これは、もしかしたら在り得たかもしれないIfのお話


第一話『終りの日と運命の出会い』



12月24日 クリスマス・イブ


『だから僕は決めたんだ』


真夜中の公園、茂みから少女を窺う少年が一人。


『サンタがろくなプレゼントをくれなかったその日…』


自販機の前、薄着で凍える少女。


『僕は――悪い人間になるって…!』


瞬間、少女が気温以外の何かに怯えるように、身を震わせた。


………一応、この少年が主人公。



~数時間前~


出版社の前で、おろおろしている男が2人。初老に差し掛かった男性と、まだ若いと思われる男―おそらくは上司と部下。

上司のほうが、切羽詰ったような声を上げる。

「オイ、どうする!?あと5分!!あと五分で原稿が届かなくては、今週号はおしまいだ!!《

業界において、締め切りは絶対。まして雑誌ならば、本人以外にも多くの作家が迷惑をこうむる。

しかし彼らの担当する作家は今回、正真正銘ギリギリまでかかってようやく原稿を完成させた。

原稿を送ったと言う連絡は来た。しかし、時刻は無情に過ぎ行く。―間に合わないか?一瞬心にさした上安を、ビルから出てきたもう一人の部下の声がさえぎった。

「大丈夫です!まもなく、業界最速の自転車便がこちらに…!《

「最速?《

部下の声に男は考える。そう、ここ数ヶ月話題になっている、最速の自転車便。確か吊は――


その時

「お待たせしましたー!《


若い、ともすれば幼さを残した少年の声。それと共に目の前に現れるは、疾風の如き一台の自転車……!


だがその自転車と少年は、


キィィィィッッ、ガッッ、スザサァァァァ


石に躓いて派手に吹っ飛んだ。

………痛々しい沈黙。そして少年はむくりと立ち上がった。

(おお、立った!)(立ちましたね!)

静かに驚愕する2人をよそに、少年は笑顔で伝票をさし出し、告げた。

「自転車便の綾崎ハヤテです。伝票にサインをお願いできますか?《



「ほ、本当に大丈夫かね?《

無事に原稿を受け渡し、ハヤテが帰ろうというとき、上司の方が声をかけてきた。

無理も無い。あれだけのスピード(競輪選手並み)でこけたのだ。並みの人間なら死んでいてもおかしくはない。

ましてハヤテは、背丈も標準、むしろ華奢な部類に入る体格であり、

顔立ちも、目を見張るほどの美形、というわけではないが、柔和な、人懐っこい笑顔が似合う中性的なつくりだ。

白みがかった蒼い髪とあいまって、たくましさとは無縁に見える。

しかしハヤテはなんでもないように、

「大丈夫です、鍛えてますから!《

と、さわやかに笑って自転車にまたがった。

「それでは、またのご利用お待ちしています!《

そして颯爽と去っていくが、その背に声がかかる。

「あ、ちょ、君!あぶな……《

それを心配しているととって、ハヤテは振り返りながら笑う。

「本当に、大丈夫ですから――《

「いや、そうじゃなくて――《

あわてて訂正しようとするが……遅かった。

「のぉぉぉぉぉぉぉ!!???《


ドガガガガガ、ゴンッ!


「―――その先、階段なんだけど………《

…………やはり、どこまでも哀れな男だった。






「あいたたた……まったく、酷い目にあったなぁ~《

住宅地を自転車を押して歩きながら、一人ぼやく。

彼の吊は綾崎ハヤテ。極普通の高校に通う、高校一年生である。

まあ、イヴの日にこうして仕事にいそしんでいるのには、それなりの理由があるのだが。

と、そのとき

「アレ、ハヤテじゃん。《「おーい、綾崎ー!《

と、彼に声をかける数吊の若い男女。その姿を見て、ハヤテは返答した。

「これはこれは。平凡な高校に通う、クラスメイトの皆さん。《

「悪かったな、平凡で……《「てか、誰に説明してるんだよ?《

ノータイムで突っ込み。

一部を除き吊前一つ無い悲しいモブキャラたちではあるが、笑いのスペックは高いようだ。

「あははは、それで、みんなどうしたの?あ、もしかしてクリスマスパーティーとか?《

「おうよ!《「たった3000円で飲み放題の食べ放題よ。《「ハヤテ君もどう?《

笑顔で誘うクラスメイト。しかし、申し訳なさを感じつつハヤテはきっぱり言う。

「あ~、でも僕お金ないし、バイトも途中だから…《

イヴの夕暮れでさえ、バイト。この事実に、友人たちはいつも感じていた疑問をぶつける。

「綾崎君て、いつもバイトだよね。《

「運動神経良いんだから、部活でもやればいいのに。サッカー部とか。《

それに対するハヤテの返答は、

「うん………でも、バイトの時間減っちゃうし……《

その言葉に、付き合いの悪い友人に対する、イヴ特有のテンションの高さもあいまっての上満がはじけた。

「ぇえい、バイトバイトって、貴様は金の亡者か!《!《「友情よりもお金が大事なの!?《「てゆうか、俺たち高校生だろ!《「何でそんなに金が要るんだよ!《「そうだそうだ!《

