ででん、と俺の眼前に置かれたのは12の木箱。手の平大から身の丈以上の物まで種類は様々だ。
呆然と眺めていると、持ち込みやがった張本人がやってきやがった。
「……なぁはやて、これは何だ?」
問いただしてみると、タヌキ娘は腕を組んだ上にしたり顔で、
「よくよく考えてみたんやけど、一つづつ提示するからあかんと思ったんよ」
「で?」
「せやからここは一つ……12本連続で見せる事にしました!」
平たい胸をはる小娘にデコピンを12発くれてやった。
踞るはやてを俺は睥睨しつつ溜め息。まあ並べられちまったモンはしょうがない、折角だから見せてもらおうじゃないか。
「まあいい。ならとっとと出してみろ」


「はーい、それではまず一本目! 折れる事無しと謳われた最硬の刀――絶刀『鉋』!」
「鞘がねぇじゃねえか。んな危なっかしいもんどうやって持ち歩くんだ」

「続きます二本目はこちら! 切れぬ物無しの名刀――斬刀『鈍』!」
「それのどこが鈍なんだよ!? っつうか鞘は斬れねぇのか……?」

「千本全てが完全同一規格の刀――千刀『?』!」
「そんなにあっても使えねぇよ!?」

「向こう側が透けて見える程の薄い刀身――薄刀『針』!」
「脆過ぎて使い物になんねぇよ!」

「西洋甲冑をモデルにした異色の一品――賊刀『鎧』!」
「これのどこが刀なんだよ!? つぅかデカ過ぎだ!!」

「両先端どっちを握っても大丈夫な石造りの刀――双刀『鎚』!」
「重過ぎて持ちあがんねぇよ!!」

「帯びた電流で貫く物を活性化させる――悪刀『鐚』!」
「自分で自分を刺してどうすんだ!」

「四碗四脚の日本人形――僅刀『釵』!」
「人間・確認……即刻・斬殺」
「うおぉぉぉい! 斬りかかってきやがったぞコイツ!?」

「余りの毒気の無さ故に持つ者を真人間にする――王刀『鋸』!」
「んなもんになってたまるか!!」

「持つ者の心を試す心理の刃――誠刀『銓』!」
「刀身のねえ刀のどこが刀だ!!」

「全種中最強の毒は所有者の心を侵す――毒刀『鍍』!」
「そんな危険物持ち込むな!!」

「連続・俊速・精密に加えて広大な間合い――炎刀『銃』!」
「もはや刀ですらねぇぇぇぇぇぇぇっ!!」





「お兄様…
 なんでもご自分の武具を探していらっしゃるとお聞きしましたので、不肖この私がご用意させていただきました…」

 一息つくためにと自転車で強襲をかけ、カリムとお茶をしてたらこんな事を言ってきやがった…
 まさかココまで噂が及んでいるとは…
 まぁ豆狸と違ってこいつならまともなヤツを出してくるだろ…
 もしかするともしかするで、教会が所蔵しているロスト・ロギアの剣タイプのヤツを出してくれるかもしれねぇしなぁ…

「おぉありがてぇ!
 いったいどんなんだ?」

「コレです…」

 そう言うと部屋の壁に立てかけられていた長細い物を俺に手渡してきた…

「…ってこれって…」

そして出てきたモノは…

「最近あった異世界の主流宗教の教祖達と会談がありまして…
 その時に『世界の守護者』と名乗る『紅茶好き』の女性と仲良くなりまして…
 その方と話していると、お兄様と似たような方とお知り合いだと聞き、話が弾み、お兄様が武具を探しているともらしたら、お兄様とよく似た方の持つ剣のレプリカを下さったんですよ…」

 やっぱり我が心の友!柊蓮司の魔剣かよ!!

