ウルトラマンダイナ
ウルトラマンダイナ
概要

前作、ウルトラマンティガが邪神ガタノゾーアと闇の力を倒し、世界に光を取り戻してから7年後の、西暦2017年。
人類は宇宙開発に希望を求めて火星に前線基地を構築しており、ネオフロンティアと呼ばれる大航海時代を迎えていた。

しかしある日、謎の生命体スフィアが人類の宇宙進出を阻むかのように火星基地を急襲。救援に飛び立ったスーパーGUTSの新人隊員であるアスカ・シンは乗機を撃墜され、
絶体絶命のピンチに陥る。そのとき、突如として現れた光とアスカは一体となり、ティガに似た光の巨人、ウルトラマンダイナに変身して地球と人類の危機に立ち向かうのだった。

レビュー

平成三部作の2作目にして前作「ウルトラマンティガ」、そしてその2年後にしてティガ=マドカ・ダイゴのウルトラマンとしての正真正銘最後の戦いと決戦を描いた、
2000年3月11日に公開された劇場版「ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY(ザ・ファイナル・オデッセイ)」から、
約5年後の時代を描いた1997年から1998年まで同じくTBSで放映された、
ウルトラマンティガの正当なる続編、ウルトラシリーズでは初の続編作品でもあった作品です!

この作品も今から数えてもう19年前も前の作品です。
本作品の特徴は上記の通りウルトラマンティガの世界観の後日談、続編であると言う事です。

これはウルトラシリーズでも初の事でした。しかし世界観は継承しつつも登場キャラクターを一新し、またシリーズを通して登場する宇宙の何処からかやって来た謎の生命体、
「宇宙球体スフィア」と言う・・・昭和シリーズのエースのヤプール、レオの後半の敵の円盤生物を送り込むブラック司令を思わせるシリーズ全体を通しての敵の登場。
そしてネオフロンティアと言う新たな時代、未来に希望を持って進む人類の姿を描いた物語です。

作風はSF要素の強いシリアスなドラマ作りであった前作のウルトラマンティガと比べて本作は、
明るく楽しい娯楽性を徹底、怪獣の魅力と主役であるウルトラマンダイナのパワフルな戦い、
防衛チーム隊員同士の衝突と友情と言う昭和シリーズを思い出す人間ドラマが特徴的でした。

また、ウルトラマンダイナに変身するアスカ・シンは高校時代は野球選手のピッチャーだったと言う経歴設定から野球に例えた台詞やエピソードが
シリーズ各所にちりばめられていることも一つの特色です。
またこの作品では昭和シリーズでは意外と無かった地球外での戦闘、宇宙空間や別衛生での戦闘が多いのも特徴です。

そしてこの作品の放映中に在り得そうで実は意外と無かった前作の主役ウルトラマンであるティガとの共演と共闘を描いた単独劇場版作品
「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち」が公開され、
以後のTVシリーズでも劇場版が製作されるのが恒例となる切欠となった作品です。

またこの作品の主人公であるアスカ・シン役を演じたのは今ではおバカタレントとして、そして有名なユニット・羞恥心のリーダーでもある、
つるの剛士さんのデビュー作としても有名です。
そしてつるのさんがタレントとして知名度を上げるまではこの作品は、
大河ドラマを思わせる前作のティガ、ウルトラマンのド派手な着地シーンと赤と青の2人のウルトラマンの登場で大変人気を施した「ウルトラマンガイア」と言う、
平成作品でも特に高い人気作品の間に挟まれ、尚且つ衝撃の最終回の事もあり地味、不遇な立ち居地が11年も続きました。

しかし2008年に公開された平成3大ウルトラマンと昭和のマン、セブン、ジャック、エースのウルトラ4兄弟と、
当時の主役ウルトラマンにしてウルトラ兄弟10番目の弟であるウルトラマンメビウスとの奇跡の共演を描いた、
劇場版作品「大決戦!超ウルトラ8兄弟」に出演する事をある番組で話題になり、
それが切欠でこの作品も知名度を上げ、翌年の2009年にワーナー・ブラザース映画で公開された
「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(だいかいじゅうバトル ウルトラぎんがでんせつ ザ・ムービー)」にダイナがゲスト出演し、
更に数年後にはダイナ15周年記念作品としての意味合いもある劇場版「ウルトラマンサーガ」が制作される等に到りました。

平成に入ってから影が薄くなりファンに忘れかけられていたウルトラ兄弟とM78シリーズに再び光と熱を灯す切欠を生み出したメビウスと同じく、
今では本編での最終回、そして上記のウルトラ銀河伝説での客演を切欠に、前作の先輩であるティガと双璧を成す平成ウルトラマンの顔として地位を確立しました。
そして主役であるウルトラマンダイナは、前作のティガ以上に、いや全ウルトラマンの中でもその出自と経歴が、謎、正体不明のウルトラマン。

である事も特徴です。作中では正体に関連するであろう物が幾つかありますが憶測の類にしか為らず作中では最後まで正体は語られず、後の客演でも語られず、
ダイナの正体と謎は19年たった今でも謎です。出自と経歴不明が多い平成ウルトラマンの中でも1番の謎のウルトラマンでもあります。



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