二十三話 ジョナンノヒ メイドの日

 

 

良介です・・・・・ある日突然女になったとです・・・・・

良介です・・・・・おっぱいが物凄く大きくて、邪魔とです・・・・・

良介です・・・・・はやてとフェイトがとても怖いとです・・・・・・

良介です・・・・・ついでに魔王(なのは)と狂戦士(ヴィータ)も怖いとです・・・・

良介です・・・・・女房に百合な性癖があったとです・・・・・・

良介です・・・・・早く男に戻りたいとです・・・・・

良介です・・・・・・

良介です・・・・・・

良介です・・・・・・

 

 

ギンガが野獣化して良介に襲い掛かってきた昨夜。

良介は自らの貞操を守るため、必死に戦い、なんとか野獣化したギンガを返り討ちにすることが出来た。

そして、ギンガは攻守が逆転したものの女性化した良介との行為に満足がいったのか、今は幸せそうな微笑みを浮かべて良介の隣で眠っている。

一夜明ければ元に戻っているのではないのかと期待したのだが、その期待はあっさりと裏切られた。

朝一で良介の目に飛び込んできたのは大きく膨らんだ二つの山・・・・。

昨日の戦闘で衣服は全て床に散乱している。そのため、視線を下に向ければ嫌でも胸部が良介の視界に入る。

と、言うか胸部が重いのですぐに分かった。

「はぁ〜」

朝一から良介のテンションはだだ下がりである。

「ん・・・・・んっぅぅ・・・・」

やがて、ギンガが身をよじり、目を覚ます。

「おはよ・・ギンガ・・・・」

目を覚ましたギンガを不敵な笑みを浮かべて朝の挨拶をする良介。

「お、おはよう・・ございます・・・・/////

互いの恰好を見てギンガは昨日の事を思い出したのか、良介の顔を見たとたん顔を赤くする。そんなギンガに良介は彼女の髪を優しく撫でる。

ギンガの髪の毛、その一本一本の感触を確かめるように指を通し、優しい手つきで何度も頭を撫でる。

良介の愛撫に、ギンガはまるで飼い主に愛でられる子犬のようにうっとりとした目で良介を見つめる。

しかし、

「あ、あの・・・・りょ、良介さん・・・・/////

「ん?」

「き、昨日のあれは・・・・その・・・・/////

ギンガは気まずそうに視線を良介から逸らす。

「別に俺はお前の趣味がどうこうで嫌いにはならないけど・・・・」

「けど?」

「昨日のアレだけはいただけねぇなぁ・・・・」

良介はギンガの髪を指に絡ませ、その髪に口付けをする。

「・・・・・////

「だから、お前が二度と女の・・同姓の肌が恋しくならないよう。今後は時間をかけつつ俺一色に染めてやるよ。・・・・もう、俺の体でなけりゃダメだって体にしてやるよ」

ギンガの髪から口を離すと良介は相変わらず不敵な笑みを浮かべたまま、今度は手でギンガの頬をそっと撫で、顎先をくいと上げさせると、顔を寄せていった。

良介の意図を悟ったギンガは受け入れるように目を閉る。

「「んっ・・・・」」

そして、良介の唇とギンガの唇は触れ合った。

男の姿であればギンガは惚れ直し、完全に良介一色に染まったかもしれないが、女の姿では説得力は半減だった。

朝の光を浴びながら、全裸の・・・・しかも女同士のキス姿は物凄く扇情的ながらも神秘的な光景だった。

 

寝室での口付けの後、ギンガにサラシを巻いてもらい、良介は朝食の席に着いた。

朝食後、休日の朝の一時をまったりとコーヒーを飲みながら朝刊を見ていると、

 

ピンポーン

 

玄関の呼び鈴が鳴った。

「ったく、誰だ?こんな朝っぱらから?」

朝刊をたたみ、良介が応対に出ると、

そこには・・・・・

「パパーっ」

「ねぇ〜え〜さぁ〜ん〜」

天使と悪魔・・・・いや、天使と魔王がいた。

 

バタン!!