「何でもその方は『falling man』との異名を持ち、魔王を何度も退けてる歴戦の戦士と聞きます…
 まぁ『falling man』との異名の意味は解りませんが、何故かお兄様にも当てはまる異名と思いまして、せっかくなのでいただいてきたしだいです…
 さぁお兄様、受け取ってください…」

「あ、あぁ…」

 だがそんな驚きを押し込めて受け取る俺様!
 確かに異名が似ているってのは引っ掛かるが、コノ魔剣は良いものだしな!
 ただ…

「あなた何時のまに騎士カリムの部屋にもぐりこんだんですか!!」

 執務か何かの用事でカリムの部屋に来たシャッハに見つかり逃走を余儀なくされた…
 その際この魔剣は色々と役に立った!
 さらにこの魔剣を見たシグナムや恭也、美由希もうらやむ一品!!
 この魔剣は良いモノだぁぁぁぁぁぁ!!!
 と叫びたいほどだったのだが…
 この魔剣を持ってからと言うもの…
 色々と『下がった』…
 結果『似合う』の箱に入れ、丁重に保管する事にした…






さて、もう説明不要のこのコーナー。
 はやての奴に触発されて、みんなあれこれ持って来やがって。
 博物館でも作る気か?

「いややわ、良介。 似合う・似合わないも大事やけど、実用性もはずせへんファクターのひとつなんやで?」

 なるほど、じゃあサーカスになるな。

「今回は身近なところから、武器を選んでみたんよ」

 そーかい。
 この展開にもいい加減馴れちまった自分が、嫌になるね、ほんと。

「まぁま、そんなふて腐れんでもええやん」

 へいへい。
 んで、今回はなんだ?

「今回は身近なところという事で、ナンバーズからNo.7、セッテちゃんの固有武器・・・!」
「『ブーメランブレード』です。 リョウスケさん」

 おぉ、これまた「刃が付いていてデカイ」武器だな。
 ビジュアルに関しては、まぁ斬新?

「てか、セッテ。 わざわざお前まで来たのか?」

「リョウスケさんが私を求めていると聞いて、急いで馳せ参じた次第です」

 うん。 素直coolがとってもキュートだ。
 でもな、セッテ。 そこは「私の武器を求めて〜」で良いんだぞ?
 隣のはやてがとってもhotになってるから。

「りょうすけ? このこーなーのしゅしわかっとるか?」

 分かってます。
 見に染みて分かってますから、どうぞ怒りをお鎮めください、はやてさん。
 はやての横に立つセッテも、夜天の王の凄まじいプレッシャーに、顔を真っ青にしていらっしゃいます。

「まあええわ。 取りあえず持ってみ、良介」

「イエス、マム!」

 ヘタレとか言ってくれるなよ?
 今のこいつの目の前に立ったら、誰でもこうなるぜ?

「さて、取りあえず持ってはみたが・・・、これどう使うんだ、セッテ?」
「え? あ、そ、そうですね・・・」

 恐怖で固まっていたセッテを強引に正気に戻し、話題を切り替える。

「まず、斬りつけます」
「ふむ」
「あと、投げます」
「いや、そうじゃなくて」

 使い方なんぞ、武器の形状を見りゃ分かる。
 聞いてんのは、技術と“こつ”だ。

「?」

 そんな、“何でそんな事を聞くんですか?”みたいな顔されてもなぁ。
 お前は使い慣れているせいであまり意識してないかもしれんが、この武器かなりクセのある代物なんだぜ?

「そうは言いますが、私も他人に何かを教えるのは・・・、そうです、リョウスケさん」
「ん?」

 せめてもう少し表情筋を使おうな?
 何考えてるか、ぜんぜん読めねぇぜ。

「私がこれから、手取り足取りブーメランブレードの扱い方を教えましょう」

 死亡フラグも素直coolに、おっ立てますか。
 さすがセッテ、別の意味で惚れるぜ。

「? どうしました、リョウスケさん?」

 自分では平静を装っていたつもりなんだが、無意識のうちに顔に出ていたか。
 セッテは背後の様子が分からんから、不思議そうな顔をしているが、これは教えてやらねばなるまいな。 マジで。

 ではここは、笑いの神様風に幕を下ろすとしよう。

「セッテーーー!! うしろーーーーー!?」

 俺が叫んだ先には、これまで見た事がないような、魔法を構築しているはやての姿。
 なにそれ、新技?

