side良介

俺たちを乗せたフリードは、あっという間に雲の上まで高度を上げた。
俺たちの眼前に広がったのはどこまでも続くように思える雲海。
今日という日で無ければ、じっくり堪能したくなるくらいに素晴らしい景色だった。それにしても…。

「前に乗せてもらった時より、上手くなってんな。エリオ」

今、フリードの手綱を握っているのはエリオだった。

今のエリオは竜騎士。元の召喚主であるキャロと同じように、フリードを操る事が出来た。

それがなんというか、上手くなっているのである。
具体的にどこがどうというと長くなるので省くが、以前、俺が羨ましくて乗せてもらった時に比べると、
全体的な制御が抜群に良くなってる。4人以上乗せていて、ここに来るまでかなりの速度を出していたのにも関わらず、実に安全かつ快適な乗り心地なのである。

こりゃ、相当練習してるだろ?

「いえ、そんなことないですよ。僕なんてまだまだで…」

と、謙遜しているエリオ。
うむぅ…、相変わらず大人びているというかなんというか。
と、そこにキャロが

「エリオ君、こんな事言ってますけど、すっごく頑張ってるんですよ? 
訓練以外の時間でも『もっとフリードとコンビネーションが取り易くなるように』って言って、フリードと一緒の時間を作ってくれてるんです」

だろうな、そうじゃなきゃここまでは出来ないと思うしな。

「キャロ、ぼんやりしてると、いつのまにかフリードのマスターがエリオになっちまうぞ〜?」

「えっ!? それは困ります! エリオ君、私、エリオ君には負けないから!」


「キャ、キャロ…。良介さんも、やめてくださいよ…」

二人して、動揺するエリオをからかってみる。
うんうん、やっぱこうじゃなくちゃなぁ。

「…楽しくお話中のとこ悪いんだけどさぁ」

そこに割り込む声がする。俺の頭の上から。
むむぅ、空気を読まない奴め・・・。
いや、それは俺たちか。

「これからどうすんだよ? ギンガの姉貴はディードとドンパチ始めちまったし、このまま飛んでるか?」

「それは危険かも。たぶん、すぐに見つかる」

そのルーテシアの言葉に頷く俺たち。

「とりあえず。今の状況を整理しとくか。自分の立ってるとこも解んないんじゃ、作戦も立てようが無いしな」

そう言って、俺はこれから起こり得る事態を予測してみる。

まず、ギンガとディードが戦闘をしているということ。
戦闘しているということは、当然周囲の魔力反応はそれ相応の数値に跳ね上がる。つまり、それに気づいた『あいつら』の誰かが来る可能性は高い。

機動六課メンバーで言えば、シャマルのような探知能力に優れた奴なら、もう気づいていてもおかしくは無い。
…おそらく、ギンガもそれは承知の上でディードの足止めを買って出たんだろう。

「…ギンガさん、大丈夫でしょうか?」

心配そうに呟くキャロ。
まぁ、こいつらはギンガとは付き合いがまだ短いからそう思うのは無理もない。だが、解っていない。ギンガという奴の事を。

「心配ねぇよ」

「でも…」

「あいつは、そんな簡単にやられるような奴じゃねぇ。なんたって、この俺を追える女だからな」

そう、ギンガ・ナカジマは、「災害特異点」などと呼ばれている俺の天敵なのだ。そのギンガが、いくらあいつら相手だろうが、簡単にどうこうなるわけがない。
(もしなにかあったら、承知しねぇからな。ギンガ)

そんな柄にも無いことを思いつつも、思考を元に戻す。
このまま飛びつづけるのは、ルーテシアが言ったように危険。
見つからなければいいが、あいつらのこと、「良介なんとかセンサー」なんていうニュー○イプも真っ青なもんを持ち出して見つけられるのは目に見えている。
したがって、これも×。

そうすると取れる手は一つ。

「どこかに匿って貰うとかしかないですよね? それも、ナンバーズの人たちやなのはさんたちにに気付かれにくくて」

「気付かれたとしても、手を出しにくい場所。時間稼ぎが充分に出来る場所…」

俺の意図を読み取ったのか、そう口にするエリオとキャロ。
…なぁ、俺の考えていることはそんなに解りやすいのか?

