『20XX年△月〇日京都府京都市XX区そこに建つアパートの一室にこの話の主人公となる人物がいる。
ちなみに話している私はこの世界の神の1注である。あ、ごめんなさい、偉そうにしてごめんなさい、ちゃんとまじめにやります。
だから戻るを押さないで〜』


少女もとい神様半泣きで懇願中。
いかな神とて冷たい視線はつらいものがあるのだろう。とりあえず神様が元に戻るまで待って頂きたい。


数分後


『では早速行ってみようと思います。』

やっとのことで回復した神様はそう言いながらアパートの中に入って行く。そして一つの部屋の前で立ち止まった。

『ただいま主人公の部屋の前に来ています。では、入ってみましょう。』

ガチャ、キー、神様なので鍵なんてあって無いようなものなのか鍵は全く抵抗せずに開いてしまった。

『うわ、汚なっ!!』

主人公の部屋は服や雑誌や細長い袋やらでごった返しており、お世辞にもきれいとは言えなかった。
いや、最近の男の一人暮らしってこんな感じだと思うのだが、そんな部屋の様子を見て思わず神様はこう言ってしまったが……

『でもまあ、食べ物ゴミまでは落ちてないから良しとするか』

神様は以外にも小さな事と気にしなかった。それでいいのか神様?
さっさと部屋の中に無断侵入した神様は目的の人物の元に辿り着いたのかとある人物の所までやってきた。
当然その人物は眠っているが神様は関係なしにとある準備を始めた。……寝ている人物を起こすための準備を。

「zzzzz」

『さてと、それじゃあ早速始めますか、ん〜こほん、目覚めよ、目覚めるのだ刀夜』

神様は威厳のある声で主人公を呼んだ。ちなみに主人公の名前は鉄 刀夜(くろが(くろがね とうや)、現在18歳の高校生である。
彼女は……出来たこともない。

『目覚めるのだ、刀夜!!』

「zzzzz」

『……』

神様の威厳ある声も爆睡してる刀夜には全く届いていなかったのか刀夜は全く起きる気配がない。
むしろその顔は憎たらしいほど幸せそうな顔をしている。

「zzz」

『・・ろ』

神様の様子がどんどん変化してきている。怒りが湧いてきているのである。それなのに刀夜は起きる気配は全くない。

「zzz」

『起きろ!!この馬鹿!!』

ついに神様の怒りが爆発した。
神様の沸点はそれほど高くないようである。

「!!うわあ!!!!」

刀夜はその大声に跳ね起きた。
流石に爆睡していても近くで大声を出されていて眠っていられるほどの胆力は持ち合わせていないのだ。

『ようやく起きたな、この馬鹿野郎』

神様は額におもいっきり青筋を浮かべて刀夜を睨みつけている。
怒りの矛先の人物は状況が把握できていないのでいきなり大声を出した神様に向って首を傾げている。

「???」

『ん?まだ状況が理解できてないようだな』

そりゃあそうである。これで状況が理解できるやつなんかいるわけがない。いるのならばそいつはきっとエスパーだろう。

『それもそうだな』

「誰にゆうてるん?」

『気にするな』

「さ、さよか」

刀夜の疑問を神様は気持ちが良いくらいに一刀両断した。
刀夜はそれ以上何も言えなかったので神様はさっさと続きを言うことにした。

『じゃあ状況説明から始めるぞ?』

「あ、その前に!」

神様が説明をしようとした瞬間刀夜が神様を制止した。神様は話の腰を折られたので多少機嫌悪く言葉を返した。

『何だ?あまり時間がないのだが』

「あんた、誰や?何で俺の部屋におるん?」

自分の家、それも自分の部屋に知らない少女が勝手に入り込んでるのである、刀夜の疑問は当たり前のことと言える。
その疑問に対して神様は当たり前のように、

『私は神である』

神様はうっすい胸を張って先ほどの冷たい視線を浴びたセリフを言った。
当然刀夜の視線は冷たい、きっかり時計の長針が一周してからようやく刀夜はその重い口を開いた。

「は?」

刀夜はもっともな返答をした。
当然である、いきなり自分の部屋に侵入してきた少女が『私は神である』なんてセリフを言うなんて普通ありえない。
それこそキチ〇イや変〇のすることである。

『誰がキ〇ガイや〇態だって?』あなたです。(即答)

「とりあえず、あんたがキチガ〇でも変〇でもどっちでもええわ」

刀夜は壁に立てかけてあった細長い袋に手を伸ばし、その中身を出し始めた。
その顔は髪の毛に隠れて見ることが出来ない、正直不気味である。

「二つ確かなことがある……」

刀夜が細長い袋から取り出したもの、それは……

「あんたが不法侵入者ってこと……そして……」

白木でできた柄と鞘に覆われた日本独特の製法により作られた剣“日本刀”である。
刀夜は日本刀を即座に構え、神様に向って抜き放った。

「俺の安眠を邪魔したってことや!!」

居合による一撃は正に閃光の如き一閃。
しかし、刀夜が放った一閃を神様は後ろに下がって避けた。
部屋の中に空気を切り裂く音だけが鳴り響いている。

『い、いきなり何するのよ!危ないわね!!』

「何いってるんや!いきなり人ん家に入りこんで人の安眠妨害したやつは俺論にて悪や!!よって斬る」

『死んじゃうわよ!!しかも何よそれ!私は神よ!!神が悪なわけないでしょ!!』

むちゃくちゃである刀夜も神様もむちゃくちゃである。しかも、神様はよほど驚いたのか喋り方まで変わっている。

「大丈夫や!この刀は刃が潰してあるから死なへん……タブン」

『あ、今小さな声で多分って言ったでしょ!?』

こんな口論を続けながらも刀夜の攻撃は続いている。
というか刀夜の振っている速度で当てれば、たとえ刃を潰しているとはいえ大怪我ではすまないのだが……
そんな中、刀夜のとある一言で刀夜達の戦闘は終了することとなる。
その一言とは……

「気のせいや!!いちいち気にすんなやちびっ子」

『……』

刀夜のちびっ子発言で神様は押し黙ってしまった。それと同時に神様から凄まじいほどの怒気があふれ始めている。

「な、なんや?」

先ほどまでの勢いが急に止まったので、刀夜は疑問に思ったが時既に遅し。

『コノガキコロス』

その瞬間神様は消えた。
いや、消えたようにみえたのだ。
それほどの速度で刀夜との間合いを詰めた神様は左手の手刀で刀を砕き、右手で刀夜の頭を掴み、握り締めた。
いわゆる「アイアンクロー」である。その威力は……

「うぎゃぁああああああああああああああああああああああああ」

掴まれた刀夜が部屋を振動させるほどの大絶叫を上げ、神様の細い腕を引き剥がそうともがいているがぴくりとも動かず、
数秒後には刀夜の手がダラリと落ちたほどである。
そして全身が弛緩した刀夜を確認すると神様は勝ち誇ったかのように笑みを浮かべて手を放した。
とりあえず刀夜に言える事は――合掌、これだけである。





                                                              第2話へ続く。 あとがき

こんにちは、ブレイドです。第1話をお送りいたしましたがいかがでしたでしょうか?
修正で多少マシにはなった思っているのですが……ちなみに神様と表現しているのにはわけがあります。
それについては後々書くつもりですので生暖かい目で見ていただきたく存じます。
それではこのあたりで失礼します。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。m(_ _)m







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