StS After -Sibling Knot- Sister's High




























──さあ ひとりで みんなで



この悲劇に集まって



メイクを落として



──今の流行は''絶望''



だから黒いドレスに着替えて



人混みにまぎれるんだ



目を覚ましたら



君は違う誰かになってるかもしれない──





























...THE END.





























そうして俺は通算375回目の再誕を果たした。





はたしてそれは俺にとっての不運不幸不快以外の何物でもなく、

腐敗したような脳味噌で一握りの不平不満言葉にするべく思考を巡らせ、

64通りの不条理な罵詈雑言を思い付いたところで




「成功だ。やっと、やっと……フフ。

やあ、初めまして……ではないな、お久しぶり。私が誰だか分かるか?」





我が愛しくも憎き創造主との対面を果たした。






























(BIRTH)DAY (16/1440)





























そうして私はとっておきの厄日を迎えた。




「また、残業、か……



「ゴメンね、ティアナ。少し休憩入れようか。」



「あっ、いえ大丈夫です、フェイトさん!  休憩入れるくらいならさっさと終わらせた方が良いですから!」



「そう?  じゃあもう少しだけ頑張ろっか。シャーリーもゴメンね。もうちょっとだけ頑張って。」



「はい。私の方は全然大丈夫ですよ、フェイトさん。」




その言い方ではまるで私の方は全然ダメみたいではないだろうか……まぁ、実際ダメの一歩、いや半歩手前くらいまでは来ているのだが……


なにしろ今日は残業7日目。


そう、一週間。



月火水木金土日、オール残業。私達は今「約束された仕事人形(ワーカーホリック・デスティンド)」と化していた。

デスクワークは嫌いではないが前日までの残業は全て日付が変わるまで行い、(正しくは気がついたら日付が変わってた。)睡眠時間など無いに等しく肌へのダメージは相当な物だ。六課にいたときに遅くまでバカみたいに訓練していた頃が懐かしくも少しだけ羨ましいと思ったが、それ以上につくづくアホだったと痛感した。

訓練が特に無い現在でさえこの一週間は朝はろくに食べられていない。

昼でこそ仕事場の食堂で早い、安い、美味い!な物を食べたり出来たが夜は自分のデスクに買いだめてあるカロリーとお友達な固形物(チョコ味)でお茶を濁す始末。

更にはこのところ女性特有のその……アレの日が……まぁ、とにかく辛いのだ。眠いのだ。暖かいご飯が食べたいのだ。


だというのに……




「日に日に増えてますね、被害。」



「そうだね。早く何とかしないと。」



「比例して増えてますね、残業。」



…………そう、だね。早く何とかしないと……




だというのに犯罪者っていうのは全く空気を読まないどころか嬉々としてぶち壊して仕事を次から次に増やしてくれる。

ついでに疲労感と脱力感も増やしてくれる。

正にAB(エア・ブレイカー)だ。



なのはさん曰く



──地球ではKYと呼ぶのー。最近の地球の流行語なのー! 

 私だって最近の流行りくらい知ってるのー!  これでもうワーカーホリックだなんて言わせないのー!──



って妙に息巻いて語ってたっけ。





閑話休題





「しかしまぁ、襲撃目標以外は見事に法則性が無いですね、この犯人。これじゃあ全然犯人像が分からないですよ。」



「そうだね。早く何とかしないと。」




シャーリーさんの言う通りである。

まったく、もう少し特徴を表せというんだ。これからの時代、個性の無い男はモテないぞ。……いや、まだ男と決まった訳では無いけど。




「管理局の局員だけを狙った連続襲撃事件。今のところ、死者はゼロだけど……



「出るのも時間の問題ですよね。やり方がだんだん酷くなってきてるし……



「そうだね。早く何とかしないと。」



「フェイトさん……疲れてます?」



「そうだね。早く何とかしないと。」




フェイトさんですらこの状態である。私なんて推して測るべきだろう。





この2ヶ月で被害者30名にも及ぶ管理局局員連続襲撃事件。

犯人の目的、動機、素性、一切不明。分かっているのは狙われているのが時空管理局の局員という事だけ。

襲われた人達の中には魔導士、それもランクAクラスの人もいてその内の何人かは応戦したのだがいずれも惨敗。

中には生きてるってだけでもう二度と現場に復帰出来ないようになった人もいた。

魔導士ですら勝てない相手だから普通の捜査官はビビってしまって話しにならない。

そりゃそうだろう。私だって同じ立場なら確実にビビる。そりゃもう盛大に。

……だからこそ私達にお鉢が回って来て今現在勤務時間外労働7日目に突入しているのだが。

このアホ犯人のせいで私達は前の捜査を打ち切らなければならくなったということも考慮に入れたなら……

うん、犯人は見つけ次第なのはさん直伝のアクセル百連発をかましてもいいんじゃないだろうか?




