Air 終幕 祝福されし道

 

 墓石の前には白色のカーネーションが置かれていた。

 長身の男と長い髪の少女が墓石の前で手を合わせ、じっと眼をつぶっている。

遠くのほうで、ひぐらしのなく声が聞こえた。季節外れのセミの声が、静けさを包みこんでいた空間いっぱいに広がっていく。

 胸のうちに溜めこんでいた言葉を伝え終えたのか、真っ黒の服を着込んだ長身の男は瞳を開く。視界の先で、緑色の細長い線香が、灰色の煙を空に向け上げ続けていた。その手前には、あんこを包みこんだおはぎが三つ、小皿に置かれている。辺りには墓場といえるほど墓石が立っているわけではなく、庭園に栄える石のように、ぽつりぽつりと墓石が点在しているだけだった。

 細長い線香が上から順に灰に変わっていき、色の変わった部分が音もなく折れ、墓石の前に置かれた線香鉢の灰のなかに、新しい灰となり吸い込まれていく。

「行くか、観鈴」

 長身の男が、小さな雑草の生えそろう地面に置いておいた布袋を持ち上げる。袋の下についていた砂利や土が、ぽろぽろと地面に落ちていく。髪の長い観鈴と呼ばれた少女は長身の男に促されながらも、

「ん、ちょっと待って。往人さん。もう少しだけ」

 眼をつぶったままそう言葉を返し、両手を胸の前で重ね合わせ、墓石の前で祈りを捧げ続ける。また、線香の先が灰となって鉢のなかに落ちる。

 風が吹いて、涼しげな秋の風が二人の身体を通り過ぎていく。いつの間にか、ひぐらしの声は消えてしまっていた。静寂した空間の中、互いの息づかいさえ聞こえてきそうなほどの静けさの中で、観鈴はゆっくりと目を開ける。

 墓石の前、すべてを伝え終えたようで、くるりと往人のほうへと向きなおる。

「お待たせ、往人さん。さ、行こっ」

 ぱたぱたと観鈴は走り始めて、その後ろを、往人はゆっくりとした足取りで追いかけていく。焦る必要はなかった。全ては終わったのだから、ゆっくりと、ゆっくりと、歩んでいけばいい。

 神社の本殿は鍵がかかっていて入ることができなかったから、往人たちはその手前、木造の長い廊下で二人、腰をおろした。

 縁側に石庭の見える、とても眺めのよい場所。真っ白な砂利が庭いっぱいに敷き詰められていて、そのところどころに、島のように苔が生えている。島の中、石が山となって佇んでいた。巨大な山もあれば、よぉく見ないと見つけることができないほど、小柄な山もあった。

 荷物をそばにおろすと、往人と観鈴は石庭を見下ろす。石には細かな苔が無数にこびりついていて、その石が何十年、何百年ものあいだそこに置かれ続けていることを物語っていた。小さな羽虫が石に止まり、羽根を休める。

「観鈴。お前、俺より長く手を合わせてたけれど、爺さんになにを言ってたんだ?」

 往人と観鈴が立ち寄った墓石。そこには、かつて知徳、庄治と様々に名前を変えていった、一人の法術士が眠っていた。庄治は法術の力によって、半ば不死とも呼べるほど長い年月を生き永らえてきた。けれど紗衣が空に帰り、法術という力がなくなって、その力によって生き永らえれてきた老人は、枯れ木が樹木から腐れ落ちるように、あっさりとその生涯を終えた。

 誰にも看取られることなく、影のように、あっさりと……。

 往人をはじめ、国崎の家系の者は皆葬式に出向いたが、葬式会場の印象は、人が少ない、というものだった。

 元々の性格もあったのだろうが、人と多く関わりを持ってしまうと、自分が不死の存在と人々に知られてしまうと思っていたのだろう。だから神社の神主でありながら、人との関わり、人間同士関わりあうことを極力避けてきた。往人はそれを、間違った、誤った考え方だとは一概には思えなかった。なぜなら、往人自身も、そうだったのだから。人と関わることを恐れ、大道芸人でありながら、他人には深く干渉しない。観鈴に出会うまでは、そんなふうな、一歩引いた考え方を保ち続けていた。