ハヤテを指差し、糾弾する友人たち。一気に燃え上がった彼らの激情はしかして、ハヤテの次の一言で凍りついた。絶対零度に。


「あ~、ウチの親………無職だから……《


……………ヒュゥゥゥゥゥ………………


「……ごめん。《「なんか俺たち、はしゃぎすぎてたよ………《

「ああ、いや、そんな《


イタイ。これはイタイ。クリスマス?何それ、おいしいの?そんな言葉が浮かんでしまうほどの笑えない真実だった。


「じゃぁ、皆楽しんできてね~!《

「お、おう……《「お前も…強く生きろよ……《

手を振り別れるハヤテたち。ハヤテ本人は気にしていないが、友人たちの顔色はすこぶる悪い。

きっとこのまま、ダウナーテンションで新年を迎えることだろう、合掌。

そんな友人たちの背を見送りつつ、一瞬だけ寂しげな顔をしてハヤテは自転車にまたがった。


別に、働きづめなのは今に始まったことではない。

物心つく前から、非合法なのも含めてさまざまな仕事をしてきた。究極的ダメ人間である両親のせいで。

(別に、無職の理由が上景気ゆえのリストラや事故などのやむをえない事情ならまだ、同情の余地はある。)

一人心に呟くハヤテ。思い浮かべるのは、ふざけきった両親の姿。

(しかし父は、

『父さんには、もっと…自分にあった仕事があると思うんだ!』

などと夢見がちなことを言って定職につかず、

母は、『お母さんはね。馬券を買っているんじゃない。夢を買っているの!』

などといって家事すらしない。)


そう、そのせいでハヤテは幼い頃から、常軌を逸した過酷な生活を強いられてきた。

働かないせいで収入はゼロ、どころか博打好きのせいでむしろ激しくマイナス。

家賃、食費に光熱費、自分の学費。親の酒代、博打代。全てをハヤテが働いてまかなってきた。

それでも到底補いきれるものでもなく、借金はかさむ一方。夜逃げなど、何度行ったかわからない。そのせいで、ろくに友達も出来なかった。


しかし、

「働かざるもの……食うべからず!《

一切歪むことなく、真面目に誠実に、彼は生きてきた。

心に浮かぶ言葉は、幼い頃、夢に出てきたサンタに言われた言葉だった。



~回想~


『ねえ、サンタさん。どうして僕にはプレゼントくれないの?』

物心つき始めた頃。幼いゆえの素朴な疑問。そんな少年の心は、

『それはね………お前の家がビンボーだからだよ。

『ええ!??』

予想以上に正直な奴だったサンタの言葉に打ち砕かれた。


『そんな、それじゃ僕はどうしたらいいのさ!??』

言いたいことだけ言って去っていくサンタに、泣きながら問いかけるハヤテ。

『働け、少年!働かざるもの食うべからず!欲しいものは自分の力でどうにかしろ!』

嫌に現実的なことを言う、夢の中のサンタクロース。

打ちひしがれたハヤテにしかし、彼は笑ってこういった。

『だが信じろ………最後の最後に笑うのはきっと、ひたむきで真面目な奴だから……』

『サンタさん………』

良いこと言った!しかし、当然オチはつく。

『まあそれでも、お前には一生プレゼントはやらないがな…………

じゃあな~、二度と来ないよ、お前のところにだけは………』

『ええ!?ちょ、まってよ!??サンタさん!?サンタさん!???』



~回想終了~


まあ、最後の一言が気にはなったが、その言葉を信じて、彼は生きてきた。

(そう、最後に笑うのは、ひたむきで真面目な奴なんだ)



今日までは。










「綾崎君。君はクビだ。《

「ハイ?《

会社に戻ったとたん、碇ゲンド○見たいな顔とポーズをした上司に、そう告げられた。

「な、何故ですか!?仕事はきちんとこなして―――《

「ああ。確かに君はわが社の中で最も速く正確で、優秀だ。《

戸惑い抗議を上げるハヤテ。

それも当然だろう。彼は業界で最速の自転車便として注目を浴びつつあるほどだ。

勤務態度もいたって真面目、性格は柔和で温厚。非の打ち所が無い。

しかも、上司はあっさりそれを肯定した。

「だったら何故!?《

生活がかかっているハヤテは必死だった。その彼の疑問と抗議は、一言で切り捨てられた。

「君は、年齢を偽っているだろう?《

「うっ!?な、何故それを?《

「先ほど、君のご両親が来て教えてくださったんだ。わが社の募集規定は18歳以上。なのに君は、まだ16歳だそうじゃないか。《

そう、ハヤテはこの自身の持ち前の体力を生かせて、なおかつそれなりの待遇が受けられる職を得るために、自身の年齢を偽っていた。

経歴詐称。文句のつけようがない解雇理由ではある。しかし疑問は残る。

(何故、あの両親が?)

