“ＪＳ事件”が終わり、カレンダーが十一月の到来を告げる。
この頃になると事後処理に追い立てられていた機動六課も多少は落ち着き、事件前のような穏やかな日常を少しずつ取り戻そうとしていた。
「みんな、無事で良かったなぁ…」
再建された機動六課隊舎の部隊長室。
その部屋からはやてが外を眺めると、今日もなのはたちがフォワード陣を鍛えている。
ロングアーチも、整備班も、誰ひとり欠けることなく、事件が終わったことをはやては喜んでいた。
「……でも、ちょっと寂しいなぁ」
しかしそれは、あくまで六課に限定したならばの話である。
短い間だったが、いま思えばそれはそれで楽しい日常だったのかもしれない。
いなくなった者たちを思い出し、はやては俯き、悲しそうに呟く。
「もうイルド君たちに会えないなんてなぁ……」
「はやてちゃん！ 泣かないでくださいですぅ！」
肩を震わせるはやてを元気づけるようにリインが、その小さな手をはやての手にそえる。
直後。
「僕らが死んだようにしみじみ言わないでください！」
叫び勢いよく拳をテーブルに叩きつけるイルドの姿が、そこにあった。
◆Ｔｈｒｅｅ Ａｒｒｏｗ ｏｆ Ｇｏｌｄ◆
最終章『桜花爛漫！』
「なんや、ちょっと気分出しただけやん？」
人差し指を合わせながらはやてが不満そうにイルドを見やるが、イルドも返す。
「いきなり寸劇を始めて何を言うかと思ったら、縁起でもない」
「そうですよ、はやてちゃん。やっとイルド君が退院できたのに」
イルドの言葉に、シャマルも微笑みながらそう言ってはやてに注意する。
二人に言われたはやては苦笑しながら、二人の向かいに座る。
「でも、ほんと無事で良かったわぁ。うちらもイルド君たちが病院に運ばれた後に現場見させてもらったけど、あんなクレーターがあるなんて誰も想像してへんかったよ？」
「やった僕らでさえ驚きましたからねぇ」
他人事のようにイルドは笑い、つられてシャマルもはやてもリインも苦笑。
廃棄都市で起きた爆発に地上本部から武装局員が急行。現場はおよそ直径一キロに渡ってくり抜かれており、とてつもない爆発が起きたことを物語っていた。そして、瓦礫のなかからイルドたち第十三技術部の面々を発見、病院へと急ぎ収容したのであった。
その時の惨状を思い出し、何かを思いついたはやてが疑わしそうにイルドの顔を見つめる。
「なんです？ なにか僕の顔についてますか？」
「いやな、あんだけの爆発や。無事でいるほうがおかしい。イルド君、改造手術なんてうけとらんやろね？ 腹に変なベルトつけられてへん？」
疑うような目で見やるはやてに、イルドは笑って眼帯に覆われた自分の右目を指さす。
「改造手術ではありませんが、ここは手術しましたよ」
それを見て、気まずそうにはやては頷く。
「まぁ、改造うんぬんは冗談やけど……何で日本刀のツバ？」
はやてが言ったとおり、ツバを眼帯にしてイルドは右目を覆っていた。
その質問にイルドは眼帯を指さして説明。
「八神部隊長の出身世界の地球、日本の眼帯だと義兄に教わりました。それと、古代日本にいた一つ目のサムライ“マサムーネ”がつけたのが始まりだとも聞きました」
その説明から一拍の間を置いて、はやてが大きな声で笑い出した。それにつられてリインもシャマルも肩を震わせてこみあげる笑いをおさえる。
訝しむイルドに、なんとか笑いをおさえながらはやてが口を開く。
「…イルド君、それ嘘や。騙されとる。それともエンス主任も勘違いしとるんかな？」
「え？」
シャマルとリインを見やると、一様に頷いている。
「まぁ、確かにイルド君に似合ってるからええんやない？」
