「なあ、鋼よぉ」

「なんですかスカイさん。飯くらい静かにしてくださいよ」

「今日、こっちにメビウス隊が異動するって話、知ってるか?」

「いえ。深雪さんは知ってるんですか?」

「ええ。ミッドで最近テロが頻発しているから司令が呼んだ、って噂らしいわよ」

「へぇ――って、深雪さん! 俺のウインナー食ったでしょ!」

「・・・んぐ。何の事?」

「飲みこみましたね今!?」

「まぁまぁ。たかがウインナー二本でそう怒るな――って、俺様のプリンはどこ?」

「もぐもぐ」

「・・・・・・」







ミッドチルダには多次元世界に干渉、管理などを行うための組織、『時空管理局』の基地がいくつも存在している。

その中でも、首都クラナガンにそびえ立つ地上本部は群を抜いた規模である。

だが一ヶ月前に<狂気の科学者>ジェイル・スカリエッティとその部下によって起きた、大規模テロにより本部周辺は多大な被害を受け、今も再建が続いている最中だ。

夕方。その街の上空に一機のヘリが時空管理局地上本部を目指し飛んでいた。







地上本部のとある休憩所。まるで草原と思えてしまうくらい広い。居る人数はまばらだ。

そしてそこには一人の女性と、初老の男性が面と向かい、斜め下を見ながら唸りあっていた。

「んー・・・なあ、八神。こんなオヤジをいじめて楽しいのか? アレか? お前真性のサ・・・」

「・・・あーもー、ゲンヤさんうるさいわ! はい、チェックメイト!」

喝との声と共に、勝負に決めの一手が下される。

滅びの宣告を受けたゲンヤ・ナカジマは頭を抱えて、情けない悲鳴を上げる。

「たはぁ・・・・八神ぃ。 いくらなんでも手加減ってものがあるだろう。 最初から全力全開なんて酷過ぎるぞ」

「勝負はどんな時だって本気やないと。死んだら元も子もないやんか」

「それは実戦だ。これは将棋だろうがよ?」

ゲンヤは訝しげに八神はやてを睨む。これで通算連続三十戦三十敗。どう足掻いても勝てない。

反則的な行為でも使っているのではないかと思い、一挙一動を観察しているが、全くもって反則行為を行っているようには見えなかった。

何が原因で勝てないのか、と嘆くが、それ以前にその結論にたどり着くまで随分とかかった時点で彼女に勝てるのはまだまだ先のようだ。

「そういえばタヌキ娘。聞きたい事あるんだけどよ」

「タヌキ言うな! ・・・で、何や?」

「今日メビウス隊が地上本部に来るんだよな、たしか」

「そうやね。でも、なのはとフェイトはまだ納得していないみたいだけど」

「だよなぁ。いくらお上からの命令とはいえ、あんなの納得できるわきゃねぇな」

ゲンヤは遠い目で日が紅に差し変わりかける空を見る。

「一波乱・・・いや、大波乱が目に見えるな」








ヘリの中は二人の男、三人の女性が居た。無言でいる者や、外を眺めている者、寝ている者。それぞれだ。

中にいるのは全て、地上本部へと出向中である『第01独立武装隊』メビウス隊の面々である。

「・・・」

紅の髪に黒の瞳。端整な顔にはまだ少年のような若さが残るが、冷静とも無表情とも取れる面持ちが大人びさを感じさせる。

名はエーリッヒ・ヴァルトブルク。二十一歳で部隊内最年少にして部隊長を務める才能ある若者だ。

「・・・・・・」

彼は無言で、外の景色を見るままだ。

「おい、エリー。まだ着かないのか。トイレに行きてぇよ」

エーリッヒの隣に座る、銀髪と屈強な肉体に無精髭が特徴的な、いかにも歳を食った男は尻を擦りながら言う。

フォルクス・ラインハルト。メビウス隊副隊長であり、同部隊の最初期メンバー、生え抜きの一人だ。

