0

「スカイさん」

「なんでぇハガネ」

「あの、いま暇ですか?」

「ん? まぁ暇だな」

「二十分後にあの機動六課のフォワードチームとメビウス隊が模擬戦をするんですよ。一緒に観に行きませんか?」

「フザけんな。何で野郎と一緒に模擬戦を観に行かなきゃ――」

「あ、ハガネくん。それにスカイも。ちょうどよか・・・」

「おおミユキじゃないか。ちょうどいい俺様と一緒に機動六課とメビウス隊の模擬戦観に行かないか?」

「・・・ホントこの人って都合がいいなぁ、まったく・・・」

「ご生憎、それはできないわ。はい」

「はいって・・・なんだこの百枚くらいありそうな紙の束は」

「あんた随分仕事サボってたでしょ。そのツケと今回の分を、あんたの上司から預かってたの」

「お、おい、俺は昨日まで大事な用で・・・」

「機動三課の女性をナンパしていたんですよね、スカイさん?」

「ばっ、バカっ! ハガネ!」

「ふぅん・・・ナンパしてたから仕事が手につかなかったのね、あなた」

「あ、あははははぁ・・・さらばぁ!」

「必殺! 粉骨鉄拳!」

「ぎょえあぁぁぁぁぁぁ!」







魔法少女リリカルなのは Strikers After ―M&6―



第二話 強さにかける、その想い








第01独立武装隊『メビウス隊』

古代遺物管理部機動六課・フォワードチーム。

噂に名高いこの二つの部隊の模擬戦が行われるという情報が管理局全体に知れ渡るのに、さほど時間はかからなかった。

曰く『時空管理局最強の部隊』と曰く『奇跡の部隊』

盛り上がらないわけが無い。今回の模擬戦は上層部が戦力判断として行うのだが、特例として模擬戦を生中継するという運びとなった。

自己顕示欲の強い一部の者は、嬉々として戦闘を待ち、大半の者は気怠そうにデバイスを整備していた。







「えっと、今回の模擬戦って、基本1on1だよね?」

「そ。ただ、エリオとキャロは二人一緒で。勿論、あっちも二人だけどね」

「わたしたち勝てるんでしょうか。メビウス隊って、管理局じゃ一番強いって言われてるんですよね?」

「でも一番強い『部隊』だから、個人の強さはもしかしたらそれほどじゃないかもしれないよ、キャロ。もしかしたらチームワークで強いということかもしれいないし」

模擬戦三十分前。フォワードチームは模擬戦場に入る前に準備運動や、デバイスの整備を行っていた。

何せ管理局でも最強と謳われる人間らが相手だ。余念が入らざるを得ない。だが会って二日しか経っていないというのに模擬戦を行うのはどうかと思う四人だった。

「だから、僕たちでも勝機はあるかもしれない」

「・・・うん。わたし、頑張る。エリオ君のこと、守るよ」

エリオの手を握り、見つめるキャロ。二人だけのお熱い空間が構築されていく。また始まった、とスバルとティアナは頭を抱えて頭を振る。

先の事件以来、二人の絆はさらに強まり、人目を憚らずラヴラヴ断層空間(八神はやて命名)を作っている。

ちなみにこの空間に独り身の人間が入ると、初期症状の蕁麻疹が首に表れ、次第にその痒みが全身へと移る。末期症状は目が腐るという恐ろしい最期を迎えるのだという。

身を挺して教えてくれた八神はやて二等陸佐に感謝しなければならない、と二人は思った。








「なぁベアーテ。六課の嬢ちゃんらって、どん位強いんだ? 俺、フェイトちゃんと一緒にスカリエッティのトコ行っていたからよく知らねぇんだよ」

デバイス通常形態――大型狙撃ライフル状のフォッケウルフを磨き、時折構えるフォルクスは言う。

メビウス隊のそれぞれも、自身の相棒の状態を見ている。

「あのスカリエッティの作った・・・ナンバーズだっけ? それを三人確保したのがティアナちゃんってコ。あと、洗脳されたギンガ・ナカジマ陸曹を救ったのが、彼女の妹さんのスバルちゃんってコよ」

「エリオ・モンディアルって男の子と、キャロ・ル・ルシエっていう可愛いコも油断できないわよ。何せハラオウン執務官の秘蔵っ子だもの」

アスカは自身のデバイス:アイギスを手に填めながら口を挟んだ。ベアトリクス、アスカはスバルたちと共にナンバーズ捕縛の任に就いていた為、彼女らの力はよく見ている。

間違いないなく資質は一級品。あとは経験を積めば、最高クラスの魔導師になれるだろう。勿論、彼女らがそれを望んでいればだが。

「エリー、気を付けろよ。お前が負けたら部隊の恥――しいてはジェニーの面汚しにもなるからなぁ」

「・・・わかっています。フォルクスさん」

半分冗談のつもりで言ったフォルクスだったが、当の本人はえらく鋭い眼光を床に向けて、顎で手を組んでいた。

戦いにおける彼の情熱は人一倍である。それは、彼の出生が深く関係しているのだから。










模擬戦のルールは至ってシンプルだ。

“相手が降参を宣言するか、戦闘不能となるまで”だ。要は叩き潰せと言っても間違ってはいないルール。

まず初戦はティアナ・ランスター対フォルクス・ラインハルトのガンナー対決である。舞台となる模擬戦場は昼の廃墟都市という広大であるが、コンクリートジャングルという視界の遮られた空間である。

