太陽が沈み、周囲が暗く淀んだ頃。

荒野から大きく響き渡る音。


「はあああああ!」

『ブレードスラッシュ』


刀から深紅の斬撃が放たれ、大きな岩が斬り崩される。

その音が荒野に響き渡っていた。

勇人は斬り崩された岩を見て、腰をゆっくりと下ろす。

小さくため息を零し、周囲を見渡す。

周囲には斬り崩された岩や、深く切れ目が入った地面が生々しく残っていた。


「ようやく狙った所に打てるようになった……」

『二時間掛かってやっとか』

「と言っても、魔力回復に時間掛かった所為だけどな」

『こればかりは仕方ねえよ、俺達の弱点みたいなモンだからな』

「まあな……」



前方にある赤い印の付いた岩を斬撃で斬る特訓。

しかし、途中魔力が切れてしまって中断し、回復するのに一時間半も掛かった。

かなり時間をロスしたものの、ようやく的に狙えるようになった。

もはや身体中、疲れと痛みでボロボロだった。


「ようやく終わったか」


突然聴こえた声に勇人は振り向くと、如何にもヤレヤレと言った表情の神楽が勇人に近付いてく。


「神楽」

「ほら……」


勇人は神楽が持ってきたスポーツ飲料を受け取り飲み干し始める

程好い冷たさが喉を潤していく。

神楽は周囲に荒れ果てた光景に眉を顰める。


「情けないさまだな、ただ的を斬ればいいだけの筈だが」

「うるせえ! 上手くいかなかったんだよ!」

「なら、今度から上手く狙え」


正論だけに何も言えなくなる勇人。

だが、的に狙えるようになっただけでも良しとする。

しかし、二時間の特訓の所為もあってか、疲労が溜まっていた。

今はゆっくりと休みたい願望が有った。


『主、リンディ提督から連絡が入りました』


胸元のペンダントから発せられる声。

その内容に目を細める神楽。

嫌な予感が胸中に感じ始める。


「早く繋げ」

『はい』


空中にモニターにリンディの顔が映し出せる。

険しい表情に眉間に皺が深くなった。


「何の様だリンディ?」

『守護騎士が動き始めたわ、いまクロノ執務官を含む魔導師部隊で応戦中。貴方も出向ける?』

「無論だ。それとあの小僧も一緒に同行させる」

『ええ……なるべく早くお願いね』


そう言うと空中のモニターが消え去る。

直ぐに神楽は勇人の方へ振り返る。

その表情は真剣そのもの。


「さっきの話は聞いてたな」

「ああ、バッチリ」

「なら、このまま海鳴へ行くぞ。準備は出来てるな?」

「当たり前だ!」


勇人は力強く頷く。

そのまま立ち上がり、神楽の元へ移動する。

神楽の足元に魔法陣が展開される。


「準備が出来たか。なら、行くぞ」

「おう!」


転送魔法は完了し、荒れ果てた荒野から二人の姿が消え去った













リリカルなのはA’S

刃煌く黄昏の魔道師『憤怒』









勇人と神楽は海鳴に到着する。

町の中心には既に結界が張られていた。


「どうやら既に始まってるらしいな」

「そうみたいだな。戸頃で、俺様等は何をすればいいんだ?」


怪訝な顔付きで神楽を見詰める勇人。

神楽は小さくため息を零し、胸元に輝くデバイスに手を掛ける。


「クロノに繋げ」

『分かりました』


暫くし、空中モニターにクロノが映し出される。

その表情は真剣そのもの。


「どういう状況か、説明を頼む」

『はい。只今なのは、フェイト、アルフの三人が守護騎士と交戦中です』

「で、お前とユーノは闇の書の捜索か?」

『はい……ただ探索魔法で探してるんですが』


クロノの表情が僅かに暗くなる。

恐らく見つかっていないのだろう。

神楽は眉間の皺が深くなる。


「恐らく持ってる可能性があるのは金髪の女か」

『多分ですが』


勇人の脳裏に金髪のショートボブの女性の顔が浮かぶ。

それは自分となのはのリンカーコアを奪った女性。

心の中に沸々と怒りが込み上げる。

無意識の内に唇を噛締める。