ちなみにエリーとはエーリッヒの愛称だが、あまりに女らしいので彼はその名を嫌っている。

「・・・あと十分です」

「十分? おいおい、勘弁してくれよ。漏れちまいそうだ」

世も末だと言わんばかりにフォルクスは天井を仰ぐ。

「漏らすんだったら外に降りてしてね。ここでやったら殺すわよ、フォルクス」

スラリと長い脚を組み、茶のショートカットの髪を掻き上げる若い女性の目は、まるで野獣の如く鋭く、恐怖を抱かせる。

「わかってるよ、ベアーテ。十分くらい我慢するさ」

「そう? 歳とって膀胱が緩んでるなら仕方ないけどね」

彼女の馬鹿にしたような口調に、ヘッ、と負け惜しみのような笑みを浮かべて、フォルクスは腰掛ける。

ベアーテ――本名ベアトリクス・メイトリー・ウエスタン。部隊配属の年数ではエーリッヒの次に短く、そして若い。

「その喧嘩腰な口調、こっちでも言ったらどうなるか分かんないわよ。あのエースオブエースやら、凄腕の人間がわんさかいるんだから」

ベアトリクスを窘める女性――少女とも取れる外見の持ち主の名は、アスカ・エステルイェトランド。

一見十代に見える外見だが、年齢は部隊最年長の三十四歳で、フォルクスと同じく最初期メンバーの一人である。

「皆さん、地上本部が見えました。そろそろ着陸しますよ」

そしてヘリを操縦している女性の名はエヴァ・ピアッツァ。

ヘリ操縦、メカニックマイスター、一級通信士、デバイスマスターなど、機械とデバイス関係において殆どの資格を持つ天才で、部隊内で唯一魔法資質を持っていない人間だ。

二十五歳と、隊では比較的若年だがエーリッヒとベアトリクスよりも配属年数は長い。そして対内唯一の既婚者、子持ちである。

エヴァの声に各員は、

「・・・了解」

「おいーっす」

「わかった」

「はいはーい」

と一部が気の抜けた返答をする。

「なあ、たしか機動六課にティアナちゃんってのがいたよな。同じガンマンとして――って、おい。念話かよ」

「エヴァさん。地上本部の・・・司令から通信です。ヘリを待機しておいて下さい」

「了解です、エリー君」

フォルクスがエーリッヒに切り出した会話はすぐに潰えた。念話を確認したアスカはすぐさま空中に魔法陣を展開、空間モニターを形成した。

モニターには頬、鼻に傷痕のある、壮年の男――新任の時空管理局地上支部司令官、ジェイド・アルハートが映し出される。

『メビウス隊の諸君。到着寸前に申し訳ないが、クラナガンにトラブルが発生した。管理局に懇意の企業ビルでテロが起こった』

「おいおいおい。勘弁してくれよ、早くトイレに行きたいってのに」

『テロリストは密輸されたとされる質量兵器を所持しているとの情報が入っている。慎重に行ってくれ』

「武器はどのタイプですか?」

エリーは訊く。

「拳銃型だ。総勢八人が半分ずつ、これらを装備している」

「それで、そいつらを全員拘束しろ、と?」

「その通りだ。後詰めを向かわせるので来るまでにテロリスト共をぶちのめしてくれ」

ベアトリクスの問いにジェイドはニヤリとして応える。人を束ねる立場として関心はできないが、彼らにとってはこのような言葉が性に合っている。

それにヴォルツ自身、元メビウス隊所属で、彼らは同僚と後輩なのだ。

一通りの即興ブリーフィングを終え、エーリッヒは頷き、

「了解。直ちに向かい、行動を開始します」

『頼んだ』

空間モニターが閉じられた瞬間、フォルクスの重い溜息がヘリに木霊した。

だが溜息を吐きたいのは皆同じだ。予定通りならばこの後には機動六課との顔合わせと称した交流会パーティーが行われるはずだったのに、それがテロリストのせいで、遅れる羽目となった。

