゃうっス。最後はトランプでもしてハッピーエンドで終わるっス!!」

ウェンディは自分の荷物からトランプを出したのだが、そのトランプは手品用のトランプで、絵柄が全部同じものだった。

「・・・・」

 

「そうだ!」

「どうしたっスか?」

ノーヴェが何か思いついたのか、勢い良く起き上がった。

「すっかり忘れてた。大人はこういう時、お酒を飲むじゃん。ホラ、父さんや良介、それにギンガも一緒に飲んでるじゃん」

「そう言えばそうっスね・・・・」

「なぁ、デェイチもそう思わないか?」

本を読んでいるデェイチに視線を向けると、そこにはワンカップの瓶が置いてあった。

「「・・・・・」」

 

「実はアタシも父さんのお酒をこっそり持ってきていたんだ・・・・」

「悪っス・・・・此処に悪がいるっス」

と、言いながらも初めての飲酒にちょっとワクワク気味なウェンディ。

「ジャーン!!」

ノーヴェが自分の鞄から持ってきた酒瓶を取り出す。

しかし、それは酒瓶ではなくお酢だった。

「「あ、ああああ・・・・」」

お酢が入った瓶を見ながら震える二人。

そして、

「な、なんぼのもんじゃーい!!」

ノーヴェはお酢を一気飲みしようとしたので、

「や、やめるっス!!ノーヴェ!!死ぬっスよ!?」

ウェンディは必死にノーヴェを止めた。

「ま、まだデェイチのがあるじゃないっスか」

デェイチのお酒を分けてもらおうとしたウェンディだったが、デェイチは瓶のラベルを二人に見せ、

「コレ・・・・サイダー・・・・・」

お酒ではなくサイダーであることを教えた。

「「・・・・」」

二人は無言のまま紛らわしいサイダーの瓶を唖然とした表情で見ていた。

 

そして、キャンプから帰った二人は冷蔵庫の中を空っぽにするほど、ナカジマ家の食料を貪った。

料理を作ったチンクはそんな二人を呆れた顔で見ていた。

 

 

 

あとがき

 

ティアナが念願の執務官になりました。

 

潜入編ではあまり活躍する事が出来なかったので、今回の話でなんとか活躍の場をあげたいと思っています。

 

しかし、元ネタ有の話になってしまい、ティアナファンの皆様申し訳ない。

 

おまけは日常からいただきました。

 

日常のメンバーとノーヴェ、ウェンディ、デェイチのトリオが日常の三人のなんとなく被ったので・・・・。

 

では、次回にまたお会いしましょう。

 

 

 




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