Sideなのは
2/14
8:30頃
ついにこの日が来たの…
カチャ(何か金属パーツをはめ込む音)
なんせ今日は兄さんに思いを伝える日なの…
チャキ(何か金属パーツがスライドした音)
そして今日は仕事を理由にフェイトちゃんと同居している部屋には帰っていないの…
スチャッ(何かを構え、照準を確認する音)
フェイトちゃんも同様の事を考えていたみたいで、フェイトちゃんも部屋には戻ってなかったみたいなの…
カシャコ…
カシャコ…
(何かにカートリッジを詰めてる音)
いくら私達だって、無害と信じる相手では寝ている時に対応は難しいの…
カシャコ…
カシャコ…
(新しい何かにカートリッジを詰めてる音)
寝ている間に何かされて、起きたら次の日では目もあてられないの…
カシャン!(カートリッジを詰めた何かを本体に差し込んだ音)
日付変更と共に誰よりも早く行きたかったけど、去年の事が原因で9:00以降まで動けないの…
ガサゴソ(他のカートリッジを詰めたモノを懐にしまってます)
「今日こそ兄さんを私の者に!
そして子供には両親が必要なの!
兄さんにはヴィヴィオのお父さんになってもらうの!!」
『セット・アップ』
私は9:00の時報と共に、右手にパテシエの娘の本領を発揮したチョコを…
左手に敵(恋敵)を退ける相棒を…
私は兄さんの家へ全力全開で向かった…
「兄さんとの付き合いが一番長いのは私なのぉぉぉぉぉぉ!!!」
すいーとうぉーず りざると
Sideなのは
現時刻9:00
管理局・機動六課(キッチン完備の宿直室)
取得アイテム
整備済みのRH
カートリッジ装填済みのマガジン多数
本命チョコ
side良介
現在俺はメガ姉さんの魔手から辛くも脱し、アジトの通路にいた。
やっぱり地面を抜ける感覚は慣れるもんじゃなくて少し妙な感覚が残る。
「危なかったね、ローゼン?」
脱出の功労者、モグラ娘セインが今にも泣き出しそうな目で笑顔を浮かべている。
あ〜あ〜、泣くなよ?
「もし後少しでも遅れていたら…そう思ったら…」
俺は仕方なく痺れ薬のせいでキレの物凄く悪い腕を動かしてセインの頭に乗っけてやる。
そして、ワシワシと撫で繰り回す。
「何にせよお前のおかげで助かった。礼を言っとく」
「え…エへヘ…」
照れたような顔でされるがままのセイン。
「どりゃーーーーーーーッす!!」
その時、独特の語尾を付けた叫び声が聞こえたと思った瞬間、
セインが吹っ飛んだ。
悲鳴が上がらなかったところを見ると一撃で意識を持っていかれたか。
というか何が起きたんだ!?
「ナンバーズ戦技教導第一項、一撃必殺…ッす。抜け駆けはおしおきっすよ、セイン?」
いや聞こえてないだろう、変な痙攣してるぞ、アイツ。
しかも何だよ、そのどっかのM○RZみたいなのは。
何が起きたか、説明すると通路の向こうから最高速でウェンディがランディングボードで突っ込んできた。
その直撃を喰らってモグラ、撃沈。
「さ〜て、今日ここに来たってことはあたしに会いに来たってことっすよね?」
まさかお前も今日が何の日か知ってるのか?
「勿論!今日はバレンタインでーって言う日なんすよね?
男の子が女の子食べられちゃう日!」
違う!!激しく違う!!
「あ〜、でも食べられるより食べたいって言うんならやぶさかではないっすよ?」
え〜い、クネクネ動くな!!
くそーっ!体さえ自由ならさっさと逃げれるものを!!
「さぁ、ここは邪魔者も多いっすからどこか二人きりになれる所に逃避行っす!!」
自由にならない俺をひょいと持ち上げてボードに乗せるウェンディ。
いかん、これは非常にマズイ!!
「IS…ライドインパルス!!」
その時、再び神風は吹いた。
ウェンディがボードに俺を乗せた瞬間、何かが俺を引っつかんでその場から連れ去ったのだ。
ライドインパルスってことは…トーレか!
「全く何をやっているのだ、貴様は!!」
トーレは外へと繋がる通路を飛行していた。
何って言われても。
「とりあえずここから出て行け。そしてしばらく来るな!」
何でこんなに必死なんだ?
「いいか、今日がお前の世界で何の日か、全員が知っている。
そして、お前が今ここにいることもだ」
な…なんだってぇ!!
どうしてそんな事に!?
「お前があんなにでかい声でセインを呼んだからだ!!
セインのやつが『ローゼンが呼んでる!』なんて言って消えて、すぐに確認したらお前が…」
あ、なるほど。そういう事か。
でも、何で俺を逃がしてくれんだ?
「ドクターの指示だ。このアジトを壊されたくないから誰にも見つからないように逃がせとな」
おいおい、それなら暴れるなって言えば一発じゃないか?
「……ナンバーズだけならな」
「……すまん」
俺は素直に謝った。
確かにここに留まるのは危険だ。
落盤は…いやだなぁ。
出口が見えてきた。
そこにはガジェットU型が一機、待機していた。
いや、これは俺を連れてきたあの改造型だ。
「これに乗って逃げろ。一日中飛び続ければ逃げ遂せれるだろう」
う〜む、何から何まですまんな。
「こっちはこっちの都合でやっただけだ。例はいらん。それより…」
ん、何だ?
ガジェットに乗っかった俺が振り返ると何かが口に放り込まれた。
ビターな味わいが口内に広がる。
「義理チョコ、というらしいな?いつも妹達が世話になってい礼だ」
そう言いながらどことなく顔が赤い気がするのは何でだ?
「ウルサイさっさと…っ!?」
トーレが気配に振り返る。
そこには…えらくでっかいチョコを二人で抱えたオットーとディード。
そして同じくかわいい包装をした箱を持ったディエチがいた。
「見た、オットー?」
「見た…」
「不意打ちに抜け駆け…」
ざわ…ざわざわ…
不穏な気配が漂い始める。
「まて!今のは違う!!義理だ、義理なんだ!」
「でも、食べさせた」
「チョコを」
「そ…それは……」
いつも表情を出さん連中だからよく分からんが、こいつら怒ってる?
特にディエチのヤツ…後ろに白い魔王が見えるぞ!?
そういえば同じ砲戦タイプだから気が合うらしいな。
そんな事を考えている間にそれぞれが固有武装を取り出していた。
まて、ディエチ!お前それどこに持ってた!!?
「IS、ヘヴィバレル」
「IS、レイストーム」
盛大な爆音が鳴り響き、俺達はやはり派手に吹っ飛んだ。
長い長いフライト。そして着水。
コンクリートに叩きつけられたみたいな衝撃に俺は気を失いかけた。
ギャグ補正って凄いな、これでも死なないんだから。
なんて馬鹿なことを思っていると何かが俺を引き上げた。
それは…ガリュ−だった。
何で?
すいーとうぉーず りざると
現時刻 9:53
スカリえっティのアジト内→近くの森林の池
セイン、トーレ脱落
(ボード直撃による昏倒とIS砲撃によって戦闘不能)
ガリュー遭遇
紫のむしっ子遭遇フラグ
取得アイテム
痺れ薬入りクッキー(12枚)
密封包装だったため無事
ガジェットU型改→破壊
2/14終了まで…
−14時間7分−
作者さんへの感想、指摘等ありましたら投稿小説感想板、