「そうだね。早く何とかしないと。」



「いいですフェイトさん。無理して喋ろうとしなくても。」




まぁ、そんな危険が付きまとう捜査だからこその私達だという事は理解している。

なんといっても''あの''機動六課の面子が三人。その内の二人は前線で戦っていた六課の誇る戦闘要員なのだ。

更に私の上官のフェイトさんは単独で動けて権限もそれなりに有り、部下も抱えている執務官。正に今回の事件には打ってつけの人材というわけだ。




……とはいえ





「私達を本局から呼びつけておいて全部丸投げは無いですよね、シャーリーさん。」



「ティアナ、それもう36回目。しょうがないよ、この件は私達が適任なんだし。未だに陸は海以上に人手不足なんだから。」



「そうだね。早く何とかしないと。」



「ティアナ、そっちの三番の資料まだ見てる?」



「あっ、もう大丈夫ですよ。そっち回しますね。」



「ん、サンキュー。」




最早私もシャーリーさんもフェイトさんのことはパーフェクトにスルーしていた。

……まぁ、実際一番多忙なのは執務官であるフェイトさん自身なのだからああなるのも仕方ないことではある。

私達はあくまで補佐なので最終的にフェイトさんに任せなければいけないモノもやはりあるのだ。


しかしあの状態でも仕事はきっちりこなす辺りは流石としか言い様がない。

私も次こそは試験をパスしたいところだが、私にはああいう部分が足りないのかもしれない

……噂によるとクロノ提督はご飯を食べながら片手間でデバイスの整備をしてクルーの話を聴きつつ念話を飛ばして更にデスクワークとアースラの指揮をしながらコーヒーを作れるらしいし。…………流石に嘘よね。




さて、フェイトさんがこれ以上おかしくなってしまう前に気合いを入れて仕事を片付けてしまいますか。




「そうだね。早く何とかしないと。」



「「…………」」




そうして誰もツッコミをしなくなったのであった、まる































...LIGHT AND SADOW






























そうして今日の残業は終わりを告げた。




随分と遅くなってしまった。早く帰らなければ。



夜半、人気の無い道を歩く。在るのは闇と街灯の光だけ。こんな時は訳も無く不安になるものだ。


私も管理局の局員。狙われてもおかしくはない。魔導士でも凡人の私ではランクA以上の敵と戦って無事に済む保証は、無い。


まったく、こんな時にまで残業とは、本当についていない。今日はとっておきの厄日だ。




辺りは静まりかえっている。


風が生暖かい。


嫌なイメージが頭の中を過る。


誰かが後ろから着いてきているような錯覚に捕らわれ、嫌な汗が吹き出てくる。


その内在りもしない──靴が地面を叩くような。コツ  コツ  なんて音を幻聴してしまいそうで──





──コツ  コツ  コツ──





後ろ振り返る勇気は無かった。しかし立ち止まっていられる程冷静でもなかった。





私は勢い良く走り出した。





──止まったら殺される──


──止まったら殺される──


──止まったら殺される──


──止まったら殺される──





そんな突飛な思考が脳内を、心を埋めつくす。


職業柄、普段からそれなりに荒事を受け持っている役職とはいえ恐怖心が無いわけはない。


全速力で駆け抜けた私は家のすぐ近くまで来ていた。あの角を曲がれば私の住むアパートがある。





──助かった──





と思ったのがいけなかったのだろう。



その角からぬるりと''''が這い出してきてそれが私がこの世で見た最後の





──ぐしゃ





そうして私のとっておきの厄日はあっさりと終わりを告げた。































...THE END.





























…………それが、俺の為すべき事なんだな。」



「そうだ。君にはその権利と、力と、義務がある。それに、君としてもこのまま役立たずのレッテルを貼られたまま大人しくしているのは我慢ならないんじゃないのかい?」



…………分からない。俺は憤るべきなのか?」



……ふむ、成功したにはしたが調律前ではやはり色々難有りと言ったところか。素体は今まで最高の出来の物を使ったのだが……

まぁ、そこは追々だね。調律は奴の専門だから彼に任せるとしようか。正直言うとアレに君を弄くられるのは甚だしく不本意だけどね。」



「そう、か……



……ふぅ、まったく……しっかりしてくれよ?  君は私の最高傑作にして──なんだから。」



……すまない、善処しよう。」



「まぁいいさ。君の出番まではもう少し時間がある。今暫く休んでいるといいよ。」



「ああ。

…………そうするよ、───。」



「!  ……ふふ。

おやすみ、────。」




そうして彼は再び眠りについた。


ただし今度のはそう長くはないものではあるが。


しかし……




「君はいつもそうやって不意打ちをする。不機嫌で無感動な顔をしていたと思ったら……私の呼び方は昔のままなんだね……

いや、当たり前か……それを望んでそういう風にしたのは他ならぬ私なのだから……






そうして私の日々は再び回り始めた。






























──鏡に映った姿が気に入らないなら



僕がいつもどんな気持ちかわかるだろ



さぁ豚どものまわりに集まって



さよならのキスをしよう



君には笑顔でいてほしいんだ



泣かないでくれるといいんだけど──





















あとがき



初めまして、光速ベスパと申します。


今回、投稿小説に初めて挑戦しました。

今まで書き物は身内のみで公開していたので本当の意味で客観的な意見を貰ったことがありません。

なので気になる部分や要望、感想、批判等がありましたらコメントを頂けると嬉しいです。


それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。










作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ-ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。