 だから庄治の生き方が正しかったのか、それとも間違っていたのか、往人にはよくわからなかった。ただ、葬式の会場に人は少なく、本気で泣いている人もいないように見えた。往人にとって庄治は自分の祖父にあたるのだから、自分が他の人の分も泣けばいい。葬式の間中そんなふうに思い続けていたけれど、不思議と瞳から涙が零れ落ちることはなかった。悲しくなかったわけではない。寂しくなかったわけでもない。それなのに、涙が零れ落ちることはなかった。

 葬式会場の人の少なさが、その静けさが、自分の祖父、庄治という人間の価値のように思えてしまって、そんなことを考えていたせいか、悲しさよりも空しさのほうが上回ってしまって、喪服に身を包んだ往人は、ただ呆然と、正座をしたまま其処に座りほうけていた。

 観鈴はあごに手を当てて、往人の質問になんと答えようかずっと考えているみたいだった。そして、それからしばらくの後、観鈴は言った。

「色々あるけど、ありがとう、かな」

「ありがとう?」

「うん。往人さんを育ててくれてありがとうって。だって庄治さんがいなかったら、庄治さんが往人さんを引き取ってくれなかったら、わたしが往人さんに会うことはなかったと思うから、だから、ありがとうって」

「ありがとう……ね」

 ふと、往人は考える。自分はあっただろうか? 庄治に対し、育ててくれてありがとうなどと、感謝の気持ちを持ったことが。

「それで、往人さんはどうなの? 庄治さんに、なにを言ってたのかな?」

「俺か? 俺も色々だよ。翼人を巡る永い旅は終わったから、ゆっくり休んでくれとか、母さんについて神社を出ていったきり、つい先月まで帰ってくることがなくて悪かったとか、そのとき乱暴しちまって、悪かったとか」

「ふふ、なんだか往人さん謝ってばっかだね」

「…そうだな。俺は、あの爺さんに迷惑ばかりかけてた。相手が亡くなって、そのあとになってようやく謝る決心がついて……結局、変わってないよな、俺は。いつも気づくのが遅すぎる。遅すぎて、後悔を繰り返して……」

「いいんじゃないかな? それでも」

 軽快とした様子で、観鈴は軽口にそう言った。

「……? 言いわけないだろ。俺は結局、爺さんになにも謝ってないんだぞ」

「うーん……そうゆうことじゃなくて、なんて言うのかな……往人さんは、自分で間違いに気づけて、それを反省して、治そうと努力してる。間違いは誰だってするよ。それに対して反省して、治そうと努力するようになれば、わたしは間違ったことをしてもいいんじゃないかなって思うの。もちろん、庄治さんに最後まで謝れなかったことは悪いことだと思う。でもそれを反省して、これからの人生にその過ちを生かすことができるなら、間違ったことをしても、いいんじゃないかなって。だって、わたしもそうだったから。わたしも癇癪のこととか、お母さん、晴子さんとの関係のこととか、誰にも頼ろうとせずに、自分ひとりで全部抱えこんで、解決しようとしてた。でも、無理だから。自分ひとりで何もかも解決することなんて不可能だから、だからわたし、これからは自分ひとりで抱え込もうとせずに、なにか問題が起きたら、往人さんやお母さん、みんなに相談しようって、そう思ったの。だから、ね」

 ぐいっと往人の顔を覗きこんで、観鈴は言葉を続ける。

「往人さんもそうしよ。間違いを起こさない人間なんていないから、それを反省して、これからは同じ過ちを犯さないようにすれば、それでいいんだよ。紗衣ちゃんも言ってたでしょ。過ちを犯すのが罪なんじゃなくて、過ちを犯してもそれを過ちだと認めない心が罪なんだって」