今後彼らに課せられる任務は、カウンターテロが殆どとなる。その為、室内、屋外を問わず戦わねばならない状況もある。だからこそ、このような戦場が用意されたのだ。

二人の行動は上空から監視され、映像は控えているメンバー、そして管理局に生中継されているのだ。

準備は万端。バリアジャケットは装着済み。得物も既に起動してある。

そして模擬戦開始一分前に、二人は向かい合い握手を交わす。

「よろしくティアナちゃん。恥さらしにならないよう、お互い全力を尽くそう」

「はいっ。よろしくお願いします」

ウインクをするフォルクスに、照れたようにはにかむティアナ。

――何と言えばいいのだろう。女性を惑わす蠱惑的な笑顔だ。

(フェイトさんもこの笑顔で悩殺されたのかしら)

とティアナは苦笑を浮かべて内心で冷やかす。なんとなくだが、羨ましくなってしまった。

自分もいつかこんな男性とめぐり逢えたらと思ってしまう。

「ティアナちゃん。お互い背中向けて歩いて、いち、にの、さんで振り向いて撃つ、ってやり方やってみないか?」

「え?」

「かっこいいじゃないか。折角だからやろうぜ」

「・・・はぁ」

高町なのはの世界で言えば、昔々の西部劇映画で使われた早撃ちシーンとして有名である。地球生まれではない彼が何故知っているのかは不明だが。

空から模擬戦までの残りカウントが鳴る。あと十秒もない。二人は背中合わせに立った。

「準備、いいな?」

「はい」

カウントが三秒を切った直後、二人は一歩ずつ歩きだした。

「いち」

砂利を踏む音が響く。

「にの」

相棒を握る手を強める二人。

「さんっ」

声と同時にティアナは振り向き、クロスミラージュを構えるが――。

「・・・へぇっ!?」

フォルクスは振り向くことなく、背中を向けて逃げていた。さすがに予想していなかったティアナは目を剥いて驚く。

「悪いな! 俺はどっちかっつーとスナイパーだから、正面きっての撃ち合いは苦手なのさぁ!」

「フォ、フォルクスさんっ!?」

「ばぁいびぃ〜!」

呆気にとられるティアナ。その間にもフォルクスはビルとビルの隙間へと逃げていく。

自分を取り戻した彼女は、慌ててフォルクスを狙い撃つが、撃った直後にフォルクスは姿を消してしまっていた。

してやられた。こんなにも狡猾な性格だとは思いもしなかった。あんな笑顔に小悪魔が潜んでいたなんて。

(とりあえず、こんな開けた場所じゃ駄目ね。どこか身を隠せられる場所を見つけないと)

自分が今いる場所は高層ビルに挟まれた道路。もしフォルクスがビル屋上でアンブッシュするなら、間違いなく狙われてしまう。

だからこそ、早急に隠れなければいけない。

(みてなさいよ、絶対仕返ししてやるんだから)

まるでイタズラっ子への仕返しのような、軽い復讐心を胸にティアナは走り出した。







ティアナとフォルクスの二人の中継映像を流しているある一室。そこにはなのは、フェイト、はやて、ジェニー、ジェイドという錚々たるメンバーがそこにいた。

彼女らの目は映像にくぎ付けた。お互い、愛する部下たちが戦いあっているのだ。見ている方も力が入る。

『ジェニー。聖王教会との会合はどうだった』

『駄目だったよ。自分達は中立の立場だから、どのような派閥でも加わることは無い、だって』

見入る中、ジェニーとジェイドは念話で会議をしていた。この二人は管理局改革派の実質トップでもある。

この地上本部でも改革派はいるが、敵対されている保守派と急進派がどこにいるかわからない。それ故、念話で会議するしかないのだ。

本来なら才能あるジェニーが地上本部司令官になるはずだったが、先のJS事件で部隊の私的運用(後にこれは正しい判断であったという意見がクラナガンの住民から寄せられた)の罪で自らの部隊長職を辞し、司令官の話はお流れと

