Side ???

「・・・・・・・・・」
「これが、今良介さんの居る位置で起きている事よ。どうかしら? 協力をお願いしたいのだけれど」
「・・・酷すぎる」
「は?」
「なんだあのデザインはっ!? やつらは私の芸術作品を一体なんだと思っている!!
あの荒唐無稽でてんこ盛りで下品なシロモノが、仮にも私の作った作品を元にしていると思うと吐き気がする!!
同じてんこ盛りでも電○のクラ○マッ○スフォームは素晴らしい出来だぞ?
初登場の回には、話の内容もさる事ながら、その素晴らしい出来に不覚ながらも感動で涙したものだ・・・!
特に、劇中でClimax Jumpが流れ始めたシーンでは、娘達がドン引きするくらいに号泣したさ!
なぜああいう風に作ることができない!?
私ならばもっと・・・」
「あ、あの・・・。もしもし・・・?」

2/14
時刻は23:27

ローゼン君の来訪でアジトが半壊したり、砲撃でぶっ飛ばされたり、そんな事が起きた慌しい一日も終わろうとしていた。
そろそろ就眠につこうかと思っていた時にいきなり入った連絡は、私の怒りのボルテージを上げるのには充分すぎる内容だった。

許せん許せん許せん!
あの事件で、私の計画が『彼女たち』によってことごとく潰された時にもこれほどの怒りは感じなかった。

自分の作った物がどこの誰とも分からない奴に盗用され、粗悪なものとして改悪されて使われてしまう。
おそらく科学者であれば誰でも恐怖を覚えるであろう事。
そこに怒りを感じるのは、私の科学者としての性なのだろうか?

まぁ、彼ならば『いや、お前は科学者というよりマッドサイエンティストだろ!』などとツッコミそうだがな。
そんな事を考えて浮かぶのは、孤独の剣士を自称する私の唯一の友の顔。
彼は今この瞬間もあそこで戦っている。
あの時と同じように。

・・・ふっ。私も随分と甘くなったものだ。だが、こういうのも悪くはないかもしれない。

「・・・しよう」
「え? 今なんて」
「協力しようと言ったのだ。ハラウオン総務統括官。
さっきも言ったが、『アレ』を私の作品のレプリカなどと言われるだけで腹が立つ。その破壊を手伝えるのであれば協力しよう。
あぁ、それと今回に限り見返りはいらない。これは私の科学者としてのプライドの問題だ。そんな次元の低い話で片付けられたくは無い」
「そう、助かるわ! 総務統括官として、あなたに感謝します」
「社交辞令ならよしてくれ。趣味ではない」
「なら、あの子を知る者の一人として感謝するわ。ありがとう。ジェイル」

そう言いながら、この緊急事態にどこかにこやかなハラウオン総務統括官。
頼むから、その何かを見抜いたような目で私を見るのはやめてくれ。どうにも居心地が悪い。

「ふん・・・。言っておくが娘達は今その場に居るチンク以外は行動できないぞ?
動ける人員は居るが、おそらく到着する頃には首都は壊滅だろう。あくまでも私がするのはローゼン君達のバックアップだけだ」
「えぇ、それで構わないわ。それじゃあ今分かる限りのデータをそちらに送ります。解析と対処法の検討をよろしくね」
「了解した。吉報を期待してくれたまえ」

そう言って通信を終える。
・・・まさか、私が管理局の連中と協力して戦うことになろうとはな。
「ローゼン君、君と関わると人生がとても楽しいものに思えてくるから不思議だよ・・・。」
そう言いながら、私は早速送られてきたデータの解析を始めた。
その作業スピードは、心なしかいつもより早いペースで行われていることに、私自身は気付かなかった・・・。



Side 良介

やばいやばいやばいやばいやばいやばい!!

「ちょっと! うるさいですよ宮本さん! 静かにしてください!」
「うるせー! 叫ばないとどうにかなりそうなんだよ!!」
「二人とも落ち着いてー! ティアどうしよー!?」
「知らないわよ! てか、あんたが落ち着きなさい!!
あぁもう、どうしてこんなことになるのよっ!」

無事にかどうかは置いておいて、ギンガ達と合流した俺は、メガ・リーゼの追撃を全速力で逃げていた。
・・・正直、スバルとギンガが居なかったらどうにもならなかったと思う。
メガ・リーゼと接触した後、事態を把握した二人は即座に戦闘機人モードを発動。この状態ならば、AMFの影響は受けない。
俺を連れて全速力で逃げる事が出来た
ちなみに、エリオ、キャロ、ルーテシア、ガリュー。それにチンクには俺たちと逆方向へ逃げてもらっている。
AMFの強化版と言えるAMCの中に居ては、エリオとチビッ子召喚師達は全力を発揮出来ない。
それはチンクも同じ。さっきのモドキの大群との戦闘でスティンガーは底を尽きかけている。
一旦このデカブツから離れてもらって、全員で対策を考えてもらうことにしたのだ。
メガ・リーゼはどうも俺を標的としているらしい。
俺とチンクが分かれて移動を始めても俺のほうに寄ってきやがった。
なので、俺たちは自然と囮役となった。
それはいいのだが・・・。