「………」

 往人は声を失っていた。驚いて、言葉というものを一時的に忘れてしまっていた。観鈴は精神的に幼いところがあるから、だから、自分が観鈴を守っていかなければならない……そう思っていたのに、いつの間にか、観鈴は自分なんかよりもっとずっとしっかりとした心を、信念を持つようになっていたのだ。それが意外で、そしてその観鈴の信念が、いまの自分の病んだ心を癒してくれていて……それが嬉しくて……。

「あっ」

 何かを思い出したように、観鈴は両の手のひらを合わせ、石庭にぱちんと大きな音を響かせる。

「そういえば、お墓参りまだしてないよね。往人さんのお母さんたち。湖葉さんと白穂さんの」

「墓参り? って言われても……二人とも光みたいに消えちまったわけだからな、遺骨も残ってなくて、墓も作られてない。だから墓参りって言われてもできないんだよな……」

「えっ、お墓ないの? うーん……それなら」

 観鈴は少し考えた後、手荷物を提げて立ち上がる。

「往人さん、ちょっとついてきて」

 観鈴に急かされ連れてこられた場所は、神社の拝殿の前だった。そこには賽銭箱が置かれ、頭上には巨大な鈴がつけられていて、そこから長い縄が垂れさがっていた。

 賽銭箱の前で観鈴が立ちどまり、十円玉を賽銭箱のなかに放り込むと、がらがらと鈴の緒を鳴らす。

 母さんたちのお墓参りといっていたのになぜそんなことをしているのか意味がわからなくて、往人があっけにとられていると、観鈴は言った。

「往人さんのお母さんたちは、二人とも空に帰ったんだよね。だったら、神様にお願いすればいいんじゃないかな。そうすれば、神様がわたしたちの想いを、往人さんのお母さんたちに届けてくれるって、そう思ったの。にはは、おかしいかな? そんな考え」

「…いや、おかしくなんてないだろ」

 往人はポケットに腕をつっこむと、そこからくしゃくしゃになった千円札を取り出し、綺麗にしわを伸ばす。

「わっ、そんな大金、いいの? 往人さん」

「財布的にはかなりの痛手だけどな。育ててくれた礼を言うんだ。これくらい入れるのが筋ってもんだろ。ま、恩を現金で返すってのは、あんまりよくないとは思うけどな」

 そう言って、往人は賽銭箱に向けて千円札を投げ入れる。お札は茶色い木箱の中に吸い込まれるように入っていき、往人はそれを見届けると、観鈴に代わり鈴の緒を鳴らし始める。

 自分たち以外誰一人参拝者のいない静かな神社に、巨大な鈴の鈍い音が響きわたっていく。

「んー……こうゆうときって、なんて言ったらいいんだろうな?」

「うん?」

「いや、爺さんのときもそうだったけど、無心で手を合わせるってのもなんだか変な感じだろ。だから、こうゆうときなんて言ったら、どんなことを考えて手を合わせればいいのかなって」

「お母様、大変お世話になりました。そちらの世界でのご冥福をお祈りします。とか?」

「ん、なんか堅苦しいな。えっと、白穂母さん。俺を生んでくれて、俺を守ってくれてありがとう。湖葉母さん。俺に法術を教えてくれてありがとう。母さん達の願い、空に囚われた翼人を助け出すって願い、それは無事、果たすことができました。だから、安らかにお眠りください。そちらの世界でも、お元気で。…こんな感じか?」

くるりと振り返り、往人は観鈴に問いただす。

「うん。いいんじゃないかな。それで」

「そっか。じゃあ」

 両の手のひらを合わせ、往人はぱんぱん、と音を響かせて、目を閉じる。

 新緑のなかにちらほらと紅葉を始めたもみじが混じっていて、草花の匂いが、目を閉じている間ずっと鼻のまわりをちらついていた。

「お、そうだ」

 祈りを終えて目を開けると、往人は布袋を地面に下ろし、布袋の紐を両手で引っ張って開くと、絹で編みこまれた小さな人形を中から取り出す。そしてそれを、賽銭箱の後ろにちょんっ、と置く。