なった。

その後釜として上がったのがジェイドである。任務で左腕左足を失うまではメビウス隊に属し、ジェニーに並ぶほどの才能を持っていた男であった。

彼の負傷はジェニーが大きく関わっているというのが専らの噂だが、真実を知る人間はほとんどいない。

『ただ、もし武力で全てを治めようとする者達がいるのなら容赦はしないって言ってはいたよ。もし残り二つの勢力が武力制圧でも図ったら、大きな助けになるだろうね』

『物騒なことを言うもんじゃない。教会の力を必要とせず、管理局が一つに纏まればそれで万事安泰なんだからな』

『はぁーい』

『口』には出していないが、ジェニーはほんの少しだけ不機嫌そうに唇を尖らせる。

その時、黙って見ていたフェイトが声を上げた。

「あ、フォルクスさんが狙撃位置に着いたみたいです」

見れば、モニターにはブッシュ体勢で銃を構え、ティアナがいると思しき場所へとデバイスを構えているフォルクスが映っている。

ジェニーは不敵な笑みを浮かべ、気配を配らせて周りを見ているティアナに語りかけるように言う。

「さ、どうするかなティアナちゃん。ウチの名狙撃手をどうやって倒す?」







ティアナは気配を確認しようと顔を左に向けた直後、魔力の塊が鼻先を掠り抜けるのを感じた。

まず驚くより先に体が動く。一目散に、隠れられる場所へ。立ち止まってはいけない。後ろに向かって前進せよ。

本能が肉体に告げる。ティアナは全力で走った。背後でコンクリートや鉄が抉られる音がするが、振り向いてはいけない。

今はまっすぐ、隠れられる場所へ――。

「――っ!」

ちょうど、コンクリートが盛り上がり、壁となっている場所へ足からティアナは滑り込んだ。隠れた直前、自分が居た地面が抉られるのを、彼女は見た。

ひとまず姿を隠すことができれば、形成を立て直すことはできる。相棒ミラージュクロスをトゥーハンドに構え、ティアナは策を巡らせる。

――考えろ。何の為にこの頭はある。狩人に狙われた獲物はどうやって危機を脱する。

(顔を少しでも出せば狙われる。何か囮でもあればあっちの射角がつかめるけど・・・・ん、囮?)

自然と思い浮かんだ言葉に、秀才射撃魔導師は閃く。名案中の名案。

これはイケると踏んだ。目にもの見せてやろう、とティアナは口端を釣り上げた。

仕返しの始まり。みていろ。





百メートル以上もある高層ビルの屋上から、フォルクスは自分の相棒――フォッケウルフをブッシュ体勢で構えていた。

彼は元々、遠距離射撃戦法を主とした射撃魔導師である。現在は部隊の運用上、前線で戦うことが多いが、狙撃の腕は衰えてはいない。

フォッケウルフも彼が『メビウス隊』隊員となった十五年ほど前から愛用し続けている大型デバイスだ。言わずもがな型式から見れば旧式だが、中身は現行のデバイスと引けを取らないほどに改良が施されている。

特に狙撃を主とした形態、ミーティアモードの威力は折り紙つきであり、一発だけでも直撃すれば、防御魔法を施していても、相当の衝撃は免れない。

ただ機構の関係上、ボルトアクションでカートリッジを排莢、加えて威力を底上げしたため、三発に一回で排莢しなければなければいけないのが欠点であるが。

ちなみにその弱点を補うべくしたのが、改良されたフォッケウルフ第二の形態、アムラームモードだ。

これはミーティアモードと比べると威力と射程距離が抑えめだが、銃身が切り詰められ、連射もきくために、狙撃戦でない際ははこちらを使う事が多い。

(さあ子猫ちゃん、出てきな。出ないと俺は倒せないぜ)

フォルクスはスコープで隠れたティアナを覗き見ながら、今か今かと顔を出すのを待ちわびている。

ほんの数センチでも体を出していれば当てる自信がある。『メビウス隊』の名狙撃主の名は伊達ではない。

常時撃てるように引き金に指を置くフォルクスは全神経を研ぎ澄まし、目の前の獲物に目を向ける。

――その時だった。

今まで隠れていたティアナが、横に転がりながら躍り出る。緊張に我慢が出来なくなったのだろう。フォルクスは瞬間、思う。

躊躇する時間は無い。フォルクスはすぐに彼女の胴体に照準を合わせると、

(じゃあな、嬢ちゃん。まず黒星は俺がもらう)

一片の躊躇いもなく銃爪を引いた。捉えた獲物は着弾の衝撃でくの字に――。

「んなに!?」

思わず驚きを声に出してしまうフォルクスだったが、それも無理はなかった。

魔力が命中させたはずの相手を通り抜けたのだ。何故、と思う前に、積み重ねてきた戦闘経験から思い当たる節が一つあった。

「幻影――ガッデム、危ねぇ!」

フォルクスに魔力の嵐が襲う。寸でのところで塀を盾に避けてみせたが、あとコンマ数秒でも回避が遅れていたら、頭部に直撃は免れなかった。

魔力で塀が壊されていき、小石状になって降り注ぐ中、今後の案を考える名狙撃主。久々の心躍らせてくれる相手だ。

(幻影魔法ってか。やるじゃねぇかあの嬢ちゃん。燃えてきたっ)

フォルクスは相棒を担ぐと、その場から立ち去って行った。不敵な笑みを浮かべて。







(よしっ! とりあえず狙撃ポイントはわかった。あとは周辺の調査ね)