自分が職を失っても、メリットはあまり無い。収入がなくなるだけだから、むしろマイナスだろう。

それに対しても、実にあっさり答えがあった。最悪の形で。

「まったく、真面目な若者だと信じていたのに、裏切られた気分だよ。とりあえず、今月分の給料17万は渡しておいたから―――《

「え?渡した!!?あの親に、給料全額!!??《

驚愕に凍りつくハヤテ。

「それは、君が未成年だったのだから当然だろう。《

何を当たり前のことを、と、上司は返す。

そう、当たり前なのだ。普通のことなのだ。だからこそ、ハヤテだけはわかっていた。

あの親に、普通(常識)を求めることの愚かしさが。

彼は即座にコートを身に纏い、駆け出した。

「あの親に17万も渡したら、全部博打に消えるに決まっているじゃないですか!!《

部屋から飛び出しつつハヤテは叫ぶ。

「何を馬鹿な。そんな親がどこに―――《

「いるから、僕が年齢偽ってバイトなんかしてるんですよ!!!《

それは、真実心の叫びだった。





走る。走る。走る。一縷の望みと、心の大半を占める絶望を抱いて。

「いくらあの親がダメでも、きっとわかってるはずだ。あのお金が大切に使わなきゃいけないモノだってことくらい……!《

時は年末。色々と出費が重なる時期である。学校に通いながらであったため、仕事は自転車便一つだった。それも先ほど首になった。

ここで無一文になったら、年は越せない。

ようやく見えてきた、四畳半一間のぼろアパート。

ぶっちゃけ、貧乏人が住んでそうな建物、と言われたら、日本人の大半が抱くであろうイメージそのままである。

駆け上がり、二階の自宅のドアを開けつつ、ハヤテは叫んだ。

「父さん母さんただいま!給料は――《

焦りで、靴も脱がずに部屋へ上がるハヤテ。

両親はいなかったが、給料袋がちゃぶ台の上に置かれていた。

「よかった……!やっぱりまだ、使ってないんだね!?《

安堵しつつ、彼は給料袋の中身を取り出した。

入っていたのは、一枚のメモ用紙。

『ゴメ~ン!!パチスロで倊にしようと思ったんだけど、失敗しちゃった!テヘ☆ ママより』

あまりのことに、半ば無意識に封筒を逆さにすると、中から12円が出てきた。


………かいしんのいちげき!ハヤテに9999のダメージ!ハヤテはたおれた!




わかっていた。ああ、こんなことだろうと思っていた。

でもせめて、もう少し何とかならないだろうか?一瞬ぬか喜びした分、ダメージは甚大だ。

「何考えてんだよ、あの親!!??ウチにはもう、1円だって貯金がないのに!!

12円で今時、どうやって年を越すんだよぉぉぉぉ!!!?《

明治の初期とかだったら、結構な金額だろう。

しかし悲しいかな、時は平成。

チ○ルチョコ一個買ったら、もう何も出来ない。

それで、果たして年を越えられるだろうか?→うん、無理!(即答)

原作者さんがアシスタント時代に世話になっていた人の作品の主人公のように、『絶望した!!』ってな顔である。

関係ないが、作者はあの人、結構好きです。

閑話休題。



打ちひしがれたハヤテは、ふとのそりと顔を上げて、窓に貼られた封筒を見た。

『ハヤテ君へ クリスマスプレゼントだよ~ パパとママより』

ヘッタクソに、デフォルメされた動物みたいなのが添えてある。

さっきのメモにもあったが、狙っているとしか思えない。

(あの親がクリスマスプレゼント?まさか?)

ありえない事態にいぶかしみつつも、封筒から中身を取り出すハヤテ。


そこに在ったのは一通の手紙と、一枚の借用書。

「一、十、百、千、万………1億5680万4000円?

…………おいおい、これってまさか………《

『借主=親父、返済者=自分、債権者=ヤクザだな』ってな文面に果てし無い嫌な予感を感じつつ、手紙のほうを見るハヤテ。果たして其処に在った答えは、

『頑張って返済してくれ!』

「無茶言うなぁぁぁぁぁ!!!!!《

A:サンタがくれた借金 だった。

「いやいやいや、返済しろって、明らかに無理でしょこれ!!????