「かっこいいですよー」
「…釈然としませんが褒められたのだと思うことにします」
イルドの言葉に、はやては何度も楽しそうに頷いた。
「うんうん、褒めとるんよ」
はやてに続いて、シャマルも楽しそうに笑う。
「そうですよ、イルド君。まるで独眼竜みたいで格好良いですよ」
「あ、ありがとうございます」
シャマルの言葉にほほを染めて礼を返すイルドの姿に、はやては意地悪そうに楽しげな笑みを浮かべる。
「ほぉー、うちの言葉は素直に受け取らんで、シャマルだと素直なんや？」
しかし、イルドは平然とはやてににっこりと笑って返す。
「部隊長、何か問題でも？」
「んーー何も言うとらんよ」
互いに含んだ笑みを浮かべあうが、根負けしたようにイルドは両手を挙げて降参。
イルドのその仕草にシャマルたちも笑い、はやてが先日から懸念していたことを質問する。
「で、試作機の開発中止ってうわさ聞いたんやけど、じっさいどーなん？」
紅茶を一口のみ、イルドは姿勢を正してはやてに向き直る。
「はい、八神部隊長の言葉通り僕らが開発してきた“プロテクト・デバイス”…というよりも魔力増幅回路“リンカードライブ”は今回の事件において本局よりその危険性を指摘され、本計画を無期限凍結することが五日前に決定されました」
イルドの言葉に、さすがに一同が押し黙る。
いままでの苦労と、危険を冒してまで戦ったイルドたちのことを考えるとはやても、シャマルも、リインも、やりきれない思いを抱く。
だが、イルドはそんな三人の気持ちを吹き飛ばすように笑っていった。
「皆さんの言いたいことは察しますが、まだ話は続くんですからそんな顔をしないでくださいよ。実はこれからが本題なんですけど」
そして、告げられた言葉に、三人の歓声が部屋に響き渡った。
◆◆◆◆◆◆
海上隔離施設。
そこには事件捜査に協力する意思を示したナンバーズとルーテシアたちが収容され、更正プログラムを受けることとなっていた。
「ねぇ、チンク姉。なんか今日ゴタゴタしてるみたいだけど何かあったの？」
朝から職員たちが幾つもの機材やコンテナを運んでいる姿を何度も見かけていたセインが、ノーヴェに本を読んでいたチンクに訊ねる。
しかし、銀髪の姉は首を振って知らぬと意思表示し、赤毛の妹も知らないらしく首を横に振る。
そこに先ほどまで黙っていたディエチが口を開いた。
「……なんか新しい人が来るらしい」
「ディエチ知ってンの？」
「詳しくは知らない。昨日、ギンガさんと事務の人がなにか話していたのを聞いただけ……あとさっきガジェットが運ばれているのを見た」
「はぁ？ なんでそんなのが？」
セインの疑問に対してディエチは肩をすくめることで答えとし、今度は彼女が先ほどからの疑問を問いかける。
「ところで、あっちはさっきから何やってるの？」
ディエチが瞳を向けた方向にセインも顔を向けると、妹のウェンディが両腕をせわしなく動かし、何かをしていた。
「うー、早くここを出てまた勝負したいッス！」
意味も無くその場の勢いだけでシャドウボクシングをしていたウェンディが叫び、それを眺めているディードへとオットーが声をかける。
「ディードも戦いたい？」
「………うん」
オットーの問いに、間を置いて頷いたディードは静かに続ける。
「……また全力で戦いたい」
隻腕の青年の言葉を思い出し、拳を握る。
「…あの人に今度こそ勝ちたい」
その瞬間。
「だったら、ディードも修行するッス！」
いつのまにか目の前に立っていたウェンディの叫びに双子が目を丸くする。だが、ウェンディはそんな二人の困惑を無視してディードを勢いよく指さす。