そんな様子を感じ取ったのか、神楽は勇人を見詰める。


「冷静になれ。一々頭に血を上らせるのがお前の悪い所だ」

「……分かってるよ」


神楽の言葉に勇人は小さく頷き、湧き上がる怒りを無理矢理押し込める。


「では、俺と勇人も闇の書探索する」

『お願いします』


直ぐに空中モニターが消える。

神楽は直ぐに踵を返す。


「なのは達のサポートに行かなくていいのかよ!」


なのはやフェイト、アルフが戦ってる事に心配を覚える勇人。

だが、神楽は振り返らず立ち止まる。


「お前はあの三人が敗れると考えてるのか?」

「いや……そうじゃねえけど」

「なら、行くぞ。何時までも其処で立ち止まるな」


勇人の心配を他所に一人探索魔法を展開する神楽。

何故なら神楽は大してなのは達を心配してなかった。

カードリッジシステムがなのは達のデバイスを搭載されている。

通常の魔力以上を発揮する力。

その力を得た二人は正に鬼に金棒だった。


「さて……この町全体に探索魔法を」

『分かりました。探索魔法開始』


足元より展開される探索魔法。

徐々に意識を集中し始める。

勇人はその光景に僅かに見惚れるが、直ぐに意識を戻す。

踵を翻し、少しでも手掛かりを得ろうと走り出す。

神楽は横目で見届け、直ぐに探索魔法に集中する。






















勇人は一人、街中を走りぬける。

彼方此方に街灯の光が地面を照らす。

ほとんど闇雲に近い状況。

しかし、走る事を止めず、ひたすら走り続ける。


「本当にこっちの方で有ってるのか!?」

『微力ながら魔力反応がある。恐らくこっちで合ってるぜ』

「だと、良いんだがな」


額には大量の汗が流れ落ち、息遣いが荒い。

魔力温存の為、バリアジャケットを身に纏っていない。

目的はただ一つ、全力でぶっ飛ばす為。

捕獲や話し合いなどの選択肢は勇人の頭には無く、沸々と怒りや苛立ちだけが募っていく。

特に守護騎士の金髪女性の顔が浮かぶ度に一気に湧き上がる。


『大丈夫か兄弟?』

「あ? 何でそんな事を聞くんだよ?」

『顔……怖いぞ』


眉間に皺を寄せ、周囲には黒い空気を撒き散らしていた。

それでもひたすら走り続ける。

不意に結界を見る。

なのは達を心配する反面、一緒に戦えない自分に苛立つ。


『気にすんなよ兄弟。俺達は幾らでも強くなれるチャンスは有るって』

「だと、良いんだがな」


しかし、こうやって会話していても敵の反応が無い。

何処に居るかも分からないまま走り続ける。

その事に不安も覚える勇人。


「おい……神楽に連絡しろ」

『あいよ……』


暫くし、空中モニターに神楽が映し出される。


『今何処に居るんだ?』

「え〜と……イケロス現在位置を送信しろ」


イケロスが僅かに光る。

すると、送られた現在位置を見て、神楽は目を細める。


『そのまま160mを突き進んだ先にビルに魔力反応が有る。恐らく守護騎士の魔力と見て間違いないだろ』

「ありがとよ!」

『それとクロノも近くまで来ている』

「クロノも?」

「ああ……どうせお前の事だ。連携は無理だろうな」


神楽はため息を零し、呆れ顔で呟く。

それを見た勇人は唇を尖らせる。


「うるせえよ」

『分かったならとっとと行け』

「はいはい……言われなくても分かってるよ!」



叫ぶと同時に空中モニターが消える。

その勢いのまま全力疾走で目的のビルへと駆け出す。

額には大量の汗が流れ落ち、息遣いも荒い。

走りながらイケロスを強く握り締める。


「ちゃんと充電出来てんだろうな?」

『当然だ兄弟』

「なら、セットアップ!」

『セットアップ』


深紅の光が勇人の身体を包み込んでいく。

着ていた衣服が消え去り、バリアジャケットへと変化する。

デバイスも刀へと変化させ、右手に携える。

ようやく着いた目的地の10階はあるビルを見上げ思わず青ざめる勇人。


「本当に此処に居るんだな」