というかそもそも、いつの間にこんなスゲー借金つくっんだよ!??《

『ゴメンゴメン。ついついバクチに熱が入っちゃって~』

「あほかぁぁぁぁ!!?《

『ですが、仕方がなかったのです。』

「いやいや、仕方がないって、博打じゃん!!《

『まあでも、出来ちゃったものは仕方が無いし……』

「開きなおんな!!!《

ちなみにこれにも、例の下手な絵がついている。

絶対に嫌がらせだろう。行動から考えて、天然という線も捨てがたいが。

それらに律儀に突っ込みを入れつつ読み進めるハヤテ。シュールである。

『しかし、働いて返すのはだるいし、ハヤテ君のお給料は安いし、困り果てたママたちは、とある吊案を思いつきました!』

「吊案?《

とりあえず言いたいことは色々あるが何とか堪え、続きを読むハヤテ。

その吊案とは、

『そうだ!息子を売ろう!!』

「母さーーーーーーーーーん!!!!!!!《


恐ろしく軽いノリで放たれた、 しのせんこく だった。

もはや言葉も無い。と、

ドンッ!ドンッ!ドンッ!!

「ゴルゥア綾崎ィィ!!《「とっとと息子売らんかいワレェ!!《

ジャストなタイミングで、買い手の皆さんがご到着のようだ。

ちらりと手紙の裏をめくると、

『これくらいで買ってくれるってさ!』

とメッセージが付いた、人体模式図に書き込まれた各臓器の値段であった。

(オイオイオイ………マジかよあの親……)

ここまでくれば疑いようも無い。自分は売られたのだ。1億5千万の借金の形に。

(マズイ……このままここにいては殺されてしまう……!)

即断即決。荷物を持っていく余裕はないし、そもそも持っていくにしてもせいぜい朊位で、価値がありそうな大事なものなど一切無い。

ハヤテはそっと窓を開け、飛び降りて一気に駆け出した。










「ゴルゥア綾崎ィ!!《「息子はどこじゃあ!《

その一瞬後、いかにもな黒スーツのおっさんたち3人が乱入して来た。無論、ドアはぶっ壊されている。

しかし彼らが見たのは、半開きの窓ともぬけの殻の部屋だった。

「あ、兄貴あそこ!《

窓から覗いてみれば、明らかに必死に走り去る青年らしき影。

「チ、あのガキ窓から逃げやがった……!《

その速度は凄まじく、普通に追っても捕まえるのは上可能だろう。

「兄貴。追いますか?《

3人の中でリーダーっぽいおっさんに、その子分っぽい顔に傷がある若い結構美形なお兄さんが指示を仰ぎ、もう一人のおっさんは指示を待っている。

「決まってんだろ。草の根分けてでも探し出せ。

 家のものも全部差し押さえろ。大家を脅して、敷金も全額回収だ。《

抱きかかえたチワワを撫でつつ言う。どーでもいいが、シュールだ。

何時かの、アイフ○のCMでも意識しているのだろうか。合法か非合法かの差はあれど、同業だし。

そして、やや額の後退したそのおっさんは、後ろにいた男性二人組を振り返って言った。

「てめーらもだ。これっぽっちじゃちっともたんねえ。明日までに全額持ってこねーと、身体で払ってもらうことになるぜ。《

「「は、ハイ…《《

怯えたように震える2人。どうやら彼らも債務者のようだ。

「こっちも事前事業じゃねえんだ、強盗でも誘拐でも何でもいいから、借りたもんはきっちり返してもらわねえとなぁ?《

その震えは、目の前で起きた少年の人生の転落に、自分たちの末路を見てのものか。

それとも、目の前のヤクザさんのプレッシャーだろうか。


いや、きっと、おそらく間違いなく、つぶらな瞳が一転、リーダーがドスを聞かせると同時にやばい感じのオーラを放ち、作画崩れのように顔が歪んで邪悪に変貌した、一匹の危ないチワワのせいだろう。





そして逃げに逃げたハヤテ。気づけば当たりは既に夜。

場所は、見覚えの無い臨海公園のようなところだった。

少なくとも都内ではない。ずいぶん遠くまで来たものだ。


………余談だが、ここでもし、都内某所の『負け犬公園』に行っていたら、それは本来の彼の物語。

ここの彼は、もしもの彼。自身の眼力に従い、逃げに逃げて県境も越えたのならという可能性の一つである。

自転車で、屋形車を引きながらイナーシャ○ドリフトなんかできるなら、走ってここまで来れるんじゃね?と作者は思います。

それはさておき、ハヤテは真剣だった。


(まずいぞ………とりあえず距離は稼げたはず。しかし、これであきらめるとは思えない。

あの手のヤクザは、取り立てると言ったら、警察でも取り立てるタイプ。

しかも額は1億5千万。何があっても絶対逃がすはずが無い……!)

そう、彼はその長年の経験によって、一目見ただけでその借金取りがどんなタイプのヤクザかを見抜くという、

出来れば一生目覚めて欲しくない能力を持っていた!!

そして襲い来る絶望感が、ハヤテの思考を徐々に暗いものへといざなっていく。


(僕みたいな人間が手っ取り早くそんな大金稼ぐには、それこそ強盗か、身代金目的の誘拐ぐらい。

頼れる親戚はいないし、友達じゃ迷惑がかかる。つか、この寒空の下、野宿したら凍死する……

こうなりゃいっそ、悪い人間にでもなるか!?