「・・・で、なんでお前までこっちに居るんだティアナ?
フォワードリーダーのお前までこっちに居たら、誰が向こうの指揮とるんだよっ!?」
「仕方ないじゃないですかっ! スバルのバカが話聞かずに私の手を引いて先輩達についてっちゃったんですから!」
「お前のせいかスバル!!」
「うわーん、ごめんなさいー!」
「宮本さん、落ち着いて! 向こうにはチンクさんも居ますし、なんとかなりますから」

まぁ、あのメンバーの中では一番戦闘経験も豊富だし、リーダーとしては適任なのは間違いない。
きっと何か良い手を考えてくれるだろう。
「・・・とは言うものの、どうすりゃいいんだよこんなの」
「いくら私達が戦闘機人モードでAMFを無効化できると言っても、さすがにこれは無理ですし・・・」

そう、敵は全長20メートルの巨体。
正直モビルスーツなりパーソナルトルーパーなり持ってきた方が早いと思うのは俺だけじゃないはず。
ならば、キャロとルーテシアがヴォルテールと白天王を召喚すればどうだろうか?
対処は可能だろうが、今度はAMCの中でどこまで2体が戦えるかが問題になる。
初っ端から2体に任せて、結局ダメで対処が出来なくなりましたでは目も当てられない。
・・・ヴォルテールと白天王達を出すとしても、他にも手札を揃えないとまずいな。

「ティアナ、お前はどうだ? この中じゃ魔法は全くダメか?」
「全くダメってわけではないです。確かにキツイですけど魔力結合は可能ですし。
それは、エリオとキャロ達も同じだと思います。
ただ、現状の戦力だと倒すのはやっぱり厳しいと思います・・・」



ー『アレ』を撃ったとしても多分焼け石に水だし・・・ー



ティアナが最後にボソッと何か言ったが、今は気にしないことにする。

現状は、今日の起こったことの中で一番と言ってもいいくらい最悪だった。
これだけのデカブツを俺たちだけでなんとかするのはおそらく無理。
なら、俺たちだけじゃなければどうか?

例えば俺を追っているであろう地上部隊の連中。
さすがにこの現状に気付かないほど間抜けではないだろう。
おそらく全速力でこちらに向かっているはず。
ティアナ達の話だと、相当数の戦力をかき集めていたそうだからこれでなんとか・・・。

いや、無理か。
結構酷い発言に聞こえるだろうが、そう思うのには理由がある。
これは以前、家のメイドさんから聞いたのだが、地上部隊はJS事件が現在進行中の案件だった時、ガジェットなどのAMF装備の兵器に対しての対策を完璧に怠っていたらしい。
つまり、スバルやティアナ達のようにガジェットの相手は慣れていないのだ。
事件が終息して多少は改善されたそうだが、それでもこいつ相手に力不足は否めないであろう。

なら、ガジェットの相手に慣れている連中、なのは達が居ればどうだ?
まだ地上部隊のやつらよりは当てになる。
いや、むしろあいつらが居ればなんとかなるんじゃねぇの?
それになのは達だって馬鹿じゃない。これを見れば強制的にお仕事モードに突入して協力してくれるだろう。
・・・つか、もしあいつらがこの状況を見てもバレンタインデーがどうとかヌカしてたら、俺は本気で殴るぞ?

俺がそんな事を考えていると、メガ・リーゼの動きが止まった。
そうすると、V型をベースとしているであろう胴体から、どんなギミックであろうか? 複数の砲門らしきものが出てきた。
・・・それが、全部こちらに向けられている。
おい、まさか!

そのまさかだった。
砲門にエネルギーが集束されて、俺たちに向かって放たれた!

俺たちはそれを全速力で回避していく。
だが・・・弾数が多い上に弾速が早すぎる!

そうこうしている間に、メガ・リーゼが放ったエネルギー弾のうち、いくつかが俺たちに直撃コースで迫ってきた。

もう避けきれない!
俺たちの誰もがそう思った瞬間、それは起こった!