幻影魔法で作った自分の影をうまく利用した射角判明は大成功を見せた。こちらが幻影魔法の使い手であることを知った以上、下手にスナイピングはかけてこないだろう。

ティアナは撃ちまくったクロスミラージュをワンハンドに戻し、辺りを見回す。

後は彼がいた周辺を捜索すれば見つけるのは時間の問題。中距離、或いは近距離に持ち込めばこちらに分と勝機がある。トップエース部隊の名狙撃主の鼻を開かすチャンスだ。

(フォルクスさんが頭よければ、狙撃はしかけてこないわよね。だとすると接近戦、かぁ。やってみるしかないわね)

自分の周りの気配を入念に探りながら、周辺の調査を開始した。気配を殺し、息を殺し、足音を抑えて。

狙撃手というのも常にこう動いているのかと思うと、フォルクス、そして同じく狙撃のプロであるヴァイス・グランセニックを尊敬してしまう。

(そういえば、ヴァイスさんってシグナムさんと付き合ってるのよね)

戦闘中であるというのに、ふと雑念が生まれる。

数回ほどだが、休憩所で二人が人目を憚らず愛の空気をばら撒いているのを見たことがある。周りの人間が立ち去ってしまうほどに。

あのバカップルは少々自重すべきだと思う反面、羨ましいという感情が湧きでてくる。

自分もそろそろ恋人の一人でも持っていたっておかしくはない。だが管理局はどうも男性より女性の人口比率が多いらしく、この役職だと出会いも少ない。

そのくせフォワードチーム内では、エリオとキャロは人目を憚らず愛を囁き合い、恋には鈍感に見えたスバルでさえ同業の男に恋い焦がれている。

フォワードチーム唯一の独り身、色々な意味で逞しい親友スバルにまで先を越されたことも相まって、気分が降下気味である。

はあ、と落胆の息を吐いた、その時だった。

「ぁいづぁっ!」

耳にしたのは素っ頓狂な叫び声。その発信源は、後方――薄暗い裏通りからだった。

恐る恐る背を低くして、頭だけ出して覗いてみると、

「いってぇー・・・手のひら大のコンクリに直撃するたぁ。危うく脳震盪だった」

涙目で自身の頭を撫でるフォルクスがいた。その足元には比較的大きめのコンクリートの破片が転がっている。

あのコンクリートが彼の頭部に落下、激突したと見て間違いないないだろうが、常人なら意識昏倒は確実の大きさだ。

それで意識がしっかり保たれているとなると石頭というレベルではない。もしかしたら戦闘機人ではないか。

(いくら頑丈でも、頭を狙えば・・・・!)

あちらはまだ気づいていない。狙うには絶好の機会だ。ティアナはツーハンドホールドで構えると、狙いをフォルクスの石頭に定める。

が。

「・・・っと殺気ぃ!」

こちらに気づいたフォルクスが、その場から飛び退きながら、魔力を連射する。

距離をとられてしまってはダメだと判断したティアナはクロスミラージュをトゥーハンドに構えなおすと、彼に向ってダイブしたまま撃ちまくる。

多少の被弾は覚悟の上。狙いもへったくれもありはしない。だが牽制程度にはなるはずだ。

そのまま転がりながら着地すると、間髪をいれず、前面に乱射した。それに怖気づいたのか、フォルクスは近くにあった瓦礫の山に身を隠した。

時折身体を出して攻撃するが、数秒も持たずに隠れざるを得ないことを余儀なくされてしまう。

「うわっち、わ、っとと! 小細工なしで突っ込んでくるとは、カッコいいじゃないか、ティアナちゃん!」

「ありがとうございますラインハルト一尉! でもここからは!」

撃たれ、同じく瓦礫の山を盾にして隠れたティアナはカートリッジを装填、排莢する。五発。

「あぶり出させていただきます! クロスファイアシュート!」

≪Cross Fire Shoot,Firing≫

躍り出たティアナは十の魔力スフィアを展開、フォルクスへと向かわせる。

攻撃していたフォルクスはそれを見た途端、血相を変えて隠れる。しかし、スフィアは山に当たる度大きく削っていく。

壊れるのも時間の問題。数少ない時間で、フォルクスは思案する。

引き返すか、徹底抗戦か。

遠・中距離戦は得意分野だが、隠れられる場所も無い状況での射撃戦は、いくら経験を積んでも逆転は難しい。加えて、自分は彼女とは違い、近距離での立ち回りも得意と見える。

だからと言って狙撃に持ち込んでは幻影魔法で欺かれてしまう。やはり中距離で倒すしか他ない。

カートリッジを新たに装填し、突撃をかけようとした、その時だった。

「私、そっちに行きますよフォルクスさん!」

いきなりの宣戦布告にフォルクスは急いで立ち上がり、構えた。

がしかし、そこにティアナは影も形も存在していなかったのだ。

(なんだこりゃあ。もしやフェイントで逃げたか?)