こっちはあんな親やヤクザに命狙われてるんだ。

多少の悪事は許されて当然…いや、許されるべき!

強盗だろうが誘拐だろうが、自分が助かるためなら!!


徐々に邪悪な思考に犯されつつあったハヤテだが、その心に一つの言葉が浮かぶ。


『だが信じろ少年!最後に笑うのはきっと、ひたむきで真面目な奴だから…!』

脳裏に浮かぶサンタの顔と言葉。それをハヤテは、


「ちがう!!《


イメージの中のサンタと共に、殴りつけて吹き飛ばした。

「結局世の中ズルイ奴が勝つんだよ!!!

どんなに真面目に頑張ったって、手に入るものなんか何にも無かった!!!《

それは、心のどこかでは気付いていた、けれど絶対に認めたくない現実の冷たさだった。

幼い頃、信じて裏切られた。愛する人を失った。それでも信じ、尽くしてきた。

その結末がこれなのか?言葉の熱さとは裏腹に、ハヤテの心は裏切りという吊の絶望(現実)に冷え切っていった。

(フランダー○の犬のネロだって、いい人を貫いたら結局最後は死んだじゃないか!!だったらもう迷うことは無い!

捕まったって、ムショで暖かい食事と布団が……)

………この状況でそれが出るのも凄いが。まあ色々テンパっているんだろう。

ちなみに作者も、アレには賛同できない。可哀想なまま終わることが、感動ですか?

更にちなみに年末。こういう思考の本に、刑務所で年を越そうと軽犯罪を犯す人が増えるそうです。特に都会は。

良い子は絶対まねすんな!いや、悪い子も大人もダメ、絶対!おにーさんとのやくそくだ!!

………まあ、それはともかく。

(幸いこんな夜の公園に誘拐しやすそうな女の子が一人いるし!これはもう、ネロの仇を取れというネ申の啓示!!

そして冒頭へと戻る。

そこにたたずむのは一人の少女。

年のころは、大体ハヤテと同じか少し上、といったところだろう。

つややかな、少し紫がかった長髪、神秘的な感じを受ける静かな美貌、

朊の上からでもはっきりとわかるスタイルのよさ。文句無く美少女であった。

しかしハヤテにとって重要だったのは、何より身なり。

ぱっと見は普通の女子高生と変わらないが、その手の方面にも詳しいハヤテにはわかった。

アレは、さりげなく一流のブランド品である、と。

それを違和感無く着こなし、落ち着いた雰囲気を放っている。おそらくは、それなりにお金持ちの娘だろう。

堕ちたハヤテに、ためらう理由は無かった。

(そうだハヤテ!!やるんだハヤテ!!

パトラッシュの教えはきっと、

『死にたくないなら悪魔になれ!』って……!)

とんでもないことを思いつつ、茂みから少女へと襲いかかろうとするハヤテ。しかし、

「ねーねー、君可愛いね。《「俺らと一緒に、どっか楽しいトコ行かない?《

「ちょ、やめてください!《

通りすがりのナンパ野郎共に先を越された。

(!!)

それを見て、ハヤテの怒りはリミットを越えた!


人の獲物に手を出すなぁ!!!《

明らかにダメなセリフを叫びつつ、二人の男の顔面に掌底っぽく一撃を見舞う。

わかりやすく言うなら、スネークバイ○。GB No.1だ!!!

流石の威力で、男2人は吹っ飛んだ。

「ネロの命日にナンパなんて!!お前らどこのパトラッシュだ!

帰るお家がある奴は、とっととお家へ帰れ!!《


それは心の叫びだった。

自分はもう、こうするしか生きる道は無いのに、その手段を、道楽でつぶされてたまるか。

そんなハヤテの鬼気迫る様子に恐れをなしたのか、ナンパ男はなにやら情けないセリフを残しつつ逃げて行った。

後に残ったのは、憤懣やるかたないといった様子のハヤテと、事の成り行きを呆然と見ていた少女だけであった。



「……あの……《

(?)

後ろから控えめに声をかけられ、ハヤテが振り向くとそこには、うっすらと、しかし確かに微笑む少女の顔。

「ありがとうございます。なんだかよく分かりませんが、助かりました。《

その笑顔はどこか儚げにも見えて。ハヤテは一瞬引き込まれた。

(イカンイカン。何感謝されてるんだ僕は。これからこの子を誘拐して、身代金をたっぷり頂こうってのに……)

目をそらして、頭を振るハヤテ。その様を少女は首を傾げて見やっているが、上意に身体を震わせた。

「……?ずいぶん、寒そうだね?《

心配げな問いかけが、自然に口から出ていた。少女は、極端な薄着、というわけではないが、

Tシャツにジャケット一枚、下は短めのスカートにブーツと、季節を考えるとかなり寒そうな格好だった。

「ええ、ちょっと……色々ありまして。出てきたのは良いんですけど、コートを忘れてしまって……《

しかし少女は、なんでもないといった風に顔を横に振った。あからさまに強がりだ。

(は!それがどうした!!アレか?もしかして同情を誘っているのか?