許されるものではない。

「よぅし、隊長! いっちょ派手に暴れようぜ!」

「馬鹿。人質がいるのに暴れるわけにはいかないでしょうが」

「なんだとぅ!」

「ほらほら二人とも。喧嘩しない」

「皆さん、作戦ポイントに到着しました。どうぞ」

「・・・各員、これより状況を開始する」

エーリッヒの一声がヘリに響き、纏まりのないチームの空気が一気に変わった。

全員が今さっきとは全く違う、確固たる意志を持った鋭い目でエリーを見る。

「ファストロープ゚で降下後は各自バリアジャケット装着。突入後はいつも通り、人質を傷つけず、敵を殲滅する。以上。質問は?」

「一つある」 

フォルクスが真面目な顔でエリーを見る。

「・・・作戦が終了したら、ビルのトイレ使ってもいいよな?」

「・・・はぁ。好きにしてください、フォルクスさん」

一気に気が抜けたエーリッヒは素の口調で話すしかなった。









ファストロープで屋上に降下した四人はすぐさまバリアジャケットを装着する。

黒と青を基調としたバリアジャケットを装着しているのはエーリッヒ。

灰色のミリタリーシャツ、ズボンタイプのバリアジャケットを装着するのはフォルクス。

黒のタンクトップ、その上に白のシャツを羽織って、スパッツの上にスカートを穿くというバリアジャケットはベアーテ。

深紅と漆黒に彩られたバリアジャケットを装着したのはアスカである。

「各員、デバイス起動を許可」

言うが早いか、メビウス隊各々のデバイスが起動する。

エーリッヒのデバイスはフェイト・T・ハラオウンとシグナムのデバイスのデータを基に作られたインテリジェントデバイス・シュワルヴェ。

近・中・遠距離に応じて変形が可能なデバイスだ。

今は近距離に特化した形体で、刀身を魔力で形成したそれは、フェイトのジェットザンバーとよく似ている。

「今日は室内戦か。よし、アサルトモードだな」

フォルクスのデバイスは射撃を主とするフォッケウルフというインテリジェントデバイス。

魔力を連射して敵にダメージを与えるアムラームモードと、超長距離狙撃が可能なミーティアモードの二つの機能を有する。

入隊当初から使い続けている旧式のデバイスだが、何度も改良を重ねており、現行のデバイスでも引けは取らない。

「隊長、敵は八人よね? だったら2on2で半々行くのはどう?」

「・・・それはいい考えだ。そうしよう」

「オーライ。じゃあ私はフォルクスと行くわ」

ベアトリクスは、膝まで装甲に覆われた具足型のアームドデバイス・メッサーシュミット。

蹴り技を最も得意とする、ベアトリクスの為にあると言っても過言ではない代物だ。

「そんじゃわたしはエリ――隊長ね。支援は完璧にこなすから、敵の掃討はよろしくね、たいちょっ」

アスカのデバイスはキャロ・ル・ルシエとほぼ同じ、グローブタイプのブーストデバイス・アイギス。

支援魔法に特化した彼女が、入隊と同時期に支給され、現在も使い続けている、もはや一心同体といっても過言ではない相棒だ。

「・・・わかった。各員、合言葉を」

フォルクス、ベアトリクス、アスカは円を組むように向かい合い、拳をそれぞれ重ねる。

「Cool」(クールに)

「so」(そして)

「Cool」(キメろ)

「・・・よし、行動開始」

夕日が彼らを勇ましく飾った。








オフィスルームには四人の武器を持ったテロリスト達が何やら固まり、意見を出し合っていた。

部屋の隅には、目隠しをされ、バインドまでかけられ全く身動きができない状態だ。

「なあ、ホントに大丈夫なのか? あいつ等、来るのかよ」

「捨て駒なんじゃないか俺たち」

「・・・来る、はずだ。大金積んで武器を手に入れて、やっとあの組織に入れたんだ――」

言葉の途中、突然ドアが開き、会話は中断される。四人は音につられ、その方向を見た。

「やあどうもテロリスト諸君」

「早速だけど半殺しさせてもらうわよ」

ライフル型のデバイスを手に持ったまま大仰な仕草で部屋に入るフォルクスと、“普段”通りの目つきで敵を睨むベアトリクス。

一瞬の静寂の後、顔を引き攣らせたテロリスト達は一斉に拳銃をフォルクス達に向けた。

が、銃口が向く寸前、二人は既にその場から横に飛び退き、フォルクスは見事な腕前で魔力をテロリストに命中させた。

寸でのところで避けた一人を除いて、撃たれたテロリスト達はその場で気絶する。徹底して威力を底上げしたフォッケウルフの魔力に生身で耐えられる人間はいない。

「くそった――!」

言葉はまたもや中断される。

体勢を立て直そうとした瞬間、疾風の如く距離を肉薄したベアトリクスの左足の飛び膝蹴りを腕に受け、武器を手放してしまった直後、そのまま空中で右足からの上段蹴りを顎に受け、悲鳴を上げることもできずに吹き飛ばされ、無様

に床に転げ落ちた。

状況を確認し、敵が一人も残っていないことを確認すると、フォルクスはベアトリクスに人質に事を頼み、自身はテロリストにバインドをかけながら隊長であるエーリッヒに通信――念話を開始した。