だがそれは思い違いであると一瞬で思い知らされた。こちらに急いで向かってくる足音が確かに聞こえる。

フォルクスは額に冷や汗を浮かべ、構えたまま、決断を下さねばならなかった。

「くそっ!」

とりあえず真正面に撃てば当たると思い、とにかく撃ちまくった。しかし、魔力は壁と地面に当たるのみだ。

まずい、翻弄されている。それが自分で理解できるほどに頭は冴えているが、根は焦りで溢れている。

忌々しげに舌を打ったその時だった。コン、と前方五メートルほどにあった小さな瓦礫が“蹴飛ばされた”かのように、吹っ飛んだのだ。

考えるより体が反応するのは経験故。反撃の糸口を見つけたフォルクスは、ひきつった笑みを浮かべると、目の前に魔力を叩き込んだ。

「そこだろぉ、ティアナちゃん!」

「っ!」

息を呑む声。確信。

驚いて精神の安定を崩したのか、こちらに向かって走るティアナの姿が顕現される。

姿を隠させる幻影魔法だ。

だが姿が見えればこちらのもの。フォルクスは勝利を確信した。が、勝利の女神は狙撃主には微笑まなかった。

「っ、くぅっ!」

「なんとぉっ!?」

スライディングだった。反射的に銃口を下げるが、間に合わない。頭は反応できるが、その伝達スピードが体にいきわたるまでのスピードが遅い。

歳はとりたくない、と今更思ってしまう。

滑るその体勢のまま、ティアナは魔力を相手の腹に叩き込む。防御をする時間もなく、直撃を食らったフォルクスは派手にその場に倒れる。

身体の痛みを無視してなんとか立ち上がろうとしたが、

「はあ、はあ・・・フリーズです、ラインハルト一尉」

「・・・へいへい。降参さ」

首元にダガーブレードを突き付けられてはどうしようもない。勝負ありだ。ここは大人しく引き下がるしかないだろう。

フォルクスは諦め顔で両手を頭に乗せる。

彼の脳裏に、満面の笑みを浮かべて皮肉を言うジェニーが浮かんだ。メビウス隊の名狙撃主はどこへ行ったのか、と。

こうして、見ている者の大半以上が予想だにしない、メビウス隊がが初戦で負けるという結果となってしまったのだった。









「で、結果は・・・あー、その怪我見りゃわかるか」

その日の夜、宿舎に帰ってきたフォワードチームは、はやて率いるロングアーチの一人、ヴァイス・グランセニックと話し込んでいた。

ヴァイスの目の前にはテーブルを挟んで、包帯と湿布だらけのスバルとエリオ、対称的に無傷のティアナとキャロがいた。

「ティアナの場合はともかく、お前ら二人の勝敗は経験の差だな」

スバル対ベアトリクスとの模擬戦結果は、ベアトリクスの圧勝で終わった。繰り出される魔力を伴った蹴術に抵抗することすらできなかった。

その時の彼女の姿は、まさに獣のようだったとスバルは漏らしている。

エリオの際は、サポートのキャロも共に戦闘に参加。メビウス隊隊長・エーリッヒも、サポートにアスカをつけた2on2となった。

開始直後は足の速いエリオが押していたが、それに慣れたエーリッヒが高速で突っ込んできたエリオをさらながらベースボールのごとく『打ち返し』、態勢を崩してしまったところを、エリオ曰く「シグナムさんよりも攻撃的な剣術」で敗北を

喫したのだ。

「特に隊長さんは古代ベルカの騎士の一族だからな。剣術もすげぇに決まってる」

フォワードメンバーはその言葉を聞いて「えっ!?」と目を剥いた。

「お前ら知らなかったのか? ヴァルトブルクつったら、武装隊を設立したことで有名だぞ。教科書に出てるはずだぜ。たしか隊長さんの曾曾爺さんだったか?」

「あ・・・そういえば訓練校でそんな名前聞いたような」

「え? そうだった?」

「うん、ちょっとだけ」

スバルの言葉にティアナは半ば驚く。脳まで筋肉タイプに見えるスバルだが、以外にも座学関係は記憶がいい。

「でも不思議なのは魔力資質なんだよ。あの家系はウチの隊長クラスの魔力の持ち主がいつも生まれるって言われているんだけど、隊長さんはどうも資質が低いらしい。それを剣術で補っているらしいがな」