 あとセッテ、俺を盾にしたところで、絶対に助からないから。

「良介ーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 視界を染める白い光。
 もう、あまり取り乱さない自分に呆れるーーーーー・・・・・・・。



 あの後?
 正直思い出したくもないね。 だいたい想像ついてんだろ?
 何? 結局似合ったのかどうなんだ、て?

 あんたは、そんなに命知らずなのか?



「全く・・・。君は相変わらず人生を謳歌しているようだね。私も見習いたいものだよ」

・・・そうか。そう思うならやってみてくれ。本気で死ねるから。

俺に対して、こんな発言をしているのは、そう、皆様ご存知。ナルシー変態ロリコン超絶勘違い男。ジェイル・スカリエッティその人である。俺が今どこに居るかと言うと、彼のラボである。

ここ数日の一連の騒動に疲れ果て、一時的にここに非難してきたのだ。ちなみに、秘書のウーノや他の数子達は、管理局から仕事を頼まれたため、留守だそうだ。

「それはそうと、ローゼン君。その武器探し、私にも協力させてもらえるかな?」

「はあっ!?」

「いいかね? ようするに、君がこの問題で散々死にそうになったり、烈火の将が正真正銘の引きこもりになりかけたり、中の人ネタやら何やらで、色んな世界の住人に迷惑をかけたりしたのは、君に似合う武器が、中々見つからないのが原因なのだろう?
ならば、一刻も早くそれを見つけてしまえばいいだけの話だ。」

「いや、それはそうだが・・・。」

ジェイルの発言に、思わず言いよどむ。
それには理由がある。実はけっこー忘れがちなのだが、コイツは元は次元世界を揺るがした超A級の次元犯罪科学者、要するに「まっどさいえんてぃすと」なのだ。
正直、どんな危ないシロモノが出てくるのか予想もつかない。

「君は、相変わらず自分の感情を隠すのが下手だな・・・。顔に出ているぞ?
他意は無い。私と、娘達の大事な友人である君の力になりたいだけだ。
それに、安心したまえ。今回渡すのは、ウェンディとセインが以前やっていたゲームの主人公が使っていた武器だ。楽しそうだったので模倣で作ってみた。反省はしていない」

「どこが安心なんだっ。その時点で死亡フラグが立ちまくりじゃねえかよっ」

「話は最後まで聞きたまえ。いいかね?その武器には、一応標準的なデバイスとしての機能を持たせているが、血を吸って切れ味アップなどの妙な機能はない。いたってシンプルな作りなのだ。」

「・・・本当だろうな?隠し機能とかはマジでいらねぇぞ?それで何度も痛い目にあってるからな」

「君はどこまで・・・、いや、まぁいいだろう。一応エクシードモードに近い物を付けているんだが」

「やっぱりかよっ」

「それはこちらの方で外しておこう。なんというか・・・、哀れになってきたしな」

ええい、そんな可哀想な目で俺を見るな。俺だって好き好んでこんな人生送っているわけじゃないぞ。

「で、どんな武器なんだ?」

「うむ、剣と銃の二つなんだが、剣は、リべ○オン。銃は、二挺拳銃でエ○ニー&アイ○リー。」

「D○Cっ!?最近4が出たあれかっ!?」

「ちなみに、3を参考にして作った。二人がプレイしていたのがそれでな」

「○S3買ってやれよ。それくらいの蓄えあるだろうが・・・。」

そこで、ふと気づく。先ほど、ジェイルのはこう言っていた『一応、エクシードモードに近い物を付けている』と。
おい、ひょっとして!!

「なぁ、ジェイル。まさか、さっき言ってたエクシードモードに近い機能って・・・?」

「察しがいいな。その通りだ。だが、先ほども言ったがそれは外しt」

まじかよ!! あぁ、神様ありがとう! 今まで信じても無かったけど、これから俺は貴方に感謝と尊敬の気持ちを捧げつづけます!
お供え物は、そこらへんの饅頭でいいですよね?
断じてメロンはやらんぞっ!