『ああ……屋上から魔力反応がある』

「マジかよ。これを昇るのか?」

『昇らねえと始まらねえぞ』


勇人は思いっきりため息を零す。

この屋上に守護騎士が居る。

しかし、巨大なビルに表情を歪める。


「エレベーター動いてろよ」


微かな希望を頼り、目的のビルへと駆け出していく。

中に入り、真先にエレベーターに乗ろうとボタンを押す。

しかし、一向にエレベーターは降りて来ない。

勇人は次第に苛立ちを募らせていく。


「ちくしょう! 面倒な事させやがって!」


一気に階段を一気に駆け上がっていく。

一段ずつ駆け上がっていく度に疲れが膨れ上がっていく。

息遣いが次第に荒くなっていく。

錆びた手摺りをしっかりと掴み、立ち止まった。


「はあ……はあ……いったい何階まであるんだよ」

『さっさと行かないで逃げられるぞ』

「簡単に……言ってくれやがって……」


再び一気に階段を駆け出していく。

だが、既に体力は限界に近かった。

海鳴に来るまで斬撃魔法の特訓、来た途端に街中を全力疾走。

屋上までの上り階段のオマケ付き。


「あのオバサン……必ずぶっ飛ばしてやる……」


勇人の脳には闇の書やなのは達の事は考えておらず、金髪の女性をぶっ飛ばす事だけに集中していた。

考える度に湧き上がっていく怒り。

身体には黒いオーラを身に纏い始めた。


「絶対に……潰す!」

『おいおい、物騒だな。俺達の目的は闇の書の捕獲だろ』

「関係ねえ! 今はあの女をぶっ潰す!」

『……そうか』


触らぬ神に祟りなし。

もはや今の勇人を止めれる人間は居なかった。

次第に屋上へと近付いていく。

不思議と恐怖は無く、あるのは身体中に湧き上がる感情。

その感情のまま屋上の扉を蹴り破った。

蹴り破った先に居た存在に自分の中の何かが弾け飛んだ。


「え!?」


突然の光景に目の前の存在は背後を振り返る。

其処には金髪の女性『シャマル』が居た。

突然の出来事に唖然としている。

シャマルはその少年に見覚えが有った。

数日前に偶然リンカーコアを持ち、奪い取った少年。

しかし、何故此処に居るか分からず疑問だけが浮かび上がる。


(あれは……)


だが、勇人のバリアジャケットと右手に持つデバイスを見て理解する。

彼は魔導師になったのだと。

視線を下ろし、脇に抱える闇の書を見る。

此処で勇人を倒す事を決意するシャマル


「此処に来るとは其れ相応の覚悟が有って来たんですか?」


シャマルは厳しい口調で問い掛ける。

だが、勇人は何も言わず肩を震わせるだけ。

怪訝な顔付きで見詰めるシャマル。


「ようやく……ようやく見つけたぁ!」

「ッ!」


今まで溜め込んだ怒りが遂に噴出した。。

両目は据わった状態でシャマルを睨み付け、口角を吊り上げる。

喜びとも怒りとも似た表情。


「イケロス!」


勇人の叫びと共にカードリッジが一つロードされ、刃に深紅の魔力光が纏い始める。


『ブレードスラッシュ』


刀を横薙ぎに振るい、シャマル目掛けて斬撃が放つ。

シャマルは咄嗟に飛行魔法で回避する。

その表情は驚きで染まっていた。


「行き成り何するんですか!?」

「うっせえんだよババア!」

「前より酷くなってる!?」


両目に涙を溜めて、必死に訴えかけてくるシャマル。

だが、今の勇人にはそんな訴えも届かない。

勇人の思考は今シャマルをぶっ飛ばす事しか考えていない。


「あぁ! うっせえんだよ! てめえがオバサンだろうがババアだろうが知った事か!」

「今のは聞き捨てなりません! 女性なんて事を言うんですか!」

「知るかボケェ!」


シャマルの叫びを遮るように深紅の斬撃を投射。

しかし、難なくシャマルは移動しながら回避する。


「逃げんな!」

「当たったら痛いじゃないですか!」


尚も深紅の斬撃を投射していく勇人。

シャマルは斬撃の回避しながら観察する。


(たった数日で魔法を覚えるなんて……)


