スーパーヒーロー作戦  NEW MISSION  IF  (リリカルなのはStrikers Another Story) 第七話  「機動六課、海鳴へ!!」 Part-A

   Side  スバル 

機動六課の初任務はなんとか無事に終わったけど、楓兄がゼルセンとの戦闘で大怪我をした。
あたし、楓兄の力になってあげられないのかな・・・

「そんなに、気に病むこともないでしょ。 楓さんならすぐによくなるわよ」
「うん、そうだね。 楓兄は大丈夫だよね。 よーし、今日も訓練頑張るぞ〜」
あたしはそう言うと、訓練スペースへ走りながら向かった。
何か、もやもやを吹き飛ばしたかったから・・・


  Side ティアナ 

全く、無理して・・・ 
楓さん自体はすでに回復しているが様子を見る意味でも1週間の間安静にしているように言われている。

「楓さんは強いんでしょ? だったら、大丈夫よ」
「違うんだ、ティア・・・ あたし、あの時、楓兄を助けられなかった・・・ それに、楓兄は無理してまであたしを守ってくれた・・・」

要するに、あんたは自分が楓さんのお荷物になってるって言いたいわけね・・・ 
呆れて物も言えないわ・・・ 

「あんたねぇ、楓さんはあんたよりも魔法使いとしてのキャリアや魔導師のキャリアがあるんでしょうが・・・ それを守るなんてわがままもいいところよ!!」

スバルがあんまりに酷い顔してるもんだからきつく言っちゃったじゃない・・・ 

「ティア・・・ あたし、わがままだよね・・・」
「えぇ、そうね。 けど、あの人はそんなスバルのお兄ちゃんでしょ。 信じてあげなさいよ」

あたしの言葉にスバルは落ち着いたのか、ゆっくりと頷いた。
まっ、気持ちは分からないでもないからそんなに言わないわよ。 
とにかく、楓さん、退院したらゆっくり話をさせてもらいますからね!! 


  Side  紅渡

楓の怪我が完治してから3日経ったある日、僕は楓に頼まれて、楓と一緒に廃棄都市に現れたガジェットドローンT型を蹴散らしている。
基本的に、ガジェットドローンは僕達と比べると大したことはない。
正直、楓が僕をこんな任務に呼ぶのには理由があるはずだ。 

「楓、どうして僕を呼んだの!?」
「ちょっと、話があるからだ・・・よ!!」

僕達は話しながら、次々にガジェットを破壊していく。

ガジェットを全て破壊し終わると楓は近くの岩に腰掛けながら、今、自分が思っていることを話し始めた。

「俺がゼルセンにやられたことでスバルが悲しんでたろ・・・ あの顔見てたらさ、俺があいつを追うことがいけないことのような気がしてきたんだ・・・」
「要するに、楓はスバルちゃんを悲しませたくないから復讐を諦めるってことだね?」

僕が楓を見ると少し暗い表情で頷いていた。
でも、僕が出せる答えは一つだけだ。 

「楓がしたいようにすればいいんじゃないかな。 スバルちゃんに心配をかけないようにしてさ」
「だな。 悪かったな、渡」

そう、僕は楓に止まることを提案することもできない。 
だって、楓の想いをよく知ってるから・・・ 


  Side  正木俊介

「要するに、私達、ソルブレインやウィンスペクターの力が必要だということだな?」
『あぁ。 後は機動刑事シバンとG3ユニットの面々を連れて来てくれると助かるな』

私が追っている秘密結社の首領、トライバル・エンドが異世界にいると聞いた時は驚いたがチャンスが来たのは間違いないだろう。
異世界でトライバル・エンドを逮捕するなりすれば、我々の世界での犯罪は減るはずだからな。

『答えは決まっているんだろう』
「もちろんだ。 すぐにでも合流地点へ向かう。 異世界とはいえ犯罪者を放っておくわけにはいかん。 我々は警察官なのだから」

私の答えに通信越しに天道は笑ったように感じられた。
私より年下の天道に考えを読まれるとはまだまだだな・・・
早速、行動に移るとするか! 


 Side  カリム

今、私は機動六課部隊長であり私の妹のような娘でもあるはやてと話をしている最中である。

『そんな話が出てるんやね。 それは本局からの依頼なん?』
「そうなのよ。 私も六課は動かせないって言ったんだけど、レリックの疑いもあるからって」

私達、聖王教会の騎士も動けない。
だから、私が後見人になっている機動六課に依頼されたというわけなの。 

『それやったら丁度ええわ。 天道くんらも地球に帰るって言っとったからうちらも同行する形でその任務引き受けるわ』
「ありがとう、はやて」

私がお礼を言うとはやては手を振りながら笑ってくれた。


  side スバル 

なのはさんから出張任務のことを聞いて、準備をしてるとこです。 

「スバル、準備できた?」
「うん、できたよ、ティア。 っていうか、ティアかわいいねぇ」

あたし達は今、ガイアセイバーズの航行戦闘艦、ヴェルディーガが停船してる六課隊舎にある海辺に来ている。
機動六課に来た異世界での出張任務に天道さん達も一緒に来てくれることになった。

「みんな〜 お待たせや〜」
「「「「八神部隊長!!」」」」

八神部隊長やシグナム副隊長達まで行くんですか? 