 

良介は思わず、反射的に玄関のドアを閉めて、鍵をかけた。

「開けてよぉ〜・・・・ねぇ、ここを開けてよぉ。ねぇ〜さぁ〜ん〜」

なのはが何度もドアノブを手で握り、ガチャガチャといじる。

「なのはママ・・少し怖いよ・・・・」

外ではヴィヴィオも怯えている。

「な、なのは・・・・その役はティアナの方が似合っているぞ・・・・声的に何となく・・・・」

外にいるなのはに怯えながらも、声をかける良介。

「いいからここを開けてよぉ〜。ねぇ、開けてよぉ〜。ねぇ〜え〜さぁ〜ん〜」

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ〜」

良介はこれ以上なのはを放置しておくと自分の家にSLBを浴びそうなので、なのはを家の中に招き入れた。

これが、朝で良かった・・・・。

もし、夜だったら完全にホラーであった。

 

「そ、そそれで?ほ、ほ本日のご要件は?」

先程の恐怖が抜けておらず、声がまだ震えながらも良介は恐る恐るなのはに今日、訪ねてきた要件を聞いた。

「実は今日、お母さんがピンチで、お店に人手を増やして欲しいみたいなの」

「それで、なして俺の所に?それにお前仕事は?」

「有休を使ってきたの」

なのはは入局当時はワーカホリックだったが、11歳の時、良介が自分を庇って大怪我をした時、アリサとヴィータから厳しく注意された後、時折休みをとるようになったのだ。

「美由希はどうした?」

「お友達と旅行に行っちゃったの」

「肝心な時に使えない奴め・・・・他の奴は誰かいないのか?」

「皆、都合悪くてだめだったみたいなの。でも、姉さんならお店の手伝いとか経験あるでしょう?だから来たの」

「それならそこら辺の奴を適当にバイトで雇って・・「姉さんに拒否権はないの!」・・」

ハイライトが消えた目でなのはに迫られ、良介はなのはに対し「はい」と言うしかなかった。

 

 

「そ、それじゃあ行ってくる・・・・」

「はい、私たちも後から行きますから・・・・」

「いってらっしゃーい!!」

玄関で、ギンガとランドセルを背負ったヴィヴィオに見送られ、なのはと共に地球の海鳴にある翠屋に来た良介。

「あら、本当に女の人になっちゃったのね、良介君」

女姿の良介に桃子は驚きつつもなぜかうっとりとした表情で良介を見る。

「つうか、なんで俺が女になったことを知っているんだよ?」

「私が昨日の夜お母さんに教えたの」

「お前かぁ!?」

「それじゃあ良介君、こっちに来て・・・・」

「えっ?お、おい!!桃子!?」

桃子は良介の手を引いて店の奥に姿を消す。

なのはは、そんな良介に手をヒラヒラと振って見送る。

 

やがて・・・・。

 

「なぁ、桃子」

「なに?」

「本当にこれを着なきゃダメか?」

「もちろんよ〜

良介は桃子から手渡された衣装と桃子を交互に見ながら聞く。そして桃子は笑顔のまま肯定する。

「さぁ早く、開店時間になっちゃうわよ」

流石なのはの母親。押しの力がハンパじゃなかった。

まぁ、目はハイライトが消えていないので、なのはの様に魔王化している訳では、ないが、桃子の笑みには何故か逆らえない。

そして、モタモタしている良介の服を剥ぎ取り、手渡した衣装を強引に着せる桃子。

「くっ・・・・く、屈辱だぜ・・・・・」

良介は鏡に映っている自分の姿を見ながら呟いた。

「あら〜やっぱりよく似合っているわ!!」

テンションが下がっている良介に比べ、桃子は終始笑みを浮かべてご満悦な様子。

「そう言えばこの衣装の装飾、色違いだが、ファリンやノエルと同じだな・・・・」

良介は自らが纏っている服を見て、ふとそんな事を思う。

今の良介の格好は黒いシックのワンピース(月村家のは濃紫色)、フリルのついた白いエプロンに、同じく白いフリルの付いたカチューシャ・・・・。

そう、良介は今、メイド服に身を包んでいた。

「ああ、それは月村さんのところで貰ったのよ」

「なんで、ここに忍の家のメイド服があるのかは置いといて、どうして、サイズまでピッタリなんだよ?俺が女になった事を桃子が知ったのは昨日の夜なんだろう?」

「うふふふふ」

「はぁ〜もういいや・・・・」

笑ってごまかす桃子にもう何を聞いても無駄だと判断した良介は諦めた。

 

 

良介には監視がついていた。 

監視と言っても、別に良介を狙う殺し屋というわけではなく、女になってしまった良介を心配したゲンヤが、部下(への28号)に頼んで秘密裏に監視・護衛していただけのことだった。 

ちなみに彼は朝の良介とギンガの口付けシーンを写真に撮ることも忘れ、その光景を見入っていた。

鼻から血を出して・・・・・。

その後、写真を撮り忘れたことを物凄く後悔した。

 

 

朝一でなのはに拉致られて、地球に連れられて来た良介であったが、当然良介の監視者である、への28号も秘密裏に良介達を追いかけて地球に来ており、翠屋を遠巻きで監視をしていた。

