ついに最後の戦いだ。

どこをどうしてこうなったのか、聞かれても分からない。
むしろ誰かに聞きたいぐらいだ。

だが、戦わないとならないのなら戦う。
形勢は不利だ。
その上、こっちが打てる手は何時にもましてギャンブルじみている。

だが、それでもやらなければならない。
確率は低い。
しかし成功できるか出来ないかじゃない。
させる、それだけだ。

0%か100%か。
半端な可能性なんてドブにでも捨ててしまえ。

最後の大勝負、絶対に決めてやる!


side 良介

俺たちは最後の打ち合わせをしていた。
時間との勝負。だからこそ確認を取る。
モニターに映るスカリエッティ。この映像ははやて達にも届いている。

「これより出来損ないのガラクタの排除作戦の最終確認を行う。
あのメガ・リーゼは自身のAMFをAMCというシステムで強化している。
恐らくはAMC自体がメガ・リーゼの防御機構を兼ねているのだろう。
だが逆に言えばAMCさえ何とかできればアレを破壊することは可能となる訳だ
AMCは上部から見ると正方形をしている。この角の位置にそれぞれユニットがある」
「で、俺達はこれからそのAMCを展開しているユニットをぶっ壊す!」
「そうすれば後はなのはさん達が…」
『あの大きいガジェットを』
『壊す!という事ですね?』
「そういう事だ」

『しかしあれやな。いつもの事やけど、もうちょっと楽にはいかんかなぁ…』
「うるさい、これしかないんだ!文句言う前に準備しろ、はやて!!」


俺達の前には巨大な壁があった。
薄い緑色のバリアウォール。
そして、角に当たる部分には天使を髣髴とさせるユニットが翼を広げていた。
光の柱に包まれたそれは壁を作ると同時に自身も守っている。

『スターズ3、配置につきました!』
『スターズ4、配置完了です』

その声を聞き、俺は周りに目配せした。
ギンガ、エリオ、そして俺は互いに頷き合う。

「そっちは良いか、なのは、はやて、フェイト!」

『大丈夫!』
『いつでもええで!』
『決めてみせるよ、リョウスケ』

「ヴィータは!?」

『へっ!聞くまでもねえだろ?そっちこそドジんなよ!!』


「よし……行くぞ!!」
「はい!!」
「行きます!!」
俺達は同時に駆け出した。
ユニットの周りはレプリガジェットで囲まれている。
これをまず排除する。それが俺達の仕事だ。

アギトとユニゾンした俺は一気に敵陣を切り裂く。
手に生まれた炎を叩きつけて破壊していく。
「おらぁあああ!!」
"全開で行くぜぇ!!"

「ブリッツキャリバーッ!!」
ギンガが加速の勢いでガジェットにナックルを叩き込む。
ボーリングさながらに吹き飛ぶモドキたち。

エリオも負けてはいない。
ストラーダを振り回し、ガジェットを切り裂いていく。
そういえばエリオはここまで魔力を使ってなかったな。
元気イッパイだな。

side スバル

爆音が聞こえる。
宮本さんたちが始めたんだ。

「スゥ〜〜〜…ハァ〜〜〜〜……」

大きく深呼吸する。
ティアは絶対に成功させる。
ギン姉達もきっと役目を果たす。
アタシがミスする訳にはいかない。

「緊張するな、とは言わんがもう少し肩の力を抜け」
「チンクさん…」
「大丈夫だ、お前なら出来る」
アタシの隣にいるチンクさんはそう言って笑った。
見た目はこんなだけどやっぱり大人だ。


『では、二人はこちらの指示で動いてくれたまえ。
攻撃タイミングを誤ると全てがおしまいだからね』
『……スバル、アタシがいないからってミスんないでよ!?』
「大丈夫、決めてみせるよ…!!」
倉庫の屋根の上。
アタシの気合はマックスだ。
『ではスタンバイだ。チンク、邪魔者の排除を頼んだよ?』
「了解です、ドクター」

「マッハキャリバー、フルドライブ!!」
『A・C・S Stand by』
「ギア、エクセリオンッ!!」
光の翼がマッハキャリバーに生まれる。
「来たか…スバル、お前はただ前だけを見ろ!
誰もお前の道には入らせん!」
チンクさんの心強い言葉。
ノーヴェが慕うの、分かるな。

アタシはウイングロードをまっすぐに走らせた。
そして一気に最高速まで加速する。
阻むように現れるガジェットをスティンガーが破壊していく。
ターゲットまでもう少しのところでウイングロードが揺らめいた。
クッ…安定が…!?