『メビウス02から01へ。こっちの掃討は完了した。そちらは?』

『こちら01。敵四人を確認した。こいつらで最後だろう』

『オーケイ。頼むぜ隊長』






壁越しに銃撃を受けているエーリッヒとアスカは顔を僅かに出し様子を窺っている。

未だ銃撃は止む気配は無い。だが、弾数が限られているならば、必ず間隙はあるはず。

エーリッヒはそれを待ちわびていた。

「・・・03。頼む」

「了解、01」

アスカは手――というより、自身のデバイスをエーリッヒに翳す。

淡い青白い光が手から溢れ、それは彼にも注がれる。

「・・・よし、強化魔法完了。気を付けて、エリー」

「・・・ありがとう、アスカさん」

エーリッヒは軽く敬礼をすると、再び顔を出して様子を窺う。

必ず、必ず隙はあるはずだ。エーリッヒは目を凝らしてマズルフラッシュを見つめる。

「――今っ」

呟いた瞬間、エーリッヒは敵の懐内まで駆けた。彼には見えていたのだ。

ほんの一瞬だが、先ほどまでの銃撃とズレが生じていたのが。四人のうち二人がリロードをしているに違いない。

エーリッヒはそう踏んだ。

「・・・」

移動速度強化魔法によって常人の何倍ものスピードで近づかれた男等は慌てて銃を構えるが後の祭りであった。

銃弾を高速で掻い潜り、一閃の元に魔力形成の刃で斬り伏せる。非殺傷設定にしているが、直撃すれば生身の人間は間違いなく気絶してしまう威力だ。

処理を終えたエーリッヒは周辺を確認し、敵が完全にいないことを確認する。

これでテロリストグループは全員気絶したことになる。

時間にして一分と経っていない。まさに速攻だ。

人質のバインド魔法を解き、逆にテロリスト側にバインド魔法をかけて捕縛したエーリッヒ達は、点呼を開始する。

『・・・メビウス01。こちらも片づけた。各員無事か?』

『03。わたしは無傷』

『04。特に怪我も無し』

『・・・メビウス01より02。応答しろ。無事か?』

普段なら真っ先に返答するはずのメビウス02――フォルクスの返事が無い。

『・・・01より03へ。02はいるか?』

『ちょっと待って。・・・いない。おかしいわ、さっきまでココにいたのに』

『04から02、応答して。02、02・・・フォルクス!』

呼べども返事は無い。もしや隠れていたテロリストに何か危害を加えられたのか。

最悪の事態が脳裏をよぎる。

だが――。

『・・・あー、すまねぇ。メビウス02からメビウス01へ。返答が遅れてすまねぇ。無事だ』

多少沈みがちの声だったが、間違いなくフォルクスである能天気な声が響く。

心配して損した、と言わんばかりに他のメンバーは溜息を吐く。

『いやあ、すまんすまん。もう我慢の限界でよ、トイレに座ったらデカい方も出そうなんで、力むのに集中したいから回線切っていたんだ』

場の空気が凍り、同時にフォルクスを除くメンバーは憎しみの炎がメラメラと燃えあがる。

エーリッヒは苛つく口調を抑えることなく、各員に報告をする。

『・・・各員の無事を確認。これよりヘリに戻るぞ。即刻な』

『03了解。とっとと帰りましょ。どっかの馬鹿は放っておいてね』

『04ラジャー。アホは置いて、地上本部でパーっと騒ぎましょ』

『え? ちょ、ちょっと待ってくれよ! 今拭いてる途中なんだよぉ!』









                            

魔法少女リリカルなのは Strikers after ―M&6―



                                                              
第一話 メビウス隊と機動六課







「メビウス隊の諸君、まず詫びを言いたい。すまなかった、到着前にあんな任務を出して」

「・・・いえ、アルハート少将殿。お気遣いなく」

時空管理局地上本部のある通路には、先ほどまで緊急の任務に就いていたメビウス隊と、地上本部司令官ジェイド・アルハート少将、副司令官八神はやて二等陸佐が歩いていた。

車椅子に乗っているジェイドをはやてが押し、彼は自分の髪と同じ色の黒の瞳でエーリッヒを見上げる。

「ここ二ヶ月でクラナガンは深刻な治安悪化が起きていてな。しかもあの事件以降、大勢の局員が自主退職して、人手も足りない状況なんだ」

「・・・本部でも同じ状況です。局員の絶対数が少なくなったことにより様々な部隊が併合するなどの事態が起きています」

「それが君達にも回ってきてしまったな」

「・・・ええ」

エーリッヒは見下げ、疲れた笑みを浮かべるジェイドを見る。

彼の左腕、左足は欠損している。

十年以上前、任務の際の負傷が原因だと聞いたが、当時の隊長にして自分の恩師であるジェニー・アウディス、そして同僚であったフォルクス、アスカは何も語ろうとはしない。

「本部は民間人がいないからまだいいさ。こちらはたくさんの住民を抱えている」

「・・・ですが、彼らを守るのが我々の仕事であり、使命です」

「そう、だな。彼らの中に、我々の存在を必要としていないと思っている人間がいるのも確かだ」

ジェイドの傷だらけの顔が険しくなる。

「反時空管理局派を掲げる人間が日に日に増してきている。そして上層部は上層部で今の体制を維持しようと必死だ。これでは管理局自体がどんどん駄目になっていく」

JS事件で前地上本部司令官レジアス中将が亡くなり、最高評議会が消滅した後、管理局は混沌としていた。

その混乱の最中、どうにか地上本部司令官は決定されたが、それで収まったわけではない。

体勢を維持しようとしている者達、古いやり方を徐々に変えようとしているする者達。一気に全てを壊し、革変を齎そうとする者達。

これらの思惑が入り乱れ、管理局内部は今までのものとは全く違うものとなってしまった。

「その為に俺たちが呼ばれた。そうだろ、ジェイド」

昔のなじみであるフォルクスは投げやりに言う。

「信用回復の為に管理局最強の部隊を前面に出し、一般市民に危害を加えるテロリストを倒す。これが上の狙いだろ? わかりやすいこった」

「それだけでもないさ」

ジェイドの顔がまた、一段を険しくなっていく。

「管理局の人間が反管理局派のグループにデバイスや質量兵器を横流ししているという報告がある。それに関係するグループを逮捕して、洗い出すと言う事も兼ねているんだろう」