「エクセリオン・バスタァァァァッ!!」


その声と同時に放たれた桜色の魔力は、俺たちに迫っていた脅威を全て消し去っていた。

「・・・だめだよ。ティアナ」

俺たちが唖然としていると、声が聞こえた。
口調は穏やか。しかしながら、しっかりと嗜めるような声。
両足から桜色の翼を羽ばたかせながら、彼女はゆっくりと降り立った。

「前に言ったでしょ? 私達のポジション、センターガードは攻撃を避けたり受けたりするんじゃなくて・・・」
「足を止めて視野を広く持って、全ての攻撃を撃ち落す。
ですよね? ・・・すみません。ちゃんと出来なくて」
「うん、分かってるならいいよ。
・・・とは言うものの、私もあれだけの数と弾速の攻撃に対しての対処方は教えてなかったしね。おあいこかな?
今度、しっかりきっちり教えるからね」
「・・・はい!」

「まぁまぁなのはちゃん、教導官としての教えはそのくらいにしてくれると助かるわ。良介、助けに来たで」
”私も居るですよ!”
「アタシも居るぜ! 親分、参上!!」

「リョウスケ、ギンガ達も待たせてごめんね?
・・・もう大丈夫だから」
「へへっ。いいタイミングだろ? リョー!」

その彼女によりそうように金色の死神と夜天の王と鉄槌の騎士。
それに烈火の剣精と蒼き風が舞い降りる。


「あぁ・・・、ほんとにいいタイミングだよ。お前ら!」


そう、そこに来たのは俺たちが良く知る顔。
なのは、フェイト、はやて、ヴィータ。
それにアギトとミヤ達だった。



「・・・うわぁ、しっかしでっかいな。でも、叩き甲斐はありそうだ。やれるな、アイゼン?」
『問題ありません』
「バルディッシュも、ちょっとハードだけどいけるよね?」
『Yes Sir』
「兄さん、下がっててください。あいつは私達が相手をします。行くよ、レイジングハート」
『Yes My Master』
「おう、任せた! そいじゃあ逃げるぞお前ら!」

そう言ってすたこらさっさと逃げようとする俺の襟首をはやてが掴む
「ちょい待ちっ。なにうちらに全部押し付けようとしてるんや?
これは良介が起こしたことやろ? せやったら、解決のためにしっかり働かなあかんで!」
"そうです! しっかりと働くですよリョウスケッ!"

・・・ちょっとまてお前ら。俺はこんな事を起こした覚えはない! そもそもお前達と違って俺は一般人だぞ? 管理局職員ってのは一般人を戦闘に巻き込むのかっ!?
それに、こんなデカ物を相手に出来るのは人外魔境なお前らしかいな・・・すみません。協力します。ちゃんと働きますからレイハ姐さんやバルディッシュの旦那を突きつけるのはやめてください。

「分かればいいんや。じゃあ、良介は彼と相談して、あのデカブツを倒す方法を考えてな? いくらなんでも、あれを相手では、うちらだけだと足止めするのが精一杯やから。ほな、行くで!!」
「それじゃあリョウスケ、行ってくるね。アギト、リョウスケをお願い」
「おうよっ! すぐにリョーといいアイディアもって駆けつけるから待ってろよ!」

そう言って、メガ・リーゼとやりあうために再び空に舞うなのは達。
・・・こうなったら覚悟決めるしかないか。
「それにしても、はやてが言ってた『彼』ってだれだよ?」



『私だよ。ローゼン君』



「ジェイルっ!?」
通信越しに出てきたのは、ガジェットの本来の産みの親。ジェイル・スカリエッティ。
いきなりと言えばいきなりな登場に驚く俺。
なんでお前がこのタイミングで出てくるんだよっ!?
『簡単な話だ。君たちが今戦っている粗悪なてんこ盛りを是非とも叩き潰したくなってね。ハラウオン総務統括官からの協力要請を受けたというわけだ』
「そ、そうか・・・」

なぜだろう?
通信越しでも分かるくらいにジェイルの奴、身体全体から怒りのオーラを滲ませてやがる。
・・・おい、こいつってこんなキャラだったか?
『なに、気にしないでくれ。自分の作品を汚された科学者の当然の怒りというやつだ』
「いや、お前は科学者というよりマッドサイエンティストだろ!!」
俺がそうツッコむと今度はにこやかに笑い出した。
おいおいっ、頭のネジがまた何本か外れたんじゃねぇのか?
怖すぎるぞっ!