「えっ、往人さんその人形、ひょっとして置いていく気?」

「ああ。これを作った裏葉って人は、もともと空に囚われた神奈備命を助け出すために、この人形を作ったんだ。だからその役目を終えた今、この人形はもう、誰にとっても必要のないものだ。それに、千年以上も願いを叶えるために動き続けてきたんだ。いい加減、この人形も休ませてやらないとな」

「でもその人形……形見なんでしょ? お母さんの」

「はは、心配すんな。人形が手元になくちゃ潰れちまうほど、繊細にはできてない。それにお世話になりましたって言ったんだ。これ以上母さんたちに迷惑をかけるわけにはいかないだろ」

「…寂しくないの? 往人さん」

「…ここに、いるからな」

 わずかの沈黙をはさんで、どんっ、と往人は自分の胸を力強く叩く。

「母さんたちはここにいる。ここにいて、俺たちのことを見守ってくれている」

「俺……たち?」

「そうさ。俺と観鈴だ。だから、お前ももう恥ずかしいことはできないぞ。母さんたちが、いつも見守っているんだからな」

「見守ってくれてる、か。うん、わかった。わたし頑張るね」

 祈りを終え布袋を拾い上げると、往人はくるりと踵を返し、もと来た道を歩いていく。砂利の敷き詰められた、太陽の光を浴びて陽光を照り返していく、光り輝く道。

「ふふっ」

 観鈴の笑い声が聞こえて、往人は足を止めた。振り返ると、観鈴はまだ賽銭箱の後ろの人形を見つめ続けている。

「どうした?」

「あ、ごめんね。往人さん。なんだか懐かしいって思って。あの場所とか、あのぬいぐるみとか」

「懐かしい?」

「うん。覚えてるかな? あのぬいぐるみで人形劇を見せてくれたのが、わたしと往人さんの出会いだったんだよ。それから色んなことがあって、往人さんがわたしを助けるために京都に行って、わたしはその後、お母さんと本当の家族の関係を取り戻そうと思って、色んなことを頑張った。でも、豪雨が降り続いていた夏祭りのあの日、神社にきてもお祭りはやってなくて、もう駄目だと思ってた。このまま、何もかも終わっちゃうんだって、そう思ってた。でも、お母さんが見つけてくれたの。賽銭箱の後ろに、緑色の恐竜さんのぬいぐるみが置いてあるのを。わたしとお母さんはふたりでそれを掴んで、それで、やっと家族になることができた。色んな苦労があったけれど、もう駄目なんだって思うことも何度もあったけれど、それでもぬいぐるみに手を触れたあのとき、ああ、わたしとお母さんは、やっぱり家族だったんだって、そう思えたの。あそこにぬいぐるみが置かれているのを見てたら、そのことを思い出しちゃって、つい、ね」

「そっか。俺がいないあいだも、お前はずっと頑張ってたんだもんな。だったら、もう少し見ていくか? あの人形」

「ううん、もう大丈夫」

 言って、観鈴はぱたぱたと往人の近くまで駆けていく。

「いこっ、往人さん」

「そうだな、行くか」

 二人の目の前に広がるのは、光り輝く道。希望に満ち溢れた、光を放つ道。

 長い旅をしてきた。何度も挫折しかけてきた。もう駄目だと、諦めかけたことも何度もあった。でも、諦めなかった。だからこそ、今がある。

 国崎往人と、神尾観鈴。二人の前に広がるのは、祝福された道。その先にあるのは幸福なのだと、そう約束された道。

 ふたり、足を踏み出す。歩幅を合わせ、互いが互いを気遣うように、二人は、幸せが約束された道を歩いていく。

『最後にはきっと、幸せな記憶を』

 いつか、誰かが言った言葉。でもそれは、願望でしかなかった。最後の一人もきっと、幸せになることはできないだろう。悲しみに打ちひしがれ、呪いによりその命を失ってしまうのだろう。薄々はそれに気づいていながらも、それでも幸せになって欲しいと、そう願って放った言葉。