「負けっぱなしはあたしの性にあわねぇーッス！ ディードも勝ちたいんだったら特訓やるッス！ 修行して強くなるッス！」
ついでオットーに目を向け、問う。
「オットーはどうするッス？」
その問いにオットーはウェンディの後ろを見やり、何かを言おうとして、やめる。
「…僕はまだいい」
「ん？ まぁいいッス」
オットーの態度に首をかしげるが、すぐにウェンディは気を取り直して叫ぶ。
「次こそは絶対にあの紅いのに勝ってやるッス！」
「ほう…紅いのとはお前を蹴り飛ばしたヤツのことか？」
「当然ッス！ あの目つきの悪いヤローを今度はあたしが蹴っ飛ばしてやるッス！」
「ならば今ここで、もう一度蹴り飛ばしてやろう」
「へ？」
振り返り、ウェンディの顔から血の気が引く。
そこにいたのは。
「ふむ、元気が有り余っているようで何よりだ」
義手の青年、咲希がいた。
咲希の存在を認めた瞬間、ウェンディが飛びずさり、指さして叫ぶ。
「な、なんであんたがここに居るッスか！」
「今日からここの世話になるのだから当然だ」
平然とした咲希の言葉を、ウェンディが“世話になる”という部分だけを頭の中で何度も反芻する。
ついで、一拍の間を置いてウェンディが叫ぶ。
「あんたも犯罪者だったんスか！」
瞬間。
咲希の左手がウェンディの頭を掴み、アイアンクローを決める。
「い、痛いッス！ 冗談ッス！ 謝るッス！」
「つまらん冗談を言ったら、今度こそ蹴り上げるぞ……ん？」
気づくとディードが咲希を見つめていた。
無言で咲希はウェンディの頭から手を放してディードへと向き直り、二人の視線がぶつかり合う。
「…今度は負けません」
「それは楽しみだ」
微かな笑みを浮かべた咲希は言葉少なに返し、ディードの頭を軽く撫でてから歩き始める。
それと同時に更正プログラムを担当しているギンガが現れ、その後ろからもう一人その姿を現す。
新たに現れたその人物にナンバーズが驚き、ついで喜びの声をあげる。
「セッテ…！」
オットーの呟きとともに、ギンガが一同を集めて説明を始める。
「今日からセッテも更正プログラムを受けることになりました。それと新たにみんなのプログラムを受け持つことになったのが…」
そこでギンガが句切り、咲希が一歩前に出る。
「お前たちの更正を手伝うことになった桐井咲希三等陸士だ。俺以外にもあと二人来るがよろしく頼む」
◆◆◆◆◆◆
「へー、イルド君たちも更正プログラムのほうに行くんだ」
場所を食堂に移し、イルドの近況報告を六課の面々が聞いていた。
「はい、それとともに新たに発足されたプロジェクトに参加することになりました」
「何だそれ？」
訝しむヴィータの問いにイルドは楽しげに頷き、そのプロジェクトネームを告げる。
「計画名“グランド・レスキュー計画”……通称“ＧＲ計画”は、災害鎮圧及び人命救助を目的としたプロジェクトです」
紅茶を一口のみ、イルドは組んだ両手をテーブルにおく。
「といってもプロジェクトの発表自体は当分先ですが、僕たち第十三技術部は今回の事件で使われたガジェットをレスキュー用に改修。それといっしょに災害鎮圧用特殊スーツの開発を行います。ま、しばらくは海の上で生活ということですが」
にこやかに笑い、イルドはここに集まった面々を見回す。
はやてを筆頭とした隊長陣に、スバル達フォワード陣も一様に元気だった。
そして、イルドが一番心配していたヴィヴィオが、そこにいた。
「ヴィヴィオ姫も元気で良かった」
「イルにい、おめめだいじょうぶー？」
ヴィヴィオの心配そうな声に、はやてたちが息をのむ。だが、そんな一同に向けて微笑んだイルドは、その眼帯を取る。