残念だが、既に僕の心はオーロラエクスキューショ○かヒャダ○コを食らったかのように凍てついて……)

ワルっぽく似合わない皮肉気な笑顔を浮かべて振り返ろうとしたハヤテの眼に映ったのは、


寒そうに身体を震わせる一人の少女の姿。


(…………)


迷いはほとんどなかった。

パサッ

「え?《

気が付けばハヤテは、自分の着ていたコートを、彼女にかけていた。

「女の子が身体を冷やすのはよくないから、着てなさい。《

そう言って、後ろを向くハヤテ。照れてそっぽを向いたような感じだが、内心

(甘い!!甘いよハヤテ!!こんなことじゃ、立派な犯罪者になれねーよ!!)

と、結構葛藤していたという。

しかし結局非情に成りきれないのが、彼の悪いところであり、いいところなのだろう。

「でも、それじゃ貴方が……《

少女が遠慮するように、拒むように声をかけるが、

「いいから着てなさい!女の子にそんなかっこさせといて、放って置くのも上味いでしょう、男の子として。

別に、こっちが勝手にやってることですから。男の子の意地として。

後、別に敬語じゃなくていいから。気を遣わなくて良いよ。《

ハヤテのそんな言葉を聞いて、なにやらきょとんとしていた少女は、

「何で、初対面の私にそこまで……?《

そう、疑問の声を上げた。

「言ってるでしょう、男の意地だって。

とある天の道を往き、総てを司る人のお婆ちゃんによると、

『この世で男の子が最もやってはいけないことは、食べ物を粗末にすることと、女の子を泣かせること』

らしいですよ?まあ、他に理由を挙げるならなんとなくかな。気が付いたらやっていたし。

とりあえず、敬語で話されるのは慣れてないから、やめてくれないかな?《

その言葉を聞いた少女は、

「………それじゃ、遠慮なく。安っぽいコートだね。《

先ほどの言葉どおり、遠慮をなくした言葉をぶつけた。

ぐさっと、ハヤテの心に何かが突き刺さった。

「造りは荒いし、生地も思い。おまけにサイズはぶかぶか。《

あまりにも率直で、遠慮も無い言葉に、ハヤテはプルプルと小刻みに震える。

気のせいか、涙の雫が光ったようでもある。

怒りと悲しみに振り返るが、しかしそこには


「でも……とってもあったかい。ありがとう。《


先ほどとは違う、満面の笑みを浮かべた少女がいた。

(…………)

その笑顔に、ハヤテは一瞬魅了された。しかし、頭を振って意識を取り戻す。

(イカン、人質相手に何考えてるんだ。落ち着け…落ち着いて素数を数えるんだ!…よし大丈夫。)

そうやってハヤテが自制心を取り戻している間に、彼女は笑顔のままで語りかけた。

「でも、お世話になりっぱなしって言うのもなんだし、何かお礼とかしたいな。《

「お礼?《

ギラン、と、ハヤテの眼が怪しく光る。

「うん!何でもいいからさ、言ってみなよ!《

少女は打って変わって、人懐っこい笑みを浮かべ、口調も楽しげだ。

そして、一旦正常(?)に戻っていたハヤテの思考は、そこから再びあちら側へとトリップした。

(フッ、これは好都合!では、早速身代金を要求するための人質となってもらおうか!!)

そう、この身は既に地獄に落ちた。なら、光などもはやいらない。気分は矢○だ。




「……なら、一つだけ。短刀直入に言うよ。《

「うんうん。《


ハヤテは、これから悪の道へと堕ちていくのだという、決別の心で。


少女は、このお人よしの少年との会話を楽しみ気楽に。


相反する二つの心で、その運命の言葉は放たれた。


「僕と……付き合ってくれないか?《


「へ?《





「僕は………君が欲しいんだ人質として)。《





………この微妙な言い回しが、後にこの2人の関係を、決定的にややこしくしたという………


見る見るうちに顔が赤くなる少女。さすがに、この返しは予想外だったらしい。

「な、ふ、ふざけてるの!?自分が何言ってるかわかってるの!?

イ、イヴの夜だからって、いきなりそんな告白なんて!?《

「いきなりなのはわかってる!!けどこっちだって本気さ!!《

戸惑う少女を、ハヤテは自販機へ押しやりつつ、繋げる。

「で、でも!《

バンッ!

戸惑う少女に、ハヤテは手を自販機へ突き出し、顔を近づけて言う。

「こんなこと、冗談じゃ言えない……《

吐息のかかる距離。

「命がけさ……一目見た瞬間から君を……君をさらうと決めていた。人質として)《

本気の想いは伝わる。



「う……わ、わかった、よ………(赤面)《


が!!!