「いやっ、そのままでいいっ!! ふふふふっ、これで、これであいつらに対抗できる・・・。ぐふふふふふっ。ひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!!」

「まぁ、そういうなら止めないが・・・、結果は見えていると思うぞ?」

ひょんなことで得られた思わぬ収穫に心躍る俺の笑いは、止まる事無く、呆れ気味なドクターを置いてけぼりにし、ラボに響き渡ったのだ・・・。


・・・・・・・・・・


所変わって、管理局所有の屋外演習場。

俺は、ジェイルからもらった武器のテストのため、なのはと模擬戦の真っ最中だった。

武器の出所が出所だけに、皆からの反対意見はすさまじかった。まぁ、予想はしていたが。
そこで、なのはと模擬戦を行うことを提案した。

ん?脈絡がないだって? そう思ったそこの貴方はまだまだ人生経験甘い(誰

この模擬戦に、俺は二つの条件を提示した。
一つは、もし俺が負けた場合、武器はジェイルに返却すること。
もう一つは、勝った場合。このままリべ○オンとエ○ニー&アイ○リーを「俺に似合う武器」として認めること。
それはつまり、この騒動を治めることに繋がるのだっ!!

ちなみに、この提案には反対する者は誰一人としていなかった(あのミヤでさえである)ようするに、俺がなのはに勝てるとは考え辛いのであろう。なのはも「兄さんを真っ当な道に戻します!」と気合充分。瞬殺コースだと誰もが予想していた。が・・・。

それに反して、戦いはお互いに譲らず、一進一退の展開を見せていた。
それは、デバイスの能力が高かったのが大きかった。
考えてみれば、性格はどうあれ天才科学者であるジェイルが作ったものである。悪い物であるはずがない。
それに加えて、魔力容量が絶対的に少ない俺用に再調整を行ってもらい、数子達に頼み込んで、実戦形式の慣熟訓練を行っている。いける・・・。これなら、いける!!

そう思いながら、中距離から銃弾を雨あられのように撃ちまくる。
かと思えば、一気に接近。大剣を振るい、斬りつけていく。

当然、なのはもやられっぱなしではない。
的確に、鋭い反撃を行っているのだが、有効打が打てずにいた。
俺が、その悉くを剣で切り払い、銃で撃ち落とし、あるいは、避けているからである。

嵐のような、野獣を思わせるかのような攻撃。かと思えば、まるでダンスでも踊るかのような回避行動。それらは激しく、しかして、どこか優雅・・・。
そう、まさにそれは「スタイリッシュ!!」

そんな俺の攻撃に、なのはの顔に焦りが浮かぶ。
「く!こうなったら、レイジングハート!!」
「All Light」

「エクシードチャージ! ドライブ!!」

エクシードモードを起動させたか!

「兄さん、正直びっくりしました。ここまで出来るなんて・・・。でも、これで終わらせます。」

そう言いながら、レイジングハートを構え直すなのは。

ならばこちらも・・・。

「ふふふ・・・、なのは!パワーアップするのがお前だけだと思うなっ!!」

「え?」

「デビルトリガー発動!!」

その瞬間、俺の身体を赤き閃光が包み、異形の者へと姿を変える。

「どうだ・・・。これが俺の切り札。デビルトリガーだっ!!」

呆然とするなのは。それはそうだろう。いきなり姿形が変われば・・・。
ちなみに、今の俺の姿は某悪魔絵師のデザインを思わせる姿となっている。3を参考にしているって言ってたしな。

(まあ、姿が変わるのは、バリアジャケット技術の応用ではあるんだがね)

ジェイルが機能説明をしてくれた時の事を思い出しながら、なのはの方に目をやると、俯いてる・・・。あれ?なんかあいつの周りから黒いオーラが・・・。

「兄さん」

「な、なんだ・・・?」

思わず後ずさりする俺。あれ?このパターンって・・・。

「私の二つ名って、知ってます?」

そう言いながら、俯いていた顔を上げる。
顔は、満面の笑みを浮かべてこそいるが、目は笑ってない。
・・・というのを想像していたのだが、それは外れた。

泣いているのである。声を出すわけでもなく、ただ静かに涙を流している・・・。
えっと、これはなに?