斬撃が押し寄せて来る中を掻い潜り、シャマルは勇人の周囲を移動していく。

勇人は一歩も動かず、ただシャマルの居る位置目掛け放つ。


『どうするんだよ? このまま空に逃げられたら対処できねえぞ』

「言われなくて分かってんだよ!」

『なら、どうするんだよ?』

「どうもしねえ! ぶっ飛ばすだけだ!」


形振り構わず放っていく勇人。

シャマル目掛けて打ち続ける。


「チッ……」


だが、徐々に斬撃が小さくなっていく。

シャマルは斬撃の大きさを感じ取りながらも、回避していく。


「……どうやら此処らへんが潮時ですね」


冷静な口調で告げられた事実。

連続して撃てば当然魔力の消費が激しい。

それに数十分前まで特訓行ってた為、普通の消費よりも早い。

勇人は唇を噛締める。


「誰が潮時だぁ!」


カードリッジが三つ消費される。

そのまま刃に魔力を通し放つイメージを作り始める。

今まで以上に魔力光が覆われ、輝きを増していく。

シャマルは目を大きく見開く。


「そんな事をすればあなたの身体が!」


しかし、勇人の身体中に駆け巡る魔力。

無理な魔力の増幅に身体中を悲鳴を上げ始める。


「ぐぅ……まだ終わってねえんだよ……」


痛みに必死に耐えようと唇から血が流れるほどに強く噛締める

魔力光を必死で維持し、刃を翳す。


「ふっ飛びやがれ!」


そのまま力一杯横薙ぎに振るい、斬撃を投射した。

今までとは比べ物にならない大きさの斬撃がシャマルに向かっていく。


(躱し切れない!)