「まぁいいや。・・・とりあえず、とっとと方針を決めるぞ。
早くしないとなのは達もそう長くは持たないだろうしな」
『あぁ、・・・チンク、そういう訳だ。君たちも協力してくれ』
『了解しました。ドクター』
って、チンク何時の間にっ!
・・・まぁいいか。
というわけで、俺たちはメガ・リーゼ破壊のための作戦会議に突入した。


2/14
23:40

「・・・これしかないか」
『あぁ、多少ギャンブル性は高いがこれが一番いい方法だろう。だが・・・』

火力が足りない。それもあと一撃だけ。

ジェイルのやつが解析したメガ・リーゼのデータをもとに作戦会議は進んだ。
一刻を争うという事態という事もあり、それはものの数分で終了した。
今、なのは達がメガ・リーゼの相手をしてくれているが、旗色は思わしくない。
とっとと決めないと、時間が経てば経つほどこちらが不利になるだけである。
しかし・・・。ここで問題が出てきた。

『この作戦を成功させるためには、あと一撃が足りない。これではこちらの出すカードはブタで決まりだぞ? ローゼン君』
分かっている。だからと言ってここで何も出さないのもダメだ。
いったいどうすれば・・・。

「あの〜、あと一撃が足りないってどれくらいの火力が必要なんですか?」
おずおずと手を上げて質問してくるスバル
『そうだな。単純火力で言うと最低でもエクセリオン・バスター。もし可能であるならSLBクラスは欲しいところだ』
「す、SLBっ!? それはさすがに・・・」
「・・・出来ます」

そう発言したのは今まで作戦内容を黙って聞いていたティアナ
・・・おい、お前今なんつった?
SLBクラスだぞ?
魔王の代名詞とタメを張れって事だぞ?
ありとあらゆる外敵や俺の頭を冷やしてきたあの凶悪魔法だぞ?
それをお前が出来るというのかっ!?

「色々引っかかる物言いではありますが、とりあえず流しておきます。
もう一度言います。出来ます。SLBクラスの火力ですよね?
なら、私が撃てます。というか・・・」

その後に続くティアナの言葉を聞いた俺たちは驚きを隠せなかった。

「お、お前! なんで『アレ』を撃てるんだよっ!?」
「なのはさんに集束系の魔法の総仕上げとして教わったんです。
ただ、チャージにも時間がかかるし一発撃ったら魔力がスッカラカンになりますけど」
「あ、ひょっとしてなのはさんと根詰めて練習していたあれ?
・・・すっごい! さすがティアー!」
「ちょっ、こら抱きつくなこのバカ!」

『これはおどろいたな・・・。
これならこの作戦は充分に可能だ。ブタが一気に切り札に変わるとはな。
やはり君と関わると面白い事が多いよ。ローゼン君』

・・・本当に面白そうな顔してやがる。この緊急事態に。
「よし、方針は決まった。時間がないから早速行くぞ」
「「「はい!!」」」
「チンク、そういう事だから頼むぞ。ルーテシアとエリオたちも頼む」
『了解した。こちらは問題ない』
『うん、分かったよリョウスケ』
『任せてください!!』
『絶対に成功させますから!!』

俺たちの士気は今や最高潮
これなら・・・いける!!

『・・・本来であれば私がやらねばならない事を君に押し付ける形になってしまったな。ローゼン君』
「そう思ってるんなら、これが終わったあとメロンをご馳走しろ。それでチャラにしてやる」
『ふっ・・・。いいだろう。では、君の好きなだけメロンをご馳走することにしよう』
「おっしゃっ! 約束したからな? 忘れるんじゃねぇぞ!?」


2/14
聖バレンタインデー

今日と言う日が終わるまで後少し。
いきなし出てきた壁はちょっとばかりでかくて厚いのは確かだが・・・。

「ぶっ壊してやるさ。必ずな!! アギト!」
「おう!」

ーユニゾン・イン!−

そうして、俺たちの本日最後の戦いは始まった。
・・・その先にある勝利を信じて。



すいーとうぉーず りざると

現時刻 23:42


スーパーガジェット
メガ・リーゼVS良介・チンク・ストライカーズ・三大巨頭+鉄槌の騎士
戦闘継続

これより反撃開始

取得アイテム
アギト
新しい服(着物風)

三大巨頭+鉄槌の騎士
メガ・リーゼと足止めのために交戦中

炎の剣精
孤独の剣士と無事合流
ユニゾン完了
すでにクライマックス

黒の提督
現場に到着
108部隊と合流し、巨大兵器に対して攻撃準備中

108部隊
黒の艦長と協力体制を整える
「つか、これをどうにかしろってのか? おい」

翡翠の提督
無限の欲望に協力要請
その変化にニンマリ

地上部隊
応戦しようとするも、対AMF戦闘の錬度の低さ故に足並み揃わず
地上の法の守護者、苛立つ

メガ・リーゼ
AMC起動中
三大巨頭と交戦中

緑の司書長
全速力で湾岸部へ急行中
「クゥゥゥゥロォォォォノォォォォォッ!!」

最強のメイドさん
全速力で湾岸部へ向かう
「あのバカっ!! ホントになにやってんのよっ!!」

2/14終了まで



―0時間18分―






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