 でもその言葉はきっと、現実のものになるだろう。

 願いはいつか、叶うものなのだから。

 往人と観鈴、二人の前には、これからも大きな困難がさしかかってくるかもしれない。でも、彼らが立ちどまることなんてない。どんな困難がさしかかろうと、彼らの歩みを止めることなどできはしない。

 だって、約束されているのだから。二人の歩んでいく先にある未来。そこには幸福が満ち溢れていると、そう約束されているのだから。

 だからこそ、あえて私はもういちど、この言葉を言おう。

 二人に約束された、幸福な未来。それを再度確認するために。

 ………。

 ……。

 …。

『最後にはきっと、幸せな記憶を』

 

 

 翼人を駆る長い旅は終わりをつげた。

 そして、僕達は生きていく。

今度こそ、今度は、自分自身の幸せを掴み取るために。

果てしなく続く空の下、『大気』のなかを、生き続けていく。

 自らの幸せな未来を掴み取る、そのために…。

 

 

 

 

 あとがき

 物語全体のあとがきは同時に投稿させてもらっているEpilogueに書くとして、

今回は残った主要キャラの作者コメントを、書こうと思います。

 

 

 キャラクター解説 11 国崎往人

 原作主人公の往人さんです。この作品においては観鈴一筋で、原作より若干

性格が暗いかもしれません。物語後半、沙衣と一緒に行くあたりの往人は黒往

(暗黒面に落ちた)なんてことを考えながら書いていた気がします。

 観鈴を救う、がこの作品における彼の行動の基本になっていたので、書いて

いる側としても、性格を掴みやすかった人物です。

 

 

 キャラクター解説 12 神尾観鈴

 原作においても、この作品においても不動のヒロインです。

 元々はAirを原作の展開そのままに、色々な部分に補足説明を加えていこう。

が、この小説を書き始めたきっかけでしたが、原作を見直してみると物語ラス

ト.観鈴が死ぬところ。周りの人が観鈴を救おうと頑張っていたのに、観鈴

本人が自己満足をして死んでしまった、と見えてしまい、ならどうすれば観鈴

が死ななくてすむ話になるだろう? と考え、Next Summerあたりから、その

部分を意識して書いていた気がします。

佳乃の言葉、『自殺は我侭』は私の気持ちそのままですね。自殺しようとする

人には、それだけの理由があると思うのですが、どんな人でも、その人を大切

に思ってくれている人が必ずいます。人が死ねば、必ずその人の死を悲しむ人

がいる。物語としてみれば観鈴の死はとても印象的で感動でしたが、観鈴の考

え方自体がどうしても嫌だったため、この作品ではゴールのシーンでの観鈴の

考えを全否定しています。

 まあ、ぶっちゃけてしまうと観鈴は可愛いから死ぬのはいやだー なんです

けどねw

 

 

 キャラクター解説 13 国崎湖葉

 コンシューマ版では声だけついている往人のお母さん。原作では意味深な台

詞をいろいろ往人に伝えていましたが、結局彼女自身になにがあったのかはわ

からずじまいでした。彼女が経験した物語を描いてみよう、という経緯から出

来上がったのがPast編です。Pastを読んでもらえばわかるとおり、彼女、正直

かなりひどいことをしています。これは私が彼女をヒロインではなく、主人公

の一人として描きたかったからです。

 等身大の人間が悩み苦しみ、答えにたどり着く。

 初めて本格的に書いたオリジナルキャラクター、ということもあるかもしれ

ませんが、個人的にはこの作品のなかで一番好きなキャラクターです。

 

 

 キャラクター解説 14 結希

 Past編のヒロインです。湖葉が往人に女の子の話をしたとき、自分も同じよ

うな経験をしたのだろうという考えから生まれたキャラクターです。

 明るく活発な女の子、を意識して書いていたのですが、日常パートをあまり

しっかりと描いていなかったため、ちょっとキャラ性が弱くなってしまった気

もします。湖葉と結希の性格、ニアアンダー7という漫画の主要キャラ二人を参

考にさせてもらっています。一人暮らしのところにやってきた居候、二人の性

格などから、ひょっとしたら気づいた人がいるかもしれませんね。




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