「顔に書いてるんだ。仕方ねぇよ。で、どこに行くんだ? 本局か?」

「仕方なくないだろっ!? …本局はダメだ。ここからじゃ遠すぎる。移動中に発見される可能性が高い!」

「じゃあ、どうすんだよっ?」

「大丈夫、当てはある エリオ、今から俺が言う所へ向かってくれ! 全速力でだ!!」

「はい、行くよフリード!!」

エリオがそう言うと、フリードはスピードを上げ、雲海を切り裂きながら飛ぶ。そして…。







「…なるほど、で、俺のとこに来たってわけか」

「あぁ、正直、おっさんのとこしか行く当てがなかった。本局は遠いしな。」

「全く…、ギンガのやつがやけにめかし込んで出て行ったから何事かと思えば…。お前さんの辞書に『平穏な日常』って文字はないのか? 
バレンタインデーくらいは静かに過ごして欲しいもんだ」

「それはあいつらに言ってくれ!! 俺は完全無欠に被害者の側だっ!」

そう、俺たちが来たのは、時空管理局・陸上警備隊『第108部隊』。
ギンガの所属する部隊であり、今、俺が話しているスバルとギンガの父親であるおっさんことギンガ・ナカジマが部隊長を務める部隊。

ここならば、いくらあいつらであろうと、おいそれと手を出せる場所ではない。

…一応、隊長陣やフォアードが全員居ないのを確認した上で、六課隊舎って奇策も考えたんだが、あまりにリスクが高くて除外した。

「まぁ、そういきり立つなって。安心しろ。去年の事はクロノ提督から色々聞いてるからな」

「クロノから!?」

「あぁ、ついさっき連絡があってな。『僕の友人が多大な迷惑をかけるかもしれないが、もしよければ力になって欲しい』ってな。
そういうわけだから、お前さん方が気の済むまで、居てくれて構わねぇぞ」

「ありがとう、おっさん!!」

「「ありがとうございます!」」

「ありがとうございます…」

「へへ、おっさんいいとこあるじゃねぇかっ」

おっさんに礼を言う俺とチビッ子。
あ、クロノの奴にも今度あったら例言っとかなぃとな。
…奴にはもったいないが、メロンをご馳走してやるとしよう。

「礼には及ばねぇさ。ギンガもここへ連れてくるつもりだったろうしな。とは言うものの、あの嬢ちゃん達の事だ。
いつここに押しかけてくるとも限らねぇ。今の内に対策を…。」




ブーーーー! ブーーーー! ブーーーーー!




俺たちが居る隊長室・・・、いや! 隊舎内にアラーム音が鳴り響く。それと同時に、通信が届く。

「た、隊長!」

「どうした? 何事だ?」

「こちらに対して、高速で接近する反応があります! 先ほどから通信を送っているのですが、応答がありません!」

「…どうやら、お客さんのようだぜ?」

おっさんの、死刑宣告にも似た言葉に、俺は頭を抱えた。

あぁぁぁぁぁっ!! 一体どこのどいつだよぉぉぉぉぉっ!!








すいーとうぉーず りざると

現時刻 10:57

その上空→第108部隊


ルーテシア、エリオ、キャロ、と行動
(フリードは元のサイズに。ガリューも隣りに。)
麻痺回復までまだまだ

取得アイテム

痺れ薬入りクッキー(11枚)
新しい服(着物風)
アギト特製薬湯
アギトのハリセン
アギト
(頭に乗ってる)

ギンガ・ナカジマVSディード
戦闘終了

勝者:ギンガ・ナカジマ(決まり手 零距離での無双ラッシュ)
が、ギンガにはその直後にヴォルケンリッターに囲まれるという賞品を授与される。ギンガ、大ピンチ

白の魔王:アジトの入り口到着。
アジトへの進行開始。





2/14終了まで…

―13時間03分―






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