「まぁ、部隊の指揮はグリフィス君に任せるし、ザフィーラや次狼さんらが守ってくれるから大丈夫やろ」

次狼さん達とは渡さんの仲間だって聞いてる。
渡さんが信頼してるんだし、とっても強いんだろうなぁ。 

「次狼さん達は何度も僕を助けてくれてるし、ザフィーラさんとは仲いいから大丈夫だと思うよ」
「確かにザフィーラと次狼さんって仲いいですよね。それはそうと、渡さん、そのケースは何なんですか?」

あたしがそう聞くと、渡さんは優しく微笑みながら答えてくれた。

「僕の大切な人に渡す贈り物だよ」
「そうなんですか。 もしかして、恋人さんですか?」

あたしの質問に渡さんは笑顔で答えてくれた。
渡さんって凄く素直な人なんだなぁ・・・ 


  Side  エリオ

地球に来る間、ガイアセイバーズの皆さんからいろいろな話を聞いた。

「でも、楓兄と渡さんが出会った時の話はびっくりしたよね。 だって、渡さんと楓兄が本気で戦ったって言うしさ」
「そうね。 あんなに仲良くしてるのにね」

スバルさん達は楓さんについていろいろ知ってるみたい。
けど、僕はまだ何も知らない。
この出張任務で楓さんやガイアセイバーズの皆さんのことを少しでも知れればいいなぁ・・・


  Side  氷室楓

渡からすずかがまた狙われてるって聞かされて、俺は正直驚いている。
しかも、狙っている野郎が六年前に渡が逃がしてやったファンガイアだとはな・・・

「紅渡、お前はどうする?」
「ファンガイアの対処ですか? 前にも警告はしましたよ・・・ 二度目はないです・・・」

エヴァンジェリンの言葉に渡はいつもは見せない表情で答えていく。
こいつには俺と同じ想いはさせねぇ・・・ 


  Side  すずか 

渡さん達がこの街に来る。
渡さん、私の大切な人・・・

「すずか、そんな心配しなくても無事に来るわよ。 すずかは渡さんに少しでも早く会いたいんでしょ?」
「うん・・・ 会いたい・・・」

私がそう呟くとアリサちゃんが呆れた顔で私を見てくる。
でも、気にならない。
だって、私の胸の中は渡さんでいっぱいだもん・・・

「あっ、はいはい・・・ 来たみたいよ」
「ほんとだね」

私達の目の前に巨大な戦艦が現れた。
私の親友や大切な人が所属している、ガイアセイバーズの戦闘艦ヴェルディーガというの。

「すずかちゃん! 久しぶりだね!!」
「渡さん!! お久しぶりです!!」

私が渡さんに駆け寄って、抱きつくと渡さんはしっかりと受け止めてくれた。
久しぶりの渡さんのぬくもり・・・
幸せ・・・


  Side  アリサ 

すずかと渡さんが抱き合っている間、あたしは天道さん達と話していた。
今、すずかやあたしの周りで起こっていることを・・・ 

「なるほどな。 だから、紅があんな表情をしてたのか。 ところで、この辺りに赤い母艦のようなものが来てないか?」
「来てるわよ。 この湖に着水してるわ」

あたしが視線を送った先に赤い母艦が止まっている。
なんでも、あれは特装救急警察ソルブレインという警察の特別チームの母艦らしい。

「そうか。 なら、さっさと話をしてくるか」

天道さんはそう言うと、ソリッドステイツのある場所へ向かった。


 Side  フェイト 

ガイアセイバーズの皆さんと一緒に地球に、海鳴に帰ってきて、今はエリオやキャロとサーチャーの設置をしている。

「あの、フェイトさん。 フェイトさんはどうしてガイアセイバーズに所属してるんですか?」
「エリオはどうしてだと思う?」

私がすぐには答えず、エリオに聞き返すとエリオは一生懸命考え始めた。

「サーチャーを設置してる間に考えてみて、エリオ」
「はい、フェイトさん」

エリオの元気一杯な返事を聞いて、私は嬉しくなってくる。


  Side  倉澤(マンティスファンガイア)

今度こそあの小娘を利用してやる。
この左目と胸の傷の借りは必ず返してやる。

「待ってろよ、キバ・・・ てめえに吠え面かかせてやる・・・」

俺は計画の実行のためにある男に会いに行くことになっている。


  Side トライバル・エンド 

「来ましたか・・・」
「あぁ、来てやったぜ・・・ 俺に力を貸すってのは本当かよ・・・」

わたしは目の前にいるファンガイアの男、倉澤さんの言葉に頷いていく。
そして、魔導陣から大量のファンガイアやワーム達を呼び出していく。

「今回はキバだけではガイアセイバーズのメンバーもこの地に来ています・・・ それなりの頭数を揃えておかなければ勝てるものも勝てませんよ・・・」
「まったくだな・・・ ありがたく借りてくぜ・・・」

倉澤さんはそう言うと、ファンガイア達を連れて、わたしの下を後にした。
さて、わたしも動くとしましょうか・・・


   第八話に続く


次回予告

海鳴市での出張任務に来た機動六課とガイアセイバーズを待ち構えていたのはマンティスファンガイア、倉澤だった。
倉澤は再びすずかを狙い、猛威を振るう。
その時、渡の怒りが爆発する。

はたして、出張任務は無事に終わるのか?

次回

『スーパーヒーロー作戦  NEW MISSION  IF  (リリカルなのはStrikers Another Story) 第八話  「機動六課、海鳴へ!!」 Part-B』

ご期待ください 

あとがき 

いろいろあってモチベーションが上がらず、半年近く書けませんでした・・・
今後はできる限り頑張って書いていきますよ♪♪ 

これからもよろしくお願いしますね♪♪ 
ひらひらでした♪♪







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