眼帯の下から現れた右目がゆっくりと開けられ、ヴィヴィオが驚きの声を上げる。
「イルにいのみぎめ、みどりいろー、ヴィヴィオとおそろい？」
「うん、ヴィヴィオ姫とお揃いですよ」
イルドの失われた右目にはめられた義眼は、エメラルドを思わせる綺麗な緑色の輝きをたたえていた。
ついで、再び眼帯を装着したイルドは、一同に笑ってみせる。
「まだ、ちょっと痛いんで眼帯をしているんです。そのうち外しますよ」
紅茶を飲み終えたイルドが、今度ははやてに訊ねる。
「ところで八神部隊長。本日、午後から市街の警備に出るとお聞きしましたが？」
「ん、六課全員でな」
地上本部も修復を終えて平穏を取り戻した市街では、一週間という長い祭りが開催されることが決まっていた。六課も陸士隊とともに警備に当たることになり、午後から出動予定である。
すでにテレビではそのパレードが中継されており、観衆の熱気が伝わってくるようであった。
「エリオ君、そこの窓を開けてくれないかな。ちょっと空気に当たりたいんです」
イルドに頼まれ、エリオが窓を全開で開ける。そんなエリオに礼を返し、イルドは再び姿勢を正してはやてに向き直り、いつもより声のトーンを下げて言った。
「それで、ちょっと気になる話を聞いたんで、それを皆さんにお伝えしたいんです」
真面目な顔でそう言ったイルドに一同の視線が集まり、直後放たれた内容に衝撃が走る。
「パレードに乗じて、六課メンバーを誘拐!?」
「私たちの誰を!?」
なのはが叫び、フェイトが表情を変えてイルドに訊ねる。だが、パレードを中継していたレポーターの驚きと歓喜の混じった声がメンバーの注意を引いた。
それは幾つもの絢爛豪華な御輿と、同じように豪奢な陣羽織をまとった数十人の男たちの姿が映し出されていたからだ。
その光景に一同が唖然とする。
否。
豪華な一団のなかに、見知った人物が、いたからだ。
『今日は祭りぞ！ 皆の者、我に続けぇい！』
一団のなかでもひときわ目立つ金銀緑の派手な陣羽織に身を包んだエンスが、先頭を行く御輿のうえで高らかな声を上げて一同を鼓舞する。
『ぅおぉおおおおおおおぉ!!』
ついでエンスの言葉に、御輿を取り巻く男たちが雄叫びを上げる。
『民草よ、我が策、とくと拝むがいい！』
叫び、エンスが軍配のようなものを振るうと、一台の御輿から花火が上がる。
『青空に咲くは大輪の花！』
叫びとともに軍配を振るい、別の御輿から花火が上がり歓声が沸き起こる。
テレビに映るその異様とも言える光景に六課メンバーが唖然とするなか、シャマルの驚きの悲鳴が上がる。
「…イルド君!?」
呆気にとられた一同を代表して、なのはが口を開く。
その一同の視線の先では、窓辺に立ったイルドがお姫様を抱くようにシャマルを抱き上げていた。
ついで、ジェットボードが空から舞い降り、それに飛び乗ったイルドは困ったように笑いながら一言。
「それでは皆さん、ちょっとシャマル医務官をお借りしますね」
そう言って、イルドはそのままシャマルを抱きしめたまま市街地、パレードへと向けて飛び立つ。
数秒後。
最初に我に返ったはやての声が響き渡った。
「全員緊急出動ぉ！ シャマルがさらわれたぁ！」
◆◆◆◆◆◆
『民草よ！ 今日は存分に楽しむが良い！』
御輿に備え付けられたスピーカーからエンスの朗々として高らかな声が響き渡り、観衆が歓声を上げる。
その声を聞きながらシャマルを抱きしめたイルドは空を翔る。
「ははは、すみません。驚いたでしょう？」
子どものように無邪気に笑うイルドの笑顔に、今まで呆然としていたシャマルも静かに笑って返す。
それを見てイルドはパレードへと進路を変える。
