時刻は１２：３２を回った。
ようやく半分だ。

俺達は廃棄都市部にあるビルの一室に隠れていた。
この一時間はようやく体を休めることが出来る穏やかな時間だった。

時間も時間だったので、ここに来る途中に買ったパンとジュースでささやかな昼食。
よく考えれば俺は朝にウーノの入れた紅茶とクアットロの薬入りクッキーしか食べていない。

フェイトのあれは俺の中では既に無かった事にした。

「で、これからどうすんだ、リョー？」

ルーテシアに千切ってもらったパンをかじりながらアギトが聞いてきた。
今のところはここに隠れているのがいいだろうな。
廃棄都市部はかなり広いし、障害物も多い。
その上、地下水道も網の目のように張り巡らされているから空をメインに動く六課の連中にはかなり効果的だ。

つまり、いざという時には逃げる処断には事欠かない。
案としては教会に行くとかもあったんだがそれはそれで
シスターシャッハの剣の錆になるか、
カリムに微笑まれながら色々やられるか、
虎口に頭どころか全身を突っ込むようなものだ。
なので却下。

後、半日だ。大人しくしていれば何事のなく過ぎていってくれるさ。

「そうかなぁ〜？あいつら、皆しつこそうじゃん？
特にあれ、あの緑色の騎士甲冑の…」

う、それは否定できない。

……やめよう。考えても仕方ない。
そう割り切った俺は床に寝転んだ。
流石に疲労はかなりきてる。
俺に付き合わされているルーテシアの顔にもかなり疲労の色が見える。
少しウトウトし始めている。
俺でも疲れるこのシチュエーションにこの小さい体ではすぐに燃料切れだ。

俺も朝が早かったこともあってか、だんだんと睡魔に意識を持っていかれた。

……
………
……………

「………の？」
「だ……よ」

何だ？
俺の耳に聞こえてきたのは妙な話し声だった。
目を開けると見慣れない天井。
少しぼんやりとして、辺りを見回す。
「…ん？」
俺の脇に紫の髪の毛が見えた。
すやすやと寝息を立てるルーテシアだ。
そして俺の胸の上でグーグーと鼾をかいているアギト。
俺はアギトをつまんでルーテシアの脇に置くと、ゆっくりと起き上がった。

時刻は１４：２２．
あれから２時間、どうやら完璧に眠っていたようだ。
手を握っては開く。腕も少し回してみる。
どうやら麻痺の影響はほとんどないようだ。
これで本格的に逃げることが出来る。

もしあの時、ガリューがいなかったら俺はあの池に沈んで溺れていただろう。

もしあの時、アギトがいなければ未だにこの体は麻痺したままだったろう。、

もしもエリオとキャロがいなければフェイトは未だに俺を追っていただろう。

今回はかつてあった恋人騒ぎのそれにも勝るとも劣らない危機の連発になるはずだったが、
それを回避できたのはこのお子様達の力が大きい。

あの時の俺は一人で駆けずり回って、
その結果、大怪我もして、はったりをかませば瓢箪から駒が出て、
そして、ナカジマ家との因縁が始まってしまった。

と、物思いに耽ってる場合じゃない。
さっきの話し声がなんなのか調べないと。

ん？ガリューのやつ、何で窓際に隠れるように立ってるんだ？
俺もなんとなく身をかがめながら近づいて、外を見やった。

「だから、こんな所に本当に宮本さんがいるの、ティア？」
「いる。絶対にいるわ。アタシの勘が…この一年で鍛え上げられた勘がそう言ってるのよ！
ここに先輩がいるって！！」

ナニィイイイイ！！？？
今度はスターズだと！？
何であいつらまで俺の事追いかけてやがるんだ！？

すいーとうぉーず　りざると

現時刻　１４：２２

廃棄都市部　ビルの一室

ガリューと共に外の様子を伺う。

麻痺、やっと回復

取得アイテム

痺れ薬入りクッキー（11枚）
新しい服（着物風）
アギト特製薬湯→ロスト（全部飲んだ）
アギト→現在夢の中

買ったパン
買ったジュース→美味しくいただきました

夜天の王ＶＳ金色の死神＋ライトニング
戦闘終了
夜天の王、良介がいない事に気が付き撤退
情報収集開始
鉄槌の騎士、盾の守護獣合流

金色の死神
夜天の王追跡

ライトニング
ルーテシアが残した小虫によって廃棄都市部に急行
スターズ遭遇フラグ

鉄槌の騎士、チョコレート没収

鉄槌の騎士脱落
（主従の絆）

白の魔王ＶＳ剣の騎士
戦闘終了
剣の騎士、バトルマニアの血に火が付く
白の魔王、逆に冷静さを取り戻す
白の魔王撤退→移動
剣の騎士追跡開始

湖の騎士
夕日の見えるバルコニーで愛を語り合う（夢）

鋼の追跡者
センサー全開→廃棄都市部を移動中
スターズ遭遇フラグ
ライトニング合流フラグ

スターズ
良介まで後十数メートル

伝説の三提督
モニター越しに顔を合わせながら
「困ったもんだ」
内心、この後の展開にわくわく

地上の法の守護者
捜査官より有力情報
廃棄都市部に戦力投入準備

余計な混乱を避けるため、実戦形式の大規模演習のカモフラージュ

２／１４終了まで

―９時間３８分―