言われ、エリオは苦い顔で頷く。模擬戦中、エーリッヒ自身が「自分は魔力が少ない」と告げたのだ。

それを補ってあり余るほど、彼の剣技の冴えは凄まじかった。経験が違うだけでここまで違うものなのかと驚いたりもした。

魔力が少ないからといって、それで勝負が決まるわけではない。彼が言った言葉だが、これは自分自身に言い聞かせているのではないかとエリオは思う。

「とりあえず、明日からまたヴィータ副隊長の扱きだな。お前ら、覚悟し・・・」

「あーっ!」

突然、スバルが椅子を蹴って驚き立つ。部屋の時計を見ると、「ちょっと出かけてきます!」と言って、一目散に食堂から去って行った。まるで一陣の風の如く。

呆然とそれを見送ってしまった全員は、何だと言わんばかりに怪訝な面持ちをするのだった。







エーリッヒは空のグラスをテーブルに置くと、顔を歪ませて淀みがかった頭を横に振った。周りでは、休憩室だというのに騒ぎながら酒を煽っているメビウス隊のメンバー。

何が起きたかと言われれば、率直に言えば呑み過ぎた。気持ち悪い。

アルコールには弱いわけではない。だが、今回は度の強い酒を深酒しすぎてしまった。なかなか美味だったが、後々になって酔いが回り始める物のようだ。

今一瞬でも気を許すと、闇の世界へテイクオフしてしまいそうになる。こんな所で潰れてしまっては、部隊長としてのメンツだけでなく、仲間に迷惑がかかってしまう。

感覚がはっきりしない脚を立たせると、エーリッヒは虚ろな目で仲間を見る。二重、三重にぼやけて見えるとなると、これは相当まずいと自分でもはっきりと分かる。

「・・・すいません、先にベッドに行かせてもらいます」

「おぉ、大丈夫かエリー? 肩貸すぞ」

「・・・いえ、大丈夫です。それでは、おやすみなさい」

覚束ない足取りで休憩室を出るエーリッヒ。役立たずの脚を支えるべく壁を手すり代わりに歩くが、それ以前に意識が朦朧としていて、非常に危うい。

それでも普段は何とも感じない場所が幾多の困難となったステージを超え、今、エーリッヒは自室まであと少しという所に居た。

もう少し、あと少しで意識を手放すことができる。

その気持ちが油断を生んでしまった。

急に足から力が抜けて、エーリッヒはそのまま廊下へと顔面からダイブしていく。

(あ、まずい)

眼前に床が迫った瞬間、彼の意識は闇の奥底へと消えて行った。










青年の名はプラッツ・ジャスター。プラチナブロンドのショートヘアーが特徴的な、時空管理局沿岸警備隊『第108部隊』に所属していた、陸士魔導師である。

いかにも好青年と思わせる、柔和だが逞しく端正な顔つき。スカイブルーの瞳は満点の星空を見上げている。

海沿いから見る響の星は格別だ。十一月の今の時期、潮風は少々肌寒いが、それが雲を押し流し、幾つも輝く星を見させてくれる。

「ふぅ・・・」

彼は人を待っていた。約束の時間まであと五分ほど。

“彼女”の性格なら遅れる事はない。それを知っているのは、まだ“彼女”が幼い頃から付き合いがあるからだ。

「PJさああああああああああああん!」

夜の帳さえも慄いてしまうほどの大音声が湾に響く。その声の元凶は――。

「会いたかったです!」

「っととっと。相変わらず元気いっぱいだね、スバルちゃん」

スバル・ナカジマ。

隊舎から走ってきた彼女は、PJを見るなり、勢いをそのままに抱きつく。そんな彼女を優しく撫でるPJ。

傍から見ればバカップルという言葉が似合いである。

「わたし、PJさんが本局に異動するついでに二人で会おうって言われた時、もう本当に嬉しくって!」

「あははっ、俺も嬉しいよ。しばらくゴタゴタで会えなかったから。でもごめんね、こんな夜中に」

「いえっ! PJさんが呼ぶならわたし、深夜でも夜明けでも行きます!」

「それは嬉しいな。ありがとう、スバルちゃん」

PJとスバル――いや、ナカジマ一家との付き合いは長い。

彼がまだ陸士として見習いの頃、ゲンヤの計らいで一度会ったことがあり、その際にナカジマ姉妹に気に入られたのが縁で、十年近く経った今でも公私で付き合いを交わしている。