突然空から舞い降りたジェットボードに人々が驚くもその乗り手を見て笑い、子どもたちが歓声を上げる。
「シャマル医務官、かつての僕は貴女に憧れていました」
人々のうえを翔けながらイルドは穏やかな声で語り、その言葉をシャマルは抱きしめられたまま静かに聞く。
「いつの頃からか、貴女に向けて抱いていた憧れは僕のなかで変わりました」
その瞬間。
イルドはジェットボードを空めがけ、奔らせる。
高層ビルを突き抜け、空へ。
「今だから言います。僕は…貴女に恋しています」
地上の人々の手が届かない空。
そこで、イルドは告白する。
「……僕は貴女が好きです」
それに対し、シャマルは俯き、無言。
どれだけの時間が過ぎたのか、それとも一瞬の出来事だったのかイルドには判断できなかった。
そして、俯いたままシャマルが問う。
「本気ですか？」
「はい」
静かにイルドが頷く。
「私はイルド君と違って人間じゃありませんよ？」
「関係ありません」
即答し、イルドはシャマルを見つめる。
「病院にいるあいだ、この想いが本物なのかずっと考えていました」
はやる想いと鼓動をおさえるように、イルドは冷静に、告白した。
「僕が恋しているのはシャマルさん…貴女です」
その言葉にやっとシャマルは顔を上げて、イルドの瞳を見つめた。
「告白されたのは初めてです」
微かに笑みを浮かべたシャマルはその瞳に涙を浮かべ、続ける。
「イルド君がどれだけの勇気で言ってくれたか私にはわかりません…」
シャマルの言葉を、静かにイルドは聞く。
「……だから、私にも時間をください…」
イルドは沈黙。
「……本気で私を好きになってくれたイルド君と、真正面から向き合うための時間を私にください…！」
涙を浮かべ懇願するようなシャマルの声に、イルドは喜びの涙を浮かべ、頷く。
「はい……はい！ 今の僕にはその言葉だけで十分です…!! だから……だから…いつかは…！」
「はい…必ず今日の答えを……イルド君に…！」
その言葉を受けて、シャマルを抱きしめる手に力を込めて、イルドは叫ぶ。
「今日は…お祭りです！ 楽しみましょう！」
シャマルを抱きしめたイルドはジェットボードを市街、パレードへと向け加速。
再び舞い降りたジェットボードに観衆が歓声で迎えると同時に、騎士甲冑をまとったはやての声が響き渡る。
「イルド君発見！ みんな確保やぁ！」
しかし、そのはやての言葉にかえってきたのは別の人物の声だった。
『民草よ見るがいい！ 彼女たちこそ、此度の戦を勝利に導いた女神たちよ!! 歓声を持って出迎えよ!!』
御輿のうえでエンスが叫び、それにつられて観衆がさらなる歓声を上げる。
突然の熱狂にはやてたち機動六課の面々が目を丸くするなか、御輿のうえでエンスは叫び、軍配を振るう。
『人々に笑顔！ 子どもには夢を！』
ついで軽やかに舞いつつ、エンスが軍配を振るう。
『空に咲き乱れるは、夢幻の桜吹雪！』
御輿のうえでエンスが軽やかに舞うたびに、軍配から色とりどりに輝く幻の桜吹雪が舞い起きる。
『さぁ、今日は祭りぞ！ このひとときを存分に楽しむがいい！』
それと同時に御輿からも色とりどりの桜吹雪が舞い上がる。
触れれば消えるその幻想の桜吹雪の中、シャマルを抱きしめたイルド操るボードが宙を舞い、さらなる吹雪を舞い上げる。
「しっかり掴まってくださいよ！」
イルドはシャマルを抱きしめて空を翔け。
「はい！ イルド君！」
シャマルはイルドの顔を見つめて笑顔。
「ちょお待ちぃイルド君！」
はやてたちはそれを追って空を舞い。
「行けよイルド！ 思いのままに！」
エンスは夢の桜吹雪を舞い起こす。