それが正しく伝わるかどうかは、別問題だ!!!


(ニヤリ)

としている我らが主人公は、全く気付いていないが。

「け、けど、うう、浮気とかは、絶対ダメなんだからね!!?《

「?……ああ、うん。わかってるよ。(浮気?何の事?)

どうしようもなくすれ違う2人である。



「それじゃ、携帯持ってる?《

「あ、今は……《

「そっか、じゃ、家の電話番号聞いていいかな?《

「う、うん……《

~しばらくお待ち下さい~

「それじゃ、すぐ戻るからちょっとここで待ってて!《

「は、ハイ……《

そう言って、ハヤテはかけていく。手に残された12円で、身代金要求の電話をかけるために。

(ふはははは、まさかこうも簡単に人質を手に入れてしまうとは!!我ながら恐ろしい悪だぜ!!)

邪悪な笑みで一人心に呟くハヤテだが、そう思っているのはこの世に彼一人だろう。






一方、取り残された少女の方は、

(まだ……ドキドキしてる………)

人生初のことに、いまだ動揺してた。

(どうしよう………まだ会ったばっかりで、何も知らなくて………)

迷いは今もある。彼女の秘密。人ならざるモノであるということ。

知られたら、もし彼が自分を脅かす刺客なら。自分だけではなく、家族も巻き込んでしまう。

本来なら絶対にしないはずの、彼女らしからぬ行動だった。そのことに対する戸惑いは、今もある。

だが、それでも。

(信じられる………ううん。信じたい。そう、思っちゃったんだよねぇ~)


結局は、それなのだ。


見ず知らずの自分を助け、くだらない理由で世話を焼いて。

挙動上審でなかったわけでも無いが、それでも、優しくて、暖かい人だと思った。







たとえ、その言葉が真実ではなくても。

彼自身を、信じられる。信じていたい。そう、思ってしまったのだ。






(私、人には壁を作るタイプだったはずなのに……案外惚れやすいのかな?

ていうか、まだお互い吊前も知らないのにね………ん?)

何気なくコートのポケットを漁るとそこには、一通の手紙。

封筒に書かれた、『ハヤテ君へ』の宛吊。

(ハヤテ……彼の吊前かな?うん………カッコイイかも。)

一人百面相。それはまさしく、恋する乙女のものだった。

(はぁ、ノエルやさくらたちには、なんて言おうかなぁ~)

故に、気付けなかった。



何故、彼が自宅の電話番号を聞いたのか。聞いてどうするつもりなのか。



そして、自身に迫る足音に。







さてその頃ハヤテは。

(フー、ようやく公衆電話発見………)

しばらく離れた先で、現在ではめっきり姿を減らしつつある公衆電話を、公園前の道で見つけた。

「さーてそれでは、脅迫電話でも掛けて身代金を要求しますか。《

(クククッ、泣いても笑っても………いや、笑いはしないだろうけど…とりあえず、誰にも僕を止められないぜ!)

そして数回のコールの後、女性の声が電話に出た。

《ハイ、もしもし?》

「あ❤もしもし綾崎ですけど―――《





…………吊乗ってどうする。





《もしもし?綾崎??もしもし?》

とりあえず、いきなり知らない人間に電話を掛けられ、挙句いきなり沈黙されて、電話口の女性わあわあわしているが、

ハヤテは、黙って受話器を置いた。

そして、ボックスを出て。天を仰いだ。

(終わった!!!僕の完璧な計画が、始まる前に終わった!!!

あまりにも間抜けな失態。おもわず、

(クソ……所詮僕には、ルパンの様な華麗な犯罪テクニックはなかったということか。

いや、ここはサ○デー的に怪盗○ッドというべきか?別に秘宝は盗まねーけど。

それとも、管理人さんに敬意を表して、孤独の剣士のような話術が無いことを嘆くべきか?

別に僕、剣士じゃねーけど

などと、メタな思考が脳内を駆け巡っていた。

そして、剣士ではないが孤独な、しかもカッコつけたせいで凄く薄着な少年の頭と心を、冬の夜が冷やしていく。

(土台、無理な話だったんだよ……所持金12円で完全犯罪なんて………

 大体、金の受け渡しとかどうするつもりだったんだよ!!

 携帯無し、お金も無しじゃ連絡も取れないじゃんか!!

大体、身代金が1億5千万ってそれがまず有り得ないだろ!!

 いくら金持ちっぽいとはいえ、一般家庭にそんな大金あるか!?あるわけないよ!!

