Kanon another story
〜World is Sky〜

第4話




オレは、ケイの追撃を振り切って商店街に来ていた。
ケイの誘いを断ってここにきた理由…それはケイの誕生日プレゼントを買いに行くためだった。

(まっさか言えねぇよな…お前のプレゼントを買いに行くためだ、なんてよ)
ケイの誕生日は明後日だ。そろそろ決めておかないとマズイ。

(祐吾達はもう決めたって言ってたしなぁ、オレも早く決めねぇと、な)
商店街の店を片っ端からしらみつぶしにまわる。だが、なかなかいい物がみつからない。

(まいったなぁ、なんとか今日中に決めたいんだが…)
考えながらもまた違う店に入る。そこはどうやら小物店のようだ。

(って、よく考えりゃアイツが好きなものってどんなんだっけか?………ん?)
ふと、目に入ったものを手に取って見る。
それはオルゴールだった。小さい割にはやけにしっかりしたつくりになっていた。

(へぇ、いいデキのオルゴールだなぁ)
曲を聴いてみようと思ったがどこにもゼンマイがない。

(ア、アレ?)
しかしどこを探してもゼンマイは見つからない。
見つかったものは不自然にあいた小さな穴ぐらいだった。

「お客様、どうかなされましたか?」
オレに声をかけてきたのは、見た感じ人の良さそうな店員だった。

「いや、これ、音はでないのかなぁと思って」
オルゴールを見せる。

「ああ、これですか。少しお借りしてもよろしいでしょうか?」
そう言われオルゴールを渡す。

「これは少々特殊なんですよ」
そう言い小さな穴に近くに置いてあった花瓶の水を垂らす。
入れた途端に…


♪〜〜♪〜〜♪〜♪〜〜〜♪〜♪〜
綺麗なメロディが流れた。


「…」
知らず無言になっていた。

「いかがですか?」
そんなオレに、誇らしげにオルゴールをも持った店員が声をかけてきた。

「すごい……どんな仕組みになってんだ?」
その言葉に店員は笑いながら…

「はは、仕組みはどうでもいいのですよ。大事なのはこの音色がこうすれば聞ける、ということが大事なんです」
ニコニコと愛想よく笑う。

「そうだな…うん、そうだな…よし、コレ売ってもらえるかな?」
オルゴールを指しながら言う。
なんとなく誤魔化された気がしないでもないが気にしないことにした。
そんなことが小さく思える程オレは感動していた。

「もちろんですよ。このオルゴールが、価値がわかる人に買ってもらえてよかった」
本当に嬉しそうに笑う店員。

「っで、なんぼなんだ?」
そこが重要だった。ただでさえケイの母親に世話になりっぱなしだ。
一応バイトはしているが、それで払えないとなると、どうしていいかわからない。

「ところで、これは誰かへのプレゼントかなにかですか?」
突然そんなことを聞いてくる。

「あ、あぁ、あ、その、か、彼女へのプレゼントなんだ…」
やはりこういうことをマジメに言うのは恥ずかしかった。

「そうですか、さぞ喜ばれるでしょう」
自分のことのように喜ぶ店員。

「ふむ、そうですね、お値段は……」
その値段はオレが想像していたよりもずっと安かった。

「オレとしてはうれしいが…ホントにいいのか?こんな貴重なもの…」
そう思えるほどその値段は安かったのだ。

「ええ、結構ですよ。このオルゴールの価値がわかる人なら…それに、彼女さんも喜ぶでしょう?」
どうやらこの店員は根っからのお人よしのようだ。

「……アリガト、なら、遠慮なく買わせてもらうよ」
オレは代金を払い外に出る。
出際に
「がんばってくださいね」
と、笑いながら店員が声をかけてきた。

「あぁ、そこそこにな」
軽く手を振って店を離れた。



雪が降っていた…

いつもは好きになれない雪が…

今は…

今だけは好きになれた気がした…

この気持ちを…

アイツに伝えたかった…

それは…

とても単純で…

とても簡単なことのはずだった…

でもオレは…

それすら出来なかったんだ…









to be continued


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あとがき


この小説を読んでいただきありがとうございました。
あとがきを5度勤めさせていただくのは作者ことアトラシアです。

ア「はてさて今回で5回目となりましたこの作品!今回のゲストは神の彼女!神無月美冬=ケイ=雪咲さんで〜す」

ケ「どうも〜こんばんわ〜♪」

ア「むお!読む人は必ず夜だと決め付けた挨拶!!」

ケ「……そういえばそうだね〜」

ア「…なんか力が抜けるな」

ケ「え〜そんなことないよ〜。私真面目だよ〜?」

ア「わ、わかったからその話し方を直してくれ」

ケ「う〜〜そう言われても…どうしたらいいの?」

ア「あ〜、じゃ、じゃあ、こうキリッ!とした感じに頼む」

ケ「うん!わかった!え、え〜と……キリッ!」

ポカス

ケ「いった〜い。何するの〜!?」

ア「口で言っただけだろ!!」

ケ「う〜〜」

ア「怒っても駄目だぞ。今のはお前が悪いんだからな」

ケ「う〜〜」

ア「納得できんくても知らんからな。さっさと紹介に入るぞ」

ケ「う〜〜わかった…」

ア「えっと、さっきからう〜う〜言ってるのがこの話のヒロインもどきの神無月(略)だ」

ケ「さすがにそれは酷いよ〜」

ア「まあ、置いておけ」

ケ「おけないよ〜」

ア「(無視)そうだな〜、見た感じはなんて言うか髪は金髪だな(Σ校則違反だ;)」

ケ「え〜そうだったんだ〜。ビックリだよ〜」

ア「いつも笑顔だよな?」

ケ「エッヘンだよ」

神「すぐに不機嫌になるけどな」

ア「むお!いつのまに!?」

ケ「酷いよ〜神〜」

神「ほらな」

ケ「う〜〜」

ア「これ以上は夫婦漫才になってしまうので今回はこれくらいでさようなら〜(手振り」

神+ケ「夫婦じゃない(よ〜)!!///」




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では、次回のお話までほんの少しの休息を…