「だからって、何であの機動六課のルーキーたちと組んで仕事なんだろうな。そこが今でも納得いかねえ。組ませるんだったらもっと経験のある部隊をだなぁ・・・」

「その経験のある部隊が今、余計に少なくなって、しかも本来とは別の仕事をしなければいけなくなってしまったから、六課の新人たちが選ばれたんだろう」

「お上の奴らもセコいことしやがる。俺達は便利屋じゃねぇってのにな」

フォルクスの顔が憎々しげに歪む。

「急進派、だっけ? そういうことするのは。ふぁあああああ・・・・ああああ・・・・・」

欠伸交じりに話すアスカは、かなり眠そうな目で歩いている。

「違う。急進派は今の体制を一気に壊し、新しい管理局を作るというのが目的の派閥だ」

「アルハート少将はたしか改革派でしたよね。ジェニーさんと同じく」

ジェイドを守るようにベアトリクスは彼よりも少し前を歩く。

「はははっ。私は飾りの人形さ。実質、リーダーはジェニーだよ」

ジェニー・アウディス。時空管理局内で唯一SSSランクを持つ、最強の魔導師とも、管理局の最終兵器とも呼ばれる女傑である。

メビウス隊の前隊長であったが、先のジェイル・スカリエッティの一件で、本部の許可無しに部隊を運用した責任を取り、武装隊の職を辞し、今は副職であった執務官の仕事に従事している。

「ジェニーさん、忙しいでしょうね。執務官の仕事だったり、リーダーとしての仕事もあったりして」

「なに、その程度で倒れはしないよ。あいつが倒れるのは、寝る時と男と――おっと失礼。口が過ぎてしまった」

苦笑を浮かべるエヴァの頬は少し赤い。

「まあ、とにかくだ」

ジェイドは口端を吊り上げ、逞しい笑顔を浮かべ、メビウス隊全員を見る。

「今日は正式な“顔合わせ”だ。盛大に騒いでくれ」










JS事件において宿舎を失ってしまった機動六課の面々は今まで廃棄される予定であった航行艦・アースラで寝泊りをしていたが、機動六課の若手メンバーがメビウス隊と併合されることにより、ようやく真っ当な宿舎を宛がわれたのだ。