「兄さん、答えてください。私が、他人からどういう風に言われているか。兄さんなら知っていますよね?」

「え、えっと・・・」

悪魔、魔王、般若、冥王。エトセトラエトセトラえとせとら…。
ひょっとして、おれ、ふれちゃいけないとこにふれちゃった?

「ひどいよ兄さん・・・。兄さんまで、なのはを悪魔だと思ってるの?なのはは・・・、なのはは、他の人にどう思われたっていい。兄さんにだけは、そんな風に思われたくなかった・・・。」

「ま、待て! そんなこと思ってないからっ!」

「なら、どうしてそんな姿になるの?なのはが悪魔だから?悪魔に対抗するには、悪魔にならなきゃ対抗できないから?そうなんだよね?あの人達言ってたよ『悪魔に対抗できるなら悪魔になるしかないなぁ』って笑いながら言ってたよ?兄さんもそう思ったからそんな姿になったんだよね?そうなんだよね?ねぇ、答えてよ兄さん。にいさんにいさ」

「頼む! 落ち着けっ 落ち着いてくれ!!」

「・・・私は冷静だよ?おかしいのは兄さんの方じゃないのかな?いつもの兄さんだったら・・・、あぁ、解った。あなたは、兄さんじゃないんだ。だって、私の、私の大好きな兄さんなら、こんな事するはずないもの。うん、そうだ。そうに違いない」

や、やばい。なんかヤンデレ化してるーーー!!

「そういえば『悪魔は泣かない』って言うけど・・・、兄さんの姿をしていた貴方は泣くのかな?それとも、そんな姿になったから泣かないのかな?どっちだろ?
・・・試してみようか。レイジングハート、ブラスター3起動。」
「Yes」

あぁ・・・、なんか終わった。

・・・・・・・・

その後の事は、思い出したくも無い。というか思い出せない。
気が付いたら、病院のベッドの上。
二週間昏睡状態だったそうだ。
我ながら良く生きていたなぁ・・・・。

しかし、いくらなんでもあの時のなのは怖かった・・・。いや、おかしかったというべきか。
そこで、メロン持参で見舞いに来てくれたフェイトやヴィータに話を聞いたところ、模擬戦の数日前になのはが参加した作戦中に、味方内から「悪魔」呼ばわりされたため、あの時は、何時にも増して、この手の話題に対して神経過敏になっていたそうだ。

早く言ってくれ。そういう事は。

とりあえず、退院したらどこのどいつかは知らないが、なのはに余計なこと言って笑ってたやつはぶっとばす!!(後日退院すると見かねたアリサが既に粛清を加えた後だった。)

ちなみに、リべ○オンとエ○ニー&アイ○リーは没収・・・されなかった、なぜならなのはの攻撃で修復不可能なまでに破壊されたから・・・。今回は、いい線行ってたんだけどなぁ(泣)

そして・・・。

「あの、兄さん・・・」

「ん?」

「今回は少し、いえ、かなりやりすぎました。ごめんなさい・・・。」

そう言いながら頭を下げるのは、見舞いに来てくれたなのはである。反省というか、すさまじく落ち込んでいる様子である。

はぁ・・・、仕方ねぇなぁ。

「別に気にしてねぇよ。お前らの砲撃で痛い目見るのはいつものことだしな。」

「はぅ・・・。」

萎縮するなのは。そんな様子にため息を履きつつ、俺は言葉を続けた。

「ただな、これだけは覚えておけ」

「はい」

「俺は、他の誰がなんと言おうとお前を本気で悪魔だなんて思う訳が無い。俺にとってお前は大事な仲間であり家族であり・・・、妹分なんだからな」

俺がそういうと、なのはの表情が笑顔になる。瞳に、今にも零れ落ちそうなほどの涙を貯めながら。

「兄さん・・・。」

「解ったら、これでこの話は終わりだ。いいな?」

「はい・・・。兄さん、ありがとうです!私、がんばります。そして兄さんの仲間として、家族として、そして妹として・・・、兄さんに相応しい武器をきっと見つけて見せます!!」

「って、まだ続くのかよぉぉぉぉっ!!」






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