いまだ機動六課の日々は平穏を告げず、人々は走り続ける。
◆後書き◆
皆様、お付き合いいただきありがとうございます。
これにて“ＴＡＧ”は完結となります。
拙い作品を快く展示してくださったリョウ様と、読んでくださった方々や応援をしてくれた皆様、本当にありがとうございます。
今回の話は…もはや語る必要はないですね。
ゴールしても新たなゴールに向けて走り続けたいですね。
イルド、やっと告白。でも保留。頑張れ！
ちなみにこの後、捕獲されたイルドは正座させられて、はやてとリインのダブル説教を食らい、それをシャマルがフォローする光景が六課で見られたのであった。
エンス、やはり某オクラ状態。でもこれが素なんです。諦めよ。
咲希、フラグ発生？ でも朴念仁だしな。これからもマイペース。
それでは拍手返信ー。
※エンスが真面目な時はまだしも猫かぶってる時はギアスのロイドしかイメージ
できませんでした
はい、その通りです。猫かぶりエンスのイメージは、まんまあの人です。あの手の科学者は大好きです。
しかし、エンスは何を思ってあんなキャラを演じたのか不明。やはり変人の考えることは凡人には理解できないと言うことですかね？
※本編の魔力至上主義はどうかと思ってたものでこういう話はとても楽しいです
ただ、イルドが一応主人公とあったがどうしてもそうは見えない私。エンスが主
人公に見えますねぇ
やはり常識人過ぎると変人（エンス）の影に隠れてしまうか！
まぁ、この「ＴＡＧ」はあくまで技術部の三人が主役扱いで、そのなかで主役っぽいのをあげたら『イルドじゃないの？』ていう程度ですから。だから『一応』がついてしまう。
でも確かにイルドは地味ですよねー。第八章ではエンスが主役にも思えるしー。
※エックスです。イルドとシャマルの恋模様、楽しみに読んでいます。
ところで、文中の「リオン・マグナス」とは、まさかデスティニーの彼ですか？
というかそうとしか読めませんｗだとしたら別の意味で楽しみです（黒笑
二人の恋模様は、最後までイルドの片思いで行きました。多分、この二人ではこんな感じになるだろうなと思っていたので。
あとマグナスさんたちの元ネタは違います。ぶっちゃけ名前考えるの面倒だから、好きなアメコミ作品やゲームなどから拝借しました。
いま思えば全部アメコミ縛りにしても良かったかも。
※KKさんの小説読みました。おもしろい。一言です＞＜ｂ頑張ってください
※次も楽しみにしてますので頑張ってください
最後まで頑張りました！
この最終話を楽しんでくださると嬉しい限りです！
最後にもう一度あらためて。
皆様、お付き合いいただき本当にありがとうございました！
◆◆◆◆◆◆ ？？？ ◆◆◆◆◆◆
その後の第十三技術部の面子はというと。
「イルド君のお料理教室ーぱちぱちぱちぱちーー」
「どんどんぱふぱふー」
「なぁ、ルールー。別に付き合わなくても良いんだぜ…？」
ウサギ柄エプロン姿のイルドが、ルーテシアたちと一緒にお菓子作りに挑戦したり。
「ディードを医務室に連れて行く」
「ちょっと咲希さん!? さすがに俵担ぎは可哀想ですよ！ せめてお姫様だっこで！」
目を回したディードを無造作に肩に担ぎあげた咲希に、イルドが叫んだり。
「あきたー！」
「騒ぐなセイン。ほぅ…セッテは器用だな」
「…そうなのですか？」
何故かセインとセッテに手芸を教えるエンスがいたり。
「ドクター！ お早うございます！」
「……君もほんとうに変わった子だね」
暇があればイルドはスカリエッティのところに通っていたり。
ＪＳ事件後も、たぶんみんな元気です。
◆◆◆◆◆◆ Ｅｎｄ？ ◆◆◆◆◆◆