「とべぇ!!!」
「うぉおおおおおおおおおおお!!!!!」
アタシは一気に跳んだ。
そして、ユニットにナックルを打ち込んだ。

『いいかい、あのバリアはかなり強力だ。
受けた衝撃を波紋に変えて他のユニットに拡散してしまう。
だが、これを突破できる手段がある。
それが振動破砕だ。
キミの役目はアレのバリアを破壊する事だ』

「IS…!振動けぇえええん!!」

バリアと拳の間に歯車を象った魔法陣が生まれ、そして――。

パキィイイイイイイイン!!!

バリアが砕け散った…!


side ティアナ

スバルが行動を開始した。
アタシもスタンバイする。
クロスミラージュを構えて照準を合わせる。

『キミの役目はアレを破壊する事だ。
あれ自体の防御力はかなりのものだ。破壊するには最大出力の砲撃しかない
一発勝負、頼んだよ?』


言われるまでもない。

全魔力を集結していく。
AMFのせいでかなり負荷がかかるがそんなの関係ない!
スバルは自分のやるべき事を必ずやる。
アタシがミスる訳にはいかない!!

その時、ガジェットが魔力に反応して襲い掛かってきた。
アタシは動けない。でも。

「フリード!!」
「ガリュー、行って」

そう、頼もしい味方がいる。
アタシは集中するだけだ。

魔力を最大までチャージしてその瞬間を待つ。

やがて閃光が走り、バリアが砕けた。

『いまだ、全力砲撃を撃ちたまえ!』


「スター…ライトぉ……ブレイカァアアアアアアア!!!」


side 良介

オレンジの閃光が空を切り裂く。
バリアを砕いたスバルが俺達の目の前に落ちてきた瞬間、
ティアナが放った砲撃がユニットに直撃する。
タイミングはドンピシャだった。

「いっけぇええええ!!」

俺は叫んだ。
魔力光はユニットと拮抗するが、やがてそれを飲み込んで吹き飛ばした。


そして同時にAMCが消滅した。
後は頼んだぜ!!


side なのは

空を覆っていた壁は今、消え去った。
兄さん達が成功したんだ。
ここからはこっちの仕事だ。

「行くよ、フェイトちゃん、はやてちゃん!!!」
「バルディッシュ、フルドライブ…!!
雷光一閃、プラズマザンバー……!!」
「響け、終焉の笛…ラグナロク……!!」
「レイジングハート、ブラスターモード、リミットリリース!
全力全開…スターライト…!!」

「「「ブレイカーッ!!」」」

私達の魔力がメガ・リーゼに放った。
AMCが消えた事で威力は跳ね上がっている。
これで決める…!!

凄まじい魔力が破壊の巨人を飲み込んで爆発する。


だが、爆炎の向こうにいまだに影があった。
倒せなかった……!

「ウッ…!?」
目の前が霞む。
今日一日魔力を使い続けたせいで限界だった。


……ごめん、後はお願い……。
……ヴィータちゃん……。


side ヴィータ

分かってるよ。
ここまであの陰険男の予想通りってのは気に食わないけどな。

「行くぞ、グラーフアイゼン!!」
アタシはアイゼンのリミットブレイクを起動した。

ツゥアシュテーレンフォルム

ギガントを越える最強の破壊。

アタシはそのまま真上からデカブツに突っ込んだ。


「メガツラストルッツハンマーッッ!!!」


side 良介

空を裂いて破壊の鉄槌が振り下ろされる。
トリプルブレイカーを耐え切ったが、そのせいでバリアは完全に消滅していた。
残るのは強固な装甲のみ。
だが、そんなのはあれの前には紙屑と何の変わりもない。


なぜなら、鉄槌の騎士の前に破壊できない物など無いからだ。

「うらぁあああああああああ!!!!!!」

破壊の巨人は放たれた真の破壊の前に完全に撃滅された。


すいーとうぉーず りざると

現時刻 ??:??

『次元開放同盟』
スーパーガジェット
メガ・リーゼVS六課連合チーム
戦闘終了
(勝因 信頼と絆のチームプレー)

開放同盟リーダー
まさかの事に呆然

黒の提督
破壊されるメガ・リーゼに嘆息
残るガジェットの殲滅を指揮

剣の騎士
肝心なところで出番なし
残る残党を追う

嵐の狙撃手
剣の騎士追従

湖の騎士
現場へ

白の魔王
体力、魔力共に限界

ストライカーズ+α
崩れいくメガ・リーゼに安堵の溜め息

108部隊
とりあえず現場はほかに任せて犯人逮捕に向かう

最強のメイドさん
湾岸部到着
空を焼く炎に怒りの炎が燃え上がる

2/14終了まで



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