そして宿舎の食堂ではスバル・ナカジマ、ティアナ・ランスター、エリオ・モンディヤルは、交流会の最終準備にかかっていた。

飲み物、食べ物、テーブルとイスの配置よし。グラスには酒とジュースを注ぎ、ストックは十数本用意。

寸分の隙もない。あとはメビウス隊と、仕事が終わり次第到着すると言った高町なのはとフェイト・T・ハラオウン、ヴォルケンリッター一行を待つだけである。

ただ、なのは達は仕事の都合上間に合いそうにないので、メビウス隊のメンバーが到着次第、交流会を初めてしまってもいいと言っている。

しかもロングアーチの面々は仕事が忙しく、出られないと朝に泣く泣く報告している。

「ねえティア。メビウス隊の新しい隊長さんって、どんな人だったっけ?」

「え? たしか・・・かなり無口な人だったと思うけど。なに、もしかしてあんた気があるの? 今アタックかけてる人がいるってのに、贅沢ねぇ」

「ちーがーうー! ジェニーさんが武装隊辞めてからメビウス隊の情報入ってないからさ。気になっただけ! それに! わたしはPJさん一筋!」

「あーあーうるさいうるさい。惚気は聞きたくなーいー」

真剣に話すスバルに、ティアナは眉間に皺を寄せ、両手で耳をぎ首を横に振る。

PJとはスバルの想い人の愛称で、本名はプラッツ・ジャスターである。

父・ゲンヤ・ナカジマが指揮する部隊『第108部隊』に所属し、先の事件で解決に尽力した者の一人だ。

誰にでも快く接する好青年で、顔もそこそこ良いこともあって、女性に好かれやすい。

そんな男にスバルは惚れたのである。

エリオとキャロが二人の口論に呆れながらセッティングの最終チェックをしていると、やたら喧しく雑談をしながら来客は推参した。

「だからよ、ベアーテ。アイスクリームはカップで食った方が楽だし、たくさん入れられるだろうが!」

「わかっていないわねフォルクス。コーンに重ねて食べるのがオツなのよ。お子様ね」

「あ、あのー・・・フォルクスさん、ベアーテ・・・」

「馬鹿二人、着いたわよ」

「・・・はぁ。『第01独立武装隊』メビウス隊。只今到着した」

溜息混じりに、エーリッヒは言う。

彼らを見たスバル達は一斉に最敬礼をする。何せ時空管理局でもトップ中のトップの部隊。

つまりは憧れまでとはいかないかもしれないが、尊敬すべき人間たちの集まりだ。

「あー、嬢ちゃんたち。別に敬礼なんてしなくてもいいぜ」

「そーそー。たしかに階級が上の人間が大半だけど、別に褒められるようなことしてないってー」

フォルクスとアスカはあっけらかんと言う。そんな態度に戸惑いながらも、ティアナは全員の代表として彼らに物申す。

「ですが、これから共に行動をともに――」

「だーかーら、別にそんな堅っ苦し言い方しなくてもいいって。俺たちを上司と思わず、仲間と思って見てくれや」

「あたしたち、敬語って苦手だからねー」

「それは問題ありじゃないの、アスカ」

「ですよねぇ」

「・・・」

フランクに話すフォルクスとアスカ、エヴァを対称に、エーリッヒとベアトリクスの顔は堅い。

性格が真逆だからだろう。このコンビ同士は。

「・・・あー」

ティアナ達の開いた口は塞がらない。JS事件でほんの少し顔は見たが、どんな性格かは全く分からなかった。

噂では『どの武装隊よりも厳格』『血に飢えた獣の集まり』などと。危ない印象ばかり聞いていたが、それとは全く別の印象だ。

むしろアクの強さに飲み込まれてしまいそうだ。

「ま、まあとにかく! 一応は揃ったから、乾杯しましょう! ね!」

「そうだな。腹も減ったし、アルコールも取りたいな」

「飲み過ぎて腹出ちゃうんじゃない? 最近腹が出てきたって言わなかったかしら?」

「うっせぇベアーテ。アイスクリームぶつけんぞ」

スバルは両メンバーの間に立ち、顔を見合わせる。

ティアナたちとメビウス隊メンバーも多少騒々しいが、同意しそれぞれグラスを手に取る。

が、ここで沈黙が起こる。誰が乾杯の音頭を取るか、だ。年長者のアスカは全員を見渡し、言う。

「で、乾杯の音頭は誰にする? ああ、フォルクス以外ね。長くなるから」

「えー。イメージトレーニングしたのによー」

「そこの新人組のリーダーにやらせてあげれば? 名前は・・・えっと・・・」

「あ、ティアナ・ランスター二等陸士です」

ティアナは改めて襟を正し、垂直に立つ。だが面持ちは戸惑いに満ちており、普段見える自信は全く感じられない。

「で、ですが私、乾杯の音頭は・・・は、恥ずかしいというか・・・」

「・・・なら、そこの子供たちに、というのはどうだ?」

会話にほとんど参加していなかったエーリッヒが口を開いた。無口では無いが、必要以上の事はあまり話さない人間なので、部隊内では影は薄い方だ。

それはともかくとして、全員に目を向けられたエリオとキャロは、恥ずかしさに身が縮こまる勢いだった。

「え!? え、いや・・・僕もちょっと・・・」

「わたしも・・・その・・・・恥ずかしい・・・・! スバルさん、お願いします・・・・!」

ムチャ振りをされたスバルは、

「えぇ!? そ、そんないきなり・・・何言っていいのか・・・。ただ乾杯って言うだけじゃダメだし・・・」

と塞ぎこんでしまう。

「こりゃルーキーたちじゃ駄目だな。というわけでアスカ、頼む」

「えー? 最年長だからって頼りすぎよー。まったくもー・・・」

ぶつくさ文句を言うが、満更でもない笑顔を浮かべ、アスカはグラスを掲げる。

「えっと・・・今日良き仲間、友人に出会えたことに・・・・・・乾杯ぃー!」

かんぱーい、と、食堂に楽しげな声が響くのだった。








交流会は和やかに、そしてけたたましく行われる。

まず互いに自己紹介を終え、酒を浴びるほど飲んでいるフォルクスがスバルとティアナに絡み、セクハラ確定の発言をしたり、それを見かねたベアトリクスが彼を止めるために抑え込み――またの名を止めの蹴りとも言う――を行ったため、

ちょっとした乱闘騒ぎになるなど、なかなか過激なものだった。

ちょうど乱闘が終わったころ、高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、そしてヴォルケンリッターの皆が到着した。