スバルが彼に惚れたのは必然だったのかもしれない。だが、恋敵は多い。原因はPJの性格からだ。

容姿端麗であることも一因だが、最も足る原因は他にある。

女性を無意識のうちに口説いてしまうという良点にして最大の欠点である。

別に下心があって口説いているわけではない。そもそも彼は恋愛において非常に鈍感だ。が、たとえ無意識だろうと無かろうと、ほとんどの女を虜にするには変わりない。

時空管理局で働くおよそ三割の女性は彼に惚れているとも噂がたつほどだ。

その中にスバルもいる。そして、ギンガ・ナカジマも。

彼女ら二人にとって想い人の争奪に姉妹の義理人情など無い。女と女の対決なのだ。

「スバルっ」

凛とした女性の声が湾に響いた。

その女性はヒールをカツカツ鳴らして二人の元へ。

「ギ、ギン姉! どうしてここに! 何でわかったの!?」

「隊舎からの距離を考えたら、あなたは待ち合わせ場所をココにするだろうと思ってたからよ。それより離れなさい、スバル」

「あ、ギンガちゃん。相変わらず綺麗だね」

「え、あ・・・ありがとうございます」

むくれっ面から一変、ギンガは頬を赤くして俯く。このような台詞を簡単に吐いてしまうのが彼である。

こんな言葉を言っているから男から睨まれる、というのは彼の友人の談だ。

「・・・ってそうじゃない。オホンッ。スバル、夜間の外出は特例でもないかぎり禁止じゃなかった?」

「あ・・・そ、そうだったっけー? あはははは・・・」

「今なら見逃してあげるから、早く帰りなさい。でないと・・・」

「ごめんなさい今すぐ帰りますっ! PJさんごめんなさい!」

深々と頭を下げると、スバルは駆け足で元来た道を走り去って行った。

その後姿を見て、PJは微笑みながら呟くように言う。

「やっぱり優しいね、ギンガちゃんは」

「え?」

「今来たのが高町くんやヴィータさんだったら間違いなく罰を言っているところだろうからね。やっぱりギンガちゃんは優しい」

「そう・・・ですか?」

「うん、俺はギンガちゃんのそういうところ好きだよ」

その言葉にギンガは顔が爆発してもおかしくない程に真っ赤になる。PJ自身では別に他意の無い言葉だが、眩しすぎる笑顔とアルトボイスで組み合わせられてはどうしようもない。

ギンガは恥ずかしさを隠すかのように、PJに話しかける。

「あ、あの! プラッツさんはこれからどうするんですか!?」

「え? ああ、明日から本部詰めだから、本部で泊まろうと思っているんだけど」

「じゃ・・・じゃあ! 近くまで一緒に行ってもいいですか!? 更生施設へ帰るついでに!」

「あれ? でも港への道反対じゃあ・・・」

「こ、細かい事は気にせずに! さぁ、行きましょう!」

恋の路は、まだ遠く。







同じ頃、機動六課とメビウス隊用の供用隊舎の廊下を歩いているヴィータはやけに上機嫌だった。

アルコールがほんの少し入っているせいもあるが、最大の要因は寝室にある。

隣室がエーリッヒの部屋だからだ。

この隊舎の設計はジェニー・アウディスが関わっていると聞いたことがある。となると、部屋の振り分けも彼女の策謀の内か。

ならば喜んでその策に乗ってやろうとヴィータは思った。フォワードチームがメビウス隊と共同で仕事をすることになり、自分はエーリッヒに近づけるチャンスができる。

よからぬ妄想が頭をよぎり、ついつい頬が緩む。そして自室へと近づいた時、ふとそれは目に入った。

人が倒れている!

僅かに驚くと、ヴィータはうつぶせで倒れている者に駆け寄ると、体を揺さぶって声をかける。

「おい大丈夫か! しっかりしろ!」

とりあえず姿勢を安定するべく仰向けにさせる。するとヴィータは先ほどよりもさらに驚くことになる。

何せ倒れている当人は――。

「エリー!?」

「・・・う、あ・・・・・・」

顔が熟しすぎたリンゴかトマトのように赤い。視線も虚ろだ。おまけに口からは自分よりも濃いアルコール臭がする。

間違いなく酩酊状態だろう。それが原因で倒れていると見てよい。

意識を失っていなかったとなると、倒れていからずっと床に突っ伏したままだったのか。そこまで足腰が狂るほど飲むとは、どこまで自分の管理ができてないのか。

昔から何一つ変わっていない。

「おい、エリー。大丈夫か、おい!」

「あ・・・・・・ヴィー・・・タ?」

「そうだよ、あたしだよ。ヴォルケンリッターのヴィータ。大丈夫か? 起きられるか?」

「ん・・・・・・ぐぅ・・・」

弱々しく頭を振るエーリッヒ。こんな所で彼をこのままにしておくわけにはいかない。

笑い者にされるどころか健康に関わる事だ。それに彼自身、「あのメビウス隊隊長が酔いつぶれて風邪をひいた!」という噂を立てられては、もう二度と外には出たくないだろう。