『パンツァーシルト』


シャマルは左手に三角形のシールドが浮かぶ。

身体中に響き渡る衝撃。

魔力の斬撃はシャマルの身体を飲み込んだ。

勇人はその光景に見届けると、両膝を地面に着く。

息遣いが荒く、バリアジャケットの構成が次第に解けていく。


「……大丈夫か?」

『それはこっちの台詞だ。あんな無茶な事しやがって』

「……そうだな」


爆煙に包まれたシャマルを見詰める。


「……此処まで実力の差があるとはな」


次第に晴れていくと其処には左手を負傷したシャマルの姿が有った。

ゆっくりと勇人の居る場所へ着地する。

その表情は険しく、何処か悲しみを帯びていた。


「まさか数日であんな大技魔法を覚えるなんて」

「……あれは唯の偶然の産物だ」


勇人は既に抵抗するだけの魔力が無く、バリアジャケットも解けている

シャマルは抵抗の出来なくなった勇人を見下ろす。

不意に勇人の口元が緩む。

怪訝な顔付きで勇人を見詰めた瞬間。


「そこまでだ」


シャマルの背後から少年の声が発せられた。

勇人はため息を零し、ゆっくりと声の先を見詰める。

其処には杖を突き付けるクロノの姿が有った。


「まったく、君も随分と無茶をするんだな」

「うるせえ。お前の方こそアレだけ撃ったのに来るのが遅えんだよ」

「仕方ないだろ。アレだけ撃てば寧ろこっちまで巻き込まれかねないよ」

「はいはい」


勇人はゆっくりと立ち上がる。

シャマルは二人を交互に見比べ、苦々しく呟く。


「これを狙ってたんですか?」

「狙ってる訳ねえだろ。唯の偶然だ偶然」


勇人は口元を緩めながら、肩に刀身を置く。

だが、そんな勇人を他所にクロノは険しい表情だった。


「捜索指定ロストロギアの所持、使用の疑いであなたを逮捕します。抵抗しなければ武装の解除を」


その内容にシャマルは息を飲む。

勇人はその光景を静かに見守っていた。

すると、何処からか近づいてくる音がした。

其処には白い仮面を付けた男がクロノに近付いてくる。


「クロノ避けろ!」

「え……っ!」


咄嗟に反応するもクロノは腹に蹴りを入れられ、隣のビルまで蹴り飛ばされた。

直ぐに仮面の男は標的を勇人に定め突進して来る。

勇人は刃を振り上げようとする。

しかし、仮面の男は身体を右に反らし躱し、顔面目掛けて蹴る。


「グッ……(なんつうパワーしてんだよ)」

「ふっ!」


咄嗟に左腕で防御するものの勢いよく、ビルの外へと弾き飛ばされた。

その先にビルも金網も無く、地面へと落下していく。


「クソッ! 身体が動かねえ」


先程の魔法の影響もあり、身体中悲鳴を上げていた。

壁に刃を突き、減速させようにも腕が動かない。

もう目の前には地面が見えていた。


(ちくしょう!)


眼前まで地面が迫った瞬間、突然足が引っ張られる感覚に襲われる。

気になって恐る恐る見上げる。

其処には勇人の右足首を掴んだ神楽の姿が有った。

眉間には何時も異常に深く刻まれた皺。

不機嫌さが手に取るように分かった。


「おい……無茶も大概にしろ。でないと、本当に命を落す気か」

「うぅ……」


神楽の怒気を含んだ口調で言う。

しかし、その視線は冷たく鋭かった。

思わず萎縮する勇人。


「まあいい。それより闇の書は?」

「……悪い、無理だった」

「そうか」


そのまま勇人を地面へと下ろす。

勇人は不意に結界内を見ると、徐々に目が見開いていく。


「おい。何だよアレ?」


結界内では黒く淀んだ柱が降り注ぐ。

そして、紫色の雷が落ちた。

雷によって結界内の全ての建物が吹き飛ばされ、呆然とする勇人。

神楽は小さく舌打ちをする。


「どうやら闇の書の力を一部使ったらしい」

「あれで一部?」

「ああ……」


あまりにも圧倒的な力。

闇の書の底知れぬ力に恐怖を抱く勇人。

すると、崩れた結界後より三つの光が浮かぶ。

光の中にはなのは、フェイト、アルフが包まれていた。

その光景に勇人は安堵の息を吐く。


「エイミィ、聞えるか?」

『その声、神楽少将!』


神楽は通信機器でエイミィへと繋ぐ。


「連中の足取りを終えるか?」

『すみません……ジャミングが掛かってて追跡出来ません」

「そうか。これから高町やテスタロッサと合流する」

『分かりました』


通信機器の電源を切り、視線を勇人に移す。

其処には空を見上げたまま動かない勇人。


「どうやら奴等に逃げられたらしい。これからリンディの家で今日の出来事を纏めるぞ」

「ん……分かった」

「ちゃんと後から付いて来い」


なのは達と合流を果たそうと、神楽は移動を開始する。

勇人は未だなのは達が居た場所を見詰める。

守護騎士と互角に渡り合える強さを持つなのはやフェイト。

こんなにも圧倒的な力の差に愕然とする。

自分が得た力は余りにも脆く、無力だった。


「何でこんなにも無力なんだよ」

『……さあな』


自分の手をじっくりと見詰める。

悔しくて表情が歪み、唇を噛締める。


「何で力がねえんだよ……」


頬に一筋に涙が零れ落ち、小さな呟きも虚空へと消え去った。







































あとがき


どうも、シリウスです。

勇人対シャマル……決着です。

これからどうなるか不明です。

現状では誰にも勝てないです。

では、拍手が届いてるので返信します


※シリウスさんへ面白いです。頑張って下さい。

ありがとうございます! そう言って頂けて本当に嬉しい限りです。

その一言で私の心も癒されます。



では、此処までお読みくださって皆さん、ありがとうございます

これにて失礼します。





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