その途端、エーリッヒがすぐさま彼女らを見たのを、ジュースを飲んでいたエリオは目撃していた。

「ごめんなさい、遅くなっちゃって」

「エリオ、キャロ、みんな。ケーキ持ってきたよ」

「お、食い物まだたくさんあるな。ラッキー!」

「こらヴィータ、はしゃぐな。みっともない」

「まあまあ。最近仕事詰めだったんだし、少しぐらいはしゃがせてもいいじゃない」

各々がそれぞれの目的の為に歩く中、エーリッヒはグラスを置き、ケーキが置いてあるテーブルへと小走りする。

そこにはケーキを自分の皿に山いっぱいは込んでいるヴィータがいた。

横で立つ背の高い男――エーリッヒに気づき、ヴィータは顔を見上げる。

「・・・」

「・・・」

「・・・や、やあ、ヴィータ」

「お・・・おう! ちょっと久しぶりだなっ、エーリッヒ! ア、ハハハッ」

彼女はぎこちない笑みを浮かべ、一方のエーリッヒは戸惑いと憂いが見える。

そこに、アルコールで頬を染めたアスカとシャマルがやって来る。手にワインの注がれたグラスを持って。

年長者同士、すぐに気が合ったのだろう。肩まで組んでいる。

「なになに? エーリッヒ、あんたこの子と知り合い?」

「・・・え、ええ。自分のデバイスのテストで、何度か・・・」

「そ、そうそう! もう何年も前だけどな!」

「あららぁ? ヴィータちゃん、何をうろたえているのかしら?」

ヴィータの様子に気づいた女医・シャマルはわざとらしく質問する。

このような詰問は別に今始まったわけではないが、どうもこのような質問は苦手でしょうがない。

「べっ、別に何でもねーや――!」

「あ、エリー君」

慌てた様子で怒鳴ろうとした所に、こんどはなのはが入る。

エーリッヒは元の無表情な面持ちに戻し、彼女を見た。

「・・・高町か」

「むぅ、相変わらず仏頂面だねエリー君」

「・・・相変わらず馬鹿みたいに元気そうだな、貴様は」

「にゃはは。あ、でも前は何も返さなかったから大きな進歩だね、うん」

「・・・・・・」

元気溌剌としているなのはと、仏頂面で何も言わないエーリッヒ。

何故相性の悪そうなこの二人は知り合えたのか。

それよりも、なのはがエリーと呼ぶほどの仲なのかが、3人にはよくわからなかった。

ヴィータは思い切ってなのはに質問した。

「な、なのは。お前、エーリッヒと知り合いなのか?」

「うん。ジェニーさんの教導隊にいた頃、一緒のクラスだったんだよ。えっとね、同じ釜の飯を食った仲って言うのかな?」

「・・・たしか八年前だったか。貴様に叩きのめさせられた記憶しかないな」

「えぇ? そうだっけ?」

「・・・貴様が毎回全力全開でやってたせいで、何度も医療室送りにされたんだぞ。忘れたとは言わせん」

「あははは・・・・。そんなこともあったっけ・・・・?」

そら恍けるなのはに、エーリッヒは据わった目で睨めつける。こんな態度こそとってはいるが、実は仲は良さそうである。

証拠に、普段表情を表さないエーリッヒがこんなにも顔に変化を表すのは、心を許す者くらいだ。

仲睦まじく話し合あえるなのはを、ヴィータは羨ましそうに見つめていた。








「フェイトちゃあ〜〜〜ん!」

「わっ、フォルクスさん!?」

突然走ってフェイトに抱きつくフォルクス。周りの目を気にせず、あまつさえ彼はフェイトの頬にキスをしようとする。

さすがの行為に、フェイトは顔を背けようとする。

「ちょっと、フォルクスさん! ここではちょっと――って、お酒臭っ!」

「いいじゃんいいじゃん。普段してることなんだしさぁ〜」

ええっ!? とフェイトとフォルクス以外が驚愕の声を上げた。

「あれ? なんだフェイトちゃん。まだ言ってなかったのか?」

「ええ・・・二十歳になったら言おうと思って・・・」

何だ何だと噂好きの人間――特にシャマルやアスカが聞き耳を立てて寄ってくる。

フェイトはさらに身を寄せて小声で話す。

だが、フォルクスは酔っているせいか、幾分か声が大きい。本人は小声で話しているつもりなのだろうが。

「いいじゃねぇか、別に。婚約していることくらい」

「フォルクスさんっ!」

フェイトは慌てて両手で彼の口を塞ぐが、後の祭り。

さながらスクープを嗅ぎつけた記者の如く、殆どの面々が詰め寄ってくる。

人の波。人の波。人の波。

人の集団がこれほどまで怖いとはフェイトは思ってもいなかった。

誰に質問に答えていいか迷いあぐねていると、魂が抜けたかのように呆然としているエリオとキャロが視界に映る。

フェイトは波を掻き分け、二人の元へ行く。

――いつか話すつもりだった。けれど、それはちゃんと三人になった時に言うつもりだった。

「エリオ、キャロ」

「えっと、フェイトさん。おめでとう・・・ございます」

「わ、わたしからも・・・おめでとうございます」

笑顔は浮かべているが、どこかぎこちない。

フェイトにはかける言葉が見つからなかった。母として何を言ってあげればいいのか。

二人と同じ目線に座り、迷いあぐねて沈痛な面持ちで目を泳がすフェイト。

「よっ、坊主、嬢ちゃん」

「・・・え?」