ヴィータはエーリッヒの自室のドアを開けると、彼の肩を担ぐ。

成人男性――とりわけ鍛え上げられた肉体の持ち主であるエーリッヒ・ヴァルトブルクの身体は、十年前からほぼ全く変わっていない十歳時並みの体ではさすがに重く感じる。

それでもヴィータはほぼ引きずる形で彼をベッドへと連れて行く。

「ったく、よぉ・・・!」

息を切らせながらも、その顔はやけに穏やかだ。

「どうして、戦闘に、関してはっ・・・抜かりないのに、生活面はこうも、抜けてるんだろうなっ。なあ、エリー?」

返事は無い。もしかしたら、もう眠っているのかもしれない。

「・・・そういう可愛いところに、惚れちまったんだけどな、アタシは」

へへ、と苦笑を浮かべるヴィータ。

思い出せば笑えるような出来事ばかりだ。

方向音痴。何もない場所で転ぶ。以前はやての勧めで料理を作った際は砂糖を塩と間違えるなど、どこぞの可愛い女の子のスキルだと思ってしまったこともある。

そんな彼に惚れたのはいつ頃だっただろうか。

「ほら、着いたぞエリー。大丈夫か? 水持ってくるか?」

ベッドで横になっているエーリッヒは、何も返答はしない。

完全に熟睡しているのだろう。顔色を見ても、恐らくアルコール中毒にはなっていないはずだ。

軽く安堵の息を吐いて、ヴィータは部屋を後にしようとした時だった。

「ヴィー・・・タ」

「え?」

突然、かすれた声のエーリッヒが彼女を呼ぶ。首を傾げながらも近づいて彼を見てみると。

「ヴィータ・・・・・・んが、ん・・・」

「・・・寝言かよ」

先ほどまで泥酔状態で苦しんでいた人間とは思えないほど呑気な言葉だ。思わず笑みが零れる。

まるで子供みたいだ、と。

ヴィータは笑みを湛えたまま、赤い彼の頬を撫で触る。

「じゃあ、おやすみな。エリー」

部屋を出る時、頬にキスでもすればよかった、と思うヴィータであった。








翌日の早朝。食堂は賑やかだった。ある二人を除いて。

その一人がフォルクスである。テーブルに向かって俯いたまま、吐き気を催し、酒臭さを残して。

それが何なのかと言われれば、単なる二日酔いである。

「あ〜う〜・・・・・・」

「やだフォルクスさんお酒臭いですよ」

「さらに加齢臭で尚更臭いわねぇ」

ティアナとアスカの言葉がグサグサと心の臓に突き刺さり、痛い。ついでに頭も痛い。

いや酒臭いの確かだが、三十三歳で加齢臭はまだ出ないだろう。

多分。

「ぐべえ・・・あだま痛い、きぼち悪りぃ・・・」

「やだ吐かないでよ?」

「アイツよりかは大丈夫だ・・・」

突っ伏したままフォルクスは向こう隣りを指差す。

そこには――。

「・・・・・・・・・あぐぅ」

彼以上に二日酔いが酷いと見えるエーリッヒがいた。隣には心配そうに見守るヴィータが。

今少しでも刺激を与えると何かをブチまけてしまいそうな、そんな空気が彼には漂っていた。

とりあえず目の前に水の入ったコップはあるが、全く手は付けられていない。

それほどに動きたくないのだ。

「大丈夫かエリー?」

「・・・・・・・・・・・・」

ヴィータの問いにふるふると首を横に振るエーリッヒ。

ダメだこの部隊、とフォワードチームは内心呆れかえる。

その時だった。食堂のドアが開き、三人の女神が舞い降りる。

即ち、なのは、フェイト、はやてである。特になのはは早朝だというのにやたら元気そうだ。

「おはよう、みんな!」

「おはようございまーす!」

ルーキーズが元気よく返事するのを見、「うんうん」と頷くなのはに、視界の隅にエーリッヒの姿が目に入った。

死んでいるような面持である彼を元気付けようと、笑顔のまま、なのははエーリッヒの元へ行く。

誰もが「触れてはいけない」と言おうとしたが、遅かった。

「エリーくん、どうしたの? 元気ないじゃない。朝ごはんも食べて無さそうだし」

「・・・・・・頼、む。放って・・・」

「もう。朝からそんなにローテンションじゃあダメだよっ」

なのはは気付けに彼の背中を叩く。

それがきっかけだった。

「うっぷ・・・!」

直後、堰を切ったかのようにエーリッヒの口から流れ落ちる黄肌色の嘔吐物。

大量のそれがテーブルにぶちまけられる。

「きゃああああああああああああ!」

「うおわあああああああああ!」

「いやあああああああああああああ!」

「あわわわわわわわわわわ!」

まさに阿鼻叫喚、地獄絵図。

食堂は悲鳴一色に染まっていくのだった。




その日、エーリッヒ・ヴァルトブルクは二日酔いとショックで一日寝込んでいたとかなんとか。









次回 魔法少女リリカルなのは Strikers After -M&6-



第三話 ファースト・ミッション






あとがき




どうも、ホウレイです。

大分長らくお待たせいたしました。第二話です。実質執筆に半年程かかったと思います。ごめんなさい。


書いていて気付きましたが、なのは、フェイト、はやての登場があまりにも少ないことに気付きました。

いえオリジナル主人公をメインに出すのは分かっていますが、こうも少ないと異常だと感じつつある今日この頃です。

次回はもっと前に出そうと思います。

今回登場しました「プラッツ・ジャスター」通称PJは、略称の名前でしたら私が以前執筆した小説に登場していますが、近作では都合上名前のみを変えさせていただきました。

スバルとギンガに囲まれるPJに対して、エリーことエーリッヒの扱いは酷いですね。

酔ってぶっ倒れて二日酔いの上げろんちょ。とても主人公とは思えませんですハイ。

次回はもっと彼を活躍させたいです。主人公ですので。

最後に一言。

お願いですからPJ氏ねと言わないで。










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