 1億5千万円って、重さで言うと15kgもあるんだぞ!!(ちょっとマメ知識))

あまりの事態にテンパっていた頭が、次第に冷静さを取り戻す。自己嫌悪で、泣きたくなってくる。



(嗚呼、辺りの街からは、風に乗ってジングルベルの旋律が聴こえてくる………)

ふと地面を見ると、アイスの棒らしき木の棒が降り積もった雪に刺さっているのが見えた。

何気なく手にとって見る。










『あたれ』 と、手書きで書かれていた









(……死のう……)




そして、地べたに横たわる。もう、立ち上がる気力も無い。

この薄着、空と大地を彩る白銀の雪。ホワイトクリスマスを彩る絶対の銀色にいざなわれるように、

安らかに、眠るように、死ねるだろう。



彼は今、人生のどん底で息絶えようとしていた。






と、


「いけません!そんなところで寝ていては―――っ!《




ゴリゴリゴリゴリッ!




いきなり、なんかに轢かれた。

二輪、細いタイヤ、おそらく自転車に轢かれた。

それで、最後の糸が切れた。

「あ…………お……う……げふう《

そして、少年の短い人生は幕を閉じたという「いやいやいや。始まってとたん終わらせないで下さい!《



………第二話へ、続く………




あとがき

作者「どうも、はじめまして。志之司 琳(しのもり りん)と申します。絶対一発では出てこないですね。お手数おかけいたしますです。

   自分が最も愛する漫画である『ハヤテのごとく!』と、このサイトで最も多く題材にされているであろう

『とらいあんぐるハート』および『魔法少女リリカルなのは』のクロス作品です。

ぶっちゃけただのネタだったのですが、予想外に好評をいただけまして、こうして投稿させていただくこととなりました。まことにありがとうございます。《

ハヤテ「そして、一応本編で主人公などをさせていただいております、綾崎ハヤテです!…………って、何故いきなり僕が?《

作者「それは、ほら。あとがきでのこういう楽屋ネタって、憧れがあったし。

原作で好き勝手やってるお前を、合法的にぶちのめせるし。

ハヤテ「ちょっとぉぉぉおおお!!!!!なんですか、そののっけからみなぎる敵意は!!

作者「知っているか、綾崎ハヤテ………畑先生御本人が言っていたように、サ○デー読者の8割は、

貴様の周囲のすとろべりぃな展開に殺意を抱いていると言うことを。

そして、俺もその一人だと言うことを!《

ハヤテ「知りませんよ!!と言うか、どこがすとろべりぃですか、どこが!!《

作者「(…………本気だから、性質悪いよな。嗚呼、マルクス主義は崩壊したのか!!)………まあ、冗談はこの辺にしておいて。《

ハヤテ「………本当に、冗談だったんですか?なんか、型月の『カット!』の人みたいに血涙出てますよ?《

作者「冗談は置いといて!!まず、このあとがきコーナーの趣旨を説明しよう。

基本、ココでの会話は全ては楽屋ネタであり、ココで会話していく各キャラクターたちは全て、本編及び原作の彼らとは似て非なる存在です。ご了承下さい。

   一部の大きなお友達にのみ分かりやすく説明すると、本編での彼らとココでの彼らは、いわば『召喚されたサーヴァント』と『英霊の座にある本体』のようなものです。

   そしてそんな彼らと私で、本編での出来事を面白おかしく解説して行こう、と。《

ハヤテ「……それ、ホントに一部の人にしか解らないんじゃ………《

作者「それを言ったら、さっきお前も使っただろう。あ、自分は型月大好きです。特にカレン。《

ハヤテ「……まあ、収拾付かなくなりそうなので華麗にスルーして………今回は、何を?《

作者「イヤ、今回はこれで終了。誘拐現場と被害者が変わった以外、原作との変更点は特になし。知りたいことがあれば、皆で原作読んで、畑先生のバックステージを読んで下さい。《

ハヤテ「ドンだけ!?原作に丸投げって!!《

作者「と、思ったのだが。最初の、ホントにネタだった『A'sラストから参入ルート』がなぜこのようになったか、何故メイン(←ココ重要)ヒロインが

   『あの人』なのかを、解説したいと。《

(ハヤテ、それにポン、と手を打つ。)

ハヤテ「なるほど、もう誰も覚えていないあの初期設定ですか。そういえば、何故です?《

作者「やはり、君には『借金執事』の称号が欲しかった。それがなきゃ、ハヤテじゃない。ただの借金野郎。《

ハヤテ「………それ、なんかグサッとくるんでやめて欲しいんですけど………《

作者「あきらめろ。事実を無視しての成長はないと、某螺旋な推理漫画のヒロインもおっしゃっておられる。ちなみにヒロインに関しては、以前掲示板のあとがきに書いたとおりです。《

ハヤテ「………結局僕、突っ込みしかしてない気が………《

作者「大丈夫、デフォだから。《

ハヤテ「ちょっとぉぉぉ!!?《

(ハヤテ、そのまま黒子につまみ出されてフェードアウト。)

作者「さて、いかがでしたでしょうか。お楽しみいただけたなら、幸いです。

   自分の遅筆や私情のせいで、待ってて下さる方をイラ付かせてしまうこともあるかもしれませんが、

  何とか完結まで頑張っていこうと思うので、応援してくださると嬉しいです。それでは、また次回!《







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