後ろを見れば、いつの間にかフォルクスが立っていた。先ほどまでのふざけた調子はどこへやら、穏やかな笑みを浮かべて三人を見ている。

フォルクスは屈んでエリオとキャロと目を合わせると、二人の頭をわしわしと撫でる。

「俺がフェイトちゃんと結婚したら、お前ら――ごめん。君らは俺と息子と娘になるわけか。ごめんな。君らと全然会わずに、ママと結婚しちまって」

あの酔っ払いぶりは演技だったのかと思えるほどの変わりぶり。いや、もしかしたら本当にあの酔いはキスするための演技だったのかと、周りの人間は話す。

「こんなフザけた未来のパパでも、いいかな?」

「はっ、はい!」

二人は緊張した面持ちで頷く。それを見たフォルクスは、安堵の息をつくと満面の笑みを浮かべるのだった。






「ふう、ようやっと着いたわ・・・」

「ヤッホー。仕事終わったから遊びに来たよー」

パーティーが終わりに見え始めていた頃、予想外のメンツがやって来た。

仕事を終えて疲れ果てているはやてと、正反対に、精力に満ち溢れている瑠璃色の長髪を靡かせる美女――ジェニー・アウディスだ。

突然の来客に、メビウス隊以外が凍りつく。

「おやや? 何でみんなそんなに緊張してんのさ」

「当たり前やんか、ジェニーさん。自分の身分、わかっとります?」

「あ、そっか。あははははは」

周りが沈黙している中、時空管理局一の才女はケラケラと笑いながら、人の群れを掻き分け――否、群れ自体が掻き分けている――ある男の元へと向かっていく。

「や、エリー」

「・・ジェニ――いえ、アウディス少将」

目の前に立たれたエーリッヒは敬礼し、元部隊長を見る。

戦闘、そして人生の師。そして、いつか自分が乗り越えなければいけない壁。

「もぉ、堅いなぁ。プライベートなんだから名前で呼んでいいのに。そんなんじゃ女に嫌われるぞー」

返す言葉の無いエーリッヒ。

そんな光景を尻目に、はやてはなのはの元へ向かう。

「やぁ〜、疲れたわぁ〜」

「お疲れ、はやてちゃん」

「ああ、ビール一気飲みしたい・・・」

「それはさすがに・・・ワイン、注いだけど、どう?」

「ん、ありがたく頂くわ」

「あ、それけっこうアルコール高・・・」

グラスを持つと、はやては豪快に注がれてあったそれを一気に飲み干す。

口を離した途端、ひっく、と明らかに曖気ではない声が出るのが聞こえた。頬も赤く、目も変な感じに据わっている。

「うひひひ・・・なのはぁ、そういえば最近、胸大きくなったんと違うぅ?」

考えるよりもまず、なのははその場を去った。あの眼、そしてワキワキと動かす手は間違いなく――。

「どこへ行こうしとるん? なのは」

「え?」

全力で走ったはず。なのに、はやてはまったく息も荒らすことなく、なのはの眼前にいた。両手をワキワキと動かして。

どうやって? 何故後ろにいたのに前に立ちはだかることができたのだろうか。

自分の知らない魔法でも使ったのだろうか。なのはの脳内は疑問符で埋まる。

「ふっふっふ〜・・・覚悟しぃや〜!」

その後、充分に眼福したジェニーが止めに行くまで、はやてはなのはの胸を揉んだとか。









翌日、午前の練習を終えたフォワードチームにある通知が届いた。

時空管理局本部から直々に、だ。何かまずいことでもしてしまったかと思いながら中身を見てみると、全員は目を飛び出さんとばかりに驚愕した。

その内容とは、要約すればこのような事が書いてある。




                                  
≪機動六課フォワードチームに、メビウス隊と模擬戦を行う事を命ずる≫













                                      
次回 魔法少女リリカルなのは StrikerS after ―M&6―




                                            
第二話 強さにかける、それぞれの想い











あとがき

どうも、ホウレイです。リリカルなのはの二次創作小説は、読み切りならば何度か書きましたが、今回は長編を書くことを決意しました。

文から察するとおり、この作品のヒロインは『彼女』です。ロリコン言われたっていいです。かわいいとツンデレは正義!

――閑話休題。

本当ならメビウス隊のバリアジャケットの形状について詳しく補足を書きたいところですが、本編が長くなってしまったので、それは後日説明いたします。

次回は模擬戦。戦闘シーンを上手く書けるかどうか、自分が心配です。いや、戦闘シーンを書くのは好きですが。

ティアナにガ○=○タをやらせてみたいですし、スバルに、両手にリボルバーナックル装備させて『ツイン・ディバイン・バスター』とか。

燃えません? ・・・燃えるでしょう?

とにかく『魔法少女リリカルなのは』らしくない『魔法少女リリカルなのは』を書くことを目指し精進しますので、どうかよろしくお願いします。

それでは、次回またお会いしましょう。











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