Devil May Cry 4
Devil May Cry 4
概要
とある大陸沿岸部に存在する城塞都市フォルトゥナ。

その街では他文化とは全く異なる「魔剣教」という宗教が信仰されていた。
信仰組織、魔剣教団の下で信仰され、崇められているのは、かつて数千年前に人々の為に戦ったとされる悪魔・魔剣士スパーダ。
フォルトゥナでは、スパーダが魔界と決別した後、領主としてその地を治めたという伝説が残っており、
彼を神と崇め、それ以外の悪魔を憎み、排除することを教団では第一の教義としていた。

魔剣祭と呼ばれる大祭の日、歌姫の歌声の後に教皇がスパーダを讃え、祈りを捧げる。
そんな中、伝説のスパーダの息子・ダンテがフォルトゥナに現れる。
まるで、伝説の魔剣士でもあり自らも伝説級の戦士となっている自らを誇示するかのように・・・・・・

突如現れた彼が行ったのはスパーダのような偉業ではなく、教皇を暗殺し、
教団の人間を次々と切り殺していくという殺戮と言う名の凶行であった・・・・・・・・・


魔剣教団の中で、悪魔殲滅を任とする教団騎士のネロは、ダンテの追跡を命じられるのだが・・・・・・・・・


レビュー

デビルメイクライシリーズ第4弾。
2008年1月31日に発売された今作はついにPLAYSTATION3と
XBOX360という次世代ハードへとプラットフォームを移す。

ジャンルはスタイリッシュアクション。
過去3作続いて主役を張ってきたダンテであるが、今作よりメイン主人公の座をを若き教団騎士・ネロへと明け渡す。
彼の詳細は謎。ただ分かるのは、いつしか彼の右腕は「悪魔の右腕(デビル・ブリンガー)」と変化してしまったこと。
巨大なリボルバー拳銃・ブルーローズと機械仕掛けの大剣・レッドクイーンを手に、悪魔を屠り、
ダンテを追っていくうちに巨大な陰謀へと巻き込まれていく・・・・・

主人公、プラットフォーム等々、次世代エンターテイメントとして全てに新しさを盛り込み、
これまでのタイトルフォントでは「Devil May Cry」となっていたが、今作はすべて大文字の「DEVIL MAY CRY」となっている。
新主人公ネロの存在はかねてより明らかになっていたが、前評判の大部分はダンテをファンとしていた人間からの批判的な意見。
だが、発売と同時に彼らにネロの存在は認められることとなる。

その要因の一つが、彼の持つ右腕「悪魔の右腕」(デビルブリンガー)である。

簡単なボタン操作で、離れた敵を自らの下に引き寄せる「スナッチ」
無防備な敵に対し、超強力な一撃を叩き込む「バスター」

この二つがスタイリッシュな爽快感を生む大きな原動力となった。
今までは、ダンテの銃撃、近づいて剣撃。離れてしまえば走っていくか、3でのスタイルアクションで近づいていくしかなかった。
だが、ネロは違う。
銃弾を叩き込み、思う存分に大剣を叩きつけ、たとえ遠くに吹き飛ばし、
宙高く切り上げても、スナッチで傍に引き寄せ、バスターで豪快な一撃を見舞う。
バスターのパターンはすべての敵ごとにパターンがあり、なんとボス敵相手にも条件付きではあるが、
バスターを決めることが可能であるのだ。たとえば、体験版で登場した上級悪魔・べリアル。
その体躯は上級悪魔の名にふさわしく家一軒よりも大きい。
だが、ダメージを与え、ひるんだ時に右腕で掴んだ瞬間、そこが頭部であれば、天高く跳び上がり、その顔面を地に叩きつける。
体にヒットさせた時は、強力なアッパーでべリアルは高く打ち上げられ、ネロの所に落ちてきた瞬間に凶悪な右ストレートが待っている。
そして彼の持つ武器。ブルーローズとレッドクイーン。
前者は衝撃力もあるリボルバー拳銃。後者はまるでバイクのようなグリップで炎を巻き上げる大剣。
レッドクイーンのそのシステムはイクシードと名付けられ、3段階までのパワーストックが可能であり、
通常攻撃のアクションが激しい物となり、攻撃力は段違いになる。

勿論、ネロもデビルトリガーを発動させることができる。
だが、ダンテのように悪魔化するのではなく、かつてダンテの兄バージルが振るい、
行方不明になっていた閻魔刀によって力を得た彼が発現するのは、背後に浮かぶ実体をもった幻影。
いったい彼はいかにして閻魔刀を手にしたのか?それは本編をプレイして確認してほしい。

そしてこれまでのファンには、きちんとサービスはある。ダンテもきちんとプレイ可能である。
さらに年を重ね、軽さを失わないままオッサンとなったダンテは4ンテ、4様などと呼ばれシリーズ中でも随一の人気を誇る。
3で登場したスタイルチェンジシステムをさらに進化させ、
十字キーの操作で戦闘中にスタイルが変えられるリアルスタイルチェンジが実現した。
これによって、ガンスリンガーでの銃撃→接近→ソードマスターでの近接攻撃→トリックスターでの再接近→
ロイヤルガードでのカウンターなどという芸当ができるようになった。

次世代機で表現された映像、メタルギアシリーズと同じように、ムービー中とプレイ中で変わらないリアルタイムレンダのグラフィック。
フォルトゥナの雰囲気にマッチしたどこか中世的で荘厳な音楽と変わらないハードロックミュージック。
新たな主人公による、全く新しいシステム。
大きな期待をしていなかっただけにプレイしてみての感想は、非常にたのしかったと言える。
ただ、ミッションのボリュームがこれまでと変わらない20ミッションであることと、
ネロの出生の謎など、伏線が張られたまま終わってしまうというちょっとした不満足な点があり、ランクは良作のBとする。

余談ではあるが、シナリオ担当の森橋ビンゴ氏の執筆した小説版が全2巻で販売されている。
本編での謎が少々解明されたり、もちろんこれまで同様エピローグで後日談が後日談が語られている。
まさに次世代エンターテイメントにふさわしい、新しいDMCであった。
その爽快感とストーリーの謎は、ぜひ、プレイして体験してほしい。


執筆者:exocetさん



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