「ゲンヤ隊長、大変です!!」

「どうした!?への28号!!」

「宮本の野郎が・・・・め、メイド服を来ています!!」

「何ぃ〜!?」

驚きの声をあげるゲンヤを余所にへの28号は報告を続ける。

「しかも、とてつもなく、似合っています!!萌ます!!俺もあんなメイドさんに叱られてみたいです!!尻を踏みつけられたいです!!罵られたいです!!」

「と、とりあえず良介の画像を至急こちらに送れ!!」

何気にマゾヒスト的な発言をするへの28号を無視して、ゲンヤは現状確認のため、良介の姿を撮らせる。

「了解!!富フラッシュ!!」

への28号から送られてきた画像ファイルをゲンヤは早速開き、中を見る。

「こ、これはっ!?」

画像を見たゲンヤは声をなくした。

「いかがでしょう!?ゲンヤ隊長!?」

写っていたのはメイド服に身を包み、顔にはうっすらと化粧を施された良介の姿だった。

メイド服が恥ずかしいのか、頬を少し、赤く染め、俯きながらの被写体はまさに百万ボルト級の強烈さがあった。

「への28号!!良介の画像をバンバン送れ!!これも監視行動の一缶だ!!」

「りょ、了解!!気合いを入れ撮影・・もとい、監視します!!富フラッシュ!!竹フラッシュ!!」

への28号は超高性能カメラでメイド服姿の良介を撮りまくった。

 

 

「にゃあああ!!姉さん綺麗〜」

メイド服姿の良介を見たなのはは声をあげ、うっとりしながら良介を褒める。

「でしょ?今の良介君、とっても元が良いもの。ねぇ、このままずっと女の人にならない?」

サラリと酷いことを言う桃子に良介は声をあげる。

「ふさげるな!!断る!!絶対にごめんだ!!」

三段拒否にて、断る良介。

「えぇ〜とっても綺麗なのに〜」

「もったいないわね・・・・」

なのはと桃子の高町親子は不満の様子。

「というか、なんで俺だけメイド服なわけ?」

なのはは桃子と同じ、本来の翠屋の制服を来ており、メイド服なのは良介ただ一人・・・・。

その事実に対して良介は不満のようだった。

「メイド服はそれ一着しかないのよ」

「だったら、なのはにコレを着せればいいだろう!?」

「あら、なのはじゃダメよ〜」

メイド服はなのはではダメだと言う桃子。

「なんで?」

何故、なのはではメイド服がダメなのか?

それが解せない良介はその理由を桃子に尋ねる。

「なのはじゃ、胸の部分がスカスカになるでしょう?」

桃子は良介となのはの胸部を見比べて言い放つ。

「お、お母さん、酷い!!」

実の母親に胸の事を言われ、なのはショックを受けた。

「ふむ、確かになのはの胸じゃ、このメイド服は着れないなぁ・・・・」

良介もメイド服の胸部の部分を触りながら、なのはでは、今、良介が着ているメイド服は着れない事を言うと、

「姉さんも酷いの!!」

と、良介の言葉にも撃沈される始末だった。

 

「さぁ、もうすぐ開店の時間よ。なのは、貴女、何時までショックを受けているの?良介君もそんな仏頂面はダメよ。笑顔よ笑顔

桃子にそう言われ、渋々ながらも開店準備を進めていくなのはと良介なのであった。

 

 

三人が開店準備を進めていく中、

その頃、への28号はというと、

「い、今の宮本はどの角度から撮ってもホント絵になるぜ!」

への28号はあいかわらず良介の写真を撮りまくっていた。

恥じらっているメイド良介も良いが、お客に対して、サービスではあるが、笑みを浮かべているメイド良介も強烈であった。

「ママ、あの人なにやっているの?」

小さな子が盗撮をしているへの28号を指さし、母親にへの28号が何をしているのかを尋ねる。

「しっ、見ちゃいけません」

しかしその姿は、周辺住人からメッチャ怪しまれていた。

小さな子の母親はへの28号の姿を我が子に見せないようにしながらその場から去って行った。

そんなへの28号に近づく一人の人物が居た・・・・・。

はたしてその人物とは?

 

 

あとがき

 

魔王化したなのはからは決して逃げ切れない・・・・そんなトラウマが植え付けられそうな良介君でした。

久々に登場したへの28号に次回ピンチ?が訪れる。

はたしてそのピンチとは?

そしてへの28号に近づく人物とは?

それは次回で明らかになります。

では、